図らずも
「図らずも」とは、予想していなかった様を意味する表現である。
「図らずも」とは・「図らずも」の詳しい解説
「図らずも」とは、「不意に」「想定外にも」「思いがけず」という意味の言葉である。本来の予定から大きく外れた状態にあることを指す言葉だ。「図らずも」は良いことにも悪いことにも使えるが、圧倒的にも良いことに対して使われることが多い。「図らずも」の語源・由来
「図らずも」の語源は、思いがけないことが起こった気持ちを表す「あにはからんや」である。「図らずも」と「計らずも」と「期せずして」の違い
「図らずも」と「計らずも」と「期せずして」はどれも「本来想定していたこととは違う出来事が起こる」という共通の意味がある。ただし微妙にニュアンスが異なっている。まず「計らずも」は「ある出来事を計算して想定していた」というニュアンスが含まれるため、「図らずも」や「期せずして」と比べて「計算はずれ」「予定が狂った」という意味合いが強い。また、「期せずして」は、幸運な出来事にだけ用いられるのが特徴である。「図らずも」「計らずも」は良い意味でも悪い意味でも使われる点が、「期せずして」との違いである。「図らずも」の類語
「図らずも」の類語というと、「思いがけず」という言葉がある。「思いがけず」とは、「全く期待していなかったにもかかわらず」という意味だ。例えば、「街を歩いていたら高校時代の友人に思いがけず遭遇した」というように用いられる。「思いがけず」の場合、偶然の幸運、たまたま起きた嬉しい出来事など良い意味にだけ使われるのが特徴だ。一方の「図らずも」は悪い意味でも良い意味にでも使われるのが違いである。「図らずも」の対義語
「図らずも」の対義語というと「予想通り」という言葉が挙げられる。これは、「事前にこうなるだろうと思っていたことが、その通りに実現されること」という意味である。「当初の予想から外れる」という意味を持つ「図らずも」とは、真逆の言葉だと言える。「図らずも」を含む熟語・言い回し
「図らずも遠からず」とは
「図らずも遠からず」の「遠からず」は、「近いうち」「間もなく」という意味がある言葉だ。したがって、「図らずも遠からず」は「思いもかけず近いうちに」「意外にも間もなく」という意味になる。
「図らずも」の使い方・例文
「図らずも」は、自分が想定していなかった思いがけない事が起きたり、予想外の結果になったりした時に用いられる。・高校の時にどうせ受かることはないだろうと遊び半分で芸能事務所に自分の履歴書を送ってみた所、図らずも合格してしまった。
・あまりにも人気がありすぎて通常ならばすぐに売り切れてしまうコンサートのチケットが、今回は図らずも購入することができて本当に嬉しい。
・ずっと行きたかった大学に図らずも受かることができず、精神的にかなり落ち込んでいる。
・冷蔵庫に余っていた豆腐や卵、キャベツなどの材料で適当に料理を作ってみた所、図らずも美味しく仕上がっていて満足である。
・ゴルフ歴が一年にも満たないのに周囲に促されてゴルフ大会に初めて出場してみたら、図らずも優勝してしまった。
・会社の取引先の責任者は頑固でとっつきにくい性格だと聞いていたが、図らずも趣味のゴルフの話で盛り上がって契約にまで首尾よくこぎつけることができた。
・親戚からお正月にお年玉の代わりに宝くじをもらったのだが、そのお年玉が図らずも大金になって嬉しく思っている。
・母親から誕生日プレゼントで貰った小説を試しに読んでみたのだが、図らずも面白い内容だったので3日ですべて読み終えてしまった。
・上司に訴えるまでもなく、図らずも自分が希望していた部署に異動することができたので、すごく嬉しい。
・時間をかけて準備していたので計画は当然うまくいくだろうと思っていたが、図らずも想定外の出来事が起きて頓挫してしまった。
「図らずも」の英訳
「図らずも」の英訳は「unexpectedly」である。「図らずも」の例文・使い方・用例・文例
品詞の分類
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