迷い家とは? わかりやすく解説

迷い家

作者和城弘志

収載図書海の落とし子和城弘志小説集
出版社青森県文芸協会出版部
刊行年月1993.2
シリーズ名あおもり選書


迷い家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/02 00:16 UTC 版)

遠野ふるさと村、迷い家をイメージした「マヨイガの森」の「マヨイガ橋」

迷い家(まよいが、マヨイガ、マヨヒガ)は、東北関東地方に伝わる、訪れた者に富をもたらすとされる山中の幻の家、あるいはその家を訪れた者についての伝承の名である。この伝承は、民俗学者・柳田國男が現在の岩手県土淵村(現・遠野市)出身の佐々木喜善から聞き書きした話を『遠野物語』(1910)の「六三」「六四」で紹介したことにより広く知られるところとなった[1]

『遠野物語』によれば、迷い家とは訪れた者に富貴を授ける不思議な家であり、訪れた者はその家から何か物品を持ち出してよいことになっている[2]。しかし誰もがその恩恵に与れるわけではなく、「六三」は無欲ゆえに富を授かった三浦家の妻の成功譚となり、「六四」は欲をもった村人を案内したせいで富を授かれなかった若者の失敗譚を描いている[3]

また語源や表記については、「マヨヒガ」とは遠野での呼称であることが『遠野物語』および佐々木喜善の著作「山奥の長者屋敷」(1923『中学世界』に掲載)に記されている[2]。これをもとに現在のさまざまな文献では現代仮名遣いに改めた「まよいが」や当て字の「迷い家」などと表記されている。

「迷い家」伝承

「迷い家」伝承の筋は柳田國男の『遠野物語』のテキストを元にしたものが多い。しかしその他にも『遠野物語』の情報提供者である佐々木喜善自身が綴ったテキストや、どちらにも取り上げられなかった地元の伝承など、細部の異なる話もまた存在している[4]

柳田國男の「迷い家」

現在よく知られるバリエーションは『遠野物語』の「迷い家」である。これは佐々木喜善から聞き書きされたものであるが、聞いたままの話ではなく、柳田により手を加えられた部分も少なからず存在する[5]

『遠野物語』

六三 小国の三浦某と云ふは村一の金持なり。今より二三代目の主人、まだ家は貧しくして、妻は少しく魯鈍なりき。この妻ある日門(カド)の前を流るゝ小さき川に沿ひてを採りに入りしに、よき物少なければ次第に谷奥深く登りたり。さてふと見れば立派なる黒き門(モン)の家あり。訝しけれど門の中に入りて見るに、大なる庭にて紅白の花一面に咲き多く遊べり。其庭を裏の方へ廻れば、牛小屋ありて牛多く居り、馬舎ありて馬多く居れども、一向に人は居らず。終に玄関より上がりたるに、その次の間には朱と黒との膳椀あまた取出したり。奥の坐敷には火鉢ありて鉄瓶の湯のたぎれるを見たり。されども終に人影は無ければ、もしは山男の家では無いかと急に恐ろしくなり、駆け出して家に帰りたり。此事を人に語れども実と思う者も無かりしが、又或日我家のカドに出でゝ物を洗ひてありしに、川上より赤き椀一つ流れて来たり。あまり美しければ拾ひ上げたれど、之を食器に用ゐたらば汚しと人に叱られんかと思ひ、ケセネギツ(雑穀を収納する櫃)の中に起きてケセネを量る器と為したり。然るに此器にて量り始めてより、いつ迄経ちてもケセネ尽きず。家の者も之を怪しみて女に問ひたるとき、始めて川より拾ひ上げし由をば語りぬ。此家はこれより幸運に向ひ、終に今の三浦家と成れり。遠野にては山中の不思議なる家をマヨヒガと云ふ。マヨヒガに行き当りたる者は、必ず其家の内の什器家畜何にてもあれ持ち出でゝ来べきものなり。其人に授けんが為にかゝる家をば見する也。女が無慾にて何物をも盗み来ざりしが故に、この椀自ら流れて来たりしなるべしと云へり[6]

