第1話 - 第100話
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「ゴルゴ13のエピソード一覧」の記事における「第1話 - 第100話」の解説
“話数 題名 / 発表年月”の順で記載。 第1話 ビッグ・セイフ作戦 / 1968年11月 第二次大戦末期、ナチスドイツの下で大量のイギリスポンド紙幣が偽造された。計画を主導したのは、元ナチス親衛隊隊長のベルンハルト・ミューラー。ミューラーはナチ崩壊後、その偽造紙幣を抱えて逃亡し、連合軍の捜索からもうまく逃れ、現在はスイスに潜伏して、要塞さながらの堅牢な邸宅に籠もっていた。偽紙幣はナチスの高度な技術を駆使して造られた精巧なもので、これが市場に出回ればポンドの価値と信用の下落は避けられない。ナチ戦犯センターが解体される日を目前にしてミューラーの殺害を決断したMI6は、フリーランスの暗殺者を雇うことにする。コンタクトに応じて姿を現したその暗殺者は、「ゴルゴ13」という不吉な異名を持った東洋系の男であった。 第2話 デロスの咆哮 / 1968年12月 第二次大戦時にナチスに囚われ、生き別れになっていたフランス国防相の妻と息子が24年ぶりに姿を現した。戦時に受けたひどい拷問のため長期間療養しており、名乗り出るのが遅れたという。疑念を持ったフランス情報局が調査員を送り込んだところ、いずれもそろって極端な程不審な死を遂げた。母子が偽物であるなら何故わざわざこのように疑いを招く真似をするのか?疑心暗鬼にかられた末、とうとう情報局はゴルゴを雇って母子の殺害を決断するが、それは巧妙に仕掛けられた東側の罠であった。 第3話 バラと狼の倒錯 / 1969年1月 スペインの富豪・ロドリゲスの愛娘が、「フォエティダ(黄色いバラ)」という名うての色事士に誑かされ、消息を絶った。男の殺害を依頼されたゴルゴは車を待ち伏せて狙撃しようとするが、運転をしていたのは明らかに女であった。フォエティダに誑かされた女達のブルーフィルムがペルシャ絨毯に織り込んで売られていることを突きとめたゴルゴは、潜入したイランで例の「女」を見つける。偶然ではあり得ないと判断してゴルゴは「女」を撃ったが、「女」には驚くべき秘密が隠されていた。 第4話 色あせた紋章 / 1969年2月 ハンガリーとオーストリアの国境にかかる“血まみれの橋”で、東西の大物スパイ同士の交換が行われようとしていた。ハンガリー秘密警察長官のクリューガーは混乱に乗じて西側に亡命することを企て、ゴルゴにスパイ交換の最中に現場に立ち会うKGV〔ママ〕部長の狙撃を依頼する。このことはCIAも事前に了承済みで、スパイ交換はクリューガーを亡命させるための口実であった。ところがKGVに捕らわれていた米スパイ・リーベックは、事の次第をすべてKGV長官に話してしまっていた。 第5話 檻の中の眠り / 1969年3月 通称「パンドラの島」と呼ばれるアラスカブリストル湾に浮かぶ北刑務所。脱獄不可能と名高いこの凶悪犯罪者専用の刑務所に無期懲役の囚人としてゴルゴが収監されてくるが、収監されるやいなや無闇に反抗的な態度をとり、所長の逆鱗に触れて死刑囚に身を落とされてしまう。死刑囚のザラスはそんなゴルゴの行動を小気味よく眺めていたが、隣の監房に移されてきたゴルゴから脱獄の相談を持ちかけられる。 ゴルゴが自称する「デューク・東郷」という名前が初登場。 第6話 白夜は愛のうめき / 1969年4月 傷心旅行からの帰りの飛行機で、女は一人の男と隣り合わせになる。その男とは、女は偶然からすでに二度も顔を合わせていた。飛行機が目的地のノルウェーの空港上空まで差しかかった時、機体にトラブルが生じて機内は騒然となるが、男は少しも動じた色を見せなかった。やがて飛行機は胴体着陸を試みることになり、激震に襲われた女は男に抱きつく。着陸は成功し、機内が歓喜に沸き返る中、女は男と固く抱き合い唇を重ねていた。飛行機を降りた後、白夜の夜の中で女は男とベッドを共にする。男は無言で立ち去るが、女は男が忘れられない。密かに男の後をつけた女が見たのは、銃を持ち狙撃という彼の仕事を終えたばかりの男――ゴルゴの姿であった。 第7話 ブービートラップ / 1969年5月 内閣総辞職を要求する大規模なゼネストが計画されていることを察知したフランス保安局は、スト計画の中心人物である労働総同盟書記長の暗殺をゴルゴに依頼するが、治安庁からストップがかかり、保安局はゴルゴに依頼の破棄を通告し、のみならずゴルゴの口を封じようと考える。ストが始まり死んだように静まりかえるパリで、西ヨーロッパ唯一の殺人集団「ローゼンクロイツ」によって送り込まれた刺客達が次々にゴルゴに襲いかかる。 第8話 黒い熱風 / 1969年5月 ガボン共和国革命評議会の指導者オーバーメ将軍狙撃犯人として逮捕されたゴルゴ。評議会のNo.2ドルトン准将は一通りの取り調べの後ゴルゴに銃殺刑を言い渡すが、まさに刑が執行されようという直前、軍の実力者の一人カイヨーテ大佐が執行を中止させる。再び開かれた軍事法廷で、カイヨーテは暗殺事件の黒幕は他ならぬドルトン准将だと発言し法廷は騒然となる。決死の形相でドルトンを非難するカイヨーテだったが、ゴルゴはその熱弁の裏に隠れた目論見を察知していた。オーバーメ将軍を暗殺したのはゴルゴではなく、ゴルゴの狙撃の機先を制した別の狙撃手だったからである。 第9話 南仏海岸(コートダジュール) / 1969年6月 スイス銀行から金密輸組織の実力者2人の狙撃を依頼されて南仏コート・ダジュールに赴いたゴルゴ。ところがゴルゴが一人目の男をスコープに捕らえた瞬間、標的は何者かに狙撃され殺されてしまう。不可解に思いながらもう一人の男の滞在しているリゾートホテルを訪れたゴルゴは、そこで盲導犬を連れた一人の盲人と出会う。事前の調査でその姿をかすかに見とめていたゴルゴは、もしやと怪しみ盲人の正体を調査させる。「イクシオン」と名乗るその盲人は、盲目ながら神業的な狙撃の腕前を持つプロの暗殺者であった。 第10話 ゴルゴin砂嵐(サンド・ストーム) / 1969年6月 エジプトをはじめとするアラブ諸国がイスラエルの包囲を強め、緊迫化する中東情勢。