妖怪たち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/18 19:07 UTC 版)
のびあがり 本作中、初めて真一とイタチさんが戦った妖怪。ただ輪郭だけがぼんやりと浮かんだ人間のような形をしている。相手の視線を自分に固定させ、その対象がのびあがりを見上げれば見上げるほど巨大化していく。だが、「見越した」と一言言われるだけで消滅してしまう。一度消滅してから復活するには1週間ほどかかる。 学校の階段に住み着き、通りがかった生徒を気絶させるなどしていた。 小豆とぎ(あずきとぎ) 化学室に住み着いた妖怪。小豆を洗っているような音が聞こえるだけで実体はなく、また誰にも危害は加えない。 畳叩き(たたみたたき) ばたばたと、畳を叩くような音をさせる妖怪。学校の廊下に現れるが、姿がないため生徒たちには空耳として扱われていた。やはり、誰にも危害は加えない。 ヤカンズル 天井から、突然ズルッとヤカンが下がってくる妖怪。初めは真一も驚いていたが、今ではすっかり飽きられてしまっている。 片耳豚(かたきらうわ) 調理室に棲む、片耳だけの子豚の妖怪。本来の生息地は沖縄。股の間を潜られると、潜られた者は死亡する可能性もあるが、片耳豚自体が直径60cm近くあるので美術部員からは放置された。イタチさん曰く、「悪い気はしなく、可愛かった」。 野襖(のぶすま) 真一曰く、「ムササビとモモンガとコウモリを足して3で割ったような」姿と大きさ。腹部には毛がなく、また口は耳元まで裂けている。羽ばたかなくてもひらひらと浮かぶことが出来る。人の生気や生き血、火の気を好んで食し、人間の顔に張り付いて窒息させようとする。 顔に張り付いたところを、お歯黒を塗った歯で噛み付かれるのが弱点。 牛鬼(うしおに) 西日本に広く分布した伝承を持つ妖怪。地域によってその姿が大きく異なり、学校の室内プールにはそれらの伝承を順番に変身して再現する特殊な物が現れた。 静か餅(しずかもち) 餅の粉をはたくような音がどこからともなくするだけの妖怪。無害。 天狗囃子(てんぐばやし) 祭りのお囃子のような音がどこからともなくするだけの妖怪。無害。 鬼(おに) 実体がなく、触れる事は出来ないが記録を残す事によって具体化する妖怪。御崎曰く「よくわかんないけど危なくて怖くて嫌な存在」であり、妖怪のアーキタイプの元。 天逆毎(あまのざこ) 鬼を無限に生産する事が出来る、神に近い妖怪。破壊行為を好み、パワー、スピートと頑強さに置いては無敵。小豆とぎや静か餅が神を迎える手順だと勘違いしたため出て来た。大祓の時間の止まった空間で再び顕現する。 辻神(つじがみ) 『通り物』や『魔』とも呼ばれる、ランダムに他人に取り憑き、滅茶苦茶に暴れさせるという、迷惑な妖怪。 実体が無いためイタチさんでも攻撃ができず、そのため真一が自ら取り憑かれる苦い体験を残した。 おとろし ただ鳥居の上に乗っているだけの基本的に害のない妖怪。 蟹坊主(かにぼうず) 黒い坊主の形をしていて、水辺に出る蟹の妖怪。話しかけた人間のみにクイズを出し、問題(蟹坊主の正体)を答えると巨大な蟹に戻って襲ってくる。伝説では旅の坊主が投げた宝具が突き刺さり、倒される。 ヒョウスボ / ヒョウズンボ 河童の一種で、冬になると河から離れ群れで山へと移動する。その際、皮膚から茶色い毛が生えて山童へと変化する。季節の応じて別の妖怪へと変る妖怪でもある。「ヒョウヒョウ」と鳴き、頭の皿を奪うと実体化出来なくなるまで弱る。 管狐(くだきづね) 狐の怪異の一種。白い毛の房に手足を生やした格好をしている。 甘酒婆(あまざけばばあ) 玄関から入り、「甘酒はござらんか」と聞く老女の妖怪。あると答えてもないと答えても、熱病にかかる。 ミカリ婆(みかりばばあ) 玄関などに立っていて、戸を開けた者の目を毟り取ろうとする一つ目の老女の妖怪。