六四 金沢村は白望の麓、上閉伊郡の内にても殊に山奥にて、人の往来する者少なし。六七年前此村より栃内村の山崎なる某かゝが家に娘の聟を取りたり。此聟実家に行かんとして山路に迷ひ、又このマヨヒガに行き当たりぬ。家の有様、牛馬鶏の多きこと、花の紅白に咲きたりしことなど、すべて前の話の通りなり。同じく玄関に入りしに、膳椀を取出したる室あり。座敷に鉄瓶の湯たぎりて、今まさに茶を煮んとする所のやうに見え、どこか便所などのあたりに人が立ちて在るやうにも思はれたり。茫然として後には段々恐ろしくなり、引返して終に小国の村里に出でたり。小国にては此話を聞きて實とする者も無かりしが、山崎の方にてはそはマヨヒガなるべし、行きて膳椀の類を持ち来り長者にならんとて、聟殿を先に立てゝ人あまた之を求めに山の奥に入り、こゝに門ありきと云ふ処に来れども、眼にかゝるものも無く空しく帰り来りぬ。その聟も終に金持になりたりと云ふことを聞かず[7]

佐々木喜善の「迷い家」

『遠野物語』のほか佐々木喜善が自ら綴ったものもある。彼は「山奥の長者屋敷」(1923『中学世界』)、「隠れ里」(1931『聴耳草紙』)と題して二種の「迷い家」を発表している。これらはどちらも金沢村出身の若者を主人公にしていることから、『遠野物語』「六四」と同根の話であると思われる。しかしこちらの方が若者の人物像や迷い家に至るまでの描写が克明に描かれている[8]

「山奥の長者屋敷」『中学世界』

次には、矢張り桐の花と関係ある隠れ里(土地ではマヨヒガ)の話をしませう。

金沢村(上閉伊郡)の産でだといふ若者(二十四五歳位)が私の家の近所に聟に来ました。それは四五年前のことなのですが、此の若者がどうも生れつき少々小足りない方なので、私が村に一年ばかり居つて離縁され、今では同じ土淵町の中ですが、字が違ふ所に復入聟して居ります、其の男の物語つた話。

「己ら家は昔から狩人筋であつたのだから、己なども十四五の時から山さ行つてた。祖父も親父も立派な鉄砲を持つてゐたのし、その鉄砲こそお前様に見せたい程のものだ。(斯う言つて彼は得意そうに微笑しました。)己まだこちらさ来ねえ時、一人で白見山さ行つたことがあつたつけ。さうすると彼の南向きのある洞を遠くから眺めて見ると、なんだが霞でもうからむやうに美しい花こが咲き群がつて見えるものだから、可怪しく思つて其れを目的に行つて見れば、其処はなんともかんとも言はれない酒張とした所で、大きな岩が立つてゐて、其の岩の小穴から綺麗な水が湧てゐた。そして其の湧水のほとりに赤く塗つた桶があつたから、これは此の辺に人の家でもあるべかなと思つて、岩をめぐつて少しばかり行つて見ると、大きな黒い門がありますけ。可怪しく思つて其の門から入つて行くと、赤い鶏がたくさん遊んでゐたり、片方の厩には、青馬だの栗毛だのゝ馬がゐる、そして大きな構への家があるものだから玄関から上つて見たが、人が誰も居る気振りもない。四辺があまりに立派なものだから家のなかを彼方此方を歩き廻つて見ますとな、赤いまうせんを敷いた座敷があつて、其処には唐銅の火鉢に火がおきて鉄瓶が懸つて湯がたぎつてゐたところもあればまた客来様もあるものと見えて朱膳朱椀が多勢前揃へ並べられてある座敷もありますけ。己はあまり見てゐて、其の家の人達になど見付けられたら盗人だべと思はれべえと思つて、どこか其所を出はつて庭さ出ると、前の鶏どもが驚いて其処らを飛び歩くから、己は門から出て此処闇と遁げて来ました。さうするといつの間にかいつも通つて知つてゐる路のとこにさ出てゐましたつけ。

