歴代所有者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 00:28 UTC 版)
「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」の記事における「歴代所有者」の解説
この時祷書はジャン1世の死後、第5代サヴォイア公カルロ1世に継承され、ブルジュ出身の職人ジャン・コロンブの手で1485年から1489年頃に完成したと考えられている。さらに第8代サヴォイア公フィリベルト2世が1504年に没すると、妃マルグリット・ドートリッシュがこれを相続する(サヴォイア公位はフィリベルト2世の異母弟カルロ3世が継承)。 しかしその後、時祷書の行方はしばらく分からなくなる。次に姿を現した時には、ジェノヴァの銀行家でありセストおよびベネフロ侯爵、そしてロス・バルバセス侯爵でもあるスピノラ家の所有物であった。なぜ同家がこの書を所有していたのかは定かではないが、一説によれば、17世紀初頭の当主アンブロジオ・スピノラが、フランドルからラ・ロシェル、マドリードを経てマントヴァ公領継承戦争へと転戦する中で入手したとも言われるが、アンブロジオの代にスピノラ家はスペイン・ハプスブルク家の戦費不払いによって破産を経験しており、このような高価な品の入手が可能であったかどうかは意見が分かれるところである。 ともかくこの時祷書は、フランス王ルイ・フィリップの四男オマール公アンリが1855年にジェノヴァで購入する。それからしばらくはシャンティイ城に所蔵されていたが、1897年にはオマール公爵家からフランス学士院に寄贈され、現在はシャンティイ城にあるコンデ美術館附属図書館に非公開で所蔵されている。
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