アラブ側の背後にはソ連の影があり、イスラエル国防相のダヤンはソ連がミサイル供与と共に派遣した技術将校達の抹殺をゴルゴに依頼する。しかし将校達の正体は目下のところ不明であり、イスラエルが買収したアラブ側の高級将校「虫(インセクト)」のみがその正体を知悉している。「虫」に接触すべく、ゴルゴはモサド所属の女性諜報員ヘーゼラーとともにエジプトへ潜入する。が、ヘーゼラーは実はアラブ連合の送り込んだ二重諜報員であり、同行中も隙あらばとゴルゴの動静を窺っていた。 第11話 駅馬車の通った町 / 1969年7月 ネバダ州の国境に近い小さな街。ゴルゴがたまたま立ち寄った時、街は無法者の集団に占拠されていた。ゴロツキ達は何をしても無言のゴルゴをからかうが、一行の頭目だけはどこかで見た顔だとゴルゴのことを訝しむ。数日間暴虐の限りを尽くした後、無法者達は街を去ることにするが、住人達への見せしめとして保安官を公開処刑にかけることにする。保安官の悲鳴が響く中、磔にされたその体に銃弾が撃ち込まれてゆく。が、1弾、2弾……13弾と撃ちこまれた時、頭目はゴルゴの恐るべき正体を思い出す。しかし気づいた時にはすべてが遅かった。 第12話 狙撃のGT / 1969年8月 中国の欧州方面における情報を統括する責任者・王徳明が西側に亡命した。現在ウィーンの米国大使館で保護されている王は、この後高速鉄道でスイスへ向かう予定になっている。スイスに逃げ込まれてしまえばもはや打つ手はなく、鉄道で移動している最中を狙うほかないと判断した中国統一戦線工作部はゴルゴに王の狙撃を依頼する。標的の行動パターンを精密に分析したゴルゴは、鉄道と同速度で走るスポーツカーから狙撃する案を導き出し、その実行に向け模擬演習に取りかかる。 第13話 メランコリー・夏(サマー) / 1969年9月 国家機密を持って逃亡し、KGBに保護されていた元英外務省の高官・グラストンがソ連から追放された。グラストンの暗殺をMI6から依頼されたゴルゴは、標的がハネムーンを装っての逃亡時に「結婚相手」として利用してマルタで捨てたという女をマークする。 MI6のヒューム部長が初登場。 第14話 猟官・バニングス / 1969年10月 「猟官」と呼ばれ、執念深くゴルゴを追い続けてきた国際刑事警察機構の刑事バニングス。3年にも渡る捜査の上に書かれた報告書を読んだ上層部が出した結論は、囮捜査をしかけてゴルゴを捕まえようというものだった。そんな稚拙な罠に引っかかるような手合いではないとバニングスは反対するが、彼の反対も空しく計画は実行に移されることになる。失望したバニングスは辞職を願い、ゴルゴを捕まえるべく独自の行動を始める。 第15話 WHO!? / 1969年11月 殺し屋ダッシュの情婦ナンシーは、罪の意識に悩みながらも殺人の仕事の片棒を担いでいたが、刑事コーバックの説得によりダッシュの罪を証言して彼を法廷に送り込む。ダッシュは死刑判決を言い渡されることになり、以後ナンシーは忌まわしい過去を忘れて大富豪の夫と結婚して幸せに暮らし始める。が、そんなナンシーの周囲に死刑になったはずのダッシュが生きているのではないかと窺わせる兆候が現れる。おびえたナンシーは現在は私立探偵を営むコーバックに相談を持ちかける。 第16話 殺意の交差 / 1969年11月 ABCレジャーコンツェルンの社長・ブラウンの暗殺を引き受けたゴルゴ。その後釜に座ろうというのが依頼人のジョナサン・アープの思惑だったが、依頼の発端は会長であるアルバーがアープに示唆したものであった。が、アルバーの示唆した暗殺計画の実相は、アープにブラウンを殺させ、邪魔者のブラウンを消すと共にアープの弱みを握ろうという目論見だった。すべてを知っているゴルゴを飛行機に乗せ、アープは嬉々として狙撃現場へ彼を誘おうとする。が、その一方でゴルゴも知らないもう一つの殺人計画が進行していた。 第17話 スタジアムに血を流して / 1969年11月 暗黒街の大物ニコラス・メランギの愛人アンジェラには、ずば抜けた射撃技術を持つデイブという弟がいた。ゴルゴに狙われていたメランギはデイブを使ってゴルゴを返り討ちにしようとするが、アンジェラは頑なに拒否する。アンジェラはやむなく自身でゴルゴを葬ろうとするが、あえなく失敗。メランギから姉の死を聞いたデイブはゴルゴの狙撃現場を強襲し、ゴルゴの隙を突いて背後をとることに成功する。が、ゴルゴを簡単に殺すには惜しい好敵手と判断したデイブは改めての決闘を申し出る。 第18話 白の死線(デッドライン) / 1969年12月 KGBから西側へ亡命しようとしている生物兵器学者の暗殺を依頼されたゴルゴ。雪の降り積もったスイス・イタリア間の国境の山岳地帯でスキーを使ったアクロバット的な狙撃で見事標的を仕留めるものの、依頼人の裏切りに遭って滞在先のホテルを強襲されてしまう。逃走の際に発砲事件を起こしたことで山岳捜索隊に追われることになったゴルゴは、やむなく吹雪の始まった雪山に逃げ込んだ。 第19話 ベイルートVIA / 1969年12月 レバノンの首都ベイルートは中東経済の要の重要都市であったが、キリスト教とイスラム教の混在する国情のため恒常的に不安定な状態にある。MI6のヒューム達世界諜報界の四巨頭は、混乱の元凶であるパレスチナ・ゲリラの指導的グループ「スパイダー6」の討滅をゴルゴに依頼する事を決断するが、その起用は彼らの信頼する謎の修道女マザー・ヨシュアの進言によるものだった。ベイルートに潜入したゴルゴは鮮やかに標的達を倒し、依頼を見事に完遂する。しかし最後に仕留めたグループの頭目は、息を引き取る間際に不可解な名前を口にした。 第20話 最後の間諜 ―虫(インセクト)― / 1970年1月 19話の続編。資産の管理を任せているドワイト・D・グリンヒルの銀行を訪れたゴルゴは金庫室に案内されるものの、罠が仕掛けられていることを鋭敏に見抜く。詰問されたグリンヒルは、大恩ある人物からゴルゴを殺すことを強要されたのだと陳謝する。