方眼紙を見せれば帰る。 納戸婆(なんどばばあ) 納戸(ロッカーでも可)に出現して奇声を上げる白髪の老女の妖怪。箒で叩けば、いなくなる。 猿神・狒狒(さるがみ・ひひ) 神の名を騙り、生け贄を大晦日に要求する猿の妖怪。特に神ではないが、様々な種類の猿の怪異が混ざり、巨体と心を読む力を習得する。「しっぺい太朗」と呼ばれる犬を恐れ、奈良山と過去数回対峙した模様。その際の生け贄は新井の祖母。 猿神(さるがみ) 猿神・狒狒の下っ端。「群れる猿」の概念が具体化したため、頭目が死なない限り消えない。体長は2m近くある。 夜行さん(やぎょうさん) 大晦日の深夜に首切れ馬に乗って徘徊する一つ目の長髪の鬼。夜行さん自体は何もしないが、首切れ馬は立ちはだかる者を問答無用で蹴り殺す。 火取魔(ひとりま) 光を奪って暗闇を作る妖怪。現象タイプで、明確な形はない。主な撃退方法は光を餌に、定住している位置から剥がす事。光を取る以外に被害はない。 天邪鬼(あまのじゃく) 人の感情を逆撫でして喜ぶ悪趣味な妖怪。攫った女の子の衣服を奪って本人に成り代わる。機嫌を損ねると大暴れするが、ゲーム好き。様々な伝承があるが、本作では攫ったイタチさんを人質として美術部に挑んだ。真一には変装を一発で見破られる。 野槌(のづち) 先端に牙の生えた口を持つ、蛇のような形をしている妖怪。ツチノコに酷似している。 迷い家(まよいが) 入って来た者を閉じ込める空間型の怪異。内部は昔の家に似た風景で、囲炉裏や畳などがある。本来は山などで迷った時に出現する一軒家。中から持ち帰った物は使用者に福を与える。 老鼠(ひつねこ) 足下から這い上がって、金縛りを掛ける鼠の妖怪。黒い体に黒い目をしていて、一旦金縛りを掛けたら自由に逃げ回れる。 ダイバ 家畜を襲う害獣の妖怪。 ゲドガキ 子供を怖がらせる、人食いお化けの妖怪の一種。 白澤(はくたく) 皇帝や将軍などに知識を与える霊獣の妖怪。カモシカに類似した体を持ち、獅子のたてがみ、人の顔、額の角が2本、眉間に第三の眼、さらに両脇腹に3つずつ眼を持つ。怪異の百科事典とも呼ばれ、妖怪について完璧な知識を持たなくてはならないという原則がある。そのため人に取り憑き、「白澤図」と呼ばれる妖怪収納本を持たせ「サンプル」を収集させる。見ただけで魔除けの効果が発揮される。稲葉先生の逆鱗に触れ、倒される。 しょうけら 他人の生活を一方的に監視する妖怪。元々は人の悪事を神に告げ口する存在だった。黒い体を持ち、両眼は深海魚のよう光を放つ。壁に張り付いたり、鋭い爪で若干ながら攻撃が出来る。 袋担ぎ / 袋下げ(ふくろかつぎ / ふくろさげ) 常に担いでいる袋の中に人間の「存在」を隠し、捕われた瞬間を見た者を除いた全ての人間の記憶からその人間を消す狸の妖怪。熊のようずんぐりした体型、古風な旅人の衣装と巨大な袋を担ぎ、人を襲う。姿を自由に消すことが出来、「神隠し」の具体化でもある。妖怪や妖怪混じりは襲わず、純粋な人のみを襲う。 バタバタ 騒音を作り出す妖怪。放置すると、更なる問題を起こす。 蟇(わくど) 虹色のガスで菓子を引き寄せる蛙の妖怪。体長は2m以上あり、岩の擬態や菓子好きなどといった蛙の怪異ならではの個性がある。ヒキガエルの形をしている。息を耳に浴びると、耳から甘酒が生産される。 付喪神(つくもがみ) 大事に使われていた、あるいは古い道具が具体化し、自由に移動したり人の心に語りかける事が出来る怪異。ある程度の自由意志を持つ。 蚊帳吊狸 / 蚊帳吊り狸(かやつりだぬき) 布のよう生地が道などを塞ぐ怪異。その生地をくぐり抜ける事は出来るが、異空間へと連れて行かれる。落ち着いて36枚捲れば元の場所に戻れる。 髪切り(かみきり) 人の髪を切り喰い、生気を奪う妖怪。人の形をしていて、両手には鋏、丸い腹、短い足、顔の真ん中に嘴と大きな眼を持つ怪人。妖怪の髪の毛を食べる事によって普段の数倍の力を得る。 