ビアフラとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > ビアフラの意味・解説 

ビアフラ

名前 Biafra

ビアフラ共和国

(ビアフラ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/22 14:48 UTC 版)

ビアフラ共和国
Republic of Biafra (英語)
1967年 - 1970年
国旗 (国章)
国の標語: 平和、統一、自由
国歌: Land of the Rising Sun英語版(英語)
Land of the Rising Sun

ビアフラ共和国の位置
公用語 英語
言語 イボ語(多数派)・エフィク語アナン語イビビオ語エコイド語
首都 エヌグ
(1967年)
ウムアヒア
(1967年 - 1969年)
オウェリ
(1969年 - 1970年)
アウカ
(1970年)
大統領
1967年5月30日 - 1970年1月8日 チュクエメカ・オドゥメグ・オジュク
1970年1月8日 - 1970年1月12日 フィリップ・エフィオン英語版
人口
1967年 13,500,000人
変遷
ナイジェリアより独立宣言 1967年5月30日
降伏。ナイジェリアに再併合。 1970年1月15日
通貨 ビアフラ・ポンド

ビアフラ共和国(ビアフラきょうわこく、: Biafra英語発音: [biˈɑːfrə] ビアーフラ)は、1967年ナイジェリアの南東部に置かれていた東部州独立宣言したことに伴い樹立された、イボ族を主体とした政権国家。1967年5月30日から1970年1月15日まで存続した[1]。人口1,350万人、面積は77,306km²(1967年)だった。

ナイジェリアからの独立

1966年に、ナイジェリア軍部によるクーデター未遂が勃発、事態を収拾したナイジェリア軍のイロンシ少将は北部と東部と西部の3州で州ごとに首相を持っていた連邦制を廃止して中央集権化を図るため、地方を12州に分割しようとした。しかし、これがイボ族による支配を図っているとみられたためにイロンシは殺害され、北部や西部に移住していたイボへの虐殺が起こった。この際に権力を握ったゴウォン中佐はイボへの迫害を抑えることなく、連邦制は復活させたが州の細分化を進めようとした。

1967年5月30日軍事政権に反発するイボ族を中心とした東部州の軍政官であったチュクエメカ・オジュク中佐が独立を宣言し、ビアフラ共和国を建国した。最終的にビアフラを承認した国家はタンザニアガボンなど4カ国にとどまり、他のアフリカ諸国はアフリカ統一機構憲章の「領土保全」を根拠にナイジェリアを支持した[2]

ビアフラ戦争

ナイジェリア政府は直ちにビアフラを経済封鎖し、7月6日ビアフラ戦争へと突入した。ビアフラ軍は一時は西部に攻め入ることもあったが、のち防戦に転じ、首都エヌグからアバウムアヒアへと移転を強いられ、1969年にはオウェリに移された。1970年、臨時首都オウェリが陥落してビアフラ共和国は完全に滅亡し、ビアフラ戦争はここに終結した。

戦争末期に内陸部へ封じ込められたビアフラでは200万人といわれる餓死者を出し、「ビアフラの悲劇」と呼ばれて世界的に注目された。同共和国の滅亡後、国外に脱出した民族派などがビアフラ国亡命政府を樹立し、失われた祖国を再興させるべく現在も活動を続けている。

ビアフラ共和国を承認した国家

関連作品

関連項目

  • ベニン共和国
  • カタンガ共和国
  • 亀渕昭信のオールナイトニッポン - 1970年、讀賣新聞の報道による、当国の難民が食糧危機により異常な飢餓状態に陥っていること、それについて国際赤十字が各国に支援を要請していることに触れ、この番組において『ビアフラに沢山の米を送れるように、外務大臣に手紙を出そう』と呼びかけたところ、約2000通もの手紙が外務省に届き、これがきっかけとなって政府は米約5000トンをビアフラに送ることが決定した。後に外務省を訪れた亀渕と、当時の愛知揆一外務大臣が一緒にVサインをして写真におさまっている[3]

脚注

  1. ^ K・ヴォネガット『ヴォネガット、大いに語る』早川書房ハヤカワ文庫〉、2008年、221頁。 
  2. ^ 「ビアフラ紛争大詰め ゲリラ戦に移る?」『中國新聞』昭和45年1月12日 15面
  3. ^ 月刊ラジオパラダイス 1989年8月号特集「ニッポン放送35周年グラフィティ」(15ページ)

外部リンク


「ビアフラ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ビアフラ」の関連用語

ビアフラのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ビアフラのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのビアフラ共和国 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS