かけるとは?

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か・ける【駆ける/×駈ける】

[動カ下一][文]か・く[カ下二

速く走る。疾走する。「駅まで—・けて行く」「鹿が野を—・ける」

馬に乗って走る。「草原を馬で—・ける」

攻め進む。騎馬進撃する。

梶原五百余騎おめいて—・く」〈平家・九〉

→走る[用法]


かけ・る【×翔る/駆ける】

[動ラ五(四)

飛行機などが、空高く飛ぶ。飛翔(ひしょう)する。「大空を—・る(わし)」

駆ける)速く走る。

血眼になって行手を見つめて—・って居るさまは」〈寅彦・伊太利人〉

和歌で、心の動き鋭く表れる

鈍く眠り目なる歌人には、—・りたるかたを学べと」〈ささめごと


か・ける【掛ける/懸ける】

[動カ下一][文]か・く[カ下二

㋐高い所かぶらさげる。上から下にさげる。垂らす。「すだれを—・ける」「バッグを肩に—・ける」

目につくように高い所に掲げる。「看板を—・ける」「獄門に—・ける」

㋒高く上げて張る。「帆を—・ける」

㋐火に当てるために鍋などをつるしさげる。また、の上にのせ置く。「ストーブにやかんを—・ける」

㋑《竿秤(さおばかり)の鉤(かぎ)につるして重さをはかるところから》目方量る。「はかりに—・ける」

物を一方から他方へ渡す。

㋐(「架ける」とも書く)またぐように渡す。かけわたす。「歩道橋を—・ける」

細長いものを他の物のまわりに渡す。巻きつけて結ぶ。「たすきを—・ける」「リボンを—・けた箱」

張り巡らすようにして組み、つくる。一時的設営する。「クモが巣を—・ける」「小屋を—・ける」

㋓《仮小屋を作って行ったところから》芝居見世物などを興行する。上演する。「母物舞台に—・ける」

㋐他の物の上にかぶせるようにして物をのせ置く。全体におおう。「布団を—・ける」「テーブルクロスを—・ける」

水や粉などを、物の上に注いだり物に打ち当たるようにしたりする。「こしょうを—・ける」「ホースを—・ける」

建物などに火をつける。燃やす。「館(やかた)に火を—・ける」

㋓矢を放つ。「敵陣に矢を—・ける」

曲がった物など、ある仕掛けで他の物を捕らえる。ひっかけて留める。「針に—・けて釣り上げる」「ボタンを—・ける」

たくらん陥れる。謀(はかりごと)を用いてだます。「罠(わな)に—・ける」「ぺてんに—・ける」

自分直接そのことをする。自分そのことを扱う。「今まで手に—・けた仕事数々」「手塩に—・けて育てる」

㋑(多く手にかける」「人手にかける」の形で)みずから実行して始末する。殺す。「わが子を手に—・けてしまった」

目や耳などの感覚や心の働きにとめる。

㋐(多く目にかける」「目をかける」の形で)目に触れさせる。目にとめる。見せる。また、面倒を見る人の世話をする。「作品お目に—・ける」「今後とも目を—・けてやってください

㋑(「耳にかける」の形で)聞く。「いくら懇願しても耳に—・けてもくれない

㋒(「心にかける」などの形で)心にとめておく。心配する。「気に—・ける」

からだのある部分で受けとめる。「教養を鼻に—・ける」「歯牙にも—・けない」

10

㋐ある働き作用仕向けるまた、こちらの気持ちなどを相手へ向ける。「催眠術を—・ける」「暗示に—・ける」「なぞを—・ける」「情けを—・ける」

㋑送って相手に届かせる。「電話を—・ける」「言葉を—・ける」

取り付けてある仕掛け働かせて、本体動かないように固定する。「鍵(かぎ)を—・ける」

操作加え機械装置などを作動させる。「目覚ましを—・ける」「レコードを—・ける」「ブレーキを—・ける」

道具用いて他に作用を及ぼす。「アイロンを—・ける」「雑巾を—・けた廊下

11

望ましくないこと、不都合なことなどを他に与える。こうむらせる。負わせる。「苦労を—・ける」「疑いを—・ける」「迷惑を—・ける」

負担すべきものとして押しつける。課する。「税金を—・ける」

12 時間費用労力などをそのために使う。費やすつぎ込む。「内装に金を—・ける」「手間暇—・けて」

13

㋐(多く「…から…にかけて」の形で)ある地域時間から他の地域時間までずっと続く。「ただ今東海地方から関東地方に—・けて地震感じました」「今夜半から明朝に—・けて断水します」

