シーズン3の各話のあらすじ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 16:56 UTC 版)
「オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜」の記事における「シーズン3の各話のあらすじ」の解説
回話サブタイトル各話のあらすじ1 1後宮の支配者波間に一命を取り留めたペルシャ人らしき女が漂っている。海賊出身のフズル・ハイレッディンは女の若さと美貌を見てムスリムでないことを確かめると部下に保護を命じる。イスラム教徒を奴隷にすることはできないからだ。その頃トプカプ宮ではヒュッレムが全権掌握の祝賀として身銭を切って大盤振る舞いする一方で、ハティジェがイブラヒムと離縁する噂が飛び交っていた。ヒュッレムはスンビュルに政治高官の情報を集めさせ、手付けを配り、外交団に接触するよう命じる。ハティジェは意を決してスレイマンに話に参内する。イブラヒムは逃げ去るように東方遠征への出陣を命じる。地下牢にいるニギャールはイブラヒムの使者の接触を得る。マニサのフィダンはムスタファの夜伽の準備をする。メフメトは元ムスタファの個室を与えられる。リュステムが主馬頭に任命される栄誉に浴す。忠誠心の高さを見て取ったスレイマンは戦場のイブラヒムへの配達物を命じる。 2結託セルジューク朝の時代からペルシャはずっとオスマン帝国が西欧を向くと反乱に立ち上がる。今は首領タフマースブが反旗を翻している。同じイスラム教文化圏を武力でもって制圧することにイスケンデルは乗り気ではない。イブラヒムは血と死を求めるかのように戦いに身を投じていく。側近のマトラークチュやチョバンも心配している。主馬頭の主要な仕事は国中の伝達包囲網を把握することである。リュステムは戦場のイスケンデルからの文をヒュッレムに手渡す。そこにはリュステムは信頼に足る有能な男であるとの推薦が書かれていた。スレイマンは御前会議にてアヤス宰相に地中海を掌握するフズルの到着を盛大に用意するよう命じる。フズルはスレイマンに地中海の要所アルジェ(現在のアフリカ大陸のアルジェリア)の鍵と奴隷女を献上する。ヒュッレムは母后の部屋を得るべく奔走し、到着した奴隷女を検分し、美人は自分付きにするよう手を回す。ハティジェは自分の結婚を割いた一端にヒュッレムを逆恨みして自分と同様にスレイマンとヒュッレムの間に女を割り込ませるべく策を練る。また自分が育った厳格な規則を遵守していた後宮に戻すためにギュルフェムに引退を勧告する。 2 3激突ムスタファは順調に軍政官としての仕事をこなすがマヒデブランの苦境を伝え聞く。ヒュッレムはスレイマンの乳母アフィフェが後宮出納官の任命されたことを知り、荷物をまとめ母后の部屋へ移住を決行する。抗議に乗り込んだハティジェの暴言に怒り「ご立派な皇女様より平凡な女官がいいだなんてプライドが傷つきますわね。大宰相の地位が惜しくて離れないだけですものね」とやり返す。愛よりプライドよりヒュッレムへの復讐の憎悪が勝ったハティジェはイブラヒムとの離縁を撤回する。ヒュッレムはミフリマーフの狩りの館への旅行に同行する。戦場のイブラヒムへスレイマンから死を意識した日の鎧が届けられる。だがイブラヒムの無鉄砲は収まらず配下の君侯まで叱責のために殺害する始末。イスケンデルはアゼルバイジャン軍政官ウスマーと接触する。ウスマーはかつてイブラヒムからシェリフ・ハンの首を上げなければお前の首を取ると脅迫されていた男だった。 4手ごわい女ヒュッレムはイスケンデルへの伝令をリュステムに依頼する。完璧な筈のリュステムだが、ふいに乗馬中のミフリマーフが怪我をしてしまう。責めを問われる途中でミフリマーフが遮り機転を利かせる。