試行 (確率論)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 04:27 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動確率論において、試行(しこう、英: trial, experiment)とは、起こりうる結果がいくつかあり、そのどれか1つだけが偶然で起こる流れのことである[1]。試行の結果全体の集合は標本空間(全事象)と呼ばれる。
特に起こりうる結果が2つしかない試行はベルヌーイ試行と呼ばれる[2]。
試行の結果のいくつかからなる集合で、起こる割合が決まっていると考えられるものを事象という。事象に対してそれの起こる割合を確率という。
1つの試行を繰り返すことにより、事象の確率を評価することができる(統計的確率)。根元事象に確率変数(一般には確率要素)を割り当てることにより確率質量関数か確率密度関数が決まり、試行は確率分布として定量化できる。
確率
試行において、起こりうる結果(「標本点」とも呼ばれる)にはそれぞれ、観測者によらない起こりやすさが備わっていると考える。事象の頻度を事象の確率という。事象 A の確率が例えば 1/2 の場合、試行 T を1回行っただけでは A が全体の 1/2 起こったとはいえないが、試行 T を反復し試行回数を限りなく大きくすると、無作為性から A の発生回数の相対度数は 1/2 に近づくといえる[3]。
試行の数学モデル
確率論における試行の数学モデルでは、測度論の枠組みで定式化される。試行の結果全体の集合(標本空間)、事象(確率をもつ集合)全体の集合(σ-代数)、事象の確率を測る確率測度の三段の定義により構成される。
関連項目
脚注
- ^ Albert, Jim (1998年1月21日). “Listing All Possible Outcomes (The Sample Space)”. Bowling Green State University. 2013年6月25日閲覧。
- ^ Papoulis, Athanasios (1984). "Bernoulli Trials". Probability, Random Variables, and Stochastic Processes (2nd ed.). New York: McGraw-Hill. pp. 57–63.
- ^ “Trial, Experiment, Event, Result/Outcome”. Future a/accountant. 2022年4月10日閲覧。
外部リンク
- Hazewinkel, Michiel, ed. (2001), "Random event", Encyclopaedia of Mathematics, Springer, ISBN 978-1-55608-010-4。
「試行 (確率論)」の例文・使い方・用例・文例
- 彼は何回も試行錯誤を繰り返しました
- 試行したあと、測定する項目と測定器具について説明しなさい。
- そのような試行を防ぐ方法を説明しなさい。
- ABCによって行われた最新の試行実験では……
- 私たちは試行錯誤から学びます。
- 私はそれを失敗を恐れずに試行する。
- あなたはそれを再試行してください。
- それを何度も繰り返し試行する。
- この規則は試行されています。
- 私たちはそれに対して試行錯誤しながら取り組む。
- 彼らにはもはや試行錯誤する時間がない。
- 試行錯誤は進歩に不可欠だ。
- 試行錯誤の末、彼はふと正しい答えを思いついた。
- 解決策が功を奏したのは試行錯誤の結果だった。
- 試行錯誤で学ぶ.
- その薬を生産ラインに乗せるまでには文字どおり試行錯誤の連続だった.
- 彼らは試行錯誤なやり方を行った
- 軍事指揮官を訓練する、ある状況を示す、または提案された戦略を試行することを意図する軍事行為のシミュレーション
- 実験的な試行では、炭素の量は別々に測定された
- テストや試行として企画された活動
- 試行_(確率論)のページへのリンク