神滅具(ロンギヌス)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 02:57 UTC 版)
「ハイスクールD×D」の記事における「神滅具(ロンギヌス)」の解説
「神をも滅ぼす具現」を意味する、神器の中でも神すら滅ぼすことが可能な力を持つと言われる特殊な神器。持ち主が所持しているか「生きている」限り、同じ能力を持つ神器は存在しないという唯一無二の神器である。「2種類以上の能力をあわせ持つ」特徴があり、一例として「赤龍帝の籠手」は力の倍増+力の譲渡となる。所有者の才能や創造力をすべて汲み取り、実現できるだけの受け皿・実現性を持つため、禁手に至った場合の能力増大や能力増加において顕著な格の差が生じる。このことから「拡張性の高い神器」なのではないかとアザゼルは考えていた。
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神滅具(一覧)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 02:57 UTC 版)
「ハイスクールD×D」の記事における「神滅具(一覧)」の解説
黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス) 所有者:曹操 上位神滅具の1つ。神滅具の代名詞となった原物とされる「始まりの神滅具」。イエス・キリストを貫きその血を浴びた最強の「聖遺物(レリック)」でもある伝説の槍「聖槍」。 従来の順位では神滅具の中で最上位とされる、神をも貫く絶対にして最強の神器。この槍を弱点とする神仏であれば1撃で力の半分を削ぐことができるとされる。聖遺物なので見つめるだけで信者を忘我の境地に至らせる効果があり、聖剣などと同じ「聖なる武器」の一種でもあるため、通常時でも並の悪魔等は容易く屠る威力を誇り、放つ威光だけで悪魔を祓う。悪魔である以上、魔王クラス並みの力があっても与えられる激痛には耐え難く、作中で痛みに耐えて戦えたのはイッセーとサイラオーグのみ。近接武器ではあるが、開いた槍の穂先から溢れ出す黄金の聖なるオーラを使い遠距離攻撃も可能である。 本来の禁手は「真冥白夜の聖槍(トゥルー・ロンギヌス・ゲッターデメルング)」であるが、現所有者の曹操は「極夜なる天輪聖王の輝廻槍(ポーラーナイト・ロンギヌス・チャクラヴァルティン)」という禁手の亜種を発現させている。槍そのものに変化はないが、曹操の背後に神々しい輪後光が生まれ、1つ1つに神器としての能力を付加させた「七宝」と呼ばれるボウリング球大の球体を7つ出現させて操作する(調整中であり、能力としてはまだ未完成なものがある)。他の禁手化のような派手さがなく、静かに発動するのも特徴の一つ。球体は全て同じ外見をしているため対処が難しく、よほどの実力者でなければ能力を打ち消すことができないうえ、1つ破壊された程度ならすぐに体から元通り出現させられる。また、球体を形状変化させることもでき、槍のように変形させて相手を貫いたり、手のような形に変化させて物を運ばせることもできる。また強力な力を持った個人と戦うときにはあえて七宝を展開させず、その余力を槍の聖なるオーラの強化に回すことも可能で、その際には聖遺物が弱点である悪魔はおろか他の種族であろうとオーラに掠っただけでもタダでは済まないほどの恐ろしげな極大の波動を放つようになる。輪宝(チャッカラタナ) 相手の持つ武器を破壊する。相当な手練れでないと対抗できず、未完成だった頃のエクス・デュランダルも一度破壊されている。 女宝(イッティラタナ) 球体が放つ輝きに包まれた女性の異能を一定時間、完全に封じ込める。相当な手練れでないと無効化できない。 馬宝(アッサラタナ) 自分又は任意の相手や物を転位させる。所有者の意思で自在に転移でき、相手が龍王クラスでも抵抗できない。 珠宝(マニラタナ) 襲い来る攻撃を他者に受け流す。球体の正面に生み出した黒い渦で攻撃を吸収して、新たに作り出した渦からその攻撃を放つ。 象宝(ハッティラタナ) 飛行能力を得る。足元に球体を置くことで、自由自在に空中を移動する。自分以外のものを浮遊させることも可能。 居士宝(ガハパティラタナ) 幻影で人型の分身を生みだし、従える者を作り出す。分身を破壊されても本体や「七宝」にはダメージがない。木場の「聖覇の龍騎士団」に似ているが、方向性は異なるらしい。12巻時点では分身に己の技量を反映するには至っておらず、未だ調整が必要で未完成な能力だったが、真3巻では魔王クラスのソネイロンの目を欺けるほどの完成度になった。 将軍宝(パリナーヤカラタナ) 球体そのものを対象に直撃させ破壊する、ヴァーリ曰く「破壊力重視の球体」。真『女王』すら破壊する威力があるが、「輪宝」と能力が被っているのが問題点とされ、曹操は「未完成で能力も曖昧」と語っている。 さらに、禁手を上回り、「覇龍」にも匹敵するとされる、「覇輝(トゥルース・イデア)」と呼ばれる物が存在する。亡き「聖書の神」の「遺志」が所有者の野望を吸い上げ、相対する者の存在の大きさに応じて、圧倒的な破壊力や祝福で心を得る力など、様々な効果、奇跡を起こすという能力で、トライヘキサ戦で発動に成功した際には強力な邪悪を退ける力が発生し、量産型邪龍や偽赤龍帝はおろか天龍級の邪龍アポプスにすら影響を及ぼした。ただし、魔法力に乏しい曹操は制御できておらず、発動の成否がこの「遺志」に委ねられているため不安定であり、魔獣騒動でイッセーと戦った時は彼の夢を選んで「遺志」が「静観」を決めたため使うことすらできなかった。「覇輝(トゥルース・イデア)」の呪文 槍よ、神を射貫く真なる聖槍よ 我が内に眠る覇王の理想を吸い上げ、祝福と滅びの間を抉れ 汝よ、遺志を語りて、輝きと化せ 煌天雷獄(ゼニス・テンペスト) 所有者:デュリオ・ジェズアルド 上位神滅具の1つ。従来の順位では神滅具の中で2番目に強いとされ、天候を操り、火、風、水、土、いかなる自然属性をも支配できる。 超広範囲に効果を及ぼす神滅具のひとつ。その能力は炎の球や氷の槍を作って放る、氷の柱を地面から生やすといった攻撃だけにとどまらず、屋内のように空がない場所でも、雲を作って雷を落とす、「ハーデス神殿」の中にいた大多数の死神を氷の中に閉じ込めるなど非常に強力で、本領を発揮できる屋外ならば町一つを荒れた天候で包み込むことさえ可能である。直接戦闘以外でも、荒天による敵の足止めから、雨水を利用した飲料水の確保まで幅広く役に立てることが出来る。また、大きなシャボン玉を作り出し、仲間を包んで天候の影響から守ったり、スクリーンの代わりにして映像を写すことも可能。 さらに、デュリオは「虹色の希望(スペランツァ・ボッラ・ディ・サポネ)」という応用技を編み出している。七色に輝くシャボン玉を飛ばして、触れた者に大切なことと大切なものを想い出させる効果があり、攻撃力は一切ないが、戦意を喪失させるには十分すぎるほどの性能を発揮する。なお、大切なものを自分の心の中に常に持っているものには効果がない。 禁手は「聖天虹使の必罰、終末の綺羅星(フラジェッロ・ディ・コロリ・デル・アルコバレーノ、スペランツァ・ディ・ブリスコラ)」。天使の輪が4つに、黄金の翼が12枚にまで増えるという肉体的な変化が現れる。無数のシャボン玉を放ち、そのシャボン玉に包まれたものにあらゆる天罰(業火・突風・冷気・雷といった様々な自然現象)を与えるというもの。後天的に亜種と化した珍しいタイプである。攻撃に使うシャボン玉は見た目以上に頑丈で、トライヘキサ級の相手でもない限り内側から割るのは困難である。 魔獣創造(アナイアレイション・メーカー) 所有者:レオナルド(※現在は帝釈天に没収されている) 上位神滅具の1つ。創造系神器の最高峰に当たる、使用者のイメージした生き物を作り出すことが可能な神器。直接的な攻撃力は皆無に等しいが、最高難度とされる龍殺しの魔物はもちろんのこと、神滅具だけあって理論上は神殺しの魔物すら創造できる。極めれば怪獣映画に出てくるような巨大怪獣を大量生産することが可能で、小国なら短時間で蹂躙できる力を持つため、「絶霧」と共に「神器システムのバグが生んだ最悪の結果の1つ」とも言われている。 登場した禁手は亜種で「破滅の覇獣鬼(バンダースナッチ・アンド・ジャバウォッキー)」(命名はアザゼル)。体長150メートルはある魔獣「豪獣鬼(バンダースナッチ)」とそれより一回り大きな「超獣鬼(ジャバウォック)」を生み出し、さらにその魔獣の体からも小型のモンスターが無数に発生する。