それから、ひょつと彼れは泥棒の棲家ではないかと思つたから、追手のかゝらねえうちにと一生懸命に走せて人里の方さ還つて、そして家さ来て其の話をすると、みんなは何のことだ其れはマヨヒガと謂うてお前に運を授けるところだつたものを、なんたらお前はよくよく運のない奴だ。何故其所から椀か鶏か馬か何んでもよい、一つ持つて来なかつた。なんたらあつたらことをした。さあ今一かへり此れから其所に歩べと言われて、此度は家の人達村人だの多勢で行つて、其処を尋ね探して見たがどうしても見つからなかつた。

お前は此の辺から、かうして向うの洞を見た時その花群が見えたのか、なんて木さ登つたり岩さ上つたりして眺めて見ても、もうそんな山も洞も見えればこそ、みんなには何トボケてけつかる。此の小馬鹿の話を真にして来たばと言つて皆は笑ふし、己もさう言はれると夢見たやうな心持だつた。」

「あゝあゝ、真に己ら言ひ落としたが、其の家のある桐の林には一面に桐の花が咲いたり散つたりしてゐたつけ」と其の若者が言ひました。極く近頃に聞いた話です。

「隠れ里」『聴耳草紙』

シロミ山の「隠れ里」のことは「遠野物語」の中にも出て居るが、あれとは亦別な話をして見やう。此山の東南の麓の金沢と云ふ村に某と云ふ若者があつた。此男或時山へ行くと、どの辺の谷の奥果であつたか、とにかく未だ嘗つて見たことも聞いたこともない程大きな構への館に行き当つた。其家のモヨリは先づ大きな黒門があつた。その門を入つて行くと鶏が多く居た。それから少し行くと立派な厩舎があつて其中には駿馬が六匹も七匹も居た。裏の方に廻つて見ると炉には火がどがどが燃えてをり、常居へ上ると其所には炭火がおこつて居る。茶の間には何かのコガ(大桶)があり、座敷には朱膳朱椀が並べられて、其次の座敷には金屏風が立て廻されて、唐銅火鉢に炭火が取られてあつたが何所にも人一人居なかつた。さうして見て歩るくうちに、何となく恐ろしくなつて其男は逃げ帰つた。

(その男は少々足りない性質であつた。村の和野の善右衛門と云ふ家へ聟に来たが、或年の五月に田五人役とかで灰張りへ遣ると、一番上のオサの水口へ、五人役振りの灰を山積さして置いて来た。どうしてそんな事をしたと訊くと、なあに上のオサの水が、五人役の田にかゝるべから、同じ事だと言つたので離縁になつた。)

(此話は其男の友人の村の百姓爺の大洞万三丞殿から聴いたものであつた。)[9]

その他の「迷い家」

柳田・佐々木両者の書き記したもののほかにも「迷い家」伝承が土淵町琴畑部落に存在することは、遠野市出身の民俗学者・菊池照雄が指摘している。彼によれば「遠野から白見山をめざすときには、土淵町琴畑がその入口となるが、琴畑川の川上から巨大な桐の花や椀が流れて来るので、不思議に思った村人が川に沿って奥山に至り、マヨイガを発見したという伝承が、ここにも残っている」という。しかし柳田や佐々木のような説話としての体裁をとった詳細なテキストは残されていない。

「迷い家」についての諸論考

この「迷い家」には多くの研究者が関心を寄せており、さまざまな論考が存在する。

伝承者たちの心意

その中には「迷い家」を語り継いできた伝承者の心情を主題にしているものがある。竹内利美は「ユートピアとしてのかくれ里」(1969『伝統と現代』)にて「六三」を取り上げて村落民のユートピア観を論じている。彼は立派な門構え、紅白の花、豊富な家畜、朱と黒の膳椀という福禄円満な生活を模した情景を「小楽土」と称して評価した。この論考は宮田も「ユートピア思想」(1977『講座・比較文化』第6巻)に引用している。曰く、同じ地平線のレベルにあるマヨヒガのことを「いつしかそういう機会がひょんな時に訪れるのだろう」と信じさせてくれる「素朴なユートピア観」であると論じた[5]