その人物とはスイス銀行に莫大な蓄財をしている人物であり、その人物の指導と情報提供によりスイス銀行界は永世中立という誇りを保ってこられたのだという。正体不明のその人物の暗号名は「虫(インセクト)」。それはゴルゴがベイルートで葬ったゲリラの頭目が最後に口にした名前と同じ名であった。 第21話 ラブはナイフ / 1970年1月 ナイフ使いの殺し屋・ベンは、恋人のマーサの薦めでゴルゴの名を騙って暗殺の仕事を請け負っていた。仕事は面白いほどに集まったものの、次第に他人の名を騙って稼いでいることが馬鹿馬鹿しくなってきた。ベンは自身の名をあげるべくゴルゴを暗殺することを考える。 第22話 Dr.V・ワルター / 1970年1月 ソ連の優秀な電子工学研究者Dr.V・ワルターは、妻子を祖国に殺された怨みから最新のECMを開発した後、突然米国に亡命した。ワルターは米国の極東戦略の要である沖縄基地のレーダーシステムに携わることになり、暗殺を決断したKGBはゴルゴに狙撃を依頼する。依頼を受けたゴルゴは沖縄に乗り込み、琉球大学にて講演中のワルターを狙撃するが、仕事を終えたゴルゴを待っていたのはKGBの罠であった。 第23話 内陸地帯(ゾーナインテリア) / 1970年2月 ボリビアでのゲバラとドブレの反乱以降、共産主義ゲリラの活動が過激化する中南米。ボリビア政府軍のドミンゴ大佐からゲリラの首領の捜索と抹殺の依頼を受けたゴルゴは、ゲリラに入らないかと誘いをかけてきた共産主義シンパの大学生とともに、ゲリラの潜伏するジャングルに足を踏み入れる。そこへ姿を現したのは巨大なオオアリクイだった。 第24話 査察シースルー / 1970年3月 米国のスパイ衛星の査察データがソ連に奪取された。計画を主導したのは、かつてスターリンの片腕として国際外交の舞台で辣腕を振るった怪物外交官モロトフであり、国連理事会での機密の暴露を恐れた米国はモロトフの暗殺をゴルゴに依頼する。しかしこの動きは死の床についていた元KGB部長のキニスキーに察知されていた。キニスキーはモロトフに情報を伝えると共に、旧知の間柄だったゴルゴにもソ連が依頼を察知したことを「遺言」という形で伝える。 第25話 仮面の標的 / 1970年3月 アルゼンチンで人気を博すユダヤ人マジシャン・アルドーには、拷問の恐怖から同胞をナチスに売った過去があった。罪の意識に悩み続けるアルドーの前に、かつて彼を拷問にかけた元ナチ高級将校のカウフマンが現れる。ユダヤ人組織に殺し屋を差し向けられたカウフマンはアルドーの変装の奇術に目をつけ、彼を自分の替え玉に仕立て上げようと考えたのだった。特殊技術で作ったマスクを被せられたアルドーは、カウフマンの身代わりとして振る舞うよう強要される。 第26話 死に絶えた盛装 / 1970年4月 政財界の男たちを魅了するマダム・マルタンの愛人チョコレート・バン暗殺の依頼を受けたゴルゴは、2人が接触すると思われる場所、モナコでマダムの動向を探る。チョコレート・バンの正体を掴めずにいたゴルゴが導き出した結論とは。 第27話 シェルブールO300 / 1970年4月 戦雲の途切れることのない中東地域に再び暗雲が立ちこめてきた。状勢を受け、フランスはイスラエルに対する武器禁輸措置を持ち出し、イスラエルが発注していた砲艦の引き渡しの拒否を表明する。イスラエルはシェルブール港に繋留されている砲艦を力ずくで奪取するべく特殊部隊を潜入させるが、対立するリビア軍はこれを察知して腕利きの破壊工作部隊を差し向けてきた。イスラエル国防相のダヤンは旧知のゴルゴにコンタクトをとり、特殊部隊の殲滅を依頼する。 第28話 マッディブラッド / 1970年5月 ブラジルのマナオス。男の愛を求めてさまよった末に娼婦に身を落としてしまったフイニーは、故郷であるマナオスに戻る途中に偶然知り合ったゴルゴに心を惹かれる。一方、ゴルゴの標的であるリオのギャングの元締めダディBは、ゴルゴに狙われていることを知って機先を制して襲撃しようとするが失敗。かくなる上はとマナオスの奥地のジャングルに誘い出してゴルゴを罠にかけようと目論むが、そこへゴルゴを追いかけてきたフイニーが現れる。 第29話 価値なき値 / 1970年5月 ニクソン大統領による大統領令以降も密かに毒素兵器の研究を進めていた米国は新型毒素兵器「トクシンP2」を完成させた。だがその研究にも中止命令が下ることとなり「トクシンP2」は秘密裏に廃棄されることになった。その矢先に研究を指導していた科学者が何者かに暗殺されてしまう。東側の工作員の仕業と判断したCIAは、ゴルゴに金塊輸送を装った「トクシンP2」の輸送に同行し、襲ってくる工作員達を殲滅することを依頼する。 第30話 魔笛のシュツカ / 1970年6月 西ドイツ郊外のザルツブルクで暮らす初老の男・ベルンハイム。一見モーツァルトの『魔笛』を愛好する物静かな老人に見えるが、かつてナチス突撃隊屈指の暗殺者として200人もの反独分子を葬った過去があった。娘のユダヤ人の恋人との結婚を頑なに認めない等、現在もナチズムを引きずっているベルンハイムは、ネオナチ組織から西独共産党広報部長のマルチン・リスナーの暗殺を依頼され、快諾する。『シュッカ』の異名をとり恐れられた壮年の頃に戻るべくベルンハイムは奮起するが、偶然にもNATOから全く同じ依頼を受けたゴルゴが現れる。 第31話 暗い街灯の下で / 1970年7月 いつもの通りアーマライトをいくつもの小包に分割して仕事先のロンドンへ送ったゴルゴ。しかし送り先のホテルに赴いてみると小包は一つも届いていなかった。それもそのはず、小包は郵送中に輸送車が暴走族のグループに襲われ、彼らに奪われてしまっていたからだった。やがてゴルゴの銃を使った連続殺人事件が発生する。被害者に撃ち込まれた弾丸の線条痕から、ゴルゴも犯人として容疑をかけられる。 第32話 帰ってきた標的(ターゲット) / 1970年8月 司法取引によりFBIに出頭することになった米国の麻薬界の帝王バグシイ“ビッグ”ガボール。そんなバグシイの姿勢に反発した右腕のロッキー・ブラウンはゴルゴにコンタクトをとり、バグシイの暗殺を依頼する。