カラテオドリの拡張定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/10 23:42 UTC 版)
数学の測度論におけるカラテオドリの拡張定理(カラテオドリのかくちょうていり、英: Carathéodory's extension theorem)は「与えられた集合 Ω の部分集合族である集合環 R 上定義される任意の σ-有限測度は、R が生成するσ-集合環上の測度へと一意に拡張できる」ということを述べた定理である。この定理の帰結として、実数からなる区間すべてを含む空間上で定義された任意の測度は、実数全体の成す集合 R 上のボレル集合族上の測度へと拡張することができる。これは測度論における非常に強力な結果であり、例えば、ルベーグ測度の存在の証明にも使用された。
定理の主張
R を Ω 上の集合環とし、μ: R → [0, +∞] を R 上の前測度とする。
- 定理 (Carathéodory)
- このとき μ の拡張となる測度 μ′: σ(R) → [0, +∞] が存在する(すなわち、μ'|R = μ である)[1]。
ここで σ(R) は R が生成するσ-集合環とする。
μ が σ-有限ならば、その拡張 μ' は一意(かつ σ-有限)である[2]。
集合環と集合半環
定義
与えられた集合 Ω に対し、その冪集合
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