参考文献

  • 青木俊明2003「マヨイガ」石井正己『遠野物語辞典』岩田書院
  • 赤坂憲雄1987「幻像としての常民」『現代詩手帖』第30巻第4号 思潮社
  • 同1994『遠野/物語考』宝島社
  • 同2010『増補版 遠野/物語考』荒蝦夷
  • 石井正己2000a『遠野物語の誕生』若草書房
  • 同2000b『図説遠野物語の世界』河出書房新社
  • 同2002『遠野の民話と語り部』三弥井書店
  • 同2009『「遠野物語」を読み解く』平凡社新書
  • 石井正己ほか2004『日本のグリム 佐々木喜善』遠野市立博物館
  • 石内徹(編)1996a『柳田國男「遠野物語」作品論集成』(Ⅰ)大空社
  • 同1996b『柳田國男「遠野物語」作品論集成』(Ⅱ)大空社
  • 同1996c『柳田國男「遠野物語」作品論集成』(Ⅲ)大空社
  • 同1996d『柳田國男「遠野物語」作品論集成』(Ⅳ)大空社
  • 伊能嘉矩1926『遠野方言誌』郷土研究社
  • 今市子2007「マヨヒガ」『百鬼夜行抄』第10巻 朝日新聞
  • 岩本由輝1983『もう一つの遠野物語』刀水書房
  • 同1995「『遠野物語』初稿を読んで(三)」『平成6年度 博物館講座 講義集4』遠野市立博物館
  • 大塚英志(原作)、森美夏(作画)2004「マヨイガ考」『北神伝綺』上巻 角川書店
  • 大藤時彦1969解説『遠野物語』角川文庫
  • 小澤俊夫ほか1999『鈴木サツ全昔話集』福音館書店
  • 小田富英1982「初校本『遠野物語』の問題」『國文學』第27巻 一月号
  • 小野和子、庄司幸栄1992『佐々木健の語りによる 遠野郷宮守村の昔ばなし』世界民話博実行委員会
  • 風丸良彦2008『遠野物語再読』試論社
  • 菊池照雄1983『遠野物語をゆく』伝統と現代社
  • 同1989『山深き遠野の里の物語せよ』梟社
  • 菊池照雄、富田文雄1992『「遠野物語」を歩く』国宝社
  • 國貞五郎2000『昔話ふるさとへの旅』King Records
  • 小池ゆみ子2002『正部家ミヤ昔話集』古今社
  • 後藤総一郎(監)、遠野常民大学(編)1997『注釈 遠野物語』筑摩書房
  • 佐々木喜善1972[1964]『聴耳草紙』筑摩書房
  • 同1986『佐々木喜善全集』(Ⅰ)遠野市立博物館
  • 同1987『佐々木喜善全集』(Ⅱ)遠野市立博物館
  • 同2003『佐々木喜善全集』(Ⅳ)遠野市立博物館
  • 佐々木喜善(著)、石井正己(編)2009『遠野奇談』河出書房新社
  • 杉山康彦1978「『遠野物語』を読む」『言語』第7巻1号 大修館書店
  • 同1984「遠野物語の時空」『日本文学』第33巻第1号 日本文学協会
  • 世良正利1989「小論『遠野物語』-異人論の視点から」『民衆文化の構成と展開』
  • 竹内利美1969「ユートピアとしてのかくれ里」『伝統と現代』第17号 学燈社
  • 竹村祥子1987「『遠野物語』における「事実」の意味」『人文研紀要』中央大学人文科学研究所
  • 遠野市史編修委員会1974-77『遠野市史』第1-4巻 万葉堂書店
  • 百目鬼恭三郎1983「百目鬼恭三郎が選ぶ50冊の文庫18遠野物語」『週刊文春』第25巻30号 文藝春秋
  • 内藤正敏1978『聞き書き遠野物語』新人物往来社
  • 同1994『遠野物語の原風景』筑摩書房ちくま文庫
  • 永藤靖2007「〈異界〉から遠野物語を読む-流動化する世界像-」『文藝研究』第101号明治大学文学部
  • 野村純一[ほか]編著1992『遠野物語小事典』ぎょうせい