㋑(多く「…にかけては」の形で)そのことに関する。「外交手腕に—・けては定評がある」

14 力・重みなどを一方加えのせる。力などを仕向ける。「体重を—・けて浴びせ倒す」「もみけし圧力を—・ける」

15 手などを他の物に当て添える。あてがう。「引き戸に手を—・ける」

16

物のある部分を他の物の上に置いて支える。「いすにお—・けください」「肩に手を—・ける」

物の上端を他の物に支えさせるようにして立てる。「屋根にはしごを—・ける」

17 それに頼る。ゆだねるまた、頼って処置世話を受けさせる。「願(がん)を—・ける」「期待を—・ける」「病人医者に—・ける」

18 議案などを取り上げるために公の場持ち出す。「公聴会に—・ける」「裁判に—・ける」

19 そこで受け止めて処理する。そこに持ち込んで取り扱う。「篩(ふるい)に—・ける」「印刷機に—・ける」「取り立て野菜朝市に—・ける」

20

㋐(多く「…にかけて」の形で)きわめて大切なもの証拠としてあげて、あることを約束する。「神に—・けて誓う」「面目に—・けてもあとへ引けない」

保証契約をして掛け金を払う。「保険を—・ける」

21 二つ上のものを同時に併せ持つ兼ねる。「二股(ふたまた)を—・ける」

22 同音利用して一つ語句二つの意味を持たせる掛け詞にする。「和歌では多く海松布(みるめ)』に『見る目』を—・けて用いられる」

23

㋐さらに増し加える。「馬力を—・ける」「磨きを—・ける」

㋑定まった値段にさらに加えのせる。掛け値をする。「原価に五割を—・けた値段で売る」

掛け算をする。「二に三を—・けると六になる」

24 交配をする。「ラバは、雌の馬に雄のロバを—・けてできた雑種である」

25 ものにある性質傾向与える。「サーブ回転を—・ける」「シュートを—・けた内角球」

26 芸妓などをよぶ。

「その芸者を—・けろ」〈荷風つゆのあとさき

27 測って比べる

筒井つ井筒に—・けしまろが丈(たけ)過ぎにけらしな妹(いも)見ざる間に」〈伊勢二三

28 たとえる。かこつける

細石(さざれいし)にたとへ、筑波山に—・けて君を願ひ」〈古今仮名序

29 目標にする。

「眉のごと雲居見ゆ阿波の山—・けて漕ぐ舟泊り知らずも」〈九九八〉

30 船を停泊させる。係留する。

「港ニ船ヲ—・クル」〈日葡

31 掛け売りにする。

「—・くるとは二文や五文のこと候ふよ」〈咄・醒睡笑・四〉

32 他の動詞連用形のあとに付いて用いる。

㋐…しはじめる途中まで…する、今にも…しそうになるの意を表す。「言い—・けてやめる」「死に—・ける」

㋑他へ働き仕向ける意を表す。「仲間呼び—・ける」「押し—・ける」

[下接句] 後足で砂をかける・命を懸ける・腕に縒(よ)りを掛ける御土砂(おどしゃ)を掛ける御目(おめ)に掛ける思いを掛ける・鎌(かま)を掛ける口に掛ける口を掛ける口の端(は)に掛ける財布の紐(ひも)を頸(くび)に懸けるよりは心に懸けよ・歯牙(しが)にもかけない・尻(しり)に帆を掛ける後目(しりめ)に懸ける之繞(しんにゅう)を掛ける手に掛ける手を掛ける手塩に掛ける天秤(てんびん)に掛ける・謎(なぞ)を掛ける縄を掛ける・秤(はかり)に掛ける拍車を掛ける橋を掛ける発破を掛ける鼻に掛ける馬力を掛ける・篩(ふるい)に掛ける・股(また)に掛ける磨きを掛ける水を掛ける目に掛ける・目を掛けるモーションを掛ける山を掛ける輪に輪を掛ける・輪を掛ける


