空間的相互作用とは? わかりやすく解説

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空間的相互作用

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/07 03:32 UTC 版)

空間的相互作用(くうかんてきそうごさよう、英語: spatial interaction)とは、地域間における流動[注釈 1]のことをさす地理学の用語である[2]。この用語は、アメリカ合衆国の地理学者のエドワード・アルマンにより用いられはじめた[3]


注釈

  1. ^ 人口移動や、物資・貨幣・情報の流動など[1]
  2. ^ O-D行列とは、2地点間での流動量を表示する地理行列相互作用行列)のことで、旅客や貨物などの流動の表示に使用できる[4]
  3. ^ 距離逓減関数では、パワー形または指数形が使用されることが多い[6]
  4. ^ 均衡因子balancing factor)とは、制約条件を満たす定数のことであり、調整項の代替で用いられる[10]
  5. ^ 式(5)を、式(3)・式(4)に代入して求められる[13]
  6. ^ 地域の住宅から地域の職場への通勤を考え、地域を発地とする通勤者数を、地域を着地とする通勤者数をとおくとき、以下の2つの条件
    を満足するため、通勤モデルは発生―吸収制約モデルと判断できる[14]
  7. ^ 式(6)を式(3)に代入して求められる[16]
  8. ^ 地域の住民が地域の商店で買い物を行う場合を考え、地域の住民の総消費金額を、地域の商店の総販売額をとおくとき、総消費金額は、住民の収入の制約を受けるため上限値があるが、総販売額は固定値をとらないため、買物行動モデルは発生制約モデルと判断できる[17]
  9. ^ 式(7)を式(4)に代入して求められる[16]
  10. ^ 地域での労働者が、就業先周辺の地域に居住する場合を考える[18]。このとき、地域での労働者数には上限があるが、居住地域は労働者が自由に選択でき、地域の人口は固定値をとらないため、この居住立地モデルは吸収制約モデルと判断できる[17]
  11. ^ ただし、この居住立地モデルでは住宅供給を行う側の事情や、住宅環境の地域差による居住地選択の違いを考慮していない[19]。このため、支出可能な住宅価格を制約条件を加えた居住立地モデルも存在し、そのモデルは発生―吸収制約モデルに該当する[20]

出典

  1. ^ 杉浦 1989, p. 85.
  2. ^ a b c d e f 村山 2013, p. 159.
  3. ^ 石川 1988, p. 3.
  4. ^ 村山・駒木 2013, p. 24.
  5. ^ a b c d e f 村山 2013, p. 160.
  6. ^ a b 村山 2013, p. 162.
  7. ^ 村山 2013, pp. 160–161.
  8. ^ 村山 2013, p. 161.
  9. ^ 石川 1988, p. 7.
  10. ^ a b c 石川 1988, p. 29.
  11. ^ 張 2011, p. 4.
  12. ^ a b c d 高阪 1979, p. 3.
  13. ^ a b 村山 2013, pp. 162–163.
  14. ^ 高阪 1979, p. 5.
  15. ^ a b c 村山 2013, p. 164.
  16. ^ a b c d e f 村山 2013, p. 163.
  17. ^ a b c d e 村山 2013, p. 165.
  18. ^ 石川 1988, p. 100.
  19. ^ 石川 1988, p. 102.
  20. ^ 石川 1988, pp. 102–103.
  21. ^ 石川 1988, p. 12.
  22. ^ 村山 2013, p. 166.
  23. ^ 石川 1988, p. 23.
  24. ^ a b 村山 2013, p. 167.
  25. ^ 杉浦 1986, p. 171.


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空間的相互作用

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 14:06 UTC 版)

空間分析」の記事における「空間的相互作用」の解説

詳細は「空間的相互作用」を参照 空間的相互作用や重力モデルは、地理空間位置間において人、材料情報の流れ推定する住宅地通勤者数から土地発展性が、商業地事務所容量から地域の魅力度が、走行距離時間から測定位置間の近接関係などの因数取得できるまた、位相幾何学的または地政学的な地域間の関係は、特に距離と地形間で頻繁に相反する関係を考慮し導出されなければならない例え空間的に近い地域高速道路隔てられている場合有意な関係性見られない場合がある。これらの関係の関数形式指定後、保有している流量データ通常の最小二乗法最尤推定のような標準的技術用いてモデルパラメータを推定できる空間的相互作用モデル研究対象周辺競合要因加える際には、流路上をクラスタリング影響値を取得するニューラルネットワークのような計算方法でも、位置間の空間的関連性推定ノイズが多い定性的データの処理が可能である。

※この「空間的相互作用」の解説は、「空間分析」の解説の一部です。
「空間的相互作用」を含む「空間分析」の記事については、「空間分析」の概要を参照ください。

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