き‐づち【木×槌】
読み方:きづち
木製のつち。
木槌
木槌
木槌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 14:33 UTC 版)
木槌(きづち)(木ハンマ、マリット、Wooden mallet)は、頭部が木製のもの。対象物に傷をつけない目的で使用される。建築用に用いられるやや大振りな物は一般に掛矢(かけや)と呼ばれ、枘(ほぞ)や柱などの木材を打ち込む際に使われる(大型ハンマーとの違いは材質)。また、解体工事でも、土建重機が普及するまで在来木造家屋程度なら掛矢で打ち壊した。 機械工場で使用する場合は、フライス盤・中ぐり盤・平削り盤等に取付ける被削材に傷を付けないで軽い打撃力を与える場合に使用する。板金加工においても使われている。 他のハンマーと異なり頭部の角で相手を打つ。質量が小さいので打撃力を一ヶ所に集中させる為である。頭部の柄を入れる穴が一方向のテーパとなっており、先の方から柄を打ち込む。この点は、くさびを打って木の柄を広げてハンマーの柄をとめる他のハンマーと全く異なる取付け方である。 『日本書紀』巻七「景行天皇紀」と『豊後国風土記』には、木槌がかつて武器として使われていたことを示唆する記述がある。景行天皇十二年十月の条として、熊襲親征の途上現在の大分県別府市のあたりへ進駐した景行天皇軍が、巨大石窟に立てこもって天皇に従わない土蜘蛛らを皆殺しするくだりがそれで、このとき天皇軍の精鋭が武器として使ったのが付近にあった海石榴で作った槌だったという。 弁慶の七つ道具にも大槌が含まれており(加えて大鋸とまさかりも含む)、立木を刈り倒して地面に杭を打ち柵や塀を築く築城ではもちろん、逆に敵側が築いた門扉や柵などを破壊する工兵器材として用いられ、半ば応急的に武器として振るわれることもあったと想像できる。 詳細は「ガベル (槌)」を参照 その他の木槌の伝統的な用途としては、何らかの会場に一堂に集う一群の者たちに対して、その代表者が喚起を促したり、静粛を求めたり、集会の開始や終了を宣言するために叩く小槌があげられる。具体例をあげるなら、参議院では参議院議長が本会議開始の合図として使用する木槌、オークション会場で主催者が競りの終了を宣言するために叩く小槌、また日本の法廷では使われないが、裁判長が出廷者などに不規則な発言を慎むよう求めたり、開閉廷宣言をするために叩く小槌が知られている。
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