か・ける【賭ける】

[動カ下一][文]か・く[カ下二《「掛ける」と同語源》

勝負事当てっこなどで、勝った者、当たった者などが取る約束金品などを出す。「トランプに金を—・ける」

当てっこなどで、そのほうを選ぶ。「明日天気は『晴れ』に—・ける」

失敗したときは、大切なもの全部失う覚悟事に当たる。賭(と)する。「命を—・けた恋」


か・ける【欠ける/×缺ける/×闕ける】

[動カ下一][文]か・く[カ下二

かたい物の一部分壊れてとれる。「コップが—・ける」「歯が—・ける」

そろうべきものの一部分、または必要なものが抜けている。脱落する。「メンバー一人—・ける」「百科事典一巻—・けている」

あって当然のものが必要なだけない。足りない。不足する。「千円一円—・ける」「常識に—・ける」「協調性に—・ける」

なすべきことをしていないおろそかになる。「礼儀に—・ける」「義理に—・ける」

(「虧ける」とも書く)満月次第円形でなくなる。「月が—・ける」⇔満ちる


か・ける【掛・懸・賭・架】

〔他カ下一〕 [文]か・く 〔他カ下二

[一] ある場所、ある物、人などに付けて事物や人をささえとめる。また、あるものにかぶせたり、もう一つのものを加えたりする。

① ある所に物の一部をつけてぶら下げる。つりさげるひっかける。

古事記(712)下・歌謡「斎杙(いくひ)には 鏡を加気(カケ) 真杙(まくひ)には 真玉加気(カケ)」

永日小品(1909)〈夏目漱石クレイグ先生近眼所為(せゐ)か眼鏡を掛(カ)けて」

物の表面覆いかぶせるまた、自動詞のように用いてがかかる。

源氏100114頃)夕霧「わけゆかむはの露をかごとにてなほぬれぎぬをかけむとや思ふ

多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前「葉山火燵蒲団を剥いで、之助に被(カ)けて」

③ からだや物の端の部分を他の物の上にのせたり、側面にもたれさせたりする。手の場合は、つかむように触れることにもいう。

蜻蛉(974頃)下「すだれに手をかくれば」

源氏100114頃)帚木「廊のすのこだつものに尻かけて」

④ 馬や牛を、車につなぐ。

蜻蛉(974頃)中「車かきおろして、馬ども浦にひきおろし冷しなどして〈略〉さて車かけて、その崎にさしいたり

(5) 碇(いかり)をおろしたり、岸につないだりして船をとめる。

日葡辞書(1603‐04)「ミナトニ フネヲ caquru(カクル)」

(6) 開かないように、鍵や錠でとめる。また、取れないように、金具などでとめる。

狭衣物語(1069‐77頃か)二「妻戸あららかにかけつる音すれば

浅草紅団(1929‐30)〈川端康成〉二六「ボタンをかけてなかった外套

(7)竿秤(さおばかり)にぶら下げることから) はかりにのせる。目方をはかる。

古今六帖(976‐987頃)五「かけつればちぢのこがねも数知りぬなぞわが恋のあふはかりなき」〔日葡辞書(1603‐04)〕

(8) 高い所につるしたり、とりつけたりする。掲げる。また、掲げて人に見せる。さらす。

(10C終)一六四「風はやきに帆かけたる舟」

平家13C前)八「主従三人が頸をば、備中国にぞかけたりける」

(9) (鍋など上からつるしたところから) 煮たきをするために、火の上に置く。

浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三「燗をつけるやら、鍋を懸けるやら、瞬く間に酒となった」

