妖怪としての桂男
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/23 15:15 UTC 版)
桂男は江戸時代の奇談集『絵本百物語』にも描かれており「月の中に隅あり。俗に桂男という。久しく見る時は、手を出して見る物を招く。招かるる者、命ちぢまるといい伝う。」などとあり、「見るたびに 延びぬ年こそうたてけり 人のいのちを月はかかねど」という歌があるとして紹介している。 和歌山県東牟婁郡下里村(現・那智勝浦町)に桂男と呼ばれる妖怪の伝承があったと記録されている。満月ではないときに月を長く見ていると、桂男に招かれて命を落とすことにもなりかねないという。 桂男は月の兎と同様に、もとはインドの説話が中国を経て伝わったものだともいわれるが、日本神話では月の神である月読が保食神を殺害したといわれることから、月の神に死のイメージが伴っている。桂男に招かれて寿命が縮まるという説は、そのような伝説・神話が重なって付与されたのではないかと考えられている。
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