りん‐けん【臨検】
臨検(りんけん)(inspection)
船舶の国籍を明らかにしない、許可を得ないで電波を送信している場合など一定の条件のもとで、公海上の外国船舶に乗り込み、臨検することが認められている。
国際法上、船舶は、公海において旗国の管轄権に従うという「旗国主義」がある。そのため、船舶には、国旗を掲揚するなど船籍を明らかにするための表示が義務づけられている一方で、旗国以外の国は、原則として、公海上の外国船舶に対して管轄権を行使することはできない。
臨検は、例外的に国際慣習法で認められたもの。通常の船舶のほか、軍事目的で航海する船舶などに対する臨検も可能だとされている。
今月、スカッド・ミサイルを積んだ北朝鮮の船舶がイエメン沖のアラビア海でアメリカによって臨検を受けた。ミサイルはイエメンが北朝鮮に発注したものであることが明らかになったが、この手の取引を禁止する国際法はないとして、その船舶を解放することにした。
(2002.12.13更新)
臨検
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/31 09:19 UTC 版)
臨検(りんけん)
- 行政機関の司法警察員が法規の遵守状況や不審点の確認のために、現場まで出向いて立ち入り検査する事。一般に船舶の立ち入り検査を指すことが多い。日本での実施機関は海上自衛隊、海上保安庁、税関、警察、厚生労働省(麻薬取締官及び麻薬取締員、労働基準監督官)など。2010年8月には児童虐待致死の多発を受け、児童相談所にも認められることになった。
- 戦時国際法の海戦法規に基づく行為。交戦国の軍艦が、特定の国籍の船ないし出入りする船に対し、公海上で強制的に立ち入り警察・経済・軍事活動することを指す。ただし中立国の軍艦に対してはこの権利を行使することはできない。現在では国連憲章第7章41条(主として経済制裁)の実効性を高める半軍事行動の一つであり、41条と42条の間の行動である。多国籍軍で行うことが多い。また、臨検をある一定海域で行うことを海上封鎖という。
- 国連海洋法条約に基づく行為。軍艦が、公海上で重大な犯罪行為(例えば海賊行為)を行っている船に対し、公海上で強制的に立ち入り警察活動することを指す[1]。ただし他国の軍艦に対してはこの権利を行使することはできない[2]。
- 医療現場では臨床検査、臨床検査技師の略語として使われることがある。
脚注
出典
「臨検」の例文・使い方・用例・文例
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