ベルヌーイ数を用いた級数展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 18:40 UTC 版)
「ベルヌーイ数」の記事における「ベルヌーイ数を用いた級数展開」の解説
ベルヌーイ数は、いくつかの双曲線関数と三角関数の級数展開における展開係数となる。 ベルヌーイ数を展開係数とする関数とそのローラン級数による表現を挙げる。 まず、余接関数 (cotangent) のローラン級数展開は次のようになる。 coth z = 1 z + ∑ k = 1 ∞ 2 2 k B 2 k ( 2 k ) ! z 2 k − 1 , cot z = 1 z + ∑ k = 1 ∞ ( − 1 ) k 2 2 k B 2 k ( 2 k ) ! z 2 k − 1 . {\displaystyle {\begin{aligned}\coth z&={\frac {1}{z}}+\sum _{k=1}^{\infty }{\frac {2^{2k}B_{2k}}{(2k)!}}z^{2k-1},\\\cot z&={\frac {1}{z}}+\sum _{k=1}^{\infty }(-1)^{k}{\frac {2^{2k}B_{2k}}{(2k)!}}z^{2k-1}.\end{aligned}}} 第 1 の関係式は、ベルヌーイ数が f(x) = x/ex − 1 の展開係数であることを利用して数式変形すれば得られる。 第 2 の関係式は cot z = -i coth (-iz) であることを利用すれば、第 1 の関係式から導き出される。これらの級数の収束半径は |z| < π である。 次に正接関数 (tangent) のローラン級数展開は次のようになる。 tan z = ∑ k = 1 ∞ ( − 1 ) k ( 2 2 k − 4 2 k ) B 2 k ( 2 k ) ! z 2 k − 1 . {\displaystyle \tan z=\sum _{k=1}^{\infty }{\frac {(-1)^{k}\,(2^{2k}-4^{2k})\,B_{2k}}{(2k)!}}z^{2k-1}.} この関係式は、tan z = cot z − 2cot 2z を利用して余接関数のローラン級数展開を変形すれば導出できる。 なお、この級数の収束半径は |z| < π/2 である。この正接関数のローラン級数展開の展開係数による数列はタンジェント数と呼ばれる。 一方、余割関数 (cosecant) は次のようにローラン級数展開される。 csc z = 1 sin z = 1 z + ∑ k = 1 ∞ ( − 1 ) k ( 2 − 2 2 k ) B 2 k ( 2 k ) ! z 2 k − 1 . {\displaystyle \csc z={\frac {1}{\sin z}}={\frac {1}{z}}+\sum _{k=1}^{\infty }{\frac {(-1)^{k}\,(2-2^{2k})\,B_{2k}}{(2k)!}}z^{2k-1}.} この関係式は、csc 2z = tan z + cot z/2 を利用すれば導出できる。 なお、この級数の収束半径は |z| < π である。
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