  • 野村純一、三浦佑之、宮田登、吉川祐子(編)2007『柳田國男事典』勉誠出版
  • 富木友治1970「柳田國男―遠野物語をめぐりて―(一)」『芸能』第12巻第3号3/10
  • 三浦佑之1987『村落伝承論』五柳書院
  • 同1998「『遠野物語』と文学」『柳田國男事典』勉誠出版
  • 三浦佑之、赤坂 憲雄2010『遠野物語へようこそ』ちくまプリマー新書
  • 宮田登1977「ユートピア思想」『講座・比較文化 第6巻 日本人の社会』研究社出版
  • 同1984「ムラとユートピア」『日本民俗文化大系 第8巻 村と村人―共同体の生活と儀礼―』小学館
  • 同2006『ユートピアとウマレキヨマリ』吉川弘文館
  • 森敦1975「たたなずく山の遠野」『民俗の旅-柳田國男の世界』12/10読売新聞社
  • 柳田國男1990[1910]「伝説の系統及び分類」『柳田國男全集』第7巻 ちくま文庫
  • 同1997[1910]「遠野物語」『柳田國男全集』第2巻 筑摩書房
  • 同1997[1934]「山島民譚集」『柳田國男全集』第2巻 筑摩書房
  • 同1997[1935]「遠野物語拾遺」『柳田國男全集』第2巻 筑摩書房
  • 同1998[1969]「一目小僧その他」『柳田國男全集』第7巻 筑摩書房
  • 山田永1990「異界との交流―古代説話と『遠野物語』の間―」『仁愛国文』第8号仁愛女子短期大学国文学会
  • 吉川祐子1996『白幡ミヨシの遠野がたり』岩田書院
  • 同1997『遠野物語は生きている 白幡ミヨシの語り』岩田書院
  • 吉成勇ほか1992『日本「神話・伝説」総覧』歴史読本特別増刊・事典シリーズ16 新人物往来社
  • 米山俊直、樺山紘一2003「柳田國男『遠野物語』」高田宏(編)『対話「東北」論』刀水書房
  • 2008.9.2『週刊 歴史のミステリー』31号 デアゴスティーニ・ジャパン
  • 2012.2.10『遠野文化友の会会報マヨヒガ』vol.1遠野市立遠野文化研究センター
  • 佐々木鏡石柳田国男 『遠野物語』柳田国男、1910年、48-51頁。doi:10.11501/767944OCLC 7165366948『遠野物語』:新字新仮名 - 青空文庫https://dl.ndl.go.jp/pid/767944/1/332023年1月1日閲覧 
  • 佐佐木喜善 『聴耳草紙』三元社、1931年、451-456頁。doi:10.11501/1464188ISBN 9784480092977NCID BB02054238OCLC 673362186全国書誌番号: 46081539https://books.google.co.jp/books?id=GMZ6MUp74n4C&pg=PP477#v=onepage&q&f=false2023年1月2日閲覧 
  • 柳田国男 『一目小僧その他』小山書店、1934年、264頁。doi:10.11501/1444010ISBN 9784044083083NCID BB11657915OCLC 840092280全国書誌番号: 47018602https://dl.ndl.go.jp/pid/1444010/1/1422023年1月1日閲覧 
  • 佐々木赳人「「マヨヒガ」伝承に込められた心意の再考 : 柳田國男・佐々木喜善を出発点として」『東北宗教学』第7号、東北大学大学院文学研究科宗教学研究室、2011年、 177-200頁、 doi:10.50974/00002043ISSN 18810187NAID 120005653329OCLC 928616220国立国会図書館書誌ID: 0242816112023年1月1日閲覧。

