逃走とは? わかりやすく解説

とう‐そう〔タウ‐〕【逃走】

読み方:とうそう

[名](スル)にげること。にげ去ること。遁走(とんそう)。「その場から—する」


逃走

作者藤沢周平

収載図書龍を見た
出版社新潮社
刊行年月1987.9
シリーズ名新潮文庫

収載図書龍を見た改訂新版
出版社青樹社
刊行年月1991.9

収載図書藤沢周平全集 第3巻
出版社文芸春秋
刊行年月1992.12

収載図書藤沢周平珠玉選 7 龍を見た
出版社青樹社
刊行年月1994.7

収載図書龍を見た改版
出版社新潮社
刊行年月2008.3
シリーズ名新潮文庫


逃走

作者ジョン・コイン

収載図書
出版社扶桑社
刊行年月1992.5
シリーズ名扶桑社ミステリー


逃走

作者山井三郎

収載図書小説 男の夢
出版社文芸社
刊行年月2006.8


逃走

作者クリストファー・プリースト

収載図書限りなき夏
出版社国書刊行会
刊行年月2008.5
シリーズ名未来の文学


逃走の罪

(逃走 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/09 04:41 UTC 版)

逃走の罪
法律・条文 刑法第97条 - 第102条
保護法益 国の拘禁作用
主体 各類型による
客体 各類型による
実行行為 各類型による
主観 故意犯(第100条は目的犯)
結果 結果犯
実行の着手 各類型による
既遂時期 各類型による
法定刑 各類型による
未遂・予備 未遂罪(第102条)
テンプレートを表示

逃走の罪(とうそうのつみ)は、刑法に規定された国家的法益に対する罪で、国家による拘禁から逃れること、または国家による拘禁にある者を逃れさせたり、その援助をする犯罪類型。

概説

逃走の罪は第二編「罪」第六章に規定がある。逃走の罪の保護法益は国家の拘禁作用である[1]

逃走の罪の類型としては、被拘禁者が自ら逃走する場合(被拘禁者が犯罪の主体となる場合)と被拘禁者を他者が逃走させる場合(被拘禁者が犯罪の客体となる場合)とがあり、このうち前者(単純な逃走)については期待可能性が低いために不可罰としている国もあるが、日本では処罰対象としている[1]。最高裁は本罪の合憲性について「未決若しくは既決の囚人が拘禁の苦痛を免れようとする衝動から逃走するのは、憲法が保障する自由を回復する行為ではない。なぜならば未決、既決の囚人がその身体の自由を制限されている場合には法律の定める手続によらなければ右自由を回復しえないものだからである。そしてかかる囚人の自己逃走を処罰するために設けられた前記刑法規定は公共の福祉を保持するために自由の制限を認めたものであって、所論のごとき違憲のかどは認められない」としている(最判昭26・7・11刑集5巻8号1419頁)。

単純逃走罪

加重逃走罪と区別する目的で、単純逃走罪と呼ばれる。

主体

本罪の主体は「法令により拘禁された者」であり身分犯である。

拘禁された既決の者とは、確定判決を受けて自由刑の執行のために拘置されている者(刑法12条2項・13条2項)と、死刑の言い渡しを受けて、執行までの間に刑事施設に拘置されている者(刑法11条2項)をいう。通説的見解によれば、罰金または科料を完納することができないために労役場に留置されている者(刑法18条1項・2項)も含まれる[2]

拘禁された未決の者とは、勾留状の執行のために拘禁されている者をいう(札幌高判昭和28年7月9日高刑集6巻7号874頁)。また、刑事訴訟法167条および224条による、鑑定留置に付された者も含まれるというのが通説的見解である(仙台高判昭和33年9月24日高刑集11巻追録1頁参照)。

行為

本罪の行為は「逃走」であり、看守者の実力的支配を脱した状態をいう。未決の者が施設の外へ脱走したが、看守者がすぐに発見して追跡し、まもなく発見された場合、看守者の実力的支配を脱したとはいえないから、逃走未遂罪となるとした下級審の判決がある(福岡高判昭和29年1月12日高刑集7巻1号1頁)。

未遂

加重逃走罪

主体

本罪の主体は単純逃走罪の主体(裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者)のほか「勾引状の執行を受けた者」も含まれる(身分犯)。逮捕状により逮捕された者は含まれるが(東京高判昭和33年7月19日高刑集11巻6号347頁)、現行犯逮捕緊急逮捕の場合には逮捕状が発行されていないので本条の主体から除かれるとするのが通説的見解である[2]

