つづら殿
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 05:42 UTC 版)
付喪神をすそはらいの道具として見下す「隷付喪神派」と、付喪神を対等以上のパートナーとして接する「親付喪神派」とで派閥があり、付喪神に対する考え方の相違から、お互い対立することが多い。ただ、つづら殿のすそはらい全員がどちらかの派閥についているということはなく、中立の立場のすそはらいも多い。 織小花 央姫(おりおばな おうひ) 声 - 早見沙織 すそはらい養成所「つづら殿」を纏める女性。緊急事態で上岡へと馳せ参じた時までは頭首であったが、その不在時に斑井枡次が起こした謀反により役職を剥奪され、「つづら殿」に戻った直後に一也とともに牢屋で暫く軟禁される。 人間の父と付喪神の母とのハーフという出生であるためか、見た目は妙齢ながら実年齢は獏楽曰く「八十…」である。肉体的にはほぼ人間と変わらないが髪の付喪神である母親に由来した頭髪を操る能力「織小髪(おりおぐし)」をもつ。自らの力を分割することで「央菜」という人格を持った分身を作り出しており、真名の固定化を防ぐ意味で央菜と定期的に名前を交換している。 央菜(おうな) 央姫の分身で子供の姿をしている。登場時は奏歌の監視役として上岡に派遣されており、力のほとんどを預けられていた(央姫があっさり捕らわれたのはこのため)。すそはらい同士の試合では央姫が指南役として相手の全力を引き出しさらに「その一歩先」を導く戦い方を好むのに対し、央菜はまったく手加減というものがない。 獅子崎 信九郎(ししざき しんくろう) 奏歌が任に就くまで、上岡ですそはらいを務めていた、体格の良い大柄な男。くくりを慕っており、常にくくりの傍で食事の用意など身の回りの世話をしていた。 つぐもも使いとしての格付けは七印(九殿武闘会の時点では八印)と実力は折り紙つきで、つづら殿としては前々よりすそはらい養成のための指導者にさせようとつづら殿に召喚する意向を示していたが、くくりに仕えるすそはらいは自分しかいない、という(恋愛感情を含めた)信念のもと上岡を中々離れようとしなかった。当然に奏歌が上岡のすそはらいとなることには猛反対したものの、奏歌との直接対決で敗れたことで、身を引いた。その後はつづら殿で後輩の指導に当たっていたが、くくりの死を受け止めきれず酔い潰れていたところを隷付喪神派によってあっけなく捕縛された。かずやたちに救出されて以降は親付喪神派の一員として九殿武闘会に参加。白星を挙げたが、手加減は出来ず相手が「傀儡帯」で酷使した付喪神を死なせてしまう。 兜のつぐもも「蒼心兜(そうしんとう)」によって作られる霊甲冑・鎧怨(がいえん)を纏う。この鎧は防御力もさることながら受けた攻撃(武器や技)を記憶し、写し身として再現する「怨返(おんがえし)」を使う。 斑井 枡次(まだらい ますじ) 元はつづら殿の副頭首だったが、央姫が留守にしている間に謀反を起こし組織を掌握、新頭首となった。(本人の発言から)央姫の実年齢と同じ80歳くらいと高齢ながら、付喪神なしでも一也・響華と対等に戦うなど相当の実力の持ち主。 付喪神を道具として扱う「隷付喪神派」の中でも特に付喪神を見下しており、道具が人間に逆らうことを絶対的に認めない。自らは、付喪神となる道具が負った傷が軽微であれば修復する能力を持つ蔵の付喪神「蟲心蔵(ちゅうしんぐら)」の所有者でもある。 九殿武闘会でも6本ある「傀儡帯」全てを用いてでも勝利しようとしたが一也に敗北する。しかも武闘会のあと、その「傀儡帯」の使い過ぎの副作用により付喪神に囚われ化け物の姿と化し、牢屋に軟禁される。この一連の騒動は卑怯な支配権簒奪ではあったが明確に殿中法度を犯してはいなかったため、騒動終結後にも彼へのおとがめはなかったものの、傀儡帯によるむやみな付喪神改造や乱用が多くのすそはらい達の反感を招き、結果としてつづら殿での支持を大きく失ってしまった彼は地方支部へと左遷を望み、受理された(……と、記録された)。 まぁちゃん 金山たぐりの下で1億4千950万円もの借金を返すために働く幼女だが、実は斑井枡次が変貌した姿。 理想こそ違うものの必要な人材と惜しまれた織小花により、館壌はにやの力で人間に戻された。はにや曰く、魂の器たる人の形は魂の在りようにそってなくては定着に支障があり、傀儡帯の呪いで歪められた斑井に相応しい形が『それ』だっただけであるらしい。金山神社ではたぐりから苛烈にこき使われているだけでなく、身体を弄ばれている事に我慢がならず脱走を企てるも軟禁されており、腹いせにとたぐりの身体に夢中になってしまい逃げる事をつい忘れてしまっている。 九殿武闘会の前、傀儡帯の呪いで強化したあるみの力で恐るべき未来像(3年後の奏歌解放の日)を見たが、言霊で実現へと引き寄せられる事を危惧し、織小花には話さず黙って回避策を練る事を最良の選択とした。 かがし 斑井の部下の女性。香炉の付喪神「白艶香」の所有者であり、相手を無意識下で自白させる「吐露香」を用いて、央姫からつぐももを強制的に使役する「傀儡帯」の居場所を聞き出した。番外編では、そのあとも再度斑井の命で、央姫の更なるプライベートを聞き出す手伝いをさせられるハメになった。 七尾 直樹(ななお なおき) 三印のすそはらいで、下印生いじめの常習犯。一也を見下しており、付喪神無しの戦いを挑むがあっさりと倒される。ししなりという鞭の付喪神を従えている。 田鎖 たくみ、田鎖 たかの(たぐさり たくみ、- たかの) つづら殿の中でも親の代から所属している兄妹。共に八印のすそはらい。母である薪(たきぎ)が使っていた鎖の付喪神・銀継を二つに分けて受け継いでいる。 銀継・しぐれを持つ兄のたくみは現実主義的な考えから隷付喪神派で、妹のたかのを頭から押さえつけている。母・薪が任務で命を落としたことをきっかけに「強くなければならない」という思いを抱き、たかのを導こうとしているが守ろうという意思が妹を閉じ込めていることには気づいていない。九殿武闘会では仕込み付喪神を使わず鉄鎖術だけで戦った。 銀継・ささぐれを持つ妹のたかのは、全てにおいて自分より勝っている兄に対して面と向かって反論できないため、表向きは兄に付いて隷付喪神派に属している。だが、幼いころからペアを組んでいる付喪神を道具とは見られず、実は「隠れ親付喪神派」である。そのため、兄らを裏切り軟禁されていた一也らの解放の手助けをした。九殿武闘会では親付喪神側に付いたことで対戦相手となってしまったたくみには通用する技がないと悩んでいたが、それを聞いたかずやから伝授された「帯技」を鎖で再現して勝利し、兄のコネで昇格したという評価を覆す。また、本人の発言から処女で、一也の肉体に憑依した響華が二度、一也の肉体で性交しかけるも、寸でのところで最初は狐面に、二度目は央姫にそれぞれ妨害されたため、いずれも未遂に終わっている。 煤墨 卓(すすずみ すぐる) 八印のすそはらいで、墨壺の龍哈を持つ。斑井の部下で隷付喪神派でも切り札扱いされているがフリーダムな性格で、つづら殿を空けてふらふらしていることが多い。飄々とした性格だが自身の力には誇りを持っており、九殿武闘会では斑井の命に逆らって傀儡帯による仕込み付喪神を使わずすなおと闘った。 東那 ひより(ひがしな ひより) 八印のすそはらいで、刀の直次を持つ親付喪神派。奏歌たちとは同期であり、作中の時間経過から30代半ばとみられる。幼少時は外様の奏歌をいじめていたが、奏歌には後に実力で追い抜かれ、「開発」もされた模様。九殿武闘会では傀儡帯による仕込み付喪神によって敗北。 鈴谷 すみれ(すずたに すみれ) 七印のすそはらいで、手裏剣のちづりを持つ親付喪神派。奏歌たちとは同期であり、作中の時間経過から30代半ばとみられる。 今は一也と平気で混浴するなど明るい性格だが、幼いころはおどおどとして気が弱く、いじめられている奏歌を助けられずにいた。ひよりと同じく、奏歌には後に「開発」もされた模様。その後はひよりと共にすそはらいとして成長し、信九郎、ひよりらとともに親付喪神派の実力派として数えられるほどになった。九殿武闘会では隷付喪神派の傀儡帯による仕込み付喪神の実体を確かめることも含めて苦戦するがなんとか勝利した。 毎年行われている「すそはらい美乳名鑑」に必ずランクインするほどの美乳の持ち主。 四百伊織 しおり(しおいおり しおり) 八印のすそはらいで、盆栽の太郎松を持つ。織小花央姫の指導を受けた教え子だが、央姫の指導者然とした上から目線に反発している。九殿武闘会では央姫の属性と相性の良い簪の付喪神を仕込んで戦うが、央姫と交代した央菜に完敗。再び交代した央姫に降参しようとしたが、その宣言を合図に斑井が仕込んだ剃刀の付喪神が発動し意に添わない形で勝利する。 日出小城 ひじり(ひじおぎ ひじり) 二印のすそはらいで、斑井の反乱が終わった後のつづら殿で安次峰あきとと組んでいる少女。前に組んでた付喪神とは相性が良くなく上手くいっていなかった経緯があり、フォローが上手なあきとと今後も一緒に組ませてほしいと思っている。あきとを好きなあるみからは敵意を向けられてしまっている。
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