作中では「悪魔のアンチモンスター」として創造されたため、光を武器としているうえに最上級悪魔の集中攻撃でも体の表面がわずかに傷つくほどのダメージしか与えられず、なおかつその傷すら即座に回復してしまうという難敵で、アジュカとファルビウムから特殊な術式が届くまで足止めに徹することしかできないほどだった。ただし強制的な禁手化の代償でレオナルドは廃人同然の状態になってしまった。 絶霧(ディメンション・ロスト) 所有者:ゲオルク 上位神滅具の1つ。所有者を中心に無限に霧を生み出し、超広範囲に効果を及ぼす神器。結界系神器では最強の力を持ち、対象を霧で包み込むことでかく乱や防御をしたり、霧の中に入ったすべての物体を封じ、霧に触れた者を任意の場所に強制転移させることもできる。直接的な攻撃力は皆無に等しいが、吸血鬼たちが操る霧よりはるかに特異性が高く、大人数を一度に「次元の狭間」などの人が生きていけない場所へ放り込むこともできるため、使い方次第で国1つ滅ぼすことも可能な力を持ち、「魔獣創造」と共に「神器システムのバグが生んだ最悪の結果の1つ」とも言われている。転移の際には生暖かい霧に包まれる感触があるが、相手が神クラスで前兆を感じとったとしても抵抗は難しい。ただし、「霧」を能力の起点とする関係上、アバドン家の「穴」のような「吸い込む」攻撃には弱い。 禁手は、所有者が望む結界装置を霧の中から創造する「霧の中の理想郷(ディメンション・クリエイト)」。結界にはさまざまな効果を付与することができる。これによって現実そっくりの結界疑似空間を作り上げることが可能で、その内部へ敵を転移させることができる。相当な術者でなければ疑似空間を出入りすることは難しく、術者が自分で解除するか倒される、あるいは結界装置を破壊されるかしないと空間からは脱出できない。装置は普通の方法では破壊できず、基本的に一度結界を発動させない限り解除できない。疑似空間そのものもかなりの強度があり、結界で何重にもプロテクトをかけて装置さえ守っていれば、内部で「ドラゴンブラスター」を乱射されても完全には壊されず、オーディンのように術に長けた神でも破壊できなかった。ただし、魔王クラスから神クラスの力があれば、結界装置そのものを破壊されてしまうおそれがある。また、神クラスの存在が外部から干渉を行った場合、空間の制御を奪われてしまうことがある。なお、空間内で生物を創造することは不可能という制限がある。 赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア) 所有者:兵藤 一誠 声 - 立木文彦(ドライグ) 二天龍の片割れ、「赤龍帝」ア・ドライグ・ゴッホの魂が入った左手用の籠手。神滅具の1つ。「倍加」と「譲渡」の力を宿している。 「倍加」は10秒ごとに「Boost(ブースト)」という掛け声とともに自身の能力が2倍になる能力で、「Explosion(エクスプロージョン)」という掛け声と共に増加した力を発動し、「Reset(リセット)」の音声で制限時間が告げられるまでその力を行使できる。また、「Transfer(トランスファー)」の掛け声で増加させた力を他者や物に「譲渡」する能力「赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)」も持つ。イッセーは「倍加」をメインに直接攻撃するスタイルだが、「譲渡」で敵の能力を暴走させて攻撃に転用できるほか、ドライグによると歴代赤龍帝には「譲渡」をメインにしていた精霊術師や召喚術師がいたとのこと。ただし、能力を使うたびに体力を消耗していくうえ、倍増するたびに身体への負担が増していくため、積載量の上限を超えて力を高めると「Burst(バースト)」の音声と共に宿主が昏倒してしまう。 禁手は「赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)」で「赤龍帝」の力を具現化させた赤い全身鎧。「Welsh Dragon Balance Breaker(ウェルシュ・ドラゴン・バランス・ブレイカー)」の音声とともに発動する。禁手後は一気にパワーが増大する上、そこからさらに一瞬で何度も「倍加」して使用、あるいは「譲渡」することが可能。覚醒直後でも、特に倍増していないオーラの弾で山を吹き飛ばすほどの力を得る。初期状態では飛行能力を持たないものの、背部のブースターを噴射して高速挙動ができる。禁手化するまで「倍加」も「譲渡」も使えない時間があり、解除後しばらくは「赤龍帝の籠手」も機能しなくなるという弱点があるが、修行によって時間を短縮することは可能。 「覇龍」発動時には、鎧が有機的に変化して小型のドラゴンのような姿に変わる。背中には翼が生えて、宝玉からは龍の腕や刃も生えてくる。一度「覇龍」を発動すると、以降は通常の鎧の背からドラゴンの翼が生えるようになり、飛行をサポートできるようになっている。 現赤龍帝であるイッセーの代になって籠手に龍殺しの聖剣「アスカロン」が内蔵されるようになっており、「Blade(ブレード)」の掛け声で手の甲から刃を伸ばし切りつけることが可能。さらに命を削る恐れがあるため長時間の運用はできないが、アスカロンが抜けた穴に「魔剣創造」で作った剣などを差し込むことでその力を籠手に与えることもできる。後に鎧の右手部分には「アスカロンII」が、尻尾部分にはアスカロンIIの試作品が内蔵され、それぞれ「Blade 2(ブレード・ツー)」、「Tail Blade(テール・ブレード)」の掛け声で刃を出現させる。さらに、剣に赤龍帝の特性を付与することや、他人に剣を渡す要領で飛び道具として高速射出することもできる。 イッセーはアルビオン、オーフィス、グレートレッドといった存在から力を得ながら成長したことで、複数の強化形態を発現している。体内に宿る8つの「悪魔の駒」との反応により、「兵士」の駒が持つプロモーションの特性を発揮する「赤龍帝の三叉成駒」「真紅の赫龍帝」という、深淵面・慮外面の複合型の特殊な能力を発現している。さらには、龍神の力を解放する禁手を超える形態「龍神化」にも目覚めている。 また、現白龍皇ヴァーリから奪い取った「白龍皇の光翼」の宝玉を右手の籠手に埋め込んだことで得た、「半減」の能力「白龍皇の籠手(ディバイディング・ギア)」があった。しかし、相反する特性の能力であるために使用難易度が非常に高いうえ、修得時のイッセーの実力では発動に成功する確率が低いだけでなく、その成否にかかわらず寿命を削ってしまう危険性が高く、「覇龍」で寿命が100年程に減ってからは1回使用するだけでも死亡する恐れがあるとして生命力が回復しない限り無闇に使用するのは禁止されていた。だが、今後の修行次第では使いこなせる可能性があることをアザゼルより示唆されており、後にドライグとアルビオンが和解したことで、この「白龍皇の籠手」は「半減」と「反射」の力を持つ「白龍皇の妖精達(ディバイディング・ワイバーン・フェアリー)」を展開できる能力へと変化。削るのも命ではなく体力だけとなり、安全に発動可能なものへと生まれ変わった。ちなみに「反射」はアルビオン生前の能力の1つであり、失われたはずの力であった。 神器に封じられた際に「聖書の神」に切り離されていたドライグ生前の能力の1つに「透過」という力があり、18巻でそれも発動させることが可能となった。これは「Penetrate(ペネトレイト)」の掛け声で発動し、術や特殊な防御法(リゼヴィムの「神器無効化」も含む)を文字通り「透過」させて、力をダイレクトに与える能力。アルビオン生前の能力の発現も含め、神は二天龍を神器に封じる際にこれらの力を完全には取り払わず、「二天龍の和解」という絶対に起こらないであろうはずの要素を封印のキーとして設定していたのではないかとアザゼルは想像している。 この神滅具の禁じられた奥の手として「ロンギヌス・スマッシャー」がある。鎧の胸腹部装甲の奥に隠された発射口に集めた莫大なオーラを一気に放出するという必殺技。禁断とされる力のひとつとドライグが語るように、自然環境をも変えかねないほどの凶悪な破壊力を秘めており、地上で放てば一帯を消滅させ空に撃てば大気にオーラが残留するほど。本来は「覇龍」状態でしか使うことができないものだったが、イッセーがグレートレッドの肉体から夢幻の因子を得て通常の赤龍帝とは違う方面に進化をし続けたことで「白龍皇の妖精達」や「龍神化」を用いて発動できるようになった(詳細は各項で後述)。 