関連項目

脚注

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迷い家

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つぐもも」の記事における「迷い家」の解説

あまりに身勝手な主人の許を渡り歩いた結果人間たちを見限った付喪神たち。迷い家に匿ってもらうことで、所有者たる人間から霊力供給受けられなくても辛うじて人の姿を保っていられる。ただそれにも限りがあり、命を失わないためにも、また仲間たちを守るためにも「おのごろ祭り」を行うことを目指し怪異用いて騒動引き起こしている。ミウラヒの号令により迷い家ごと一斉に上岡へと侵攻開始する作戦失敗終わり、あきと、あるみら生き延びた者は命の保証を受ける条件で神側に投降したその後斑井意向により全員つづら殿軟禁されていたが、のちに解放され新し所有者候補との引き合わせ行われている。 安次峰 あきと(あしみね あきと) 声 - 坂田将吾 鋏の付喪神武力長けている。「おのごろ祭り」を行うことを狙い、今”最も力が弱まっている”とされる土地神・くくりを討伐するため現世現れ付喪神たち四人組リーダー格。〔あまそぎ〕を意図的に暴走させることが出来る。本来は雑貨であるあきとの力は武器付喪神には劣るが、義妹のあるみの未来予知組み合わせることで高い戦闘力発揮する。「鋏」としての特殊能力である「縁斬(えんきり)」と呼ぶ攻撃無効化能力を持つ(ただし、一度使うとしばらくは使えない)。 「おのごろ祭り」を行うまでは上岡東中学校男子生徒扮していただけでなく、一也らのクラスメイトとして一也・桐葉らの行動監視していた。ただ、一也たちとは極力接触避けていたため、桐葉はあきとがクラスメイトだったことに気付いていなかった。 街中ゲームセンター発生したあまそぎ〕に巻き込まれた際に、みまねがつぐももであることが一也と桐葉バレてしまったことから、それ以上深堀りされるのを防ぐため、それからは止むを得ず表向き『みまねの所有者』として振る舞ったまた、不本意ながらみまねとともにお悩み相談室メンバーにも加えられてしまった。 ミウラヒが死に爺の体調悪いことなどもあり、迷い家がつづら殿預かりになってからは、付喪神達の代表として人間達との交渉当たっている。一也とはつづら殿再会した際に、自らの正体真の狙い明かした斑井反乱終わった後は二印のすそはらいある日小城ひじりと組んでおり、ひじりに使ってもらえて調子がいいらしい。 安次峰 あるみ(あしみね あるみ) 声 - 杉山里穂 水晶玉付喪神水晶玉用いて未来を占うことができる。長期長距離予知確率低下する が、近距離短時間ならほぼ完全な「先読み」が可能。 あきととは同じ生まれ同時に付喪神昇華したため義兄妹の関係にあるが、あきとのこと義理の兄以上に意識している。また、みまねからは日常的に重度セクハラ受けている。 「おのごろ祭り」を行うまではあきとの妹として、上岡東中学校女子生徒扮していた。水島みつりと真中まな怪異の話では、男子トイレで一也の前に現われ怪異ヒント伝えた原作のみ)。一也からすれば水島みつりと真中まな双方を救うことができたが、実際はみつりがまなに殺されるよりも結果的に呪詛振りまくことになった失敗終わった「おのごろ祭り」のあと神側に投降し生き延びたが、つづら殿着いてから斑井により傀儡帯強制的に拘束使役された。のち九殿武闘会で一也ら親付喪神派が勝利したことで解放されたが、あきととは異なり新し所有者決まっておらず、暫定的に央姫が仮の所有者となっている。 八津川 やすき(やつかわ やすき) 声 - 菊池幸利 弓の付喪神。あきと同様、攻撃力は高い。迷い家の門番でもあり、最初、迷い家に辿り着いたあきとたちに対して情報漏洩(と、みまねに対して悪影響)を恐れて亡き者にしようとした。あきと曰く単なる過保護」。無口であまり発言をしないため、何を考えているかはよくわからない。 「おのごろ祭り」を行うまでは上岡東中学校男子生徒扮していた。 投降後、つづら殿封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられる。 美 みまね(みよう みまね詳細は美 みまねを参照きょうか詳細は響参照 糸信(しのぶ) 詳細糸信参照 そそぐ 詳細はそそぐを参照 あざみ 詳細はあざみ参照 ミウラヒ 声 - 露崎亘 迷い家の所有者だが、自らがその迷い家の付喪神でもある。命を保つため、自身同様に所有者のいない付喪神たちを迷い家に匿っている。 