供養とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 宗教 > 仏教 > 供養 > 供養の意味・解説 

きょう‐よう〔‐ヤウ〕【供養】

読み方:きょうよう

⇒くよう(供養)


く‐よう〔‐ヤウ〕【供養】

読み方:くよう

[名](スル)《(梵)pūjanāの訳。「きょうよう」とも》

死者冥福祈って法会を営むこと。また、開眼供養鐘供養経供養など寺院仏教行事をもいう。供養会(くようえ)。「先祖の—をする」

仏・法・僧三宝死者に、供物供えること。また、その法会(ほうえ)。


供養

読み方:クヨウ(kuyou)

死者の霊に供え物などをして、その冥福を祈ること


供養

読み方:クヨウ(kuyou)

物品をもって他の者に援助すること。


供養 【くよう】

供給資養」からきた言葉仏・宝・僧の三宝供え物をし、資養することから死者(の霊)に供え物をし、死者を養うという意味になった供花香典供物全て供養のためであり、葬儀法事を行うことも、会葬者品物配って徳を積むのも供養として行われる仏教構造では仏に供養しこれを死者振り向けるという回向(えこう)の形になる。

供養

作者勝目梓

収載図書耽溺
出版社講談社
刊行年月1995.8

収載図書耽溺
出版社講談社
刊行年月1998.8
シリーズ名講談社文庫


供養

作者西口秀行

収載図書手乗りインコ
出版社新風舎
刊行年月2006.7
シリーズ名Shinpu books


供養

読み方:クヨウ(kuyou)

作者 萩原朔太郎

初出 大正3年

ジャンル


供養

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/16 04:14 UTC 版)

供養(くよう)は、サンスクリット語のプージャー(pūjā)またはプージャナー(pūjanā)の訳で、菩薩諸天などに燈明、飲食などの供物真心から捧げること。

日本の民間信仰では、死者・祖先に対する追善供養のことを特に供養ということが多い。これから派生して、仏教と関係なく、死者への弔いという意味で広く供養と呼ぶこともある。また動物等に対する供養、さらには針供養人形供養のように生き物でない道具等に対する供養もある。供養のための塔や塚、石碑が建てられることもある[1]

西野神社人形供養祭

チベット仏教における供養

  • 二種供養
    • 利供養:香・華・飲食など財物を供養すること
    • 法供養:が法を説くなど修行して衆生利益する供養
  • 三種供養
    • 利供養
    • 敬供養(讃嘆恭敬する供養)
    • 行供養(仏法を行ずる供養)
  • 四事供養
    • 飲食・衣服・臥具・湯薬
  • 五供養密教
  • 六種供養
    • 閼伽(あか=水)・塗香・華・焼香・飲食・灯明。
「閼伽・塗香・華」については全く同一の形状の「六器」により1対3組を、「焼香」は「火舎(香炉)」、「飲食」は「飲食器(おんじきき)」、灯明は油を満たした器にて祀る。
  • 七種供養
チベット式。全く同一の形状の「七器」を用いる。「七器」すべてに水を注いで供物の代用とする方法や、灯明のみバターランプ器を用い、残る器に実際に供物を盛る方法がある[2]
  • 一般的な方法:漱口水・洗足水・華・焼香・灯明・塗香・飯食[2]
    • 父タントラ:飲食(ニューデ nee wi dyā)・塗香(ゲーンデ gandhe)・灯明(アーローケ ā lo ke)・焼香(ドゥーペー dhu pe་)・華(ヒューペー puṣhpe)・洗足水(パーデム pādyaṃ )・閼伽(アーガム arghaṃ)
    • 母タントラ:閼伽(アーガム arghaṃ)・洗足水(パーデム pādyaṃ)・華(ヒューペー puṣhpe)・焼香(ドゥーペー dhu pe)・灯明(アーローケ ā lo ke)・塗香(ゲーンデ gandhe)・飲食(ニューデ nee wi dyā)
  • 八種供養
七種供養に音楽(シャプタ shapta)を加えたもの[3]
  • 十種供養
    • 華・香・瓔珞抹香・塗香・焼香・繒蓋憧幡(そうがいどうばん)・衣服・妓楽・合掌

などがある。

日本における供養

日本密教の供養

六種供養

五供養(塗香、華、焼香、飲食、灯明)、六種供養(閼伽(あか)(水)、塗香、華、焼香、飲食、灯明)がある。

寺院では、大壇上の正面1辺(または4辺)に以下のセットを配列する。

  • 火舎香炉(焼香)を中心に左右対称に六器を配置し、内側から外側にむけて観想のうえで閼伽・塗香・華鬘を供養するとみなす。その外側に仏器(飲食、おんじき)、華瓶(けびょう、華)。

大壇のうち、本尊と対面する一辺に導師席を置き、その左手側に、大壇に近い側に塗香器(塗香)・散杖・洒水器(水)を置く。

仏像の供養

仏教信仰の対象となる仏像へ供物や読経を捧げる。寺院に安置されている仏像や野仏だけでなく、美術館などの展示品でも行われることがある[4]

仏壇仏像位牌などの仏具を焼却する「浄焚式」は一般的に「お焚き上げ」と呼ばれる[5]

