二項分布母数の事後分布
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 13:58 UTC 版)
「ベイズ推定」の記事における「二項分布母数の事後分布」の解説
これまでは確率論的な例だったが、統計学的な(多数のものを扱う)例として、二項分布の母数の事後分布を計算することを考えよう。同じ問題はベイズも考えている。 観察結果が、成功 m 回、失敗 n 回となったとする。具体的にはコイントスでも、誰かに賛成・反対の意見を聞くのでもよい。母数a (試行回数、成功確率)について事前確率p(a) で表されるとする。 与えられた a の値に対して、全 m+n 回の試行の内成功が m 回となる確率は、 p ( m , n | a ) = ( n + m m ) a m ( 1 − a ) n {\displaystyle p(m,n|a)={\begin{pmatrix}n+m\\m\end{pmatrix}}a^{m}(1-a)^{n}} m と n は固定され、 a は不明だから、これは a の尤度関数となる。 ベイズの定理(連続分布の形)から、 p ( a | m , n ) = p ( m , n | a ) p ( a ) ∫ 0 1 p ( m , n | a ) p ( a ) d a = ( n + m m ) a m ( 1 − a ) n p ( a ) ∫ 0 1 ( n + m m ) a m ( 1 − a ) n p ( a ) d a {\displaystyle p(a|m,n)={\frac {p(m,n|a)\,p(a)}{\int _{0}^{1}p(m,n|a)\,p(a)\,da}}={\frac {{\begin{pmatrix}n+m\\m\end{pmatrix}}a^{m}(1-a)^{n}\,p(a)}{\int _{0}^{1}{\begin{pmatrix}n+m\\m\end{pmatrix}}a^{m}(1-a)^{n}\,p(a)\,da}}} 事前分布 p(a) として特定のものを選べば、この積分は実行できて事後確率は簡単な形となる。 特に、 p(a) が母数 m0 および n0 のベータ分布ならば、事後分布もベータ分布で、母数は m+m0 および n+n0 となる。 上の例のベータ分布のように、事後分布が同じタイプの分布になるような事前分布を共役事前分布という。
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