(10) ひとりで二つ上の働き役目をする。兼ねる。

伊勢物語(10C前)六九「国の守(かみ)、いつきの宮かみかけたる」

日葡辞書(1603‐04)「フタミチヲ caquru(カクル)〈訳〉ひとりの男がふたりの女と、またはひとりの女がふたりの男とまじわっている

(11) 一つ語句第二の意味を帯びさせる。掛け詞用いる。

古今(905‐914)物名四六八・詞書「『は』をはじめ、『る』をはてにて、『ながめ』をかけて時の歌よめと人のいひければよみける」

(12) 数量、力、重みなどをあわせ加える。

浮世草子傾城色三味線(1701)大坂家財かけて三拾壱貫五百目大臣北浜の根づよい名題男と」

[二] ある機能を持つもののはたらき支配下に置く。そのはたらき対象にとり入れる。

① 心や耳目にとめて関心事とする。

(イ) 単独に用いる。

万葉(8C後)二〇・四四八〇「かしこきや 天(あめ)のみかどを 可気(カケ)つれば 哭(ね)のみし泣かゆ 朝よひにして」

(ロ) 「心(耳・目)にかく」などの形で用いる。

万葉(8C後)四・六九七「わが聞きに繋(かけて)ないひそかりこもの乱れ思ふ君が直香(ただか)そ」

日葡辞書(1603‐04)「ヒトヲ シリメニ caquru(カクル)〈訳〉横目で見る」

言葉出して言う。言葉表わす

(イ) 単独に用いる。

万葉(8C後)一四・三三六二(或本歌)「武蔵嶺の 小峯見かくし 忘れゆく 君が名可気(カケ)て 吾をねし泣くる」

(ロ) 「口のはにかく」「言葉にかく」の形で用いる。

後撰(951‐953頃)雑二・一一七九・詞書おのれが上はそこになん、口のはにかけて言はるなる」

③ 関係づけて言う。かこつける

古今(905‐914)仮名序さざれ石にたとへ、筑波山にかけて君をねがひ」

とがった物や、囲み込むような物で捕えて、自由に動けないようにする。特に、などを、わな、網、針などで捕える

石山寺本金般若経集験記平安初期点(850頃)「之亮、僚属等と皆獄に繋(カケ)られて惶り懼く」

日葡辞書(1603‐04)「トリヲ caquru(カクル)〈訳〉飛びあがろうとしている鳥の上に網を投げる」

(5) (④の比喩的用法仕組んだ計画はめこむ。だます。

大乗掌珍論承和嘉祥点(834‐849)「自らめて道理を立つること能はぬをもちて、他を誣(かこ)ち罔(カケ)て言はく」

内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉五「忍(しのび)巡査地方人の風をして甘(うま)っく奴をかけたンです」

(6) 力を持つもので危害を及ぼす。

(イ) (刀、きば、ひづめなどで) 傷つけたり殺したりする。

保元(1220頃か)中「人手懸けて御覧候はんより、同じくは御手にかけ参らせて」

(ロ) (魔法催眠術などで) 判断力を奪う。

夜長姫と耳男(1952)〈坂口安吾〉「オレヒメ魔法にかけられてトリコになってしまったように思った」

(7) 問題になるものとして裁判会議などに持ち出す。「裁判にかける」

日葡辞書(1603‐04)「クジ サタヲ caquru(カクル)〈訳〉訴えをおこす」

憲法講話1967)〈宮沢俊義〉一「法律帝国議会にかけなくてはならなかったが」

(8) 材料素材などを機械器具などで処理する。

子を貸し屋(1923)〈宇野浩二〉一「それらの切れ屑をすぐにミシンにかけられるやうに裁つこと」

(9) 権威のあるものや、大切なもの約束保証にする。

平中(965頃)三四いつはりただすの森ゆふだすきかけて誓へよわれを思はば」

[三] 生命財産など大切なものを、相手なりゆきにまかす。

神仏や人や物事に、希望生命などを託する。あてにしてまかせる。

東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「渋き苦き(くさびら)を採(つ)みて危命を係(カケ)」

俳諧奥の細道(1693‐94頃)草加「若(もし)生て帰らばと、定なき頼の末をかけ」

医者診察治療を頼む。

滑稽本浮世風呂(1809‐13)二「よいよいがかって、一としきりぶらぶらしたのを治さしったって、功者な噂だからかけて見たが」

勝負事などで、負けた者が勝った者に金品などを払うことを約束する。また、問題を解いた者、くじに当たった者、勝った者、ある要求をみたした者などに賞を出す。

宇津保(970‐999頃)内侍督「『なにをかくべからん。まさより、むすめ一人かけん。〈略〉』『かねまさは、侍るにしたがひて、なかただをかけ侍らん』など、これかれ子どもをかけ物にて」