さらに、オーフィスと釈迦如来の助けを借りたイッセーの祖父・十蔵が神器のシステムを内部から組み替えたことで、おっぱいから吸収した乳力(にゅうパワー)を魔力へ変換してキャノンから放つ砲撃「超乳波動砲(にゅうトロン・ビーム・キャノン)」を発現する。鎧の尻尾部分を近くのおっぱいに接続し、吸収が完了すると鎧の宝玉にバストサイズが表示される。単独で使用することはできず、1度吸収した対象は一時的に貧乳になってしまうため連続使用は難しいが、バストサイズに比例して威力が上昇していき、90cm代後半で∞・ブラスター並みの破壊力、3桁のバストの力があればとんでもない出力を発揮するとされている。ちなみにイッセーの乳技で唯一男性相手でも使うことができるものである。 従来は神滅具としての順位は中堅程度とそれほど高い扱いではなかったが、「覇龍」発動時には白龍皇の力のみならず「停止世界の邪眼」をも発現し、実際にはそのスペックは底が知れない。加えて、トリアイナと真『女王』で天龍の力が解放されたことにより、神器としての力の限界値が上昇している。 また、サマエルの呪いで滅んだイッセーの肉体の残骸の一部から「幽世の聖杯」で抽出した情報を利用した、「赤龍帝の籠手」および「赤龍帝の鎧」のレプリカがクリフォトの手で製造されている。これらはドライグの魂が宿っていないこともあって本物よりも性能は劣り、発動に際するコストも高くなっている。「覇龍(ジャガーノート・ドライブ)」の呪文 我、目覚めるは 覇の理を神より奪いし二天龍なり 無限を嗤い、夢幻を憂う 我、赤き龍の覇王と成りて 汝を紅蓮の煉獄に沈めよう 赤龍帝の三叉成駒(イリーガル・ムーブ・トリアイナ) 9巻にて、アジュカによって調整を施された「悪魔の駒」と、「赤龍帝の籠手」に秘められていた可能性を解き放ったことで見出した「新たな力」。「王」の承認なく自分の意思で自在に「僧侶」「騎士」「戦車」へのプロモーションを可能とし、神によって封印されていたドライグの本来の力を使った3つの強化形態を操る。 各駒の特性に特化することで能力を強化するが、長所が伸びる分だけ「欠点も丸わかり」であるうえ、形態変更を連続して使用すると半端ではないほどに体力を消耗する。内の駒を変えるときに一瞬だけタイムラグがあるのが弱点で、テクニックタイプにはそのタイミングを突かれるおそれがある。また、「王」を無視して昇格することから、通常のレーティングゲームでは使用を禁じられている。 真『女王』発現後は、その準強化形態として扱われている。 名前の由来はチェスでは禁じ手とされているイリーガル・ムーブと、使える能力が3つであるがゆえ三叉の矛トリアイナ(トライデント)から付けられている。龍牙の僧侶(ウェルシュ・ブラスター・ビショップ) 「赤龍帝の三叉成駒」の「僧侶」形態で、背中にオーラを溜めるバックパックと両肩に大口径キャノンを搭載した砲撃戦仕様。ドラゴンショットの超強化版「ドラゴンブラスター」の威力は絶大で、格上のはずの「霧の中の理想郷」で作り出した広大な京都の街を1発で消し去って疑似空間そのものをも歪め、強力な結界を使って全力で防がなければ結界装置すら破壊できてしまうほど。 イッセーは魔力の扱いが不得手であるために「砲撃特化」にせざるを得なかった面があり、機動力にも乏しいため基本的には固定砲台としての運用が主。砲身を展開した状態でチャージしなければならず、相手にとっても対策しやすいことからトリアイナの中では一番ネックとなっている。しかしレイヴェルより砲撃だけではなく力の遠隔譲渡にも活用できるのではないかという可能性を示唆され、単純な砲撃モードというだけではない更なる伸び代を模索している。 アニメでは3期の最終話で先行登場した。 イメージモデルはガンダムダブルエックス。 龍星の騎士(ウェルシュ・ソニックブースト・ナイト) 「赤龍帝の三叉成駒」の「騎士」形態で、余分な装甲をパージした高速戦仕様。増設したブースターによる圧倒的な加速力を誇る。 装甲が薄く防御力を完全に捨て去っていることが最大の欠点。そのため高速移動で味方を攻撃から庇ったとしても、「龍剛の戦車」にプロモーションするのが遅れれば自分自身が重傷を負ってしまうことになる。加えて今は使いこなせていないため直線的な動きしかできず、上位の相手ともなるといくら速かろうが動きを見切られてしまうため、いずれはさまざまな高速機動を行えるようになろうと修行中。 イメージモデルは仮面ライダーカブト、ビルトビルガー。 龍剛の戦車(ウェルシュ・ドラゴニック・ルーク) 「赤龍帝の三叉成駒」の「戦車」形態で、「龍星の騎士」とは逆に装甲を強化し強固な防御力とパワーを持つ打撃戦仕様。鎧が通常の5〜6倍ほどに分厚くなり、強化された防御力は最強の神滅具「黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)」による上級悪魔を瞬殺できる出力の一撃さえも防ぐ。加えて近接戦闘能力も底上げされ、肘部分の撃鉄を作動させて放つ打撃「ソリッドインパクト」は凄まじい威力を誇る。 今のところイッセーと最も相性が良い形態だが、あまりに特徴がハッキリしすぎで対処されやすいことと鈍重なことが欠点で、それを今後どう補うかが課題。 イメージモデルはビッグオー。 真紅の赫龍帝(カーディナル・クリムゾン・プロモーション) 10巻のサイラオーグとの勝負で、内に眠る「歴代所有者の負の思念」を克服し目覚めた「真『女王』」と呼ばれる形態。ドライグの力を解放した状態で「女王」の力を使うことができる、「赤龍帝の鎧」の深淵面・慮外面の複合型の強化形態。「Cardinal Crimson Full Drive(カーディナル・クリムゾン・フル・ドライブ)」の掛け声で発動する。命名はサイラオーグ。 鎧の色がそれまでの「赤」から、リアスの髪色と同じ鮮やかな「紅」に変わった。この状態になるに際し、以前ヴァーリの宝玉を取り込んだ時に紛れ込んだ歴代白龍皇の1人の残留思念に力を貸してもらった。そのおかげで「覇」の力が弱まり、歴代赤龍帝を説得できたことで力を得られた。この時点で歴代赤龍帝の怨念は完全に晴れており、これ以降に「覇龍」が発現することはなくなった。 この「真紅の赫龍帝」は全ての駒特性を発揮できるため、「赤龍帝の三叉成駒」の3つの形態「龍剛の戦車」「龍星の騎士」「龍牙の僧侶」の能力全てをこの一形態で賄え、かつそれらより能力が強い。各能力はそれぞれ、「戦車」は「Solid Impact Booster(ソリッド・インパクト・ブースター)」、「騎士」は「Star Sonic Booster(スター・ソニック・ブースター)」、「僧侶」は「Fang Blast Booster(ファング・ブラスト・ブースター)」の音声と共に発動する。「ドラゴンブラスター」は進化バージョンの「クリムゾンブラスター」になり、威力が高いだけではなくチャージの時間も短縮されている。なお、「クリムゾンブラスター」の砲身は、非使用時は背中の翼内部に収納されている。 生命力に関する危険性は無くなったが、その分体力面での消耗が激しくなっている。「覇龍」に代わる新しい赤龍帝の真の力だが、まだ不安定でほとんど力を使いこなせておらず、強敵相手には通じない状況が出てきた。それを打開するため、トリアイナの各能力を高めて安定性を上げると共に、初代孫悟空から修行を受けることになった。 第4章終盤からは「龍神化」覚醒により発動までの時間が短縮され、詠唱も不要になり、魔王クラスとそこそこ良い勝負ができるほどに能力も上昇している。「龍神化」は擬似的なものも含めて不安定で負担も大きいため、最終章の段階でもイッセーの主力形態として活躍している。 イメージモデルはフリーダムガンダム。「真紅の赫龍帝(カーディナル・クリムゾン・プロモーション)」の呪文 我、目覚めるは 王の真理を天に掲げし赤龍帝なり 無限の希望と不滅の夢を抱いて王道を往く 我、紅き龍の帝王と成りて 汝を真紅に光り輝く天道へ導こう 超巨大禁手(ちょうきょだいバランス・ブレイカー) グレートレッドの肉で体を作り直したことで、真龍とある意味で同じ体となったイッセーだからこそ実現した、「グレートレッドとの合体」。その実態は「グレートレッドのサイズでイッセーを再現すること」であり、基本の動きをイッセーに委ねているため、いつも通りに身体を動かせる。この時はイッセーの体内に悪魔の駒がなかったため、トリアイナと真『女王』は使えず通常の禁手状態だった。 