依頼を引き受けニューヨークに飛んだゴルゴはFBIに出頭しようとしていたバグシイを葬るものの、ところが次いでゴルゴが足を運んだ香港で葬ったはずのバグシイがゴルゴの前に現れた。 第33話 飢餓共和国 / 1970年9月 ナイジェリアに対して独立を宣言したものの、政府軍の圧倒的な軍事力の前に敗退を繰り返して内陸の一角に押し込まれたビアフラ共和国軍。陸路も空路も封鎖され完全な兵糧攻めにさらされた500万のイボ族は、絶望的な飢餓状態へ追い込まれることとなった。乗っていたエアタクシーがイボ族ゲリラのハイジャックに遭い、内戦渦中のビアフラに入ることとなったゴルゴは、偶然の成り行きからゲリラの一員の少年兵を救うことになる。ゴルゴの腕に惚れ込んだゲリラの指導者オハネヒ将軍は、米石油資本の油田襲撃計画にゴルゴの参加を依頼する。 第34話 喪服の似合うとき / 1970年10月 依頼人とコンタクトをとるためパリを訪れたゴルゴだったが、街を歩いている最中何者かから銃撃を受ける。ゴルゴは咄嗟に応戦しようとするが、懐から拳銃を引き抜いた瞬間突然右手が痺れ出して拳銃を取り落としてしまう。ゴルゴを銃撃したのは、かつてゴルゴの暗殺事件の巻き添えで失明したド・バビエール伯爵の部下だった。ゴルゴの手の痺れを知った伯爵は今こそ絶好の好機と考え、かねてより暖めていた復讐計画を実行に移そうとする。 突然手が痺れるゴルゴの謎の持病が初登場。 第35話 激怒の大地 / 1970年11月 KGBのスパイでありながらCIAに捕らえられ二重スパイとなったビセンテ・ヨーク。KGBとCIA双方に追われることになったビセンテはペルーへと逃亡するが、彼を始末するべく両組織が送り込んだ暗殺者達は、一様にナイフで首を切り裂かれ無残に殺されてしまった。KGBからビセンテ暗殺を請け負ったゴルゴはよほどのプロが護衛についているに違いないと想像を巡らすが、現地についても護衛の正体は皆目わからなかった。護衛の正体を探るのを断念したゴルゴは、牧師に扮しているというビセンテのいる山奥の教会へと向かう。 第36話 番号預金口座(コント・ヌメロテ) / 1970年12月 暗殺されたドミニカのトルヒーヨ大統領の息子ラムフィス・トルヒーヨは、父の死後スペインに亡命し使い切れない程の父の遺産を浪費しながら毎日を送っていた。有り余る金とその金目当てで近づいてくる取り巻きに囲まれながら生の実感を感じられない彼は、自分を殺し屋に狙わせるという命を懸けた酔狂なゲームを思いつく。父の資産の投資に失敗した銀行家フーリオを刑務所から引っ張り出したトルヒーヨは、彼に死のゲームの相手になることを強要する。腕利きの殺し屋を捜してこいと言われたフーリオは、当惑しながらも言われたままに殺し屋を捜そうとする。 第37話 AT PIN-HOLE! / 1971年1月 エルパソへ向かう旅客機でハイジャックが発生。乗客に危険が及ぶ恐れがある以上とても旅客機には近づけず、狙撃で仕留めるより方法はないと判断したCIAは、FBIに要請して別件で取り調べを受けていたゴルゴを超法規的に釈放させ、ハイジャッカーの狙撃を依頼する。特別製のカスタム狙撃銃を携えて空港へ乗り込んだゴルゴは、射程実に1000mを超える針の穴を撃ち抜くような超長距離狙撃に挑む。 ゴルゴが信頼するガンスミス、デイブ・マッカートニーが初登場。 第38話 ラオスのけし / 1971年2月 黄金の三角地帯で新しく麻薬のアジアルートを握った男の抹殺をCIAから依頼され、ゴルゴはラオスに潜入した。替え玉を使う男の正体を見極めようとする中、CIAの連絡員が次々に消されていく。ゴルゴは男とのパイプを持つ、通称リー将軍のアジトに行く。そしてリーに会いに来たターゲットが搭乗しているヘリコプターを墜落させる。 第39話 雪は黒いドレスの肩に / 1971年3月 偽装結婚をして極秘資料をソ連に持ち出そうとしているKGBのスパイ。ゴルゴはCIAからこのスパイの狙撃を依頼される。 第40話 マニトバ(MANITOBA) / 1971年3月 KGBがモスクワ・フィルハーモニー管弦楽団に潜り込ませた二人の諜報員が西側に亡命を企て逃亡した。諜報員達の抹殺を依頼されたゴルゴは公演先のカナダに飛ぶが、不意のアクシデントにより警察に拘束されてしまう。ところが事態は意外な展開になった。カナダ公安諜報部がゴルゴに接触し、亡命を望んでいるとは知らずに件の諜報員達の暗殺を依頼してきたのである。図らずも西側からも同じ依頼を受けることとなったゴルゴは、無報酬で依頼を引き受け、諜報員達が姿を消したマニトバ州へと向かう。 第41話 そして死が残った / 1971年4月 フィリピン内務部情報局とのコンタクトに応じるためマニラに飛んだゴルゴ。しかし空港に降り立った直後、何者かの狙撃を受け辛うじて難を逃れる。情報局の依頼は、マルコス政権の政策に反発して再び活動を活発化させている反政府ゲリラ団・フク団の首領レネ・ガルシアの抹殺だった。 第42話 女王陛下の憂鬱 / 1971年5月 何者かがMI5の機密書類を超小型カメラで撮影し、逃亡した。MI5はただちにロンドン全域に非常線を張り、たまたま市内のホテルに滞在していたゴルゴは容疑者として拘束されてしまう。ゴルゴは事件に全く無関係だったが、行きずりの女と一緒に泊まっていた部屋の中から何故か小型カメラが見つかり、有無を言わさず連行される。ゴルゴの拘束を知ったMI6のヒューム部長は、ゴルゴは諜報員の真似をするような人間ではないと考え、真犯人は別に存在するのではと推測する。 第43話 ゲート・イン(GATE-IN) / 1971年6月 英国競馬の最高峰であるダービーを目前にして英国中が沸き返る中、その裏側では山師のビクター・ゴードンによる邪な陰謀が進行していた。一番人気の本命馬をアクシデントに巻き込んで落馬事故を起こすことで高配当を得ようと企んだゴードンは、腕利きの狙撃手の狙撃で騎手の握る手綱を切断するという大胆不敵な計画を立てた。すでに二人の狙撃手を雇ったゴードンは万全を期すために最高の狙撃手と名高いゴルゴも雇おうと考え、何故か都合よく会場となるエプソム競馬場にいたゴルゴに話を持ちかける。 