露団々1889)〈幸田露伴〉二〇「当港同家支店長しんぷるなる者が賞を懸(カケ)て亢龍を索(もとむ)るの文なり」

大切なもの代償にする。

大和(947‐957頃)八四「をとこの『わすれじ』とよろづのことをかけてちかひけれど」

源氏100114頃)夕顔「命をかけて、なにの契りにかかる目を見るらむ」

(5) 一定期間の後に代金をもらう約束で、物を売る。〔日葡辞書(1603‐04)〕

(6) 費用時間人手などを用いる。

和英語林集成初版)(1867)「カネヲ kakete(カケテ) コシラエタ」

*家(1910‐11)〈島崎藤村〉上「何を倹約しても斯娘(これ)には掛けたいと思ひまして」

(7) ある定まった期間ごとに、納める金銭を出す。掛け金を払う。

社会百面相(1902)〈内田魯庵投機保険満期を十ケ年として満期まで掛続いたものには」

[四] 相手作用目標にする。また、その相手影響力大き作用を及ぼす。

① あるはたらきかけ相手に向ける。

(イ) 心をそれに向ける。めざす。

万葉(8C後)六・九九八「眉のごと雲居見ゆ阿波の山懸(かけ)て漕ぐ舟とまり知らずも」

(ロ) 相手反応求めるような作用を及ぼす。しかけを発する

徒然草1331頃)一〇九「『あやまちすな。心しておりよ』と言葉をかけ侍りしを」

行人(1912‐13)〈夏目漱石友達其処電話を掛(カ)ければ君の居るか居ないかは、すぐ分るんだね」

(ハ) (芸妓を)呼び出す。

雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉下「下女手招きして次の間至り、何か私語(ささや)き座に返るは跡の芸妓(げいしゃ)を掛けしと知られたり」

② ある場所、時期から他の場所、時期にまで及ぼす。また、ある時期初めに至らせる。

古今(905‐914)春上・五「梅が枝に来ゐる春かけてなけどもいまだ降りつつ」

*雁(1911‐13)〈森鴎外〉一「縦横本郷から下谷神田を掛(カ)けて歩いて」

③ 湯、などを浴びせるまた、自動詞のように用いてや波が物の上にかかる。

(10C終)三〇六「船に浪のかけたるさまなど」

更級日記(1059頃)「なにさま思ひいでけむなほざり木の葉にかけし時雨(しぐれ)ばかりを」

④ あるものに支配的影響を及ぼす

宇津保(970‐999頃)俊蔭「七人の人〈略〉いささかなる法をつくりかけつ」

(5) 情愛恩恵などを他に及ぼす。また、目下の者に祝儀与える。

落窪(10C後)一「我に露あはれをかけば立ちかへり共にを消えようきはなれなん」

人情本恩愛二葉草(1834)三「余所(よそ)ながら、彼奴めが恵みを懸(カ)けたるに疑ひなし」

(6) 好ましくないこと、迷惑、苦労損害などを与える。

源氏100114頃)蜻蛉女郎花みだるる野辺にまじるとも露のあだなをわれにかけめや」

西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉一〇「他(ひと)に迷惑をかけながら」

(7) 強制力加える。

花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉上「車に税を掛(カ)けることなどは止め呉れるだらう」