この形態における「ロンギヌス・スマッシャー」は赤龍神帝の力を借りているため、空に向けて放った際、一面が赤いオーラに染め上がるほどの広範囲で膨大な威力で、超獣鬼を跡形もなく消し去った。地上で放っていれば一帯がすべて消滅してしまうほどに破壊力がバカげているらしい。 12巻あとがきによると「今回だけの特別仕様」であり、3章の最後、前後編の後編を飾るに相応しい姿を出したかったとのこと。 白龍皇の妖精達(ディバイディング・ワイバーン・フェアリー) 「白龍皇の籠手」の力が16巻のユーグリット戦で生まれ変わったもの。二天龍の和解により至れた力で、宝玉から飛び出る複数の白い小型の飛龍という形をとる。白龍皇の能力のうち、「半減」と「反射」を発動できる。以前の制御困難な力とは違い、自分の意思で自在に扱うことが可能となっている。 敵の力に対してぶつけた数だけその力を「半減」させることができる。加えて「反射」の能力でイッセー自身の魔力砲撃を跳ね返すことにより、より複雑な軌道で相手を攻撃することが可能となった。破壊されたり消費して数が減っても体力の許す限りはすぐに再出現させることができ、イッセーの攻防に大きな変化を齎した。同時に接触させることでイッセー自身の魔力を直接相手に通すことも可能。 また、17巻でファーブニルが歴代白龍皇の説得に成功したことで、赤龍帝の力を反映させて「倍加」と「譲渡」も発動できるようになり、その場合は飛龍の色が白色から赤色へと変わる。この状態の飛龍を複数使用し、増幅した力を一気に自身へと「譲渡」することでかつてない量の力を得ることが出来るようになり、このことでかつて「覇龍」による暴走状態や、グレートレッドと合体した「超巨大禁手」時だけしかまともに使えなかった「ロンギヌス・スマッシャー」を放つことも可能となった。ただし、「ロンギヌス・スマッシャー」は禁断に属する力であるため乱用すべきではないとされる。加えて体中のドラゴンの力を集めて使うために体力の消耗が大きく、一度使用すると万全の状態まで回復するのに1カ月もかかる。 命名はリアスで、フェアリーチェスに由来する。イメージ元はサイコガンダムマークIIのリフレクタービット。深紅の滅殺龍姫(クリムゾン・エクスティンクト・ドラグナー) イッセーとリアス2人で編み出した合体技。「白龍皇の妖精達」で生み出した飛龍がリアスの体に張り付いて変形、装甲と化し「赤龍帝の鎧」を形成する。時間・回数共に制限があるものの、リアスも「倍加」「譲渡」「透過」を使用できるようになる。ただし、これを使っている間はイッセーの意思で飛龍を使用することはできなくなる。また、女性の体に貼りつくという性質から、イッセーが「深潭の蓋世王冠」で羞恥心が増幅された際には使用できなくなった。 イメージモデルはアイアンマン。真紅の破壊龍騎士(クリムゾン・ディストラクション・ドラグナー) 「深紅の滅殺龍姫」のゼノヴィア版といえる応用形態。ゼノヴィアの奥の手で、エクス・デュランダルのパワーだけでなく、移動時のスピードも増幅されるのが特徴。「深紅の滅殺龍姫」と同時に使用はできない。 龍神化-D×D・G(ディアボロス・ドラゴン・ゴッド)- 20巻で覚醒した、イッセーの肉体を構築する「無限の龍神」オーフィスの力を一時的に解放する究極の形態。「龍神が作りし無二の呪文」をイッセーとオーフィスが謳い、「Dragon ∞ Drive(ドラゴン・インフィニティ・ドライブ)」の掛け声で発動する。ドライグはこの形態を、「真二天龍の片割れ、悪魔にして真紅の赫龍帝-「D×D(ディアボロス・ドラゴン)」-」と称している。この成長によってイッセーの「悪魔の駒」は8つ全てが「変異の駒」へと変化し、それでもなお持て余している。 紅と黒を基調とした色合いの全身鎧で、真紅の鎧よりも有機的なフォルムと化す。翼は4枚になっており、その全てにキャノンも収納されている。宝玉の全てに「∞」の記号が浮かび上がっている。「覇龍」のような生物的な特徴もあるが、禍々しいオーラはない。 オーフィスに許された唯一絶対の力にして、グレートレッドの肉で作られた身体を持つイッセーでなければ耐えられない禁断の力。ドライグをして「あり得ないぐらいに強い」と言わしめるほど強力で、赤龍帝の力に無限の特性が備わっているため、リゼヴィムの「神器無効化」でも無力化できないほどのエネルギー質量を放つ。また、鎧の強度も非常に高く、作中で破壊できたのは天龍クラスのアポプスと準神族兵装を纏ったヴィーザル、暗黒神エレボスといった神クラス以上の存在だけで、ドラゴンの鎧でありながら魔帝剣グラムの強力な「龍殺し」の呪いを持ってしてもヒビを入れるのが限度。ただし、内部のイッセー自身へと浸透するダメージまでは完全に防げない。 背中に生える4枚の翼から伸ばしたキャノンにオーフィスの無限のパワーを集めて放つ「∞(インフィニティ)・ブラスター」は、強烈で膨大な極太の紅色と漆黒が混ざったオーラ砲撃で、着弾すると空一面を覆い尽くすほどの大爆発を引き起こすという「神の奇跡」に匹敵する強力な攻撃。また、「ロンギヌス・スマッシャー」や「超乳波動砲」を放つ能力も健在で、「∞・ブラスター」との二重砲撃も可能であり、これはスタミナ消費が甚大だがイッセーの技の中で最強の攻撃である。 二度の「龍神化」とアルビオンの決意がきっかけとなり、あらゆるものを燃やし尽くし、神ですら確実に灰にできる消すことのできない究極の炎を放つというドライグ元来の必殺技「燚焱の炎火(いつえきのえんか)」が使用できるようになる。ただし、我慢強い敵や異常な再生力を持つ敵は燃えながら襲い掛かってくる場合があるという欠点があり、仲間への類焼を防ぐ必要があるため、味方がいる戦いでは使用しにくい。 また、強力な龍神の波動を放って相手の動きを止める「乳力波動(にゅうパワー・ウェーブ)」という念力を使うことが出来るほか、「洋服破壊」も直接触れることなく衣服を破壊する「洋服破壊・龍神式(ドレスブレイク・ディーディー)」へと強化される。 だが、神にも届くほどの力であるがゆえに「存在の崩壊」というあまりに大きすぎるデメリットが存在した。異能に目覚めて1年足らずのイッセーにとっては変化があまりにも急激過ぎたこともあって、1回目の使用では多臓器不全に陥って生死の境をさまよい、2度目の使用では魂が耐え切れず存在が曖昧になるほどの反動があった。そこでオーフィスが調整を施した結果、元の出力は出せないものの「龍神化」と同じ鎧を纏う能力「疑似龍神化」という形で落ち着き、さらに修行次第では伸び代もあるようなものに変化した。 ただしアジュカの見立てでは完全に極めるのは無理でも使いこなせる域には至っているとのことで、2つに別れたオーフィスの共鳴や眠ったままのグレートレッドの力の解放などが行われれば再び扱えるようになる可能性もあるとされていた。その推測を裏付けるように、後に「深潭の蓋世王冠」で一度性欲を封じられ、術が解けておっぱいのありがたさを再認識した衝撃により、グレートレッドの肉体が呼応して「真の龍神化」を果たす。鎧自体は特に変化しないが、全宝玉にウロボロスを象徴する尾をくわえたドラゴンの紋様が浮かび、あふれ出る悪魔とドラゴンと神のオーラの質は「疑似龍神化」を上回る。また、反動も戦闘後の大幅な体力の消耗と酷い筋肉痛だけになって、死に直結する悪影響はなくなった。「龍神化」の呪文 我に宿りし紅蓮の赤龍よ、覇から醒めよ 我が宿りし真紅の天龍よ、王と成り啼け 濡羽色の無限の神よ 赫赫たる夢幻の神よ 際涯を超越する我らが禁を見届けよ 汝、燦爛のごとく我らが燚にて紊れ舞え 「真の龍神化」の呪文 我に宿りし紅蓮の赤龍よ、覇から醒めよ 我が宿りし真紅の天龍よ、王と成り啼け 濡羽色の無限の神よ 赫赫たる夢幻の神よ 際涯を超越する我らが真なる禁を見届けよ 汝、燦爛のごとく我らが完全なる燚焱にて紊れ舞え 疑似龍神化(ぎじりゅうじんか) イッセーが22巻で編み出した、呪文の一節に「制限」を加えることで、一時的に「龍神化」の絶大な力を使うことができる形態。「龍神化」で使える全ての能力を扱えるが出力は低下しており、当初は全身鎧の状態維持だけでも3分間しか持たず、攻防によってさらに時間が短縮するほか、「∞・ブラスター」の発動準備段階から10カウントが始まり、0になれば強制的に変身が解けてしまう(つまりブラスターは一度の変身で一発しか放てない)という弱点があった。加えて解除後には体力と魔力を大きく奪われるため鎧の維持すらままならない場合がある。