機尋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/12/22 05:48 UTC 版)
機尋(はたひろ)は、鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』で描かれている日本の妖怪の一つで、布の妖怪。機(はた)で織られた布がヘビの姿と化したもの。
『今昔百鬼拾遺』の解説文によれば、ある女性の夫外へ出かけた後、女が帰らない夫への怨みを抱きながら機を織っていると、その怨みの念が織っている布にこもり、蛇の姿と化して夫の行方を探しに行くものが機尋だという[1]。
布がヘビと化したという伝承は確認されていないが、水中から機織の音が聞こえる機織淵、機織池という伝説があり、それらは水神が機を織る音とも言われることから、機織とヘビは無縁ではないとの説もある[1]。
妖怪探訪家・村上健司によれば、邪心(じゃしん)と蛇身(じゃしん)の語呂合わせで創作された妖怪とされる[2]。
近藤瑞木によれば、浄瑠璃や歌舞伎などで大蛇の巨大さを表す時の類型的表現である「二十尋(はたひろ)」から着想されたものという[3]。
脚注
- ^ a b 高田衛監修 稲田篤信・田中直日編 『鳥山石燕 画図百鬼夜行』 国書刊行会、1992年、223頁。ISBN 978-4-336-03386-4。
- ^ 村上健司編著 『妖怪事典』 毎日新聞社、2000年、274頁。ISBN 978-4-620-31428-0。
- ^ 近藤瑞木 「石燕妖怪画の風趣」『妖怪文化の伝統と創造』 小松和彦編、せりか書房、2010年、40頁。ISBN 978-4-79-670297-3。
関連項目
機尋(はたひろ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/18 19:07 UTC 版)
黒い布の形状をした、邪心と嫉妬の妖怪。浮気して帰らない夫を思いながら織った機が蛇の姿になり夫を探しに行く、執念と邪心のこもった蛇の怪でもある。作中では多々羅木家当主が化け猫を妻に選んだ事に嫉妬した元妻の怒りと嫉妬が、機尋を顕現させた。多々羅木家の者を見つけると絞め殺し、邪魔する者にも危害を加える。
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