二項価格評価モデルとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 二項価格評価モデルの意味・解説 

二項価格評価モデル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/25 17:43 UTC 版)

二項価格評価モデル(にこうかかくひょうかモデル、: binomial pricing model)は、無裁定条件によって離散期間における金融商品のオプションを価格付けする方法。格子モデルの1つ。このモデルの条件を連続期間と配当なしとヨーロピアンオプションに替え期間の長さを0に近づけるとブラック-ショールズ方程式になる。

このモデルでオプションを価格付けの流れはまず二項一期間モデルで存続期間は満期まで1期間だけのオプションの価値を全て計算し、同値マルチンゲール測度Qで期間つつ樹形の向きを逆に繰り返されてオプション現在の価値を計算する。

二項一期間モデル

概念図

商品Sいまの価格はS0(過ごした時間は0という意味)、時間1の時に商品Sの価格はS0からS1(過ごした時間は1)になって上昇したら、価格Su、下降の場合はSdで示す、この商品に対すコールオプションの行使価格はK、存続期間は1、安全債券の金利はrである。このあと現実に存在する商品Sと安全債券を取り合わせて複製ポートフォリオを作成。この複製ポートフォリオはコールオプションの利益を再現するために商品Sと安全債券の配置比率を計算する。

上昇した時にコールオプションの利益はSu-K、下降したときはSd-K。でもコールオプションはこの契約を履行して利益を精算する義務がない、もし下降したときの利益Sd-Kはマイナスになったら、この契約を履行しなくてもいいから、利益は0。次の式のようにしめす:

上昇する時の価値: Category:金融派生商品


二項価格評価モデル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/03 15:45 UTC 版)

格子モデル」の記事における「二項価格評価モデル」の解説

詳細は「二項価格評価モデル」を参照 格子モデル簡単な例として、アメリカ型プット・オプション公正価値二進木表現する価格評価モデル考える。まず、原資産が、配当率株価対す比率示した率) q が既知である株式場合考える。現在の株価S0 、そのボラティリティを σ、行使価格を K 、無リスク金利を r とする。オプション満期までの期間 T を、長さ δt の N = T /δt 個の期間に分割し時点 i δt での j 番目の格子点 (i , j) (0 ≤j ≤i ≤N ) におけるオプション価格fi , j とする。 u = e σ δ t d = e − σ δ t p = e ( r − q ) δ t − d u − d {\displaystyle {\begin{aligned}&u=e^{\sigma {\sqrt {\delta t}}}\\&d=e^{-\sigma {\sqrt {\delta t}}}\\&p={\frac {e^{(r-q)\delta t}-d}{u-d}}\end{aligned}}} に対しf N , j = max { K − S 0 u j d N − j , 0 } ( j = 0 , 1 , ⋯ , N ) f i , j = max { K − S 0 u j d i − j , e ( w − r ) δ t { p f i + 1 , j + 1 + ( 1 − p ) f i + 1 , j } } {\displaystyle {\begin{aligned}&f_{N,j}=\max \left\{K-S_{0}u^{j}d^{N-j},0\right\}\qquad (j=0,1,\cdots ,N)\\&f_{i,j}=\max \left\{K-S_{0}u^{j}d^{i-j},e^{(w-r)\delta t}\{pf_{i+1,j+1}+(1-p)f_{i+1,j}\}\right\}\,\end{aligned}}} により、i = N から 1 ずつ減らし遡って帰納的に fi, j が求められる。ここで、u , d はそれぞれ二項格子における株価の上昇率、下降率、p は、株価上昇の危険中立確率である。 株価指数オプション通貨オプション先物オプション場合、上式で q をそれぞれ株式ポートフォリオ配当率外国通貨無リスク金利自国通貨無リスク金利(=r)置き換えれば良い

※この「二項価格評価モデル」の解説は、「格子モデル」の解説の一部です。
「二項価格評価モデル」を含む「格子モデル」の記事については、「格子モデル」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「二項価格評価モデル」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「二項価格評価モデル」の関連用語











二項価格評価モデルのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



二項価格評価モデルのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの二項価格評価モデル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの格子モデル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS