効率的市場仮説
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英: efficient-market hypothesis、EMH)とは、金融経済学において市場は常に完全に情報的に効率的であるとする仮説[1]。ここで言う情報的に効率的であるとは、金融市場における金融商品の価格がその商品の価値を決定づける情報を反映しているという意味である。効率的市場仮説に従えば、株式取引は株式を常に公正な価格で取り引きしていて、投資家が株式を安く買うことも高く売ることもできないということになる。すると、銘柄の選定や市場のタイミングから市場の平均以上の実績を得るのは不可能である[2]。
(こうりつてきしじょうかせつ、効率的市場仮説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 04:16 UTC 版)
現実の金融市場が情報的に効率的であるという仮説を効率的市場仮説(英: efficient market hypothesis)という。 ユージン・ファーマはHarry Roberts の提言を受けて、1970年の彼の論文において市場効率性を3つの段階に分別した。 一つがウィーク型の効率性(英: weak-form efficiency)で現在の価格は少なくとも過去の価格のヒストリカルデータによる情報をすべて反映しているという意味での効率性である。次がセミストロング型の効率性(英: semi-strong-form efficiency)で現在価格が過去の価格のヒストリカルデータに加えて、会計情報や株式分割情報などの公開情報をすべて反映しているという意味での効率性である。最後がストロング型の効率性(英: strong-form efficiency)で、公開情報に加えインサイダー情報や有料のアナリスト情報などの非公開情報も含めた全ての情報を反映しているという意味での効率性である。 さらに同論文においてユージン・ファーマは結合仮説問題(英: joint hypothesis problem)と呼ばれる効率的市場仮説の実証研究を行うにあたっての問題を提起した。もしある資産価格モデルを仮定して統計学的な仮説検定を行い、その検定が棄却されたならば、市場が情報的に非効率であることと仮定した資産価格モデルが間違っていることの二つが考えられる。よって価格変動が想定した資産価格モデルで予想される程度から逸脱し、それが予測可能であったとしても、必ずしも市場が非効率であることを意味しているのではなく、モデルが間違っている可能性もあるということを指摘している。
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効率的市場仮説
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「ユージン・ファーマ」の記事における「効率的市場仮説」の解説
詳細は「効率的市場仮説」を参照 効率的市場とは「価格が利用可能な情報を常に完全に反映している市場である」と定義される。 2つの重大な概念がある(“Efficient Capital Markets: A Review of Theory and Empirical Work”, Journal of Finance, 1970)。 効率性の段階ウィーク型・・・以前の価格は市場予想の助けにならない。 セミストロング型・・・公に公開された情報は既に市場に反映されている。 ストロング型・・・会社内のみで握っている未公開情報を含む全ての情報は、既に株価に反映されている。 The Joint Hypothesis Problem
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効率的市場仮説
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ファイナンス理論においてはユージーン・F・ファマのランダム・ウォーク理論や、効率的市場仮説において一物一価の議論が登場する。ここではすべての情報が瞬時に価格に反映されるように裁定取引がおこなわれると仮定するならば、裁定取引をおこなう可能性がまったく無くなるとの循環論法に陥るものの、これは逆にすべての裁定機会を達成した結果として価格がランダム・ウォークを示現している証明であると提示される。ある財物の価格が、すべての裁定機会を達成した結果として刻々とランダムに変化し、見かけ上の「一物一価」が達成されていない外見を示していたとしても(価格がランダム)、刻々と織り込まれる情報が瞬時に価格に反映した結果であってその実質(価値)としての一物一価は達成されている、と説明される。
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「効率的市場仮説」の例文・使い方・用例・文例
効率的市場仮説と同じ種類の言葉
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理論に関連する言葉 | 前期量子論(ぜんきりょうしろん) 加速度原理(かそくどげんり) 効率的市場仮説(こうりつてきしじょうかせつ) 原論 国家法人説 |
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