荒天とは? わかりやすく解説

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こう‐てん〔クワウ‐〕【荒天】

読み方:こうてん

風雨激しい、荒れた天気悪天候。「―をついて船出する


荒天

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/04/20 17:28 UTC 版)

荒天(こうてん)は、一般的な用法としては激しい風雨を伴った天気、荒れた天気、悪天候を指す言葉[1]。この項目では似た気象用語のシビア現象について解説する。

シビア現象の概念

シビア現象(シビアげんしょう)は、急な強い落雷突風、激しい風雨に対して使われることがある気象用語だが、学術的に定着するには至っていない[2][3][4]

英語の気象用語では、severe weatherやsevere stormに対応する。この2つは、破壊的な嵐(ストーム)全般、特に強いthunderstorm(雷雨)、hailstorm(嵐)、竜巻などの激しい地域的な嵐に対して用いられることが多い[3][5][6]。この2つはシビアウェザー、シビアストームと転写したり、荒天の訳を充てることがある[7]

「severe weather」を台湾では「劇烈天氣」と訳す[8]。中国大陸部では、激しい対流に伴う短時間強雨、雷雨、突風、雹、竜巻などを総称する用語に「强对流天气」(severe convective weather)がある[9]

より広範には、熱帯低気圧台風温帯低気圧積乱雲や組織化したメソ降水系などの対流システム、積乱雲を母体に生じる竜巻やダウンバーストなどの擾乱をも指すことがある[3]

海においては、風により海(海況)が荒れた状態を時化(しけ)と呼ぶ[10]

シビア現象の予報

2019年5月20日のConvective Outlook(上)とTornado Outlook(下)の1日後予報。上には5段階の雷雨リスク+基準以下の雷雨のエリアが示されている。下には竜巻の発生確率が示されている。このとき、アメリカ南部・中西部で竜巻災害が発生した。

晴れた夏の昼過ぎの雷雨(気団性雷雨、不安定性降雨または夕立[11]のように、急速に発達する積乱雲に伴う風雨や雷などのシビア現象は、局地的で現象の進行が早い。予測の難しい現象が多く、確度の高い予報のリードタイムは短いが、現象の理解を深める研究、数値予報モデルの高度化や観測データの拡充が進められ、予報も改善が図られている[3]

アメリカ

アメリカでは、国立気象局(NWS)にストーム予測センター (Storm Prediction Center, SPC)が設置されており、雷雨や竜巻の予想・監視を担っている。SPCが発表するシビア現象の情報は以下のとおり(2026年時点)[12]

  • Convective Outlooks: アメリカ合衆国本土(48州)を対象に、(一定基準を超える)激しい雷雨(severe thunderstorm)および基準以下の雷雨(non-severe thunderstorm)の可能性を、1日後、2日後、3日後、4-8日後それぞれ予測し発表する。確率の高さと激しさにより5段階に区分され、地図上に表示され、解説文が付く[12]
  • Mesoscale discussions: 本土を対象に、今後6時間の、激しい雷雨の可能性を予報。影響を受ける地域および影響が懸念される地域が地図上に表示され、解説文が付き、3時間後まではより詳細に予報される。強い地吹雪着氷性の雨などの冬の現象も対象[12]
  • Severe Weather Watches: 警報・注意報体系のうち、激しい雷雨の注意報(Severe Thunderstorm Watch)と竜巻注意報(Tornado Watch)は、SPCが発表を担当する。一方、激しい雷雨の警報(Severe Thunderstorm Warning)と竜巻警報(Tornado Warning)は、地元の気象局(日本の気象台にあたる)が担当する[12]
  • Fire Weather Outlooks: 山火事のリスクの8日間予報。地図上の表示と解説文からなる[12]

日本

日本では、気象庁本庁にシビアストーム監視班が置かれ、2019年6月からは全国を対象に、急な雷雨や突風などを一元的に予想・監視して各気象台に情報提供を行うほか、竜巻注意情報記録的短時間大雨情報の発表を担当している[2]

航空気象では、航空機に危険を及ぼす乱気流、落雷、着氷などを引き起こす気象現象を重点的に予報・監視する。日本の気象庁の場合、空域情報として悪天予想図・解析図空域悪天情報(シグメット)を発表し、飛行場予報でも詳しい状況を伝達する。雷は雷監視システム(LIDEN、ライデン)、ダウンバーストはドップラー・レーダードップラー・ライダーによる監視が行われている[13][14][15][16][17]

中国

中国では、中国気象局に「强天气预报中心」という予報部門が設置され、「强对流天气」の予報を担当している。全国スケールで3日後までの强对流天气、短時間強雨、激しい雷雨の発生の恐れのある地域と、確率分布を地図上に表示する予報が行われている(2026年時点)[18][19]

出典

  1. 荒天」『デジタル大辞泉』小学館コトバンクより2026年4月13日閲覧
  2. 1 2 気象庁 2020.
  3. 1 2 3 4 新野 2012.
  4. 加藤 2017, p. 199.
  5. ams(a).
  6. ams(b).
  7. 気象学用語集、「severe weather」「severe storm」
  8. 知識與天文:雙語詞彙 101.severe weather: 劇烈天氣 (中国語). 中華民國交通部中央氣象署. 2026年4月20日閲覧。
  9. 中国气象局 (2018年). 强对流天气等级: QX/T 416–2018 (pdf) (中国語). 气象出版社. 2026年4月20日閲覧。
  10. 時化」『デジタル大辞泉』小学館コトバンクより2026年4月13日閲覧
  11. 荒木健太郎、村上正隆、加藤輝之、田尻拓也「地上マイクロ波放射計を用いた夏季中部山地における対流雲の発生環境場の解析」(pdf)『天気』第64巻第1号、日本気象学会、2017年1月、19-36頁、CRID 1520009408561701632
  12. 1 2 3 4 5 -About the SPC- SPC Products (英語). Storm Prediction Center. 2026年4月13日閲覧。
  13. 空域に関する気象情報”. 気象庁. 2026年4月13日閲覧。
  14. 飛行場に関する気象情報”. 気象庁. 2026年4月13日閲覧。
  15. 雷監視システムによる観測”. 気象庁. 2026年4月13日閲覧。
  16. 空港気象ドップラーレーダーによる観測”. 気象庁. 2026年4月13日閲覧。
  17. 空港気象ドップラーライダーによる観測”. 気象庁. 2026年4月13日閲覧。
  18. 气象报:砥砺奋进不辞路遥 蓄势扬帆再启航程——国家气象中心强天气预报中心建设十年纪实 (中国語). 中央气象台成立70周年. 中央气象台 国家气象中心办公室 (2020年3月17日). 2026年4月20日閲覧。
  19. 强对流天气预报 (中国語). 中央气象台 国家气象中心. 2026年4月20日閲覧。

参考文献

関連項目


「荒天」の例文・使い方・用例・文例

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