幾何異性とは? わかりやすく解説

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きか‐いせい【幾何異性】

読み方:きかいせい

立体異性の一。有機化合物分子、あるいは錯体配位子立体配置違いによって生じ異性現象


シス–トランス異性体

(幾何異性 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/25 21:10 UTC 版)

シス–トランス異性体(シス–トランスいせいたい、: cistrans isomer) または幾何異性体(きかいせいたい、: geometrical isomer)は有機化合物錯体立体異性体の一種である。

「幾何異性体」という名称はIUPACでは推奨されていない[1]

シス–トランス異性体と呼ばれるものは次の3種類である。

  1. 有機化合物の二重結合への置換による異性
  2. 環状化合物の環への置換による異性
  3. 錯体配位子の位置の違いによる異性

二重結合

まず炭素の二重結合に2つずつの異なった基が結合する場合を例に取ると、主鎖(炭素数最多の鎖)となる炭素骨格が同じ側(同じ炭素ではない)につくとシス (cis) 型、反対側につくとトランス (trans) 型の幾何異性体となる。IUPACでは基の優先度(置換基の順位規則。カーン・インゴルド・プレローグ順位則)が定められており、その基準で置換基の配置がシス型のときZ、トランス型のときEとして表す。Zはドイツ語のzusammen(いっしょに)、Eはentgegen(逆に)(いずれも副詞)に由来する。

ただし、炭素‐窒素間あるいは窒素‐窒素間の2重結合による幾何異性の場合(オキシムなど)は、代わりにsyn, antiを使用する。

環状化合物

環状化合物で隣接する炭素がどちらも三級炭素の場合、環から飛び出す置換の向きが環平面に対して同じ側か異なるかでcis, transを使用する(E, Zは使用されない)。

飽和縮合環化合物の場合も同様に、環平面に対して同じ側か異なるかでcis, transを使用する(E, Zは使用されない)。

環の幾何異性の位置が2つ以上ある複雑な場合はcis, trans表記よりも、(R), (S) の絶対配置で表記するのが適当である。

錯体の幾何異性

脚注

  1. ^ IUPAC, Compendium of Chemical Terminology, 2nd ed. (the "Gold Book") (1997). オンライン版:  (2006-) "geometric isomerism".

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