そのため最大攻撃力ではあるものの切り札としてしか運用できず、制限時間中は防御に徹するだけで対処できてしまうため、魔王〜神クラスとの戦いでは分が悪かった。だが、帝釈天の差配で簡易版のアムリタを服用したことが切っ掛けとなって制限時間が88分まで延長、ブラスターを放っただけで鎧が解けることもなくなり、神相手にも通用する形態として使用できるようになる。「疑似龍神化」の呪文 我に宿りし紅蓮の赤龍よ、覇から醒めよ 我が宿りし真紅の天龍よ、王と成り啼け 濡羽色の無限の神よ 赫赫たる夢幻の神よ 際涯を超越する我らが偽りの禁を見届けよ 汝、燦爛のごとく我らが燚にて紊れ舞え 部分龍神化(ぶぶんりゅうじんか) 23巻から登場する形態。鎧の一部だけを「龍神化」形態に変化させることにより、スタミナ消費を抑えることが可能となる。主な使用法は、腕を変化させて打撃を強化する、翼を変化させて高速飛行するなどだが、「乳力波動」「洋服破壊・龍神式」も使用可能。この部分変化は一度発動させた後であれば再使用時の呪文は不要で、スタミナが続く限りどこか一部分だけならどの部位でも何度でも変化させられるという点から、持久戦にも対応できるようになっている。ただし、身体能力そのものは他の部分の鎧に準拠するため、真『女王』でも動きを捉えられない神クラスとのとの戦いで有効活用するのは難しいとされる。無理をすれば2箇所以上の変化も可能だが、短時間の発動でも負担は非常に大きい。「部分龍神化」の呪文 濡羽色の無限の神よ 赫赫たる夢幻の神よ 際涯を超越する我らが寸刻の禁を見届けよ 赤龍帝ドライグ顕現 イッセーの成長、「龍神化」の影響、アムリタの服用によって発現した新たな力。ドライグの封印を解除し一時的に肉体を復活させて共闘する。ただし、発動までに「疑似龍神化」開始から8分ほど必要で、制限時間も存在するので現在は神器の奥に潜って顕現時間を延ばそうと試みている。なお、アザゼル杯のシステムではイッセーと同一個体で彼の能力の一種と見做すという判断がされたため、ドライグも試合に参加することがルールで許可されている。 A×A(アポカリュプス・アンサーアームズ) 強化アームドベースである巨大な真紅の飛行ユニットへと進化したスキーズブラズニル「龍帝丸」とイッセーが合体することで使用可能となった、グレートレッドの力の顕現。搭乗スペースのプラグに鎧の尾を接続することで念じるままに動かすことができ、「Revelation Barrier(レベレーション・バリアー)」の音声で神のオーラ砲撃をノーダメージで受けきる強固なバリアーを展開、「Revelation All-Range Blaster(レベレーション・オールレンジ・ブラスター)」でボディ各所の砲口から数え切れないほどの極大なオーラ砲撃を放つ「レベレーション・ブラスター」、「Revelation Blade(レベレーション・ブレード)」で収納されている4本のアームの先端からオーラの刃を伸ばす「アポカリュプス・アスカロン」、といった複数の強力な能力を備えている。ただし、巨体ゆえに小回りはきかず、素早い相手には攻撃を当てられないまま制限時間が切れてしまい、合体が解除された瞬間に倒されてしまう危険性がある。 「邪龍戦役」直前に起きた未来から来た「UL」による襲撃後、記憶修正を受けなかった龍帝丸が、その脅威を想定して成長した姿であり、本気を出せば星をも滅ぼせるほどの規格外のパワーを秘めている。非常にエネルギー(オーラ)の消耗が激しく稼働時間が短いこと、数日は龍帝丸が動けなくなり、エネルギーの充電に時間がかかること、イッセーも数日は疲労が残ることがリスクだが、疑似ではない「龍神化」に比べれば負担は遥かに軽い。また、アザゼルの提案で、ギリシアの原初の神エロスの力を借りた「エロス・エンジン」で制御を行うことを計画している。 モデルはガンダム試作3号機ことデンドロビウム。 白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング) 所有者:ヴァーリ・ルシファー 二天龍の片割れ、「白龍皇」アルビオン・グウィバーの魂が入った光翼。神滅具の1つ。「半減」と「吸収」の力を宿している。 「Divide(ディバイド)」という掛け声とともに、10秒ごとに触れた者の力を半分にする。また、半分にした力を「吸収」して自分のものにすることができ、余剰な力は翼から排出されるため、常に最大レベルの力を維持できる。この特性から暴走した味方を鎮める時にも利用される。ただし、神格に対しては「半減」がうまく作用せず、「吸収」するのは力だけなので、能力を使うたびに消耗するスタミナの回復はできない。なお、翼型をしているため、「赤龍帝の籠手」とは違って禁手化する前から飛行能力を使用できる。 禁手は「白龍皇の鎧(ディバイン・ディバイディング・スケイルメイル)」で「白龍皇」の力を具現化させた白い全身鎧。「Vanishing Dragon Balance Breaker(バニシング・ドラゴン・バランス・ブレイカー)」の音声とともに発動する。「半減」の力を一気に使用して攻撃を弱めたり、相手を急速に弱体化させられる。この形態でも神本体を直接「半減」するのは難しいが、放たれた攻撃だけならば神クラスに由来するものでも削ることができる。 さらに「Half Dimension(ハーフ・ディメンション)」という掛け声とともに物体だろうと空間だろうと周囲のあらゆるものを半分にする領域を展開する能力も持つ。当初ヴァーリは禁手状態でしか使用できなかったが、後に通常形態でも「半減」領域を発動できるようになった。 二天龍の和解による影響で「赤龍帝の籠手」が封じられた二天龍の生前の能力を発現できるようになってきたのと同様に、「白龍皇の光翼」も影響を受けた結果アルビオンが生前有していた「反射」の能力を「Reflect(リフレクト)」の掛け声で発揮できるようになっている。「覇龍(ジャガーノート・ドライブ)」の呪文 我、目覚めるは 覇の理に全てを奪われし二天龍なり 無限を妬み、夢幻を想う 我、白き龍の覇道を極め 汝を無垢の極限へと誘おう 白銀の極覇龍(エンピレオ・ジャガーノート・オーバードライブ) 歴代所有者の残留思念を完全に封じたことでヴァーリが発動できるようになった、禁手の深淵面に分類される「覇龍」の進化形態。「覇龍」の時とは違い、宝玉からは恨みや妬みではなく純粋な闘志に満ちた声が響き渡る。「Juggernaut Over Drive(ジャガーノート・オーバー・ドライブ)」の掛け声で発動する。発動の際にその場にいたイッセーは、自身の宝玉に歴代白龍皇の所有者とおぼしき意識が流れ込み、戦いを通じて分かり合ったのではと推測している。 出力だけなら12巻時点でも各神話の主神クラスで、「覇龍」と違って命の危険と暴走を可能な限り取り払い、かつ成長の伸びしろがまだある。この形態では「Compression Divider(コンプレッション・ディバイダー)」という具象のみならず夢や幻までも圧縮する秘技が使用可能となり、その威力は最上級死神プルートをも一撃で消滅させるほどである。 だが、体力的な消耗がとてつもなく激しいという欠点があり、当初の発動時間は数秒と極めて短く、自身の消耗状態によっては発動自体ままならないなど、イッセーの「真紅の赫龍帝」よりも使い勝手が悪かった。このままでは結局一撃勝負以外には使えず、本当の強敵との戦いでは勝ち目が無いため、初代孫悟空から修行をつけてもらっていた。そのおかげで21巻以降は相手と何度も打ち合えるほどに制限時間が伸びており、身体能力強化のみにとどめるなど効果を限定すればさらに持続時間を延ばすこともできるようになった。「白銀の極覇龍(エンピレオ・ジャガーノート・オーバードライブ)」の呪文 我、目覚めるは 律の絶対を闇に堕とす白龍皇なり 無限の破滅と黎明の夢を穿ちて覇道を往く 我、無垢なる龍の皇帝と成りて 汝を白銀の幻想と魔道の極致へと従えよう 魔王化-D×D・L(ディアボロス・ドラゴン・ルシファー)- ヴァーリの魔王ルシファーとしての力と相棒である白龍皇アルビオン・グウィバーの力を、友・オーフィスの助けを借りてすべて発現させた形態。ヴァーリがヴァーリを認め、アルビオンがアルビオンを受け入れたことで使えるようになった。龍神と天龍、そしてルシファーの三重唱の呪文と共に「Dragon Lucifer Drive(ドラゴン・ルシファー・ドライブ)」の掛け声で発動する。 背中に12翼のルシファーの翼を生やす新白龍皇。鎧は白銀と黒を基調としており、形も有機的で「覇龍」を一部思わせながらも、見惚れるほどに流麗なフォルムをしている。 