死者の供養

人が死ぬと、葬儀の後も、仏壇で故人の冥福を祈ったり、に参ったり、年忌追善法要を行ったりする。跡継ぎがいなかったり、子や孫などと疎遠になったりする場合は、永代供養を手配する人も多い[6]。 

子孫が絶えるなどした無縁仏や、戦争や事件、事故、災害の犠牲者を、血縁がない人が供養することもある。後者では、慰霊碑が建てられたり、多くの人が集まって供養・慰霊のための式典が行われたりすることもある[7]

仏教が広まると合戦などで殺生を行う武者は、討ち取った者の首や耳を供養する首塚耳塚を立てるようになった。

人間以外の動物の供養

ミヤイリガイを供養するために建てられた石碑(久留米市

愛玩動物に対するペット供養警察犬の供養[8]のほか、食用に動物・魚介類の供養が行われている。一例を挙げれば、築地市場(東京)に近い波除稲荷神社には、魚介類の供養塚が多く祀られている。

動物実験の被検体など人間のために犠牲となった生物の供養も行われている。殺虫剤の業界団体である日本家庭用殺虫剤工業会は虫供養を実施している[9]久留米市には地方病根絶のために駆除されたミヤイリガイを供養する石碑が建てられている。

各地の寺院や近世以前の街道沿いなどにある馬頭観音像は、斃死した荷運びのを弔うために建てられたものも多い[10]

物品などの供養

真珠貝供養塔(三重県志摩市

日本では、生き物でない物品も、単にごみとして廃棄するのでなく、供養の対象とする例がある。使った道具への感謝を表すほか、人を撮影した写真や人に似せた人形、他人との縁を示す手紙名刺携帯電話、故人の思い入れがある遺品の整理時などが対象になる。仏式の供養のほか、神社でお焚き上げされる場合もある[1]。また寺社への手続きを代行する企業も登場している[11]

物品以外にも炎上したSNSの画像や発信など情報の供養も行われている[12]

脚注

注釈・出典

  1. ^ a b c d 【くらし物語】人形・ロボット・携帯までお焚き上げ*消費社会に罪悪感 もの供養で償い『日本経済新聞』朝刊2018年7月7日・日経プラス1(別刷り11面)
  2. ^ a b 『実践 チベット入門』,pp.45,46.
  3. ^ 『実践 チベット入門』,p.45.
  4. ^ 「仏像身近に感じた」奈良博で秋季供養産経新聞ニュース(2018年9月27日)2018年11月9日閲覧。
  5. ^ 浄焚式”. WEB版新纂浄土宗大辞典. 2024年10月12日閲覧。
  6. ^ 「永代供養墓 山陰両県でも高いニーズ」山陰中央新報(2018年8月16日)2018年11月9日閲覧。
  7. ^ 白菊の記憶 飛騨川バス転落事故から50年「法要続ける」遺族らの決意 記憶を風化させない岐阜新聞』朝刊2018年8月18日(2018年11月9日閲覧)。
  8. ^ 「警察犬の慰霊碑、建立から50年 警視庁が慰霊祭」日本経済新聞ニュースサイト(2018年3月21日掲載)の共同通信配信記事、2018年11月9日閲覧。
  9. ^ トリビアの泉〜へぇの本〜第II巻 p71-p72「金鳥は毎年、虫のためにお祓いを受けている」、講談社2003年ISBN 4-06-352703-4
  10. ^ 仏神案内≫馬頭観音「動物愛護守護の馬頭観世音菩薩」本光寺ホームページ(2018年11月9日閲覧)。
  11. ^ 「手紙・写真・名刺…感謝して処分/お焚き上げや供養 広がるサービス」『読売新聞』朝刊2018年7月27日(くらし・家庭面)。
  12. ^ SNS炎上、供養します 住職も批判経験「仏教の大義」 - 朝日新聞
  13. ^ 茶せん供養 3月19日 大用寺

参考文献

  • クンチョック・シタル、ソナム・ギャルツェン・ゴンタ、斎藤保高著 編『実践 チベット仏教入門』春秋社、1995年9月。ISBN 4-393-13272-6 

関連項目


供養

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/18 04:54 UTC 版)

写経」の記事における「供養」の解説

亡くなった家族知人の供養のために、生前書き残した手紙などを漉返紙紙背文書として用いて写経する例がある。 前者の例として『日本三代実録』に清和天皇没後に后の1人である藤原多美子生前の手紙を漉き返し法華経写経した記録されている。 後者の例として妙蓮寺所蔵伏見天皇宸翰法華経が父・後深草天皇宸筆書状紙背として用いていることで知られている。

※この「供養」の解説は、「写経」の解説の一部です。
「供養」を含む「写経」の記事については、「写経」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「供養」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

供養

出典:『Wiktionary』 (2021/08/13 01:58 UTC 版)

名詞

(きょうよう, くよう)

  1. 死者冥福祈ること。

関連語


「供養」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



供養と同じ種類の言葉


品詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「供養」の関連用語

供養のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



供養のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
葬儀の相談センター葬儀の相談センター
Copyright(c)2025 葬儀の相談センター All Rights Reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの供養 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの写経 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの供養 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS