画霊
画霊
画霊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/12 13:17 UTC 版)
画霊(がれい)は、藤原家孝による文政時代の日本の随筆『落栗物語』前編にある怪異で、人物画に画家の執念が乗り移るといわれるもの。
概要
その昔、勧修寺という宰相家に、女性の絵が描かれたぼろぼろの屏風があった。あるとき、穂波殿の侍所からその屏風の借用を依頼され、勧修寺は快く貸し出した。
しかしその後、穂波殿の屋敷近辺で怪しげな女性が出没するようになった。あるときに女性を目撃した者が、その跡をつけてみると、女性は屏風のもとまで移動して姿を消した。穂波殿では屏風を気味悪がり、もとの勧修寺へ返却した。
すると今度は勧修寺の方にも、その女性が現れるようになった。屏風を怪しんだある者が、絵に描かれた女性の顔に細長い紙を貼り付けてみたところ、現れる女性も顔に細長い紙を付けていた。
いよいよ屏風を怪しんだ勧修寺では、絵師にその屏風の調査を依頼した。すると絵師が言うには、その屏風の絵は江戸時代に画家として名を馳せた土佐光起のものであり、貴重なものだということだった。
勧修寺は絵を修復し、大切に保管することにした。それ以来、あの女性が現れることはなかったという[1]。
妖怪研究家・多田克己はこれを、絵画が古くなって修復が必要となった際、修復せずに放っておくと、絵の中の人物が警告を促すものとし、付喪神(器物が変化した妖怪)の一種と解釈している[2]。
脚注
- ^ 藤原家孝 著「落栗物語」、柴田宵曲 編『奇談異聞辞典』筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、2008年(原著江戸時代後期)、563頁。ISBN 978-4-480-09162-8。
- ^ 多田克己『幻想世界の住人たち』 IV、新紀元社〈Truth In Fantasy〉、1990年、303頁。ISBN 978-4-915146-44-2。
画霊(がれい)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/18 19:07 UTC 版)
絵の中に存在する絵描きの残留思念。無意識に波長が合う者を絵の中に引きずり込むが、入ってから出て来るまでの時間が短縮される。その多くは自我を持たないが、稀に強い思念が自我を持ち絵の中に人を閉じ込めて退屈を凌ぐ。脱出方法は絵の『世界』の中で、絵の全体像が見える所に立ち『自分は絵の世界に居るのではなく、この絵を見ているんだ』と暗示する事。
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