幾何平均(Gm)
有効ケース数を n,各ケースの測定値を Xi ( i = 1,2,… ,n )とすると,以下の式で定義される。
上式の両辺の対数を取ると,次式が得られる。
例題:5 つの測定値,2,3,4,7,9 の幾何平均値を求めよ。
解答:Gm = ( 2 * 3 * 4 * 7 * 9 ) 1/5 = 1512 1/5 = 4.32424566
別解として,以下の表のように各 Xi の対数を取り,その平均値を求め,指数を求めると,Gm = exp (1.46423771) = 4.32424566。
Xi | log ( Xi ) |
---|---|
2 | 0.69314718 |
3 | 1.09861229 |
4 | 1.38629436 |
7 | 1.94591015 |
9 | 2.19722458 |
合計 | 7.32118856 |
平均値 | 1.46423771 |
- 二番目の式は,元の測定値の対数を取ったものの平均値(log ( Gm ))を求め,その指数を取れば幾何平均になる(exp{ log ( Gm ) }= Gm )ことを表している。
対数を取るということは,元の測定値は 0 および負の値は取らないことを表す。すなわち,元の測定値は“比尺度”であることを示唆する。
- 心理学において,“感覚の量が算術級数的に増加するためには,対応する刺激は幾何級数的に増大させねばならない”という Fechner の法則というのがある。したがって,“刺激”の代表値としては,幾何平均が適している。
- 後に触れるが“対数正規分布”に従う変数に対して望ましい代表値であることがわかる。
- 経済現象などで,“5 年間の物価上昇率が 7 % のとき,1 年の物価上昇率はいくつか”という場合に,5 年間の平均上昇率は幾何平均を用いるべきである。
算術平均値は 7 / 5 = 1.4 ということになるが,この数値が誤ったものであることは,( 1 + 0.014 ) 5 = 1.071987633 であることから明らかである(この式は,複利計算の式である)。
幾何平均は 1.07 の 5 乗根,すなわち 1.071/5 = 1.013623698 から,年率 1.3623698 % を得る。
幾何平均
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/13 03:27 UTC 版)
幾何平均(きかへいきん、英: geometric mean)または相乗平均とは数学における広義の平均の一つである。多くの人が平均と聞いて思い浮かべる算術平均と似ているが、値の総和を n個で割るのでなく、値の総乗の n乗根を取る点が異なる。
- ^ 積が負で n が偶数だとその冪根は虚数になるため。また、数値として0 が含まれていると積が常に0となり幾何平均も 0 になってしまう。
- ^ 数値群の複数の要素を算術平均を変化させないように拡散させること
- ^ Mitchell, Douglas W., "More on spreads and non-arithmetic means," The Mathematical Gazette 88, March 2004, 142-144.
- ^ FAQ - HUMAN DEVELOPMENT REPORT
- ^ a b TECHNICAL BULLETIN: Understanding Aspect Ratios. The CinemaSource Press. (2001) 2009年10月24日閲覧。.
- ^ US 5956091, "Method of showing 16:9 pictures on 4:3 displays", issued 1999-09-21
幾何平均
「幾何平均」の例文・使い方・用例・文例
- 数学における幾何平均という値
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