3囚人問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/10 03:01 UTC 版)
3囚人問題(さんしゅうじんもんだい、英: Three Prisoners problem)は確率論の問題で、マーティン・ガードナーによって1959年に紹介された[1][2]。「ベルトランの箱のパラドクス」を下敷きにしていると考えられている。
概要
ある監獄にA、B、Cという3人の囚人がいて、それぞれ独房に入れられている。罪状はいずれも似たりよったりで、近々3人まとめて処刑される予定になっている。ところが恩赦が出て3人のうちランダムに選ばれた1人だけ助かることになったという。誰が恩赦になるかは明かされておらず、それぞれの囚人が「私は助かるのか?」と聞いても看守は答えない。したがって囚人Aが恩赦になる確率はこの時点では1/3であると考えられる。
囚人Aは一計を案じ、看守に向かってこう頼んだ。「BとCのどちらが処刑されるかだけでも教えてくれないか?」すると看守は「Bは処刑される」と教えてくれた。
それを聞いた囚人Aはひそかに喜んだ。Bが死刑になる事は確定した以上、恩赦になるのはAかCのいずれか一方であるはずであり、したがってAが恩赦になる確率は1/2に上昇したからである。
果たして囚人Aが喜んだのは正しいか?
解法
結論を述べるためにまず記号を定義し、簡単な考察をする。「Aが恩赦になる」、「Bが恩赦になる」、「Cが恩赦になる」という事象を略記してそれぞれA、B、Cと書き、「看守が「Bは死刑になる」と答える」という事象をbとする。
看守はA自身が死刑になるか否かを答えないのであるから、恩赦になるのがBの場合、看守は必ず「Cは死刑になる」と答える。同様の理由により、恩赦になるのがCの場合、看守は必ず「Bは死刑になる」と答える。すなわち、
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