「極覇龍」同様スタミナ消費が激しいが、軽くふるっただけでも山の頂が消滅してしまうほどの出力があり、現状ではイッセーの「龍神化」を総合力で上回っている。「半減」「吸収」「反射」に加え、アルビオンが最初から有していた猛毒の能力「減少」をも操ることができる。「減少」の力は「Venom(ヴェノム)」の掛け声で発動し、無機物以外の血・肉・骨・臓器・魂といったあらゆるものを徐々に減らしていくという効果を持つ。 12枚の翼を分離させることでイッセーの「白龍皇の妖精達」に酷似した飛龍を生成することが可能。この飛龍は白龍皇が有する様々な力を発動でき、体の一部に開いた砲口から極大のルシファーのオーラを発射できる。 この形態における必殺技に、高めに高めた自身の力を全身から耀として放ち攻撃を圧縮して消滅させる「Satan Compression Divider(サタン・コンプレッション・ディバイダー)」や、腹部の砲口から白銀と漆黒が入り混じった極太のオーラ砲撃を放つ「Satan Lucifer Smasher(サタン・ルシファー・スマッシャー)」がある。「魔王化」の呪文 我に宿りし無垢なる白龍よ、覇の理をも降せ 我が宿りし白銀の明星よ、黎明の王位に至れ 濡羽色の無限の神よ 玄玄たる悪魔の父よ 窮極を超克する我らが誡を受け入れよ 汝、玲瓏のごとく我らが燿にて跪拝せよ 白龍皇アルビオン顕現 「魔王化」によって発現した新たな力。「疑似龍神化」の「ドライグ顕現」と同様、封印されたアルビオンを肉体を持った状態で復活させる。加えてこちらは「魔王化」した時点から顕現化が可能という点で勝っている。 黒刃の狗神(ケイニス・リュカオン) 所有者:幾瀬 鳶雄 神滅具の1つ。神をも断つ黒刃を生み出す、赤色の瞳を持つ黒い犬の姿をした独立具現型の神器(鳶雄は「刃(ジン)」と名付けた)。狼男の真祖「リュカオン」と、「火之迦具土神」を斬った神殺しの十束剣「天之尾羽張」という、相反する強力な2種類の存在を同時に宿す非常に稀な神器。ギリシア神話と日本神話のごった煮のような神器で、双方の特性が歪んだ状態で融合しているため、「リュカオン」は狼から狗へ変化し、「天之尾羽張」は神性を失い擬いの神となっている。唯一「神」の名を冠する神滅具であり、「神殺しの牙(つるぎ)を持つ擬いものの狗神(かみ)」とも呼ばれる。 物体のみならず術・魔法・概念・魂すら斬り裂く能力を宿す。あらゆる影の中から歪な無数の巨大なブレードを発生させる「夜陰鉤(ナイト・ハーケン)」という技を使用でき、作り出した剣を口にくわえて攻撃するほか、咄嗟の時にはハーケンを盾にして自分を守る、ハーケンを足場にする、ハーケンによって生じた影を使って攻撃や移動を行うなど様々に応用する。周囲に遮蔽物がない状態だと自分や相手の影からしか発生させられないという弱点があるが、宿主の成長に伴い自分の体から影の領域を広げ攻撃範囲を拡大することもできるようになる。能力が未熟で自我が弱い状態では、その体から様々な形の刃を発生させる能力「ブレード」として使用し、自らの体を巨大な刃物に変えることも可能。さらに、影の中に隠れる能力も持ち、影から影へと自由に移動できる。 「狗」は非常に知能が高く、優れた学習能力を持つ。人間の言葉も理解しているが、話すことはできない。戦闘では獣の直感で主人をサポートする。自らの意思で宿主の元を離れ単独行動できるため、実際五大宗家に遺恨を持つ妖怪たちと朱乃が戦うこととなった時は独断で助けっ人に現れている。 力を高めていくと闇のオーラが体を覆うようになり、その状態では神速での移動が可能で、自分の周囲と通過した跡からは歪な刃が無数に発生する。一方で、神器の深奥に宿る「リュカオン」から侵食を受けるというリスクも存在する。 本来の禁手は「夜天光の乱刃狗神(ナイト・セレスティアル・スラッシュ・ドッグズ)」。所有者が纏う暗黒のオーラで周囲を闇に染め上げ、その余波であらゆる空間からブレードを無数に発生させるという能力。所有者自身も六尾の犬のようなフォルムを持つ黒い人型の獣に変身、向上した身体能力で超高速の肉弾戦や武器による攻撃を行う。「神すらも斬り倒せる」という触れ込みの通り、斬る能力はさらに強化され、鳶雄自身が装備する大鎌は空間をも切り裂くほどの切れ味を誇り、振るえば無数の魔法を一撃で切り崩す。刃が口にくわえる剣には禁じられた呪文が刻み込まれ、貫いた相手を内部から破壊し、分身である独立具現型神器を攻撃して本体にダメージを与えるといったことが可能となる。力を高めることで己の斬りたい物だけを選択して切断することもできるが、刃の認識が狭いままだと意識していないものを容赦なく斬り殺してしまう。また、副産物として「火之迦具土神」を「天之尾羽斬」が斬った際に神の炎が刃に宿っており、赤黒い呪炎を武器に宿して斬った対象を焼くことが可能。「夜天光の乱刃狗神(ナイト・セレスティアル・スラッシュ・ドッグズ)」の呪文 人を斬れば千まで啼こう 化生斬るなら万まで謳おう 暗き闇に沈む名は、極夜を移す擬いの神なり 汝らよ、我が黒き刃で眠れ 愚かなものなり、異形の創造主よ 深淵なりし冥漠の獣魔、英傑であれ常夜刃の狗神(ペルフェクトゥス・テネブラエ・リュカオン・エト・フォルティス・デンス・ライラプス) 鳶雄が「夜天光の乱刃狗神」を研磨した先にたどり着いた禁手の深淵面(アビス・サイド)。山脈を覆い尽くす規模で無数の闇の刃を発生させ、さらに暗黒を吐き影の中を移動できる「狗」の大群を生み出す。神すら斬り伏せるとも、「あらゆるモノ、すべてを斬る」ともされるだけあって、神が張った結界でも一撃で破壊でき、刃に流れるオーラの波長も豊富で、1つのオーラに耐性を得ても、刃の質を変えることでその耐性を突破することが可能。「狗」たちも剣を口にくわえ、物陰に潜み、影の中を移動し、死角の影から現れて敵の軍勢を刈り取っていく。神器の奥深くへ潜ったことで、闇で自分自身の分身を作り出し、闇の獣となった自身を分散させ、複数の分身体である「狗」と化すことが可能であり、攻撃が当たっても闇と化して散っていくため、本当の魔王クラス以上か神クラスでなければ、闇を超えて有効な攻撃を与えることもできない。 本来は人間態から下記の呪文を唱えることで変身するが、通常禁手から追加詠唱することでも変ずることが可能。「深淵なりし冥漠の獣魔、英傑であれ常夜刃の狗神(ペルフェクトゥス・テネブラエ・リュカオン・エト・フォルティス・デンス・ライラプス)」の呪文 人と理を斬るなら幾千まで啼こう 化生と凶兆斬るなら幾万まで謳おう 遠き深淵に届く名は、極夜と白夜を騙る擬いの神なり 汝、我らが漆黒の魔刃で滅せよ 儚きものなり、超常の創造主よ追加詠唱の呪文 我ら、理と凶兆をも斬り祓う獣なり 果てなく遠き深淵で我らは白夜を騙ろう 我は魔刃。我らは獣魔。冥漠の果てで常夜の乱刃と成ろう 幽世の聖杯(セフィロト・グラール) 所有者:ヴァレリー・ツェペシュ 神滅具であり、聖遺物の1つ。「生命の樹セフィロト」の名を冠する、最後の晩餐で使われイエスの血を受けた「聖杯」。 生命の理を覆しかねないほどの力を秘めており、「回復」のみならず、禁術の領域である「再生」を可能とする現状では唯一の神器。生物を極めて滅びにくい状態へと強化する、肉体が滅んだ邪龍を残っている魂から再生する、滅んだイッセーの肉体の欠片から「赤龍帝の籠手」の情報を抽出して神滅具のレプリカを作成する、とその力が及ぶ範囲は非常に広い。さらに回復系神器の機能として、器から湧き出す液体を患部にかけることで傷を治療できる。ただし、「聖母の微笑」ほどの即効性はなく、他の回復系神器と同じく傷は治せても体力は回復させられない。 しかし、死者の魂から「再生」を行う場合は、莫大な命の情報量を扱う特性上、使うたびに生命のあり方を強制的に見せられることとなり、乱用すると精神が汚染されるという副作用がある。症状が進行すると感情が曖昧になって「亡者」と呼ばれる存在が見えるようになり、さらに悪化すると亡者達と楽しげに語らうようになる。この亡者とは「決して見えてはいけない存在」で、悪魔ですら理解できない言語を使い、混在しすぎて元が何だったのかも今どんな状態なのかもわからないという謎に包まれたモノである。 ヴァレリーの所有しているものは神滅具自体が亜種であり、「3つでワンセット」になっている規格外のもので、生物の弱点を補う形での強化を得意としている。そのために2つまでなら聖杯を取り出されても命を落とすことまではなかった。