迷い家
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迷い家(まよいが、マヨイガ、マヨヒガ)は、東北、関東地方に伝わる、訪れた者に富をもたらすとされる山中の幻の家、あるいはその家を訪れた者についての伝承の名である。この伝承は、民俗学者・柳田國男が現在の岩手県土淵村(現・遠野市)出身の佐々木喜善から聞き書きした話を『遠野物語』(1910)の「六三」「六四」で紹介したことにより広く知られるところとなった[1]。
- ^ 佐々木赳人 2011, p. 177.
- ^ a b 佐々木鏡石 & 柳田国男 1910, p. 50.
- ^ 佐々木赳人 2011, p. 184.
- ^ 佐々木赳人 2011, p. 179.
- ^ a b 佐々木赳人 2011, p. 183.
- ^ 佐々木鏡石 & 柳田国男 1910, pp. 48–50.
- ^ 佐々木鏡石 & 柳田国男 1910, pp. 50–51.
- ^ 佐々木赳人 2011, p. 178.
- ^ 佐佐木喜善 1931, pp. 451–452.
- ^ 柳田国男 1934, p. 264.
迷い家
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あまりに身勝手な主人の許を渡り歩いた結果、人間たちを見限った付喪神たち。迷い家に匿ってもらうことで、所有者たる人間から霊力の供給は受けられなくても辛うじて人の姿を保っていられる。ただそれにも限りがあり、命を失わないためにも、また仲間たちを守るためにも「おのごろ祭り」を行うことを目指し、怪異を用いて騒動を引き起こしている。ミウラヒの号令により迷い家ごと一斉に上岡へと侵攻を開始するも作戦は失敗に終わり、あきと、あるみら生き延びた者は命の保証を受ける条件で神側に投降した。その後は斑井の意向により全員つづら殿で軟禁されていたが、のちに解放され新しい所有者候補との引き合わせも行われている。 安次峰 あきと(あしみね あきと) 声 - 坂田将吾 鋏の付喪神。武力に長けている。「おのごろ祭り」を行うことを狙い、今”最も力が弱まっている”とされる土地神・くくりを討伐するため現世に現れた付喪神たち四人組のリーダー格。〔あまそぎ〕を意図的に暴走させることが出来る。本来は雑貨であるあきとの力は武器の付喪神には劣るが、義妹のあるみの未来予知と組み合わせることで高い戦闘力を発揮する。「鋏」としての特殊能力である「縁斬(えんきり)」と呼ぶ攻撃無効化能力を持つ(ただし、一度使うとしばらくは使えない)。 「おのごろ祭り」を行うまでは上岡東中学校の男子生徒に扮していただけでなく、一也らのクラスメイトとして一也・桐葉らの行動を監視していた。ただ、一也たちとは極力接触を避けていたため、桐葉はあきとがクラスメイトだったことに気付いていなかった。 街中のゲームセンターで発生した〔あまそぎ〕に巻き込まれた際に、みまねがつぐももであることが一也と桐葉にバレてしまったことから、それ以上の深堀りをされるのを防ぐため、それからは止むを得ず表向き『みまねの所有者』として振る舞った。また、不本意ながらみまねとともにお悩み相談室のメンバーにも加えられてしまった。 ミウラヒが死に、椀爺の体調が悪いことなどもあり、迷い家がつづら殿預かりになってからは、付喪神達の代表として人間達との交渉に当たっている。一也とはつづら殿で再会した際に、自らの正体と真の狙いを明かした。 斑井の反乱が終わった後は二印のすそはらいである日出小城ひじりと組んでおり、ひじりに使ってもらえて調子がいいらしい。 安次峰 あるみ(あしみね あるみ) 声 - 杉山里穂 水晶玉の付喪神。水晶玉を用いて、未来を占うことができる。長期・長距離の予知は確率が低下する が、近距離・短時間ならほぼ完全な「先読み」が可能。 あきととは同じ蔵で生まれ、同時に付喪神に昇華したため義兄妹の関係にあるが、あきとのことを義理の兄以上に意識している。また、みまねからは日常的に重度なセクハラを受けている。 「おのごろ祭り」を行うまではあきとの妹として、上岡東中学校の女子生徒に扮していた。水島みつりと真中まなの怪異の話では、男子トイレで一也の前に現われ、怪異のヒントを伝えた(原作のみ)。一也からすれば、水島みつりと真中まなの双方を救うことができたが、実際はみつりがまなに殺されるよりも結果的に呪詛を振りまくことになった。 失敗に終わった「おのごろ祭り」のあと神側に投降し生き延びたが、つづら殿に着いてから斑井により傀儡帯で強制的に拘束、使役された。のち九殿武闘会で一也ら親付喪神派が勝利したことで解放されたが、あきととは異なり新しい所有者は決まっておらず、暫定的に央姫が仮の所有者となっている。 八津川 やすき(やつかわ やすき) 声 - 菊池幸利 弓の付喪神。あきと同様、攻撃力は高い。迷い家の門番でもあり、最初、迷い家に辿り着いたあきとたちに対して、情報漏洩(と、みまねに対しての悪影響)を恐れて亡き者にしようとした。あきと曰く「単なる過保護」。無口であまり発言をしないため、何を考えているかはよくわからない。 「おのごろ祭り」を行うまでは上岡東中学校の男子生徒に扮していた。 投降後、つづら殿で封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられる。 