第44話 VOO DOO / 1971年7月 ハイチの商社の副社長ハシェルは、ある晩酒場でブードゥーの女呪術師から「今の社長を呪い殺して代わりにその座に座りたくないか」と持ちかけられる。ハシェルは訝しげに思いながらも金を払うが、ほどなく社長が事故死し、ハシェルは本当に社長の座に就くことになる。その後すぐに例の女呪術師がオフィスへ押しかけ、金を無心しに来る。ハシェルは女を追い返すが、以来原因不明の頭痛に悩まされることになる。ブードゥーの呪いだと震え上がったハシェルは女を殺して呪いを解こうとするが、女はハイチ最高の呪術師といわれるオルガ・タボスであり、どんな殺し屋に頼んでも皆オルガを恐れて引き受けようとしない。唯一ゴルゴのみが物怖じもせずに依頼を引き受けた。 第45話 アラスカ工作員 / 1971年8月 シリーズ初話(「アラスカ工作員」〜「ラ・カルナバル」までストーリーが連続している)。 アラスカにある米国の諜報基地が突然音信不通になった。何人ものCIA工作員達が調査に赴くものの、彼らもことごとく消息を絶ってしまう。KGBの腕利き工作員・隼のイエスの仕業と突きとめたCIAは、ゴルゴにコンタクトをとって抹殺を依頼する。アラスカに潜入したゴルゴは死闘の末に勝利するが、闘いが終わった直後、隼のイエスの通信機にゴルゴの襲来に注意しろという連絡が入った。ゴルゴはCIAにKGBの二重工作員がいるのではと訝る。 第46話 鎮魂歌に牙を / 1971年8月 隼のイエス掃討後、米軍機に回収されたゴルゴ。が、ゴルゴを迎えに来てくれたCIA局員はゴルゴの推測していた二重工作員であり、空軍機はハイジャックされてそのままソ連領空へ向かうこととなる。ソ連に到着後、ゴルゴは工作員を殺して脱出しようとするが、KGBに捕まりモスクワへ連行されてしまう。ところが事態は意外な展開となった。KGBによると件の工作員はKGB局員ではなく、米国にもソ連にも属さないある機関の命令を受けて動いていたスパイだった。ゴルゴはKGBの女性局員・マイヤと共にブラジルへ飛ぶこととなる。 第47話 リオの葬送 / 1971年9月 ブラジルへ向かう途中、経由地のロンドンで米・ソ・英・仏・日・5カ国の情報責任者とテレビ電話で会見したゴルゴは、旧ナチス残党の科学者ワルター・フォン・オーベルトの暗殺を依頼される。かつて毒ガス研究の権威だったオーベルトはネオナチ組織の頭目となり、新たに開発した高性能の毒ガスミサイルを突きつけて五カ国を脅迫しているのだった。オーベルトのミサイル基地のあるマナオスの奥地のジャングルに乗り込むべくゴルゴは武器の調達を始めるが、その最中マイヤがオーベルトの手下に捕らわれ死に追いやられてしまう。 第48話 ナチス鉤十字章は錆びず / 1971年9月 マイヤに続いてゴルゴも捕らえるべく、女性工作員を仕向けたオーベルトの手下達。が、ゴルゴは色仕掛けで近づいていてきた女に幻覚剤を飲ませ、秘密基地の情報を知るべく口を割らせることに成功する。旧知のマフィア・カルロスに用意してもらった武器を携え、いよいよゴルゴはミサイル基地の襲撃に乗り出した。警備兵をなぎ倒し、猛毒の神経ガスが積まれたミサイルを破壊して、ついにゴルゴはオーベルトの眼前まで到達する。が、防弾ガラスに銃弾を阻まれ標的を仕留めることはかなわず、オーベルトはいずこかへと姿を消した。 第49話 ラ・カルナバル / 1971年10月 復活祭を前にして恒例のカーニバルが始まり、お祭り騒ぎに沸き返るリオ。ミサイル基地を破壊したものの標的を取り逃したゴルゴは、マフィアのカルロスにオーベルトを捜すよう依頼する。ゴルゴには、オーベルトが国外に逃げず自身と決着をつけるべくリオに留まっているという確信があった。案の定、オーベルトはリオにいた。パレードの最中、山車で踊る侏儒の男と共に姿を現したオーベルトは、ゴルゴに一騎討ちを申し出る。明くる早朝、祭りの狂騒が過ぎ去り静寂が支配する大通り。教会の鐘を合図に最後の戦いの火蓋が切られた。 第50話 ROOM・No.909 / 1971年10月 株式相場に影響を持つ大物マフィアの抹殺を証券取引委員会から依頼され、狙撃するゴルゴ。しかしその直後、付近のネコの動きに反応し空薬莢を落としてしまう。これを偶然入手した警察の捜査がゴルゴに行き着く。 第51話 潜入ルート“G3” / 1971年11月 中国領空でソ連のスパイ機が撃墜され、乗員であるKGBの工作員が重症を負いながらも中国に保護された。もし、ソ連のスパイ行為が中国に自白されると中ソ関係の悪化は避けられない。口封じのために乗員の抹殺を依頼されたゴルゴと、それを阻止しようとする中国情報部とKGBの攻防が繰り広げられる。 第52話 国境線の5人 / 1971年11月 スイス国境の山小屋に次々と集まった5人は、皆逃亡中の身であった。そこにゴルゴが現れ、各々が自分を狙う殺し屋では?と警戒する。 第53話 ナポリの女 / 1971年12月 ナポリに現れたゴルゴは、偶然出会った母子家族の家に泊まる。その間に拳銃強盗の疑いがかかるが、疑いは晴れ、ゴルゴはその家を去る。 第54話 死の収穫 / 1972年1月 ボリビア軍政府に同志を殺害・逮捕されたゲリラ組織が、同志の解放を求めてフランス大使を誘拐した。軍政府長官からゲリラの首領殺害と大使の救出を依頼され、ゲリラの本拠地へ潜入するゴルゴ。しかし軍のガルシア大佐は大使夫人と密かに関係を持っており、ゲリラ掃討作戦の混乱に乗じて、大使を射殺する。 第55話 ANGRY WAVES / 1972年2月 リベリア船籍の大型タンカーがシージャックされ、多数の乗組員が人質となってしまった。ゴルゴはシージャック犯の狙撃と人質救出をFBIから依頼される。標的の武装集団は、仮出所中である凄腕の狙撃手ケスラーの他、身元の割れた指名手配犯らで構成されており、投降の可能性はない。ゴルゴは水中スクーターでタンカーに接近を試みる。 第56話 みな殺しの森 / 1972年3月 1943年ソ連のスモレンスク近郊の森で起こったカティンの森事件。