二項分布とは? わかりやすく解説

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にこう‐ぶんぷ〔ニカウ‐〕【二項分布】

読み方:にこうぶんぷ

ある試行において、事象Eが起こる確率p起こらない確率qとし、独立n試行するとき、その事Er回起こる確率nCrprqn−r分布の状態。


二項分布

読み方にこうぶんぷ
【英】: binomial distribution

1 回試行においてある事象が起こる確率が p であるとき、この試行互いに独立に n 回繰り返される場合に、その事象が i 回起こる確率 P(i) は下式で計算され、その値を i = 0 、1 、2 、……、n について展開した確率分布を二項分布という。

ここに、i! は i の階乗 [i×(i-1)×(i-2)×……×2×1] である。今かりに試掘成功確率一定で p = 0.2仮定し、また何回もの試掘結果互いに影響与えず独立であるとすると、n 回の試掘をして i 坑が成功する確率は表のとおりである。これによれば、最も確率が高いのは、i = 0.2n の場合であるのは当然であるが、一方試掘数nが小さときには全く成功しない(i=0)確率かなりあることがわかる

表 二項分布
in 5 10 15 20
0
1
2
3
4
5
0.3277
0.4096
0.1048
0.0512
0.0064
0.0003
0.1074
0.2684
0.3020
0.2013
0.0881
0.0264
0.0352
0.10:34 2007/03/151319
0.2309
0.2502
0.1876
0.1031
0.0175
0.0517
0.1369
0.2653
0.2182
0.1746
6
7
8
9
10
  0.0055
0.0008
0.0001
0.0430
0.0139
0.0034
0.0007
0.0001
0.1091
0.0546
0.0211
0.0074
0.0020
11
12
      0.0005
0.0001

二項分布


 ある集団において,特性 A を持つものの割合が p であり,持たないものの割合が q であるとする( p + q = 1 )。このとき,集団から無作為に n 人を抽出したとき,特性 A を持つものが x 人である確率考える。n 人のうち x 人が特性を持つ組合せは nCx 通りある( 二項分布 とも書く) 。その各々に対して,x 人が特性 A を持つ確率は px残り n - x 人が特性持たない確率は qn - x であり,両者が共に起こるのは両者の積である。よって,
f ( x ) = nCx px qn - x,  x = 0,1, … ,n,p > 0,q > 0,p + q = 1  ……(1)
求め確率であり,この分布を 二項分布 と呼ぶ。
(n,p,q は定数である。このようなパラメータのことを 母数 という。n,p を与えることにより,この分布は確定する。p を 母比率 という。この分布を B ( n, p ) と表すことにする。)。
 図 1 は出現率が 0.25 のとき,n = 10 と n = 70 について図示したのである。二項分布では p = q = 0.5 のときに左右対称密度分布を持つが,p と q がかなり違う場合でも,n が大きくなるにつれ,その形は次第左右対称なものに近づくアニメーション,または,ムービー)。
二項分布
1.二項分布の概形

 二項分布の平均 E ( x ) と分散 V ( x ) は
E ( x ) = n p, V ( x ) = n p q
である。
 ところで,1 回ごとの事象生起確率 p が一定であるとき,実験繰り返し行うことを ベルヌーイ試行 というが,独立実験を n 回繰り返したとき,x 回事象生じ確率は二項分布である。このため二項分布は ベルヌーイ分布 とも呼ばれる


問題: 「生まれてくる子どもの性比を,男:女 = 22:21 としたとき,ある団地で 5 人の子どもが生まれるとして,そのうちの 4 人以上が男,あるいは,4 人以上が女である確率求めよ。」
解答: 求めるのは,( 1 )式を用いて
f ( 0 ) + f ( 1 ) + f ( 4 ) + f ( 5 ) = 1 - { f ( 2 ) + f ( 3 ) } である。
答えは,0.37567586。

二項分布

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/28 00:58 UTC 版)

二項分布
確率質量関数
累積分布関数

色は上図と同じ
母数
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二項分布が正規分布に近づく様子

期待値 np および分散 np(1 − p)5 よりも大きい場合、二項分布 B(n, p) に対する良好な近似として正規分布がある。ただし、この近似を適用するにあたっては、変数のスケールに注意し、連続な分布への適切な処理がなされる必要がある。より厳密に述べれば、n が十分大きくかつ、期待値 np および 分散 np(1 − p) も十分大きい場合、期待値 np, 分散 np(1 − p) の正規分布 N(np, np(1 − p)) で近似することができ、期待値からの差 |knp|標準偏差 一覧英語版

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