(8)建物、船、山などに)火をつける

平家13C前)四「白河在家に火をかけて焼きあげば」

(9) 機械道具薬品などにその機能発揮させる。

日葡辞書(1603‐04)「イタ ナドニ カンナヲ caquru(カクル)」

吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一〇「殆んど布巾をかけた事がないのだから」

(10) 掛け算をする。

日葡辞書(1603‐04)「ククヲ caquru(カクル)」

(11) 交尾させる。

コブシ(1906‐08)〈小杉天外〉前「一口に馬って云ふけれど、本当に大抵な物ぢゃありませんやねえ…。一回(ど)交尾(カケ)るに何百円だなんて」

(12)多く「…にかけては」「…にかけると」の形で用いる) 関する。関係のある事柄となる。

滑稽本浮世床(1813‐23)初「そこにかけちゃアしらくらなし」

*門(1910)〈夏目漱石一一「此点に掛(カ)けると、東京へ帰ってからも、矢張り仕合せとは云へなかった」

[五] 造作設備をある場に作り設ける。

両端支えて間に渡す。糸、なわなどを張り渡す電線などを架設する。

書紀720雄略一三年・歌謡あたらし猪名部工匠 柯該(カケ)し墨縄

拾遺(1005‐07頃か)恋四「中々にいひもはなたで信濃なる木曾路のかけたるやなぞ〈源頼光〉」

② (なわ、紐などを)他の物の回り巻きつける。

万葉(8C後)五・九〇四「白たへの たすきを可気(カケ)」

浄瑠璃傾城反魂香(1708頃)上「申分け仕るか、すぐに縄をかけうか」

③ (「罫(け)かく」の形で) 碁盤の目や行間の線などを引く。

源氏100114頃)鈴虫「けかけたる金の筋よりも、墨つきの上かかやくさまなども、いとなむめづらかなりける」

張りめぐらしたり、組み立てたりして作る。〔日葡辞書(1603‐04)〕

山椒大夫(1915)〈森鴎外〉「二郎三の木戸小屋を掛(カ)けさせて」

(5)小屋組み立てて行なったところから) 芝居演芸見世物などを興行する。また、ある出し物上演する。

落語初夢(1892)〈三代目三遊亭円遊〉「まだ寄席高座一度掛けませんが」

[六] 他の動詞連用形に付けて補助動詞的に用いる。

上の動詞表わす動作作用を、ある物に向ける意を表わす

伊勢物語(10C前)七〇「昔、をとこ〈略〉斎宮(いつきのみや)のわらはべにいひかけける」

上の動詞表わす動作作用を、始めそうになる。また、始めてその途中である意を表わす

浮世草子好色一代女(1686)三「しどけなく帯とき掛(カケ)て」

坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉六「一番大に弁じてやらうと思って、半分尻をあげかけたら」


か・ける【欠・缺・闕】

〔自カ下一〕 [文]か・く 〔自カ下二

物の一部分がこわれる。一部が削られて取れる。

書紀720神代上(兼方本訓)「劔の刃(は)、少しき(カケ)ぬ」

徒然草1331頃)五三「くびのまはりかけて血垂り

太陽や月の一部見えなくなる。

西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)八「日月も蝕(カケ)て光り無けむ」

度合数量などが減る。あるべきものがなくなる。不足になる。

地蔵十輪経元慶七年点(883)一「諸根具足して欠(カクル)こと无く」

浮世草子色里三所世帯(1688)上「女のたのしみかけて無理に堪忍ねばならぬ

そろっているはずのもの、続くはずのものの一部抜ける。

万葉(8C後)一三・三二三六「滝屋(たきつや)の 阿後尼(あごね)の原を 千歳(ちとせ)に 闕(かくる)事なく 歳(よろづよ)に あり通はむと」

方丈記1212)「わが身父方祖母の家をつたへて久しくかの所に住む。その後、縁かけて身衰へ」

(5) なすべきことがいいかげんになる。おろそかになる。

琵琶伝(1896)〈泉鏡花〉二「国民たる義務欠けますから


かけ・る【翔・駆】

〔自ラ四〕

などが、空高く飛ぶ。

古事記(712)下・歌謡「雲雀(ひばり)は 天(あめ)に迦気流(カケル) 高行くや総別(はやぶさわけ) 鷦鷯(さざき)捕らさね」

万葉(8C後)一七・四一一二上の 山飛びこえて がくり 可気理(カケリ)いにきと」

② (駆) 速く走る。急いで通る。

源氏100114頃)明石秋の夜月毛の駒わが恋ふる雲井をかけれ時の間も見ん」

伊太利人(1908)〈寺田寅彦〉「血眼になって行手を見つめて駆けって居るさまは」

和歌で、一句表現に心の働きがはっきり現われる動的表現鋭く出る。

ささめごと(1463‐64頃)下「又、冷泉中納言為秀卿教へ給へると也。にぶく眠りめなる歌人には、かけりたるかたを学べと」

[語誌]→「かける(駆・駈)」の語誌


か・ける【駆・駈】

〔自カ下一〕 [文]か・く 〔自カ下二

① 馬に乗って走る。また、人や動物速く走る。現代では、単に走るの意や、急いで行くの意で用いる。

*為忠集(鎌倉中か)「ぬしもなき夏のの原のはなれ駒こころの儘にかけつ戻りつ」

日葡辞書(1603‐04)「ミチヲ caquru(カクル)〈訳〉道を歩く。〈略〉ノヤマヲ caquru(カクル)〈訳〉山や野を走ったり歩いたりする」

攻め進む。敵に向かって進む。進撃する。

保元(1220頃か)中「爰(ここ)は大将軍懸けせ給ふ所にて候はず」

[語誌]などが空高く飛ぶことを表わす四段動詞「かける(翔)」が、中世になって下二段したもので、以後これが広く用いられるようになった


かける

作者多和田葉子

収載図書きつね月
出版社新書館
刊行年月1998.2


かける

  1. 逃走スルコトヲ云フ。〔第一類 言語及ヒ動作之部・京都府

分類 京都府


かける

  1. 捕縛セラレタルコトヲ云フ。〔第一類 言語及ヒ動作之部・神奈川県

分類 神奈川県

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かける

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/14 02:01 UTC 版)