そのうち1つをクリフォトに奪われていたが、トライヘキサ戦で奪い返すことに成功した。また未覚醒の状態だった頃に新たな神滅具「時空を支配する邪眼王」の誕生を助けているという点でも規格外のものである。 なお、これとは別に「本物の聖杯」も存在しており、神器の摘出で意識を失ったヴァレリーを治療するためその欠片が利用された。 紫炎祭主による磔台(インシネレート・アンセム) 所有者:アウグスタ → ヴァルブルガ → リント・セルゼン 神滅具であり、聖遺物の1つである「聖十字架」。 十字架を象った聖なる紫色の炎を操る。聖遺物であるため悪魔に対して必殺の威力があり、聖なる力のこもった紫炎をまともに受けると上級悪魔であっても消滅する。純粋な火力でも魔術師が浴びれば灰になってしまうほど。街1つを紫炎の壁で取り囲むこともできる。所有者によって扱い方も変わり、ヴァルブルガが紫炎の十字架を放つという使い方をしていたのに対し、前所有者でヴァルブルガの師匠だった魔女アウグスタに宿っていた時は十字架を背負う身長4メートルの巨人を紫炎で作って操る形で使われ、教会の戦士であるリントは紫炎の剣や弾丸として使っている。 その本質は独立具現型。所有者の死による次代への継承とは別の形で、神器に宿る「祭主」と呼ばれる何者かの意思の元で次々と主を変えるという特徴を持つ。『堕天の狗神 -SLASHDØG-』の第1部時点ではアウグスタが所有者で、刃狗チームとの戦いで死亡したためヴァルブルガが継承、以来4年間所有し続けていた。だが教会の戦士のクーデター襲撃に失敗して「D×D」に敗れた際に彼女の元を離れて「神の子を見張る者」に回収され、調整を施されたうえでアポプスが持つ聖杯を取り戻すためにヴァレリーへと一時的に貸与された。その後再び教会の元に戻され、間も無くしてリントを新たな所有者として選び取った。 ヴァルブルガに宿っていた際の禁手は亜種で、「最終審判者による覇焔の裁き(インシネレート・アンティフォナ・カルヴァリオ)」という磔にしたモデルに応じて能力と特性を変えるという能力。作中では「霊妙を喰らう狂龍」八岐大蛇の魂の半分を取り込んだため、200メートル級の大きさを誇る炎の十字架に八岐大蛇を磔にしたものとなった。8つの口から吐かれるブレスには聖遺物の聖なる波動が加算され、巨大な火炎球を発射することもできる。 リントの禁手も亜種で「紫炎なりし愛の覇焰天使(ラブリー・ヘヴンリィ・エンジェルス)」。自分自身とジークフリート、フリードをモデルにした3体の天使を紫炎によって形成する能力で、1体1体が厄介な状態変化能力を有している。莫大な紫炎で天使を巨大化させることも可能。 獅子王の戦斧(レグルス・ネメア) 所有者:サイラオーグ・バアル(※「兵士」レグルスとして所持) 神滅具の1つ。元祖ヘラクレスの試練の相手として知られるギリシア神話の魔獣、「ネメアの獅子」の中でも最強の1体を封じた戦斧で、額に宝玉が付いた体長5メートル程の巨大な黄金の獅子に変化することも可能。極めれば一振りで大地を割る威力を誇り、飛び道具から所有者を守る能力も持つ。 本来、神滅具は前所有者が死んだ段階で即座に次所有者を選んで転移するはずだが、どういうわけか単独で動き出して所有者を殺した相手に反撃した後、その場に駆けつけたサイラオーグの手で神器自体が悪魔に転生しているなど、神器システムからかなり逸脱している存在。独立具現型に近い状態とも言えるが、本質は異なる。単独でも強力な戦士だが、主であるサイラオーグに使われることで真の力を発揮する。 登場した禁手は近接戦闘を極めたサイラオーグに合わせた形の亜種で、「獅子王の剛皮(レグルス・レイ・レザー・レックス)」という、兜からたてがみのような金毛をなびかせ、胸に獅子の顔が付いた黄金の全身鎧。「龍剛の戦車」では相手にならないほどに攻防力が上昇し、闘気の拳で龍王クラスの火炎さえも霧散させる。飛び道具への抵抗力も健在で、悪魔の天敵である「紫炎祭主による磔台」から所有者の命を守るほどの性能を持つ。「獅子王の剛皮(レグルス・レイ・レザー・レックス)」の呪文 我が獅子よ ネメアの王よ 獅子王と呼ばれた汝よ 我が猛りに応じて、衣と化せ 獅子王の紫金剛皮・覇獣式(レグルス・レイ・レザー・レックス・インペリアル・パーピュア・はじゅうしき) 破壊の具現化たる「覇獣」形態。「覇獣、解放(ブレイクダウン・ザ・ビースト、クライムオーバー)」の掛け声と共に発動する。鎧は金色と紫色を基調としたより攻撃的なフォルムに変化し、黄金色を帯びた紫色の濃密な闘気に包まれている。魔王クラスを圧倒するほど爆発的に力を高めることが可能で、スピードは木場の神速を上回り、正拳突きの1発1発が真『女王』の「クリムゾンブラスター」に相当するとされ、わずかな攻防で城が崩れかけるという尋常ではないパワーアップが起きる。 暴走状態だったイッセーの「覇龍」とは違い、サイラオーグは修練の果てに一時的に解放出来るようになっている。「歴代所有者の怨念が響き渡る」「使用中に理性を失う」といった「覇獣」特有の症状の一部は出ないようだが、消耗に関しては変化していないため、ヴァーリのように代償にできるような莫大な魔力を持たないサイラオーグは命を糧とせざるを得ず、発動直後から吐血し始めるなど肉体への負担が非常に大きい。「獅子王の紫金剛皮・覇獣式(レグルス・レイ・レザー・レックス・インペリアル・パーピュア・はじゅうしき)」の呪文 此の身、此の魂魄が幾千と千尋に堕ちようとも 我と我が主は、此の身、此の魂魄が尽きるまで幾万と王道を駆け上がる 唸れ、誇れ、屠れ、そして輝け 此の身が摩なる獣であれど 我が拳に宿れ、光輝の王威よ 舞え 舞え 咲き乱れろ 永遠の氷姫(アブソリュート・ディマイズ) 所有者:ラヴィニア・レーニ 神滅具の1つ。鼻と口がなく6つ目で4腕という異形の姿を持つ、身長3メートル程の氷の姫君の形をとる独立具現型の神器。超広範囲に効果を及ぼす神滅具のひとつ。少々広くとも屋内の一室程度なら一瞬で氷の中に閉じ込めることが可能で、作中では死神を50体以上まとめて凍結させている。極めれば異常気象と吹雪を引き起こし、小国を氷漬けにするほどの出力を発揮するとされる。ただし、出力が強すぎて周囲を巻き込んでしまいがちなのが欠点。 ラヴィニアの禁手は亜種の「永遠に想う白銀世界(アッソルート・アルジェント・モンド)」で、凄まじい勢いの猛吹雪と共に氷の姫君を無数に出現させ、鋭く巨大な氷柱を作り出し敵を氷漬けにしていく。その出力は山脈一帯を広範囲に凍りつかせるほどで、大都市規模の限定領域でも短時間で白銀の世界へ変えられる。敵と味方を区別して完全に制御された能力を解放するので、味方は冷気と寒気をほとんど感じない。 蒼き革新の箱庭(イノベート・クリア) 所有者:神崎 光也(※所持して操るのは光也だが、正式な所有者は不明) 神滅具の1つ。所有者の理想とする世界を異空間に創り出せるという能力。その世界の中では生命さえも創り出すという疑似的な天地創造すら可能であることから、「神を騙る神器」とも呼ばれている。ただし、創り出した生物はその世界の中でしか生きられないため、「絶霧」と「魔獣創造」のいいとこどりというわけではない。 現在は行方も所有者も不明だが、アジュカがその素性を補足していて、詳しくは黄龍が調査中。光也が簡易版を青色の携帯端末で操る。この世の理の外にあるとされ、「こちら」の世界には存在していない携帯電話を主軸にしたとある「ゲーム」を創り出したと言われているが、『電蜂 DENPACHI』で光也が参加するゲーム「Innovate(イノベート)」との関係性は不明。なお、アジュカはその「ゲーム」を元に「ベルゼビュート」を開発した。 究極の羯磨(テロス・カルマ) 所有者:百鬼 黄葉(※能力を操るのは神崎光也) 神滅具の1つ。13番目の神滅具で、使用すること自体が禁忌とされ、外法や忌み数を冠するなど評判はあまり良くない。この世の理の外にあるという。 その能力はあり得ない選択を無理矢理生み出すというもので、事象の可能性を想定外の現象に変化させることができる。例として回避可能な攻撃を命中させる、絶対に届くはずの攻撃を外れさせる、整備不良という選択で武器を破壊するといった攻撃が可能。歴史上で経緯が不明で説明できないような出来事の多くに関わっているとされ、そのことから「歴史の変革器(ヒストリー・ブレイカー)」とも言われている。「蒼き革新の箱庭」の内部で能力を行使すると、千差万別にあり得ないことがあり得ないタイミングで起こり、まさしく神のごとき所業が可能となり、神クラスですら抗うことは不可能。 