ゴルゴが暗殺を請け負った標的・ウエストクリフ卿は、そのカティンの森のどこかに眠るという虐殺されたポーランド軍将校らの遺産発掘を企み、スモレンスクへ飛んでいた。当時のソ連側の関係者が遺産発掘に乗り出したという噂を聞きつけたのである。ウエストクリフの後を追うゴルゴは、スモレンスク近郊のうらぶれた宿を訪れる。 第57話 キャサワリー / 1972年4月 ゴルゴが持病を発病して静養中という情報を得たニューヨークマフィアのボス達は、今こそ積年の恨みを晴らす絶好の機会が到来したと殺し屋を差しむける。マフィアの目に適ったのは、「キャサワリー(ヒクイドリ)」という仇名を持つフリーの女暗殺者だった。卓抜した拳銃の腕前に加えてレズビアンであるこの女は、ゴルゴの色香に惑わされてしまう心配もない。マフィア達からの依頼を受けたキャサワリーは、ゴルゴが静養している地中海のマルタ島に単身乗り込む。 第58話 カリブ海の死影 / 1972年5月 ジャマイカを訪れていたゴルゴは、暴動に巻き込まれその扇動者らと関わる。ゴルゴは扇動者一味を治療する医師を危険から守る。 第59話 日本人・東研作 / 1972年5月 マンディ・ワシントンは、東(あずま)研作なる人物がゴルゴではないかと推測し、その男の過去の調査を進める。調査を進めていくうちに、東研作を知る者から思いも寄らない証言を得る。 第60話 砂漠の逆光 / 1972年7月 外人傭兵部隊で死んだ息子の敵討ちのため、その家族から依頼を受けたゴルゴであったが、現地で標的の隊長に捕らえられてしまう。 第61話 アクシデンタル(ACCIDENTAL) / 1972年8月 狙撃の際の予期せぬミスファイア(不発)に衝撃を受けるゴルゴ。100発入りの弾丸を80発まで試し撃ちして残った20発を使うゴルゴの銃からは、不発弾が出る確率は限りなくゼロに近い。これが自然に出たものならばよいが、そうでなければ自らに対する挑戦である--そう考えたゴルゴは、依頼を中断して徹底した調査を開始する。 後に、ゴルゴを知る者の間で「唯一失敗した狙撃」として、しばしば引き合いにされることになる。 第62話 九竜の餓狼 / 1972年9月 金塊密輸組織幹部から、組織を裏切ったボスの抹殺を依頼されたゴルゴ。それに対し標的となったボスは、散弾銃の名手でゴルゴを恨んでいる警察官と接触し、ゴルゴの当て馬に仕立てる。 第63話 モスクワ人形(ドール) MOSCOW・DOLL、第63話 モスクワ人形(ドール) HELL・DIVER、第63話 モスクワ人形(ドール) SHADOW・HUNTER / 1972年10月 - 1972年11月 モスクワの国営衣料品店店員のミーナ・ソロコフは余剰の売上金を横領した罪でKGBに捕らえられてしまい、その罪を贖うためKGB秘密局員養成所で訓練を受けさせられる。だが、これはKGBに仕組まれた陰謀で、アメリカ空軍の幹部将校付き2等秘書官アンジェラ・カーターと瓜二つで、また英語に堪能なミーナをアンジェラとして潜入させるべく訓練させるため用意された罠であった。この施設にゴルゴが潜入し、計画を阻止する。 第64話 ペガサス計画 / 1972年11月 北ベトナム軍に囚われた米軍少佐の口封じのため、ゴルゴに依頼がなされた。少佐は難攻不落の城砦に幽閉されていたため、ゴルゴはジープに牽引させたパラシュートで降下する方法を取り潜入を図る。 第65話 死角の断面 / 1972年12月 スコットランド・ヤードのダンカン警視は、ウォーレス卿暗殺計画阻止のためにウインザーのゴルフ場へと急行した。 第66話 柩に誓いを / 1973年1月 某国機関が兄をゴルゴに殺された男性の復讐心を利用し、ゴルゴの暗殺を企図する。その男性を依頼者を装ってゴルゴに近づけ、爆殺しようとする。 第67話 “Dabbie!” / 1973年2月 COFOの幹部でありながらKKKの団員でもあるクリストファー・ドレイクの殺害を依頼されたゴルゴ。狙撃ポイントは人種差別が根強く残るディープ・サウス。任務を遂行したゴルゴが潜伏している納屋に、白人の男たちがレイプするため黒人の少女デビィを連れて入ってきた。 第68話 死を運ぶ者共 / 1973年3月 命を狙われている武器商人達の前に、ゴルゴが現れた。その武器商人の1人である女が、妊娠中にもかかわらずゴルゴに体を提供して命乞いしたが、翌朝その女が他殺体で発見される。 第69話 動作・24分の4 / 1973年4月 ニューヨークのファミリーに追い詰められた地方ギャングのボスは、ゴルゴにファミリーのドンの暗殺を依頼。ゴルゴに狙われていることを知ったドンは、強固な防弾ガラスで鎧われたビルの一室に篭城する。同時にファミリーの暗殺部隊を放ち、ゴルゴを返り討ちにするべくその後を追わせた。狙撃ポイントと思しきビルに辿り着いた暗殺部隊は、ビルの屋上から発した連続する銃声を耳にする。 第70話 ヒート・ウエーブ(灼熱) / 1973年5月 滞在中のインドから機密資料と共に東側への亡命を目論むイギリス人教授と、それを手引きする東側諜報員。彼らの下に、教授の娘を連れたゴルゴが現れる。 第71話 欧州官僚特別便(ユーロクラットスペシャル) / 1973年6月 祖国の体制批判を繰り返すタミノフ教授を、胸の懐中時計諸共狙撃することをKGBから依頼される。しかし、その銃弾は時計に命中したものの貫通しなかった。 第72話 残光 / 1973年7月 シカゴマフィアのボスがビーチで射殺された。かつてゴルゴの事件を追ったことのあるワイキキ警察署の刑事は、ゴルゴの居場所を突き止め、面倒なことになる前にハワイを離れるよう提案する。 第73話 白い巨人(ヒガンテ・ブランコ) / 1973年7月 横暴の限りを尽くすバナナ会社のボス抹殺を、グアテマラの反乱武装集団から依頼される。しかし手引きする予定だった男は殺され、更には待ち伏せがいた。 第74話 アーリィ・オータム / 1973年8月 チャールズ・ルカはニューヨークの芸能界を牛耳るため、大物芸能ボス殺害をゴルゴに依頼した。 第75話 スエズの東 / 1973年9月 イスラエルの特効部隊による嵐のようなベイルート襲撃で多大な被害を受けたパレスチナのゲリラ組織PFLP。