美鷹 みまね(みよう みまね) 詳細は美鷹 みまねを参照 響華(きょうか) 詳細は響華を参照 糸信(しのぶ) 詳細は糸信を参照 そそぐ 詳細はそそぐを参照 あざみ 詳細はあざみを参照 ミウラヒ 声 - 露崎亘 迷い家の所有者だが、自らがその迷い家の付喪神でもある。命を保つため、自身同様に所有者のいない付喪神たちを迷い家に匿っている。 付喪神たちに霊力を供給するため土地神の「石片(かけら)」を自ら身体に宿して神となったが、普段はその「石片」の暴走を抑えるため自ら意識を絶ち、即身仏と化している。 だが、その「石片」の効力も弱まってきたことで、迷い家の付喪神の中には命を落とした者だけでなく、人喰いに走る者までも現れ出したことから、最後の賭けとして元の姿に戻り上岡への侵攻を開始するも、あざみによる背後からの不意打ちで「石片」を奪われて死亡した。 丹面(たんめん) 声 - 宮崎敦吉 椀の付喪神。迷い家の長。周りからは「椀爺(わんじい)」と呼ばれている長老。あきとらを迷い家に呼び寄せ、そして呼び寄せた真の理由を告げる。 みまねが持つ「既視面鏡」の能力で入浴中のあるみらの裸を見て喜ぶなど、結構スケベ。長老の立場ながらその行動を諌めるため、周りからよく制裁を食らっている。 投降後、つづら殿で封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられるが、霊力が弱まっており身体がかなり衰弱している。 右晶、左晶(うらら、さらら) 靴の付喪神。丹面の左右に控えているお付きの女性。丹面がスケベな行動に出ると、遠慮なく真っ先に制裁を食らわす。ほのかとの戦いでは蹴り技を使い、2人でのコンビネーションによる攻撃で一気に畳みかけようとした。 投降後、つづら殿で封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられる。 千影(ちかげ) 声 - 矢方美紀 槍の付喪神。女武者で、常に甲冑の出で立ちをしている。若々しい外見に反し、迷い家では最古参であり、かつて土地神・磐長姫を討ちとった際、選りすぐりの付喪神108人の中で生き残ることができた3人の中の1人でもある。あきととは稽古や相談を受けるなど姉御肌的な存在だが、未だ一度足りともあきとが千影に勝利したことは無いほどの実力者。面倒見のいい性格で、またその武勇には尊厳を抱かれている。あざみ捕獲の際にも活躍した。 投降後、つづら殿で封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられる。 三条 杖の付喪神。土地神・碧長姫を討ちとった際、選りすぐりの付喪神108人の中で生き残ることができた3人の中の1人。 頭を丸めた僧侶のような風貌で、糸信と共に右手最前列に就いている。 心昭 木槌の付喪神。常に微笑みをたたえた褐色の大男。あざみ捕獲の際にも活躍した。他の付喪神3人を軽々と押さえつける剛力の持ち主。 投降後、つづら殿で封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられる。 男十郎、切姫 男十郎は独楽の付喪神。切姫は小刀の付喪神。迷い家から供給される霊力の不足が進行し、人の姿を保てなくなってしまい原型へと還った付喪神。 玄斧(げんぶ) 声 - 浜田洋平 斧の付喪神。迷い家の限界が近いことから、土地神襲撃の時期を待つことに痺れを切らし、独断的に襲撃を敢行したグループの実質的リーダー格。 豪胆な大男で、あきととも互角に戦う実力者。くくりを守ろうとした黒耀に4人がかりで重症を負わせた。仲間の付喪神たちが次々倒れていくことに心を痛めるなど、仲間想いな面を見せるが、あきとは好きになれなかった。 朱紋橋(しゅもんばし) 橋の付喪神。女性。掌支承(たなししょう)「心渡(こころわたし)」という技で、相手の心の中を見ることができる。そして、それを第三者に見せることもできる。 投降後、つづら殿で封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられる。 扇雅、盾合 声 - 美斉津恵友(扇雅)、菊池幸利(盾合) 扇雅は扇の付喪神。盾合は盾の付喪神。土地神襲撃に加担した付喪神で、いずれも男性。くくりに執着する金山たぐりと二対一で闘うが、一通り力を見られた後、無傷のまま焼き払われ死亡、原身に戻る。 三十郎 轆轤の付喪神。土地神襲撃を訴えていた代表格の玄斧たちが迷い家から離脱したことによって、本来抑えていた急進派が一斉蜂起し、人を喰らい始める。 人を喰らったことで大幅に力を得た一方で、自我を失った妖魔と化した。三十郎もあきとたちの留守中に迷い家の仲間たちを20人殺害する。 ぐらもん、ふしみつ、つちしろ ぐらもんは蓄音機の付喪神。ふしみつは画筆の付喪神。つちしろは植木鉢の付喪神。九殿武闘会にて隷付喪神派から傀儡帯によって「隠し玉」として酷使された付喪神。いずれも結果的に破壊され付喪神としての命を落とす。
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迷い家(まよいが)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/18 19:07 UTC 版)
「ほうかご百物語」の記事における「迷い家(まよいが)」の解説
入って来た者を閉じ込める空間型の怪異。内部は昔の家に似た風景で、囲炉裏や畳などがある。本来は山などで迷った時に出現する一軒家。中から持ち帰った物は使用者に福を与える。
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