かける」は、ゆず配信限定シングル2015年7月1日セーニャ・アンド・カンパニーから配信された。






「かける」の続きの解説一覧

かける

出典:『Wiktionary』 (2020/03/16 11:59 UTC 版)

動詞:欠ける

かけるける, ける, ける, 虧ける

  1. 一部が失われて完全でなくなる。
  2. 不足している。
  3. (月が)ほそくなっていく。

活用

か-ける 動詞活用日本語活用
カ行下一段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
ける ける けれ けよ
けろ
活用形基礎的結合
意味 語形 結合
否定 かけない 未然形 + ない
意志勧誘 かけよう 未然形 + よう
丁寧 かけます 連用形 + ます
過去・完了・状態 かけた 連用形 + た
言い切り かける 終止形のみ
名詞化 かけること 連体形 + こと
仮定条件 かければ 仮定形 + ば
命令 かけよ
かけろ
命令形のみ

発音

類義語

対義語

訳語

動詞:掛ける

かけるける、ける、ける, ける】

  1. (ものを高い場所などに)とりつける懸架する。
  2. からかぶせるようにく。
    1. 布などをかぶせる。一部または全体おおう。
    2. 眼鏡装着する。
    3. 架ける両端固定して中央は浮かせた状態にする。
    4. 架ける2点をつなぎ、応答ができる状態にする。
  3. びせる。
  4. 機械使つかう。
  5. 影響与える。
  6. 消費する、ついやす。
  7. 議題上げる。
  8. 数学じる。乗算する。接続詞参照
    • 2に3をかけると6になる。
  9. 交配させる。
  10. (「にかけ」「にかけて」などの形で)場所や時間が及んで。
  11. (「にかけては」などの形で)ある特徴話題について。において。
  12. 動詞連用形後ろにつく)
    1. あるものに及ばせる。
    2. し始める
    3. もう少しし始めるところでしないままにする。しそうになる。

活用

カ行下一段活用
掛-ける

発音

  • カ↗ケ↘ル

関連語

派生語

翻訳

上から掛ける:

乗算:

交配:

動詞:賭ける

かけるける、ける】

  1. 賭ける】結果予想し、当たった側に金銭などを譲与する。
  2. 懸ける賭ける】重要なものを差し出覚悟で行う。

活用

カ行下一段活用
賭-け

発音

  • カ↗ケ↘ル

類義語

翻訳

動詞:駆ける

かける駆ける, 駈ける

  1. すばやく動く。(人や動物が)速度出ししる。走るよりも軽やかさわやか語感

活用

カ行下一段活用
か-ける

発音

  • カ↗ケ↘ル

類義語

派生語

翻訳

動詞:翔る

かける翔る

  1. そらを走るようにぶ。飛翔する。

活用

かけ-る 動詞活用日本語活用
ラ行五段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
かけ

活用形基礎的結合
意味 語形 結合
否定 かけらない 未然形 + ない
意志勧誘 かけろう 未然形音便 + う
丁寧 かけります 連用形 + ます
過去・完了・状態 かけった 連用形音便 + た
言い切り かける 終止形のみ
名詞化 かけること 連体形 + こと
仮定条件 かければ 仮定形 + ば
命令 かけれ 命令形のみ

発音

  • カ↗ケ↘ル

動詞:書ける

ける

  1. かくの可能。かかれる書くことができる。

接続詞

かけるける】

  1. 前の数に後ろの数を乗じた結果
    • 2かける3は6。

関連語

  • たす
  • ひく
  • わる

翻訳


  • 画数:3
  • 音読み:ウ
  • 訓読み:かける












  • 画数:12
  • 音読み:ケン
  • 訓読み:かける
  • ピンイン:juan4
  • 対応する英語:impede










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