帰無仮説
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科学的な実験データの解析で多用される推計統計学において、帰無仮説(きむかせつ、英語: null hypothesis; H0で示されることが多い[1])は、2つの標本セット間の差(例えば測定データの平均の差、標本平均の差)が偶然によるものであるとする説。なお、英語圏で用いられる null hypothesis は統計学よりも科学用語であり、観察されたいかなる差(数値データに限らない)も偶然だけによるものである、とする説を指す。帰無仮説は「棄てられる運命にあるように選ぶ[2]」ことからこの名がある。統計検定を用いることで、帰無仮説が真である尤度を計算することが可能である。
- ^ Helmenstine, Anne Marie. “What Is the Null Hypothesis? Definition and Examples” (英語). ThoughtCo. 2019年12月10日閲覧。
- ^ 青木朗、川角義文「紡績工場の品質管理 (3)」『繊維機械學會誌』第3巻第4号、1950年、172-177頁、doi:10.4188/transjtmsj1948.3.172。
- ^ a b c Moore, David; McCabe, George (2003). Introduction to the Practice of Statistics (4 ed.). New York: W.H. Freeman and Co. p. 438. ISBN 9780716796572
- ^ Rossi, R. J. (2018), Mathematical Statistics, Wiley, p. 281.
- ^ Neyman, J; Pearson, E. S. (January 1, 1933). “On the Problem of the most Efficient Tests of Statistical Hypotheses”. Philosophical Transactions of the Royal Society A 231 (694–706): 289–337. Bibcode: 1933RSPTA.231..289N. doi:10.1098/rsta.1933.0009.
- ^ Winkler, Robert L; Hays, William L (1975). Statistics : probability, inference, and decision. New York: Holt, Rinehart and Winston. p. 403. ISBN 978-0-03-014011-2
- 1 帰無仮説とは
- 2 帰無仮説の概要
帰無仮説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/07 02:50 UTC 版)
2つの母集団 A, B から抽出して得られる観測値 y {\displaystyle y} により母集団の優劣を比較する場合を考える。各観測値は順序のある k {\displaystyle k} 個の水準のどれかに分けられるものとしたとき、各観測値を y i j ( i = 1 , 2 j = 1 , 2 , . . . , k ) {\displaystyle y_{ij}\ (i=1,2\ j=1,2,...,k)} で表し、 y i j {\displaystyle y_{ij}} が水準 k {\displaystyle k} に入る確率を p i j ( i = 1 , 2 j = 1 , 2 , … , k ) {\displaystyle p_{ij}\ (i=1,2\ j=1,2,\ldots ,k)} とする。この場合の帰無仮説は2つの母集団 A, B の間に差がないということを表すため次の式になる H 0 : p 1 j = p 2 j ( j = 1 , 2 , … , k ) {\displaystyle H_{0}:p_{1j}=p_{2j}\ (j=1,2,\ldots ,k)}
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