放火及び失火の罪とは? わかりやすく解説

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放火及び失火の罪

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/17 14:56 UTC 版)

放火及び失火の罪
法律・条文 刑法108条~118条
保護法益 公共の安全
主体
客体 各類型による
実行行為 各類型による
主観 各類型による
結果 危険犯
実行の着手 各類型による
既遂時期 各類型による
法定刑 各類型による
未遂・予備 未遂罪(112条)
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放火及び失火の罪(ほうかおよびしっかのつみ)は、日本の刑法第2編第9章、108条から118条に定められる犯罪である[1][2][3][4]。放火行為など、火力その他により、住居などの財産を侵害した場合に成立する[5][6]財産犯としての性格と、公共危険犯 (Gemeingefährliches Delikt) の性格をあわせもつ[7][8]

本記事では日本における放火についても記述する。

内容

この章に規定される罪は以下の通り[1]

主要放火、失火罪比較表

条文 罪名 客体 公共の危険の要否
108 現住建造物等放火罪 現住建造物等 不要
109-1 非現住建造物等放火罪 他人所有非現住建造物 不要
109-2 自己所有非現住建造物等放火罪 自己所有非現住建造物 必要
110-1 建造物等以外放火罪 建造物以外の他人の物 必要
110-2 自己所有建造物等以外放火罪 建造物以外の自己所有物 必要
111-1 1項延焼罪 自己所有物から、現住建造物、他人所有非現住建造物 不要
111-2 2項延焼罪 自己所有の建造物以外の物から他人所有の建造物以外の物 不要
116-1 1項失火罪 現住建造物、他人所有非現住建造物 不要
116-2 2項失火罪 自己所有非現住建造物、建造物以外の物 必要

刑法以外の刑事罰

森林法第202条から第204条にかけて、森林への放火及び失火罪に刑事罰が規定されている[9]

日本における放火

放火は古代の日本より重罪として処されてきた。

日本における火災の原因で最も多いものは放火であり、ここ数年はほぼ毎年のようにトップに挙がっている。平成15年以降おおむね減少傾向が続いており、平成25年中の放火による出火件数は5,093件で、前年(5,370件)に比べ、277件(5.2%)減少しているものの、全火災(4万8,095件)の10.6%を占め、17年連続して出火原因の第1位となっている。これに放火の疑いを加えると8,786件(全火災の18.3%、対前年度比1.1%減)となる[10]

放火対策

  • 消防庁では、学識経験者、消防行政関係者などを中心に、平成9、10年度に「防火対象物の放火火災予防対策のあり方検討報告書」、平成14、15年度に「放火対策検討会(中間報告書)」をとりまとめるとともに、必要な対策をその都度講じてきている[11][12]。また、有識者による検討を踏まえた対応のほか、春秋の全国火災予防運動において重点目標に取り上げ、消防機関のみならず個人、事業所、自治会などによる放火火災の防止に向けた取組みを継続的に行ってきている[13]
  • 消防機関が放火件数の増加原因を調査した結果、自動車やオートバイ等のボディカバーへの放火が大きな要因となっており、消防機関からこれらの防炎化について強い要望があり、平成4年に新たに防炎製品に追加された。ボディカバーのほかにも広告幕、軒出しテント、デザインテントなど放火対策に役立つ様々なものが防炎製品として認定され、炎のマークが目印のラベルが付けられている[14]
  • 暴力団同士の対立抗争の中で、火炎瓶を用いて相手事務所に放火する事件が発生することがある。2013年以降は、暴対法の改正により全国の暴力追放運動推進センターが代理訴訟を起こせるようになっており、原因となる暴力団事務所の使用差し止めを求める仮処分の申し立て等を行うことが可能となっている[15]

脚注

出典

  1. ^ a b 刑法”. e-Gov法令検索. 2026年1月17日閲覧。
  2. ^ 元NHK記者の連続放火事件 判決要旨」『MSN産経ニュース産業経済新聞社、2007年9月4日。オリジナルの2007年10月24日時点におけるアーカイブ。2026年1月17日閲覧。
  3. ^ 放火未遂容疑で高2逮捕、「すっとした」と11件供述 愛知県警」『MSN産経ニュース』産業経済新聞社、2008年12月2日。オリジナルの2008年12月19日時点におけるアーカイブ。2026年1月17日閲覧。
  4. ^ 放火予備容疑で14歳少年書類送検 「3年前から十数件放火」認める」『MSN産経ニュース』産業経済新聞社、2008年12月10日。オリジナルの2008年12月18日時点におけるアーカイブ。2026年1月17日閲覧。
  5. ^ 「カレンダーに火をつけた」18歳少女が自宅放火し全焼 茨城」『MSN産経ニュース』産業経済新聞社、2008年11月29日。オリジナルの2008年12月18日時点におけるアーカイブ。2026年1月17日閲覧。
  6. ^ 裁判所に放火未遂の疑い、37歳の派遣社員逮捕 滋賀」『MSN産経ニュース』産業経済新聞社、2009年1月27日。オリジナルの2009年1月30日時点におけるアーカイブ。2026年1月17日閲覧。
  7. ^ 放火容疑で交響楽団元部員を逮捕 岡山大不審火」『MSN産経ニュース』産業経済新聞社、2008年11月19日。オリジナルの2009年2月25日時点におけるアーカイブ。2026年1月17日閲覧。
  8. ^ 「実家もめ…罪悪感なく、放火30件」34歳女を逮捕 大阪」『MSN産経ニュース』産業経済新聞社、2010年9月9日。オリジナルの2010年9月12日時点におけるアーカイブ。2026年1月17日閲覧。
  9. ^ 森林法”. e-Gov法令検索. 2026年1月17日閲覧。
  10. ^ 平成26年版消防白書 第1章 災害の現況と課題 第1節 火災予防”. 消防庁. 2026年1月17日閲覧。
  11. ^ 防火対象物の放火火災予防対策のあり方検討報告書(平成11年3月)の概要” (PDF). 消防庁. 2026年1月17日閲覧。
  12. ^ 放火対策検討会(平成16年3月中間報告書)の概要” (PDF). 消防庁. 2026年1月17日閲覧。
  13. ^ 平成26年版消防白書 第1章 災害の現況と課題 2 放火火災防止対策の推進”. 消防庁. 2026年1月17日閲覧。
  14. ^ 防炎製品いろいろ - (公財)日本防炎協会 (PDF)
  15. ^ 本部事務所を閉鎖か、神戸山口組 住民代理訴訟受け”. 産経新聞 (2018年10月30日). 2018年3月31日閲覧。

関連項目

外部リンク





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