ベルヌーイ試行とは? わかりやすく解説

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ベルヌーイ試行

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/17 09:06 UTC 版)

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n 回のベルヌーイ試行で確率 p の事象が1度も起らない確率 P のグラフ。横軸は np
青い線: 6面のサイコロを6回投げて、6(または任意の数字)が1度も出ない確率は33.5%である。n 回の試行で確率 1/n の事象が発生しない確率が、n が増加するにつれて0に近づいて行く様子が確認できる。
灰色の線: ヤッツィー(5個のサイコロを投げて全て同じ目になること)になる確率を50%にするためには、0.693 × 1296 ~ 898 回試行する必要がある。
緑色の線: ジョーカーを除いたトランプの山からカードを1枚引いて山に戻す試行を100回(= 1.92 × 52)繰り返したとき、エースを少なくとも1回引く確率は85.7%である。

確率論統計学において、ベルヌーイ試行(ベルヌーイしこう、英語: Bernoulli trial)または二項試行(にこうしこう、英語: binomial trial)とは、取り得る結果が「成功」「失敗」の2つのみであり、各試行において成功の確率が同じであるランダム試行である[1]。この名前は、17世紀のスイスの数学者であるヤコブ・ベルヌーイにちなんで名付けられた。ベルヌーイは、1713年の著書『推測法英語版』(Ars Conjectandi)でこの試行を分析した[2]

ベルヌーイ試行の数学的形式化をベルヌーイ過程という。本項目ではベルヌーイ試行の基本的な概念を説明する。より高度な処理についてはベルヌーイ過程を参照のこと。

ベルヌーイ試行の結果は2つしかないため、以下のような「はい」か「いいえ」かで答えられる質問として組み立てることができる。

  • 切ったトランプの山の一番上のカードはエースであるか?
  • サイコロを振ったときの出目は6であるか?

すなわち、結果の「成功」「失敗」とは単なるラベルであり、文字通りの意味として解釈されるべきではない。この場合の「成功」という用語は、道徳的な判断ではなく、結果が指定された条件に合致するかどうかを意味する。

より一般的には、特定の事象(結果の集合)についての任意の確率空間が与えられたとき、その事象が発生したかどうか(事象または余事象英語版)に対応するベルヌーイ試行を定義できる。ベルヌーイ定義の例として、以下のものが挙げられる。

  • コイントスをし、表が出たときを「成功」、裏が出たときを「失敗」とした場合。公正なコインを使用した場合、成功の確率は1/2である。この例の場合、取り得る結果は表・裏の2通りしかない。
  • サイコロを振って、出た目が6のときを「成功」、それ以外の目が出たときを「失敗」とした場合。公正なサイコロを使用した場合、成功の確率は1/6である。この例の場合、取り得る結果は6通りで、「成功」の事象(6が出る)は1通り、余事象(6以外が出る)は5通りである。
  • 世論調査を実施する際に、有権者をランダムに選択して、その有権者が今後の国民投票で「はい」と投票するかを確認する場合。

定義

取り得る結果が正確に2つである試行を繰り返し実施し、各試行が独立している場合、この試行をベルヌーイ試行という。結果のうちの1つを「成功」、それ以外の結果を「失敗」と呼ぶ。ここで、1回のベルヌーイ試行で成功する確率を ウィキメディア・コモンズには、ベルヌーイ試行に関連するカテゴリがあります。


ベルヌーイ試行

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 11:23 UTC 版)

ジェフリーズ事前分布」の記事における「ベルヌーイ試行」の解説

表面 H {\displaystyle H} が出る確率が γ ∈ [ 0 , 1 ] {\displaystyle \gamma \in [0,1]} 、裏 T {\displaystyle T} の出る確率が ( 1 − γ ) {\displaystyle (1-\gamma )} であるコイン考える。 ( H , T ) ∈ { ( 0 , 1 ) , ( 1 , 0 ) } {\displaystyle (H,T)\in \{(0,1),(1,0)\}} についてこれが出る確率は γ H ( 1 − γ ) T {\displaystyle \gamma ^{H}(1-\gamma )^{T}} で与えられるパラメータ γ {\displaystyle \gamma } についてのジェフリーズ事前分布は p ( γ ) ∝ I ( γ ) = E [ ( d d γ log ⁡ f ( x ∣ γ ) ) 2 ] = E [ ( H γ − T 1 − γ ) 2 ] = γ ( 1 γ − 0 1 − γ ) 2 + ( 1 − γ ) ( 0 γ − 1 1 − γ ) 2 = 1 γ ( 1 − γ ) . {\displaystyle {\begin{aligned}p(\gamma )&\propto {\sqrt {I(\gamma )}}={\sqrt {\operatorname {E} \!\left[\left({\frac {d}{d\gamma }}\log f(x\mid \gamma )\right)^{2}\right]}}={\sqrt {\operatorname {E} \!\left[\left({\frac {H}{\gamma }}-{\frac {T}{1-\gamma }}\right)^{2}\right]}}\\&={\sqrt {\gamma \left({\frac {1}{\gamma }}-{\frac {0}{1-\gamma }}\right)^{2}+(1-\gamma )\left({\frac {0}{\gamma }}-{\frac {1}{1-\gamma }}\right)^{2}}}={\frac {1}{\sqrt {\gamma (1-\gamma )}}}\,.\end{aligned}}} これはアークサイン分布であり、また α = β = 1 / 2 {\displaystyle \alpha =\beta =1/2} の時のベータ分布でもある。さらに、 もし γ = sin 2 ⁡ ( θ ) {\displaystyle \gamma =\sin ^{2}(\theta )} ならば Pr [ θ ] = Pr [ γ ] d γ d θ ∝ 1 ( sin 2 ⁡ θ ) ( 1 − sin 2 ⁡ θ )   2 sin ⁡ θ cos ⁡ θ = 2 . {\displaystyle \Pr[\theta ]=\Pr[\gamma ]{\frac {d\gamma }{d\theta }}\propto {\frac {1}{\sqrt {(\sin ^{2}\theta )(1-\sin ^{2}\theta )}}}~2\sin \theta \cos \theta =2\,.} つまり、 θ {\displaystyle \theta } についてのジェフリーズ事前分布は [ 0 , π / 2 ] {\displaystyle [0,\pi /2]} 区間一様である。同等に、 θ {\displaystyle \theta } は円全体 [ 0 , 2 π ] {\displaystyle [0,2\pi ]} で一様になる 。

※この「ベルヌーイ試行」の解説は、「ジェフリーズ事前分布」の解説の一部です。
「ベルヌーイ試行」を含む「ジェフリーズ事前分布」の記事については、「ジェフリーズ事前分布」の概要を参照ください。

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