成功する確率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 08:12 UTC 版)
アメリカの調査によればデイトレードで成功する者は約1割程度であり、残りは投資資金を失うか負債を抱えるという。FX取引や先物取引の場合、投資家どうしの値幅の取り合いはゼロ和のゲームであるが、トータルで見れば証券会社の手数料(と譲渡益税)分のマイナスになる、マイナスサムゲームである。 一方、株式取引の場合、株価が上昇すればプラスサム、下降すればマイナスサムである。取引回数が増え、あるいは時間枠が短期になればなるほど、手数料に喰い潰される割合が相対的に長期投資と比較して高くなる。 「週刊ダイヤモンド」の第94巻41号(2006年10月28日販売号)では、ネット証券大手5社の預かり資産額が東証株価指数にほぼ連動してることから、「取引の回数を増やせば大数の法則が働き、市場平均並みの利益を平均的に出せるに過ぎない」という評価を下した記事が掲載されている。 それに対して、そのような論証的な見方は現実の成功例を見ていない、ただの無知に基づく思い込みであるとする批判もある。優れた投資家達が示す驚異的なパフォーマンスをあのような少ないドローダウンで達成する確率は極めて微小なものであるため、回数を重ねれば大数の法則が働くギャンブルとは異なるという意見である。ヘッジファンドのリターンに関する実証研究においても、リターンの非正規性とテイルリスク(検定時に除外されてしまう程度にしか発生しない、極めて大きなイベントリスクの存在が確認されている。 また、多くの経済学者や識者が依拠する効率的市場仮説が、きわめてミクロレベルでは成り立たないとするなら(そしてこれは多くのヘッジファンドやプロップファーム のトレーダーの前提条件である)、能力のあるデイトレーダーが成功するのは偶然ではない。このような人にとっては、むしろ長期投資よりも有利な手法であるという意見もある。そしてデイトレードは投資ではなく投機なのであり、利益を上げ続けるには値動きへの深い洞察力と高レベルな判断能力を要する。
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