百鬼黄葉が所有者で、神崎光也が漆黒の携帯端末で簡易版を操る。現在行方の分からない神器だが、アジュカが行方をほぼとらえているらしく、黄龍が調査中。『ハイスクールD×D』の時代には「あちら」の世界に行っているらしく、光也が使用するに至った経緯は不明。 時空を支配する邪眼王(アイオーン・バロール) 所有者:ギャスパー・ヴラディ ギャスパーの内に宿っていた「本物の魔神バロールの意識の断片」に引き寄せられて、模倣品である時間・空間系神器「停止世界の邪眼」が融合したという冗談のような出来事で生まれた代物。能力が変質し、「停止能力」に加えて「全てを喰らう闇を操る」という2つの能力を有する別物の神器と化している。さらに、「ギャスパー・バロール」あるいは「闇ギャスパー」と呼ばれるギャスパー・ヴラディとは異なる人格が発生している。 その力は元となった「停止世界の邪眼」を大きく逸脱している。新たな能力は「闇の領域を形成して周囲を包み込み、この闇を敵の拘束に用いたり、闇から見たこともない様々な種類の魔物を無数に生み出し使役したりする」というもの。この闇の領域は最大で街1つを覆えるほどの広範囲をカバーでき、闇の魔物も敵と味方を識別して敵だけを喰らい尽くす。本体はドラゴンに似た体長5メートルもの闇の怪物へ変貌し、口の部分から闇のオーラをエネルギー波として放射し攻撃を行う。遠距離攻撃を闇で溶かして防ぐことも可能なほか、本体を包む闇は並の攻撃では引き剥がすのも難しい。また、領域から無数の邪眼を出現させられるようになり、停止させるのも時間だけから対象の能力などまで封じ込め無力化できるほど凶悪化している。バロール自身は、この「禁手でもあり、そうでもないとも言える」状態を「禁夜と真闇たりし翳の朔獣(フォービトゥン・インヴェイド・バロール・ザ・ビースト)」と名付けており、禁手として見た場合は深淵面と慮外面の複合型に分類される。 ギャスパーの転生に「変異の駒」を必要とした真の理由でもあり、ポテンシャルがどれだけあるか不明で、上位神滅具である「絶霧」や聖遺物の1つである「幽世の聖杯」の力すらも容易に凌駕するなど、強大な力を秘めている。能力の発覚直後から、新たに発見された「14番目の神滅具」と認定される可能性が高いと言われており、25巻にて正式に新規神滅具の一つとして認定され、上記の名称が与えられた。 未来の世界では、世界を停止させるだけでなく、停止した世界の中で闇の手を操って攻撃を消したり、許可を与えた者だけ動けるようにすることも可能なまでに成長している。神格、超越者、新世代の魔王、二天龍クラスでなければ、許可なしで停止世界を動くことはできない。禁夜と真闇の滅殺獣姫(フォービトゥン・インヴェイド・バロール・ザ・プリンセス) 「獅子王の剛皮」や「深紅の滅殺龍姫」を参考にして、リアスとギャスパーが開発した形態。バロールの闇をリアスが装着することで、滅びの深紅のオーラをまとった6枚の翼を生やす闇の獣へと姿を変える。額に出現する深紅の第3の目は静止の邪眼となっており、相手の動きはもちろん自分の攻撃を止めて強引に軌道を変えることが可能で、滅びの力も闇の力が加味されることで格段にパワーアップする。この状態での戦闘能力は魔王クラスを超え、真の力を8割取り戻したフェンリルとも互角に戦える。しかし、まだ調整中なこともあって両者に負担がかかり、特にリアスへの負担が非常に大きく、長時間使用すると体調を崩してしまうため連戦での運用は難しい。 イッセーのスケベ技にも対応しており、「乳語翻訳」はリアスとギャスパーの声が混じって聞き取りにくくなり、「洋服破壊」で闇をはがされても即座に元に戻すことが可能になっている。なお、当然ながらリアスとギャスパーが別行動している間は使用不能だが、発動しない間はリアスの影の中に潜んで待機することができる。「禁夜と真闇の滅殺獣姫(フォービトゥン・インヴェイド・バロール・ザ・プリンセス)」の呪文 闇よ、常闇よ、この滅びの悪魔に答えたまえ 滅びの姫よ、消滅の象徴よ、この魔神の闇を使いたまえ 我が邪眼よ、邪視の弟よ、この滅殺の我が身に集え 我が主よ、滅びの姉君よ、この禁じられた夜と真の闇を纏いたまえ 眼前の敵に、絶対なる滅びを与えんがために 深潭の蓋世王冠(アルフェッカ・タイラント) 所有者:メレディス・オールディントン 新規神滅具の1つ。聖遺物の1つであり、イエス・キリストが磔にされた際に使用された釘「聖釘」を用いて作られた王冠で、カール大帝やオットー大帝が戴冠したが、歴史の裏で消失したという「ロンバルディアの鉄王冠」が、神器システムにより再構築され、現世に具象化されたものとされる。「紫炎祭主による磔台」と同じく、自らの意思で動き次の所有者を選ぶ性質を持つ。 根本的な特性は「支配」と「聖なる釘」の2つだが、所有者によって内容の詳細が変質するのが特徴。前所有者の能力は、聖なるオーラで作った釘による攻撃と、聖釘での王冠をかぶり、ある一定のキーワードを入れた会話を対象者に数分間聞かせることで、数に限りなく異能力者以外の常人を洗脳できるというものだった。 一方、メレディスのものは聖なるオーラの釘を対象者に打つことで相手の概念を塗り替える能力で、洗脳できる相手は神器所有者に限定されるものの、神滅具所有者にも有効。認識を変えられた対象は周囲に違和感を持たれるほどの状態になっても自覚がなく、本人の得意とする施錠系の魔法と組み合わせることで、グリゴリの技術でも解除できない強力な改竄になることから、アンチ神器の能力、神器の天敵と危険視されている。また、ナイフのような大きさから長剣ほどの長さの聖なる釘を生やし、至るところから発射することも可能。 また、聖杯同様「本物の聖釘」も確認されている。 機界皇子(アンノウン・ディクテイター) 所有者:マグナス・ローズ 新規神滅具の1つ。機械及び電子機器を司るという点で神器としては全くの新種。鉄を操り、機械装置を作り出し、電子機器という最先端テクノロジーまで干渉して支配することが可能。道に停めてある無人の車を異能だけで操る、機器類をフィールド中から引き寄せて体の部位に集め、鉄の翼に強引に形態変化させて空を飛ぶといった応用法もある。作り出した機械からオーラを放出する機能もあり、飛行する時に背中に作った噴出口からオーラを噴き出すだけでなく、砲台を作り出してオーラ砲撃を行うこともできる。 終わる翠緑海の詠(ネレイス・キリエ) 所有者:イングヴィルド・レヴィアタン 新規上位神滅具の1つ。「ドラゴンに影響を与える歌声」と「海を操る力」という2つの特性を持つ。力を使うときには淡い薄紫色の粒子が所有者の周囲に漂う。 1つめの力は最強の生物であるドラゴンを無力化させ、あるいは使役できるという物。ドラゴンという存在の根本を押さえつける能力があり、鎮静効果で眠らせるだけでなく、歌声を聞けば体から力が抜け、ドラゴン系神器では禁手の維持も困難になり、回復系神器でも症状は一切改善しない。そのドラゴン特効は現状でも天龍に通じるほどの力を持ち、極めればドラゴンの大群を形成させることも可能。逆にドラゴンを鼓舞してその力を強化することもでき、「龍神化」の「譲渡」を介することで周囲にいるドラゴン以外の仲間に対しても能力の向上効果を与える。ただし、制御面が未熟な間は効果を与える対象を選択できず、敵味方を問わず無差別に無力化してしまう。なお、録音した歌声では効果がない。また、所有者はドラゴン系神器の存在を察知できるという特性もある。 2つめの力も、極めれば海を支配して荒れさせ都市部を沈めることができるため、海が大半を占めている人間界では恐ろしいほどの効果を発揮する。ただし、湖などの海以外の水場で力を発揮するには亜種変化を必要とする。 星砕剣と星穿銃(スター・バスター・スター・ブラスター) 所有者:シューティング・スター 新規上位神滅具の1つ。小銃(ライフル)と長剣で一対の神器。禁手にならずとも明らかに普通の神器を逸脱した超高威力を誇る。小銃からのオーラ砲撃は、使用回数に制限こそあるようだが、神クラスと比べても遜色がないほどの質量と規模で、森を消し飛ばし、大地を割り、島をいくつか丸ごと吹き飛ばし、非戦闘系の神クラス相手なら勝利できるとされる。長剣の一撃も禁手である「獅子王の剛皮」を軽く砕き、「獅子王の紫金剛皮・覇獣式」にさえヒビを入れ、放たれる衝撃は空気を震わせ、島を揺らすほど。
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