二項一期間モデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/26 20:12 UTC 版)
「二項価格評価モデル」の記事における「二項一期間モデル」の解説
商品Sいまの価格はS0(過ごした時間は0という意味)、時間1の時に商品Sの価格はS0からS1(過ごした時間は1)になって上昇したら、価格Su、下降の場合はSdで示す、この商品に対すコールオプションの行使価格はK、存続期間は1、安全債券の金利はrである。このあと現実に存在する商品Sと安全債券を取り合わせて複製ポートフォリオを作成。この複製ポートフォリオはコールオプションの利益を再現するために商品Sと安全債券の配置比率を計算する。 上昇した時にコールオプションの利益はSu-K、下降したときはSd-K。でもコールオプションはこの契約を履行して利益を精算する義務がない、もし下降したときの利益Sd-Kはマイナスになったら、この契約を履行しなくてもいいから、利益は0。次の式のようにしめす: 上昇する時の価値: max ( S u − K , 0 ) {\displaystyle \max(S_{u}-K,0)} 下降する時の価値: max ( S d − K , 0 ) {\displaystyle \max(S_{d}-K,0)} 複製ポートフォリオに商品Sを比率φ、安全債券を比率ψで配置して ϕ S 0 + φ B {\displaystyle \phi S_{0}+\varphi B} の仕組みを作り、複製ポートフォリオが上昇する時の価値は ϕ S u + φ B {\displaystyle \phi S_{u}+\varphi B} 、下降する時は ϕ S d + φ B {\displaystyle \phi S_{d}+\varphi B} 。債券は基準財として時間0の価格は1から、Bを1に替わて時間1の価格は(1+r)になった。よって複製ポートフォリオの利益は: 上昇する時の価値: ϕ S u + φ ( 1 + r ) = max ( S u − K , 0 ) {\displaystyle \phi S_{u}+\varphi (1+r)=\max(S_{u}-K,0)} 下降する時の価値: ϕ S d + φ ( 1 + r ) = max ( S d − K , 0 ) {\displaystyle \phi S_{d}+\varphi (1+r)=\max(S_{d}-K,0)} この二つの式でφとψを求めて、φが正数すればψは必ず負数になる。これはψ単位の安全債券を売出してφ単位の商品Sを買うという経済的な意味である。 コールオプションの価値は複製ポートフォリオと同じだから、時間t=0の価値C0は複製ポートフォリオの時間0の価値と同じ。つまりこのときのコールオプションの価値は C 0 = ϕ S 0 + φ {\displaystyle C_{0}=\phi S_{0}+\varphi } である。
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