付喪神たち霊力供給するため土地神の「石片(かけら)」を自ら身体宿してとなったが、普段はその「石片」の暴走抑えるため自ら意識絶ち即身仏化している。 だが、その「石片」の効力弱まってきたことで、迷い家の付喪神中には命を落とした者だけでなく、人喰いに走る者までも現れ出したことから、最後の賭けとして元の姿に戻り上岡への侵攻開始するも、あざみによる背後からの不意打ちで「石片」を奪われ死亡した。 丹面(たんめん) 声 - 宮崎敦吉 付喪神。迷い家の長。周りからは「爺(わんじい)」と呼ばれている長老。あきとらを迷い家に呼び寄せ、そして呼び寄せた真の理由告げる。 みまねが持つ「既視面鏡」の能力入浴中のあるみらの裸を見て喜ぶなど、結構スケベ長老立場ながらその行動諌めるため、周りからよく制裁食らっている。 投降後、つづら殿封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられるが、霊力弱まっており身体がかなり衰弱している。 右晶、左晶(うらら、さらら) 靴の付喪神。丹面の左右に控えているお付き女性。丹面がスケベな行動に出ると、遠慮なく真っ先制裁食らわす。ほのかとの戦いで蹴り技使い2人でのコンビネーションによる攻撃一気畳みかけようとした。 投降後、つづら殿封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられる千影(ちかげ) 声 - 矢方美紀 付喪神。女武者で、常に甲冑出で立ちをしている。若々しい外見反し、迷い家では最古参あり、かつて土地神磐長姫討ちとった際、選りすぐり付喪神108人の中で生き残ることができた3人の中の1人でもある。あきととは稽古相談を受けるなど姉御肌的な存在だが、未だ一度足りともあきとが千影勝利したことは無いほどの実力者面倒見のいい性格で、またその武勇には尊厳抱かれている。あざみ捕獲の際にも活躍した投降後、つづら殿封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられる三条 付喪神土地神・碧長姫を討ちとった際、選りすぐり付喪神108人の中で生き残ることができた3人の中の1人頭を丸め僧侶のような風貌で、糸信と共に右手最前列に就いている。 心昭 木槌付喪神。常に微笑みたたえた褐色大男。あざみ捕獲の際にも活躍した。他の付喪神3人を軽々押さえつける剛力持ち主投降後、つづら殿封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられる男十郎、切姫十郎独楽付喪神。切姫は小刀付喪神。迷い家から供給される霊力の不足が進行し、人の姿を保てなくなってしまい原型へと還った付喪神。 玄斧(げんぶ) 声 - 浜田洋平 斧の付喪神。迷い家の限界が近いことから、土地神襲撃時期を待つことに痺れ切らし独断的に襲撃敢行したグループ実質的リーダー格。 豪胆な大男で、あきととも互角に戦う実力者。くくりを守ろうとした黒耀に4人がかりで重症を負わせた。仲間付喪神たち次々倒れていくことに心を痛めるなど、仲間想いな面を見せるが、あきとは好きになれなかった。 朱紋橋しゅもんばし) 付喪神女性。掌支承たなししょう)「心渡(こころわたし)」という技で、相手心の中を見ることができる。そして、それを第三者見せることもできる投降後、つづら殿封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられる。 扇雅、盾合 声 - 美斉津恵友(扇雅)、菊池幸利(盾合) 扇雅は扇の付喪神。盾合は盾の付喪神土地神襲撃加担した付喪神で、いずれも男性。くくりに執着する金山たぐりと二対一で闘うが、一通り力を見られた後、無傷のまま焼き払われ死亡、原身に戻る。 三十郎 轆轤付喪神土地神襲撃訴えていた代表格の玄斧たちが迷い家から離脱したことによって、本来抑えていた急進派一斉蜂起し、人を喰らい始める。 人を喰らったことで大幅に力を得た一方で自我失った妖魔化した三十郎もあきとたちの留守中に迷い家の仲間たち20人殺害するぐらもん、ふしみつ、つちしろ ぐらもんは蓄音機付喪神。ふしみつは画筆付喪神。つちしろは植木鉢付喪神。九殿武闘会にて隷付喪神派から傀儡帯によって「隠し玉」として酷使され付喪神いずれも結果的に破壊され付喪神としての命を落とす

※この「迷い家」の解説は、「つぐもも」の解説の一部です。
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