空間的自己相関
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/15 06:59 UTC 版)
空間的自己相関(くうかんてきじこそうかん、英語: spatial autocorrelation)とは、空間的な意味での自己相関のことである[1]。ある地域における事象が、周辺の他の地域における事象の影響を受けて相互作用が発生する場合、空間的自己相関があるという[2]。
空間的自己相関は、計量地理学において重要な課題の1つである[3]。
指標
空間的自己相関の指標では、グローバルな[注釈 1]ものとローカルなものの2種類がある[5]。グローバルな指標は、分析対象地域全体の一般性の探求のために用いられる[4]。地理学ではモランのI統計量とゲイリーのC統計量がよく用いられる[6]。一方、ローカルな指標は、分析対象地域における局所的なクラスターの抽出などに用いることができる[7]。
モランのI統計量
モランのI統計量は、Moran (1948)により提案され、Cliff and Ord (1981)により改良された統計量である[8]。この統計量では、空間的自己共分散を標準化している[6]。モランのI統計量は、式(1)で表される[6]。
空間的自己相関
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 14:06 UTC 版)
空間的自己相関統計は地理空間での観測間の依存度を分析する。古典的手法にはモラン、ギアリー、Getis、標準偏差楕円がある。これらは、地理的関係性の強度を反映した行列の空間比重を測定する必要がある。古典的な空間自己相関統計は、位置の組み合わせの共分散関係における空間比重を比較する。正の空間的自己相関結果は無作為な想定値よりも地理空間上で近似値の集合を示し、一方で有意な負の空間自己相関にて近似値が想定以上に異なることを示す、チェス盤に似た空間配置を示唆している。 上記に示した空間自己相関統計は、データの全体的な度合いを推定するという点で包括的に対応できる。空間的不均一な可能性は、自己相関の推定度合いが地理空間上で大幅に変化し得ることを示唆している。局所空間自己相関統計は空間分析単位基準を集計しない推定値を算出し、空間全体の依存関係の評価を可能にする。
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