第二・第三の襲撃計画を恐れたPFLPは、イスラエルがシナイ半島の占領地、スエズ運河の東方に設けている特別訓練所を破壊する「血の砂作戦」を決行することを決断し、ゴルゴにコンタクトをとる。ゴルゴへの依頼は訓練所内にある燃料貯蔵所を遠距離から狙撃して爆発させることだったが、パートナーの女性工作員と共に現地へ赴いたゴルゴは驚くべき作戦の実相を知らされる。 第76話 魔女の出てきた日 / 1973年10月 魔女の殺害を目論むキャリントン卿は、用心深く外出を好まない魔女を外に引っ張り出すための演技を行う。 第77話 ジェット・ストリーム / 1973年11月 トランス・アトランティック航空901便がロンドンへ向かう途中ハイジャックされる。ヒースロー空港ではアメリカ連邦航空局から乗客名簿を取り寄せると、犯人割り出しを急いだ。そんな中、乗客名簿の中から「デューク・東郷」の名を見つけたMI6のヒュームは、犯人に気付かれないようゴルゴにハイジャック犯殺害を依頼しようと試みる。 第78話 幽霊定期便(ゴースト・ライナー) / 1973年12月 法外な手数料を取って東ドイツ市民を西側へ逃亡させる組織“幽霊定期便”の中心人物ハンス・カートランドは、自分に迫ってくる危険を動物的勘で察知する能力があった。西ドイツ連邦憲法擁護庁は、東ドイツからの警告を受けて追跡を試みたが失敗。ゴルゴへの依頼を決めた。 第79話 ペギーの子守歌 / 1974年1月 メリーランド州シルバー・スプリングスの森で、ベビーシッターのアルバイト中だった15歳の少女が強姦されて殺された。FBI捜査官ギャラットは、モーテルに泊まっていたゴルゴを疑い、取り調べを行う。 ゴルゴの血液型が「少なくともAB型でない」ことが判明する。 第80話 銃殺人ひとり / 1974年2月 息子のアントニオを誘拐され殺されたメキシコの大農場主ガルシアは、以前ゴルゴを射撃場で見かけた時プロだと感じ取っていた。メキシコの法律で死刑制度がないこと(最高刑が終身刑)に納得できないガルシアは、ゴルゴに3人の処刑を依頼する。 第81話 海へ向かうエバ / 1974年3月 冷徹な女暗殺者、エバ・クルーグマンは、かつて一夜を共にしたゴルゴと再会する。再会を喜ぶエバに、ゴルゴは思いもよらない言葉を投げかける。 さいとうが脚本を手がけた傑作エピソードとして、さいとうの追悼特集が掲載された『ビッグコミック』2021年21号に再録された。 第82話 殺しの紋章五爪竜(ウーツァオロン) / 1974年4月 大戦中ドイツの潜水艦に積まれていた5トンにのぼる金塊を、秘密結社“赤眉”の巡風頭が密かに引き上げた。この金塊の隠し場所を知った趙秀峰は、それと同時にゴルゴが巡風頭を狙っていると言う情報を得て、ゴルゴに巡風頭の居場所を教える。 第83話 黒い肌の狙撃者 / 1974年5月 いまだ激しい人種偏見の残る米国南部地域。捕虜収容所を釈放され、故郷ミシシッピ州グリーンウッドに戻ったベトナム帰還兵エーベル・バーネットを待っていたのは、在郷軍人会による手ひどいリンチだった。ベトナム人の捕虜となり、黒人兵の友人を持っていたのが恥なのだという。エーベルは彼らの仕打ちを苦にして自殺してしまい、友人の黒人兵・サミーは軍人会のリーダーで異常な人種差別主義者のローレル大佐の殺害をゴルゴに依頼する。一方、ゴルゴに狙われていることを知った大佐は手下の警察署長を使ってグリーンウッド全域に厳戒態勢を布かせる。たまたま黒人解放運動家達と知り合ったゴルゴは、厳戒態勢を突破するためとある秘策を実行に移そうとする。 第84話 国家秩序維持省 / 1974年6月 オーストラリアにゴルゴが現れたという情報をいち早くキャッチした、現地のソ連大使館。警戒する彼らを尻目に、ゴルゴは標的である元ソ連のスパイをスコープに捉える。 第85話 統計解析射撃 ダラスの疑惑、第85話 統計解析射撃 ダラスの極限、第85話 統計解析射撃 ダラスの閃光 / 1974年6月 - 1974年7月 世界でもトップクラスの石油会社「ハミルトン石油」の会長狙撃の依頼を受け、テキサス州のダラスに到着したゴルゴ。車で運転中に襲撃を受け、それがきっかけで、ある歴史的大事件の容疑者として拘束されてしまう。その後、容疑を逃れたゴルゴは、今度は標的の部下に捕えられてしまう。不屈の精神力でそれを突破し、部下の1人に標的の居場所を案内させるが、そこはアリの這い出る隙間もないような、最新鋭の警備システムで固められていた。 第86話 折れた矢(ブロークン・アロー) / 1974年8月 突如アメリカ合衆国ネブラスカ州の空軍基地に入った通信「折れた矢(ブロークン・アロー)」。それは核兵器事故が発生したことを示す暗号電であり、水素爆弾を搭載した米軍の戦闘機が墜落事故を起こしたことを知らせるものだった。事故発生地点はソ連からほど遠くないノルウェー領・ロフォーテン諸島で、SAC(戦略空軍本部)は即座に3機の水爆の回収命令を発令する。しかし敏感に事故を嗅ぎつけたらしいソ連は早々とKGB要員を送り込んでおり、対する米国もCIA要員達を現地に送り込むが、そこには全く無関係な依頼を受けたゴルゴも潜入していた。 第87話 地獄への回廊 / 1974年9月 アフリカ最後の植民地・ポルトガル領モザンビーク。2日後の新総督赴任に際して、モザンビーク解放戦線のゲリラに不審な動きがあるとの情報が現地の植民地軍に入った。赴任当日、新総督は首都に通ずるゲリラの跳梁跋扈することで有名な幹線道路・通称「地獄の回廊」を通らねばならない。植民地軍は何としても「地獄の回廊」へ武器を持ち込ませまいと息巻き、厳しい警戒態勢を布く。そんな中、日本の家電製品のセールスマンを装ったゴルゴが現れる。一目見てゴルゴを怪しんだ臨検部隊の隊長は、ゴルゴに監視をつけその動きを見張らせる。 第88話 ヒドラ(HYDRA) / 1974年10月 潰す先から新たな組織が生まれ出る麻薬犯罪組織は、ギリシャ神話に登場する複頭の大蛇・ヒドラに喩えられる。