二恨坊の火(にこんぼうのひ) 人面を持つ火の玉。主に3月から7月に飛ぶ。 恙虫(つつがむし) 昆虫型の吸血妖怪。丸い体には黒い甲羅と無数の足、そして一対の牙がある。群れで人の血を吸い、本人に気づかれない位しか吸わない。大きさは野球のグローブ程度。 ぬっぺっぽう 餅のよう形をしている妖怪。主に墓場に出る腐肉の妖怪とも言われる。長身で顔や手足がない。鱗曰く「餅みたいで美味しそう」。 太歳(たいさい) 不安定の塊で、ぬっぺっぽうに外見が似ている妖怪。大陸に生息していて、一定の周期で地下を高速移動する。「ひとたび食せばあっという間に剛力無双」と言われているが、妖怪には効果がない。 悪魔ヶ風(あくまがかぜ) 悪寒や発熱、目眩などの体調の悪化を引き起こす風の妖怪。特定の日に吹けば「精霊風」や「幽霊風」とも言われる。本来は一過性の妖怪。 風の神(かぜのかみ) 悪魔ヶ風を吹き出す妖怪。細長い顔の老人の姿をしている。五行の土属性で、木材や風切り鎌などに弱い。 雲外鏡(うんがいきょう) 妖怪などの正体を現す、鏡の妖怪。放った光で妖怪の力を押さえる照魔の力がある。 塵塚怪王(ちりづかかいおう) 古道具系の妖怪の元締めの妖怪。付喪神を目覚めさせる能力がある。巨大な付喪神の集まりから出来た怪人。 一目鬼(ひとつめのおに) 文献上、初めて人を喰った鬼。一つの眼と、大きな背丈を持ち、鬼=人食い巨人というイメージの原点。 牛蒡種(ごんぼだね) 資質を持った術者に依存する、一種の術式。元々密教の使役者『護法実』が監視と拘束に特化したもの。ウネウネと長い体で縛り、その先端にある目で監視する。常に75匹を保つ。 画霊(がれい) 絵の中に存在する絵描きの残留思念。無意識に波長が合う者を絵の中に引きずり込むが、入ってから出て来るまでの時間が短縮される。その多くは自我を持たないが、稀に強い思念が自我を持ち絵の中に人を閉じ込めて退屈を凌ぐ。脱出方法は絵の『世界』の中で、絵の全体像が見える所に立ち『自分は絵の世界に居るのではなく、この絵を見ているんだ』と暗示する事。 布団被せ(ふとんかぶせ) 自分に近づいた物体に本能的に『被さる』妖怪、あるいは怪異。自我は無く、通常は一定の位置に定住するため害はない。20 - 30分被さったら、物体を逃がす。 人狼(ワーウルフ) 13世紀をピークに顕現していた半人半狼の妖怪。大柄な体、鋭い爪や牙と凶暴な性格を持つ。銀の弾丸で死滅する。 機尋(はたひろ) 黒い布の形状をした、邪心と嫉妬の妖怪。浮気して帰らない夫を思いながら織った機が蛇の姿になり夫を探しに行く、執念と邪心のこもった蛇の怪でもある。作中では多々羅木家当主が化け猫を妻に選んだ事に嫉妬した元妻の怒りと嫉妬が、機尋を顕現させた。多々羅木家の者を見つけると絞め殺し、邪魔する者にも危害を加える。 白坊主(しろぼうず) 浮遊能力を持つ、狸の妖怪の一種。地方によって正体や姿、行動に幅が出るが作中では寺林(化け狸)が作った白い浮遊する玉状の妖怪。これを通して会話する事が出来るが、寺林曰く大量の妖力が生成に必要らしい。本来は大きいが、本作では寺林の力不足により卵程度の大きさしかない。真一曰く「フライング茹で卵」。 手杵返し(てぎのがえし) 一定の道を爆走する、丸い妖怪(怪異)。1年の中で一定の期間のみ顕現し、道に奇妙な足跡を付けて転がる。体長2m近く、丸い形で表面に杵や槌のような出っ張りがあるが、常に転がっているため細かい見た目の記述は無い。御崎曰く、「槌転びの親玉」。 シタガラゴンボコ トイレに現れお尻を撫でる手の妖怪の総称。 覗き込む女(のぞきこむおんな) トイレの個室を順番に覗き込み、助かったと油断したら『見ーつけた』と殺す。ユーリの小型ミサイルによって撃退される。 人体模型(じんたいもけい) 鱗に塩酸をかけられた。見掛けに反して強い。 付紐小僧(つけひもこぞう) 子供を山に迷わせる。 