独立同分布
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/22 00:55 UTC 版)
独立同分布(どくりつどうぶんぷ、英: independent and identically distributed; IID, i.i.d., iid)や独立同一分布(どくりつどういつぶんぷ)とは、確率論と統計学において、確率変数の列やその他の系が、それぞれの確率変数が他の確率変数と同じ確率分布を持ち、かつ、それぞれ互いに独立している場合をいう[1]。「独立同分布」という確率分布があるわけではない。
IIDという注記は統計において特に一般的であり、推計統計学の目的のために、しばしば標本中の観測値が効果的にIIDであると仮定される。観測値がIIDであるという前提(または要件)により、多くの統計的方法の基礎となる数学が単純化される傾向がある(数理統計学および統計理論を参照)。しかし、統計モデルの実際の応用においては、この仮定が現実的である場合とそうでない場合がある。与えられたデータの集合上でこの仮定がどれほど現実的であるかをテストするために、コレログラムを書いたりターニングポイントテストをすることで、自己相関を計算することができる[2]。交換可能な確率変数の一般化はしばしば十分であり、より容易に満たされる。
この仮定は、有限の分散を有するIIDな変数の和(または平均)の確率分布が正規分布に近づくという中心極限定理の古典的な形式において重要である。
IIDは確率変数の列を参照することに注意が必要である。独立同分布とは、列内の要素が、その要素の前の確率変数とは独立していることを意味する。このように、IIDの列はマルコフ過程とは異なる。マルコフ過程では、n 番目の確率変数の確率分布は、列内の前の確率変数の関数である(1次マルコフ過程の場合)。IIDの列は、標本空間またはイベント空間の全ての要素の確率が同じでなければならないということを意味しない[3]。例えば、いかさまサイコロを繰返し投げた場合、結果が偏っているにもかかわらず、IIDである列が生成される。
定義
確率変数を カテゴリ
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