この「怪物」を倒すには心臓を叩き潰す以外の方法はなく、FBIOC(米連邦麻薬犯罪捜査局)は、アメリカにヘロインを流すコルシカ人組織の心臓、すなわちヘロイン精製を行う正体不明の科学者「ドクターZ」の抹殺をゴルゴに依頼する。 第89話 プルトニウム239 / 1974年11月 元フランス空挺部隊の中佐・ペランは、退役後その経歴を生かしてはみ出し者の部下達と共にテロリズムや暴動の鎮圧など、政界の裏面の荒仕事を請け負う事件屋として活動していた。某国から原爆材料にも成り得る核分裂性元素プルトニウム239の強奪を請け負ったペランは、シカゴの原子力発電所から輸送される使用済み核燃料を強奪することを画策するが、その矢先に懇意の情報屋からゴルゴに狙われているという情報を耳に入れる。情報屋はすぐに身を隠した方がいいと勧めるが、ペランは逆に計画の実行にゴルゴを利用しようと考える。 第90話 潜入者の素顔 / 1974年12月 イスラエルとの情報戦に度重なる敗北を喫していたエジプトは、イスラエルが新たなスパイ養成所を開設したことに強い危機感を持ち、ゴルゴに養成所の破壊を依頼する。完璧にユダヤ人帰還者を装うべく、ゴルゴは変装を万全にするためにユダヤ人男性の持つ「傷跡」まで身につけてイスラエルへ潜入する。入国管理所でゴルゴに目をつけたシャバク(国内防諜保安機関)のシャレット大佐は、彼が本当にユダヤ人であるか知るために部下の女性をゴルゴに近づけさせ、彼女に「傷跡」を確かめさせる。だがその女性とは彼の実の娘であった。任務とはいえ娘を男に抱かせた憤りを押さえられないシャレットはゴルゴを執拗に追い回す。 第91話 呪術の島 / 1975年1月 13年も前にニューギニアの奥地で消息不明になっていたロックフェラー財団の御曹司・マイケルの身柄が、奇しくもFBIが追い続けていた過激派集団の参謀ジオ・マッセリーによって確保されてしまう。マッセリーは天文学的な身代金を要求してきており、面目が潰されることを恐れたFBIはゴルゴにマッセリーの暗殺を依頼する。マッセリーはマイケルの身柄の確認のためにマイケルと親しかった女性を現地に招いており、ゴルゴはその女性の随伴者として共にニューギニアの奥地に乗り込む。 第92話 曲線の男 / 1975年2月 引退したベルギー情報局の元長官エルメルが東ドイツへ拉致された。現情報局長官のナッソーは、対抗措置として西独情報局、CIAとも協力して、東独要人の誘拐を謀るが、事前に情報が漏れており失敗。調査の結果、西独情報局からの協力者にスパイがいたことが判明し、ナッソーはゴルゴに狙撃を依頼する。依頼の完遂後、ゴルゴはついで口封じのためエルメルを暗殺すべく彼の捕らわれている東独陸軍基地への潜入を試みる。が、どういうわけかゴルゴの潜入がすでに知られており、基地では厳重な警備が布かれていた。 第93話 夜は消えず / 1975年3月 保養のためフランスのボルドーを訪れたゴルゴ。ホテルのバーでくつろいでいたゴルゴとたまたま顔を合わせた町長の夫人は、ゴルゴの顔を見て驚愕する。夫人はかつて娼婦であり、過去にゴルゴの相手をしたことがあったのだった。折しも数日前に夫人の過去をゆする脅迫電話があり、ゴルゴがそのゆすりに違いないと判断した町長は、ギャングを使ってゴルゴを街から追い出そうとする。しかし、その裏で夫人は殺し屋を雇ってゴルゴを暗殺させようとしていた。ゴルゴの相手をした夜、彼女はゴルゴの拳銃を使って殺人を犯していた。 第94話 破局点(カタストロフィ・ポイント) / 1975年4月 犯罪心理学者のウェブナー教授は、自身の犯罪理論を証明するためにゴルゴに挑む。動きをことごとく読まれて苦戦するゴルゴは、逃げ込んだ娼婦街で逆転の秘策を思いつく。 第95話 ザ・スーパースター(THE SUPER STAR) / 1975年5月 死にゆく家出少年のジム・フィッシャーの依頼は、キッシンジャー国務長官の暗殺を謀る者からの長官擁護。これをゴルゴは、僅かな現金と金メダルで引き受ける。 第96話 カリフォルニア軍団(アーミーズ) / 1975年6月 建設会社の顔を持ちながらも他方では海外への派兵も行っている「ギンメル社」の社長のもとへ、男が一枚の写真を持ってやってきた。それは別居中の社長夫人と、東側の情報員との密会の決定的瞬間を写したものであった。このスキャンダルが公になることを恐れた社長は、この情報員の殺害をゴルゴに依頼するが、他方ではギンメル社に派兵される部隊の大佐がゴルゴの正体を知り、仕事が済んだあとにゴルゴを抹殺しようと画策していた。 第97話 レディ・ビッチ / 1975年7月 ニューヨークギャングのボスに気に入られ、一緒に暮らしている女アレクシス。勝手にリンダという名前を付けられ弄ばれる生活にうんざりし、彼と別れるには殺すしかないと悟った彼女は、ゴルゴにボスの殺害を依頼する。奇しくも、同時期にそのギャングの構成員の一人が部下を率い、ボスを殺して組織を自分たちのものにしてしまおうと計画していたのであった。 第98話 聖者からの依頼 / 1975年8月 ゲリラに両親を殺されたシスター、テレシタの無念を晴らすべく、オーハラ神父はゴルゴを呼び、今は宣教師になりすましているゲリラの首領の殺害を依頼する。しかし、依頼を引き受けた途端テレシタは複雑な表情を浮かべる。その標的には、隠された正体があったのである。 第99話 60日間の空白への再会 / 1975年9月 かつてモーリタニア共和国ヌアクショット刑務所警備員だったダベーズは、警察関係者との待ち合わせ場所にて超A級テロリスト・ゴルゴを発見。ダベーズは、10年前(1965年)にヌアクショット刑務所で起こった出来事を思い出す。 第100話 芹沢家殺人事件 / 1975年11月 かつて警視庁で刑事を務め、現在は防衛庁副長官である後藤の下を、往年の同僚・安井修記郎の妻が訪ねる。安井修紀郎は終戦直後の1946年6月に起き、ついに未解決のまま公訴時効が訪れた「芹沢家殺人事件」の捜査を共に担当した仲だった。安井宅に招かれ久々に旧友に対面した後藤は、「お互いの人生を変えてしまった」この事件を振り返る。
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