八面王(やつらおう) 八つの頭を持つ大蛇とも猿とも言われる妖怪、御崎曰く八岐大蛇の原型若しくは派生版であるらしい。肝試しに使った廃校近くの祠に封印石の1つが置いてあった。伝承のほとんど残っていない古代の妖怪ゆえに封印が解かれても顕現するには時間がかかる。 神との戦いに備えて、事前に絵に描いて置くことで姿を定め、顕現するまで時間を省略した(絵を描いたのはプロの画家であるニコ)。その際、御崎が情報提供と自身の大量の意見を加えアレンジしていったので、そのイメージで補強された形となっており、御崎の意思で動くようになる。ニコが絵にする際に八面王の情報だけでは足りなかったため、関連要素として八面王と同様に神に滅ぼされた者達(夜刀神、土蜘蛛、荒吐、両面宿儺、悪路王、ミシャグシ神、八握脛)の要素も使われており、神に対する怨念そのもの。縄文式火焔キャノン、土蜘蛛誘導弾、大丈バスター等と名付けられた炎や雷を首から吐き出す。浄化の光対策に首1本を犠牲にする夜刀バリアーを使う(首は新しく生えてくる)。 黄泉軍(よもついくさ) 鶺鴒に呼び出された黄泉の国の兵士。神の定めた禁忌を破った者を追って罰する。 天吊るし(てんつるし) 天井から赤ん坊のような気配が降りてくる妖怪。鳴女と一体化した状態で現れた。 ぬらりひょん 海に浮かぶゴムボールのような妖怪。 船入道(ふねにゅうどう) 正体について疑問を口にした者が乗る船を沈める海坊主の一種。 鵺(ぬえ) 巨大な木造船の舳先に獣の上半身が生えた姿をしている。口から雷雲を吐き出す。 宝螺抜け(ほらぬけ) 長生きしたホラ貝が龍になり、天に昇る儀式。 覚(さとり) 長い髪に大きく裂けた口の人型の妖怪。人の心を読む。 袖もじき(そでもじき) 通りすがりに大事なものを奪う妖怪 金霊(かねだま) 赤い貯金箱の中に十二単の女性が入っている。自力で稼いだお金を100万円分入れることで貯金箱から飛び出し、金運を授ける。 ダリ 別名『餓鬼憑き』、あるいは『ヒダル神』。人に取り憑いて猛烈な空腹感を引き起こす。着ている物を1枚脱ぐか、手の平に「米」と書いてそれを舐めることで撃退できる。 黄粉坊(きなこぼう) 怪獣の頭部のような妖怪。漠然とした敵意のみを持つ。 オボ 薄ぼんやりとした暗い色の小動物の妖怪。目の前に突き出された足に反射的に飛びつく。 山地乳(やまちち) 野襖が成長した妖怪。寝ている人間の枕元に現れ、寝息を吸って胸を叩いて去っていく。被害者は死んでしまうが、一部始終を他人に目撃されると、逆に寿命が延びて健康になる。 オハチスエ 錆びた刀を振り回す獣人の姿の妖怪。 活人形(いきにんぎょう) 人形が自我を持って動き出した妖怪。モデルの特性に合わせた姿と行動をとるが、真一とイタチさんが遭遇したのは『誰でもない』ことが目的のマネキンだったので、相手の記憶を頼りに誰にでも変身する妖怪になってしまった。 寒戸(さむと) 実体の無い現象タイプの妖怪。出入り口を媒介にして二つの異なる時空間を繋げる。 影鰐(かげわに) 二次元の体を持つ妖怪。影に食らいつくことで、影の持ち主の全ての行動を禁じる。
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妖怪たち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/21 01:27 UTC 版)
最終回で萬々が自ら鎮宝庫を破壊したため、壷が壊され開放された妖怪たち。全てなぜか十二支に因んだ犬、鳥、羊、蛇、兎、牛、鼠の獣人風の妖怪。鳥(ニワトリ)の妖怪は眼鏡をかけており、『つっぱり桃太郎』のキジに似ている。そして最後に開放された太郎が猿の妖怪という法則が出来、物語は唐突に終わる。
※この「妖怪たち」の解説は、「珍遊記2」の解説の一部です。
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