定常過程とは? わかりやすく解説

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定常過程

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/25 14:10 UTC 版)

定常過程ていじょうかてい: stationary process)は時間や位置によって確率分布が変化しない確率過程である。

概要

定常過程では平均分散も(もしあれば)時間や位置によって変化しない。例えば、ホワイトノイズは定常的である。しかし、シンバルを鳴らしたときの音は定常的ではなく、時間と共に音が弱まっていく。

定常性(Stationarity)は時系列の解析でも重要であり、時系列データを定常的なものに変換することがよく行われる。例えば、経済的データは季節による変動があったり、価格レベルに依存する。ある定常過程と1つ以上の過程に傾向(トレンド)が認められるとき、これら過程を「傾向定常的; trend stationary」であるという。このようなデータから定常的成分だけを抜き出して分析することを「傾向除去; de-trending」と呼ぶ。

離散時間の定常過程で、標本値も離散的(とりうる値が N 個に限定されている)な場合をベルヌーイ系(Bernoulli scheme)と呼ぶ。N = 2 の場合を特にベルヌーイ過程(Bernoulli process)と呼ぶ。

弱い定常性

弱い定常性よわいていじょうせい: weak-sense stationarity)は「平均と分散が時刻に依存しない」という確率過程の性質である。広義定常性こうぎていじょうせい: wide-sense stationarity)、共分散定常性きょうぶんさんていじょうせい: covariance stationarity[要出典]とも。

弱い定常性は確率過程の各時刻における期待値が時刻に依存せず、かつ、相関関数が時間差のみに依存するという条件で定義付けられる(⇒ #弱い定常性の定義#弱い定常性の解釈)。

弱い定常性をもつ無作為信号を線型時不変な(LTIフィルタで処理するとき、相関関数を線型写像と考える。2つの引数の差にのみ依存するため、それは巡回演算子であり、その固有関数フーリエ複素指数である。さらに、LTI演算子の固有関数複素指数であり、弱い定常性をもつ無作為信号のLTI処理は非常に扱いやすい。全ての計算は周波数領域で実行できる。このため、弱い定常性仮定は信号処理アルゴリズムによく使われている。平均共分散のある狭義の定常過程も弱い定常性をもつ。

弱い定常性の定義

弱い定常性の定義にあたり、以下のように記号を置く:




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