模様
紋様
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/20 23:09 UTC 版)
ウィピルの紋様や形状は自治体によって異なり、同じ民族であってもしばしば村ごとに異なる。メキシコのオアハカ州のテワンテペク地峡(イスモ・デ・テワンテペク地方)に住む海岸部サポテコ族のウィピルは、黒いベルベットなどにチェーンステッチや大きな花模様を原色で刺繍してレースなどで装飾したもので、マニラ・ガレオン貿易でもたらされた中国やフィリピンの花模様の刺繍に影響を受けて発達した。一方で、同じオアハカのサポテコ族でも、イダルゴ・ヤララッグ(英語版)などに住む山地サポテコ族の既婚女性は白木綿をはぎ合わせた継目と裾の縁にのみ刺繍し、胸と背に色糸の房を飾ったシンプルなものを、未婚女性はそれに縦の花模様の刺繍を正面中央・両脇・背面中央に加えたものを用いる。また、オアハカ周辺のバジェス・セントラレス地方のサポテコ族女性はウィピルではなく、胸元に細かな花模様を刺繍したブラウスを着用する。チナンテコ族やクイカテコ族の縫取織のウィピルは平織と絡み織を併用した白木綿に、赤を基調にした菱形などの幾何学模様と鳥などを密に織り出している。呪術の習慣で知られるミシュテカ族の太陽・花・サソリ・クモなどの刺繍も有名である。グアテマラのマヤ人のウィピルは肩から胸・背にかけて密に刺繍を施したものが多い。
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