通謀を逃走手段とした場合の主体については、二人が通謀して一人を逃走させた場合について、共同正犯の規定が適用されるか否かで争いがある。適用できるとする説もあるが、適用できず、行為の態様により、各人に単純逃走罪、加重逃走罪または逃走援助罪を適用すべきであるとする見解が有力である。また、各人につき既遂または未遂の判定をすべきであるとした下級審の判決がある(佐賀地判昭和35年6月27日下刑2巻5=6号938頁)。

また、看守等へ暴行脅迫をし、拘禁場を破壊し、逃走をしなかった場合や、現行犯逮捕で逃走をした場合は建造物損壊罪と公務執行妨害罪の併合罪となり、7年6か月以上の拘禁刑となる。逃走する場合と比べ罪が重くなってしまうという不合理な点が発生する。

行為

本罪の行為は、

  1. 拘禁場もしくは拘束のための器具の損壊
  2. 暴行もしくは脅迫
  3. 二人以上での通謀のいずれかの方法・手段

により逃走することである。

  • 拘禁場もしくは拘束のための器具の損壊
    • 損壊とは、物理的損壊を意味するから、手錠および捕縄を外しただけでは損壊にあたらないとされている(広島高判昭和31年12月25日高刑集9巻12号1336頁)。
  • 暴行もしくは脅迫
    • 暴行とは、保護法益から考えて、公務執行妨害罪と同じく、間接暴行でもよいとされる(広義の暴行)。暴行・脅迫は看守に対してなされることを要する[3]
  • 二人以上での通謀

未遂

被拘禁者奪取罪

客体

本罪の客体は「法令により拘禁された者」であり、本罪の客体には単純逃走罪や加重逃走罪で主体とされる者に加えて、現行犯逮捕や緊急逮捕された者も含まれるというのが通説的見解である[3]。ただし、刑事司法実現のための拘禁である必要があり、児童自立支援施設に入所中の者や精神保健福祉法により入院措置を受けた者は含まないとされる[3]。一方、少年院に保護処分として収容された者は含まれるとした下級審の判決がある(福岡高宮崎支判昭和30年6月24日高刑特2巻12号628頁)。

行為

本罪の行為は「奪取」である。

未遂

逃走援助罪

目的犯

本罪は成立に「法令により拘禁された者を逃走させる目的」を要する目的犯である。

客体

本罪の客体は「法令により拘禁された者」である。

行為

本罪の行為は、器具の提供その他逃走を容易にすべき行為をすること又は暴行・脅迫である。

既遂時期

器具の提供その他逃走を容易にすべき行為をした時点、あるいは暴行や脅迫をした時点で既遂に達する。実際に拘禁された者が逃走することを要しないとされる。ただし、看守者逃走援助罪の場合は、拘禁された者が逃走した時点で既遂に達する。

未遂

看守者等による逃走援助罪

主体

本罪の主体は「法令により拘禁された者を看守し又は護送する者」である(身分犯)。

客体

本罪の客体は「法令により拘禁された者」である。

未遂

脚注

出典

  1. ^ a b 林幹人 『刑法各論 第二版』 東京大学出版会(1999年)466頁
  2. ^ a b 林幹人 『刑法各論 第二版』 東京大学出版会(1999年)467頁
  3. ^ a b c 林幹人 『刑法各論 第二版』 東京大学出版会(1999年)468頁

参考文献

関連項目


逃走

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/27 02:25 UTC 版)

ワイルドカード (ゲーム)」の記事における「逃走」の解説

その場から確実に離脱できるが、山札大量に消費する。このカードのみ、パラメーターの上昇やクリティカル発生により数値減り、より山札消費少なくなる

※この「逃走」の解説は、「ワイルドカード (ゲーム)」の解説の一部です。
「逃走」を含む「ワイルドカード (ゲーム)」の記事については、「ワイルドカード (ゲーム)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「逃走」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

逃走

出典:『Wiktionary』 (2021/08/14 08:50 UTC 版)

名詞

とうそう

  1. 逃げること。

発音(?)

と↗ーそー

動詞

活用

サ行変格活用
逃走-する

「逃走」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


品詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「逃走」の関連用語

1
100% |||||

2
100% |||||

3
100% |||||

4
100% |||||

5
100% |||||

6
100% |||||

7
100% |||||

8
96% |||||

9
96% |||||

10
96% |||||

逃走のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



逃走のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの逃走の罪 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのワイルドカード (ゲーム) (改訂履歴)、この素晴らしい世界に祝福を! (改訂履歴)、白暁燕 (改訂履歴)、フランク・アバグネイル (改訂履歴)、西口彰事件 (改訂履歴)、朝霞自衛官殺害事件 (改訂履歴)、ロックマンX コマンドミッション (改訂履歴)、京都・大阪連続強盗殺人事件 (改訂履歴)、能登半島沖不審船事件 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの逃走 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS