野鉄砲とは? わかりやすく解説

の‐でっぽう〔‐デツパウ〕【野鉄砲】

読み方:のでっぽう

[名・形動ナリ

目当てもなくむやみに鉄砲を撃つこと。

「—打ちしも当たらねばこそあれ」〈浮・諸艶大鑑・五〉

でまかせを言うこと。また、そのようなさまや、その言葉

土器坂(かはらけざか)の喜作とて、—な親仁(おやぢ)ありけり」〈教訓雑長持・一〉


野鉄砲

作者京極夏彦

収載図書続巷説百物語
出版社角川書店
刊行年月2001.5
シリーズ名文芸シリーズ

収載図書続巷説百物語
出版社中央公論新社
刊行年月2003.8
シリーズ名C・NOVELS BIBLIOTHEQUE

収載図書続巷説百物語
出版社角川書店
刊行年月2005.2
シリーズ名角川文庫


野鉄砲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/01/24 05:21 UTC 版)

竹原春泉画『絵本百物語』より「野鉄砲」

野鉄砲(のでっぽう)は、江戸時代の奇談集『絵本百物語』にある妖怪

概要

外見はタヌキリスムササビのようで、北国の山中の谷間や森の奥に棲んでいるという[1][2]。『絵本百物語』の本文によると、夕暮れになると人を襲って生き血を吸うという[3]。人を襲うときにはその人の視界を奪うというが、『絵本百物語』の本文によると自ら人の顔に覆いかぶさって目をふさぐとあり、同書の挿絵中の文章では、口からコウモリのようなものを放って人の顔にかぶせるとある(画像参照)[3]。これらを防ぐためには、懐に巻耳を入れておくと視界を奪われずに済むという[3]

『絵本百物語』の本文によれば、(まみ)という獣が老いて妖怪化したものが野鉄砲であり、コウモリが老いて妖怪化した野衾と同一であるともいう[3]。猯とは狸の異称だが、江戸時代の百科事典『和漢三才図会』では狸と猯は別々の獣とされている[4]。また野衾とはムササビモモンガのことでもあり、このムササビなどもまた猯と呼ばれたことがある。妖怪研究家・多田克己は、これらが混同された結果、野鉄砲は人を襲う際に自ら人にかぶさるのではなく、口からコウモリ状のものを放つという妖怪めいた伝承が生まれたとの説を唱えている[4]

また多田克己は一方で、野鉄砲は一反木綿の同種であり、人を襲う際には視界を奪った隙に持ち物の食料を奪い取るとの別説も述べている[1]

脚注

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  1. ^ a b 多田 1990, p. 107
  2. ^ 村上健司編著 『妖怪事典』 毎日新聞社2000年、265頁。ISBN 978-4-620-31428-0
  3. ^ a b c d 多田 1997, p. 90
  4. ^ a b 多田 1997, p. 156

参考文献

関連項目


野鉄砲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 18:01 UTC 版)

奇異太郎少年の妖怪絵日記」の記事における「野鉄砲」の解説

食料狙ったが、袋の中の南国フルーツオナモミの実と見間違えて退散した

※この「野鉄砲」の解説は、「奇異太郎少年の妖怪絵日記」の解説の一部です。
「野鉄砲」を含む「奇異太郎少年の妖怪絵日記」の記事については、「奇異太郎少年の妖怪絵日記」の概要を参照ください。

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