母后の部屋のことで口論になっている件についても、お母様の部屋が欲しかったの、と言い張り、目の中に入れても痛くないほど可愛がっている小さな皇女のためにスレイマンは矛を収める。イブラヒムは戦時下にタシュルジャルという詩人と親交を結び始める。反乱の同盟勢力が次第に力を持ち盟主に成り上がっていく様を見つめるイブラヒムはまるで皇帝の称号に見合うようだとの着想を得る。ムスタファはお忍びでの狩りの最中に村娘ヘレナと出会う。新しい後宮出納官アフィフェがトラブゾン宮から到着して早速厳格な規則を適用し始める。 3 5難敵イブラヒムの元にフズルが訪れて語り合う。征服すべきアフリカなどの大洋側の新世界のことや世界一の美女ジュリア・ゴンザーガのことまで気が合い、現在のオスマン帝国での身分を遥かに超えた野心を隠して行動していることをお互いに鋭く感じ取る。フズリが地中海から救出したペルシャ人の女フィルーゼはお稽古で優美な楽器である琴をあてがわれるが聞くに耐えない演奏をする。だが深夜に片付けの仕事をしている途中で誘惑に勝てず1人で美しく演奏する。ハティジェはアフィフェを呼び、スレイマンの遠征前の宴の準備を命令する。アフィフェは宦官キラズと共に夜伽の側女を選ぶ中でフィルーゼを指名する。タシュルジャルがイブラヒムの暗殺を防ぐ。ムスタファは村娘ヘレナとの牧歌的な恋に惹かれていく。ギュルシャーはリュステムに惹かれている。ニギャールの出産が始まる。夜伽の件を知ったヒュッレムは宴を開くのに私の許可が求められなかったとアフィフェに指摘する。 6見染められた娘暗殺失敗したイスケンデルはウラマーを使ってイブラヒムの信頼する者を騙って偽の情報を掴ませて進軍方向を変えようと目論む。出産が終わったニギャールは赤子は死産だったと聞かされる。スレイマンはムスタファを出征させず皇帝代理に据えて帝都を守らせる。スンビュルはヒュッレムに命じられて宴に参加する側女を確認しようとするが、アフィフェに阻止される。かくして宴ではアラビア風の魅力を持つフィルーゼがスレイマンに見初められる。 4 7運命の導き赤子は娘だったと聞かされたニギャールは「お前のように切れ長の目で鼻の愛らしい女の子がいい」と睦言を聞いた日のことを思い返しながら自殺未遂を起こす。バグダッドに進軍予定だったところへ進軍方向を揺らがしかねない有力情報が届く。イスケンデルが周到に用意した偽の情報なのだった。イスケンデルはまた帝都のスレイマンにイブラヒムがペルシャに新王国を樹立する構想を抱いているとの告発文を届ける。大ペルシャ国家の設立に心を惹かれるイブラヒムは7万の軍勢を率いて急遽タブリーズ(ペルシャ)への進軍を決定する。フィルーゼは夜伽に祖国の伝説の鳥ブーティマールの髪飾りで美しく装う。ムスタファはヘレナの家が絨毯職工をしており、悪徳商人の不当に安い買付額で買い叩れ、法官もグルになって見て見ぬ振りしていることを知る。スレイマンはイブラヒムの元から戻った海軍提督フズルにペルシャ新国家設立の是非を問うが、フズリは強大な権力すぎるため致命的になる危険も伴うと返答する。 8魔法の手ギュルシャーは夜伽の側女がミフリマーフ付きだとの情報を得る。だがどの側女であるかを聞き出す前にファトマに邪魔される。ミフリマーフの部屋に行くも間違えてナディアと勘違いする。ムスタファは素朴なヘレナに惹かれ、ヘレナも少しずつ想いを返すようになる。ジハンギルが再び夜中に泣き出すようになり弱り果てたところにフィルーゼが解決策として軟膏の調合を提案する。ヒュッレムはフィルーゼに治療院への出入りを許可する。バグダッドのサファーヴィー朝の王(シャー)タフマースブは進軍がこちらに来なかったことから好機と見做す。弟サームと湖を渡り一気に首都タブリーズに移動して合流し、一気にイブラヒムを叩き潰す作戦に出る。 5 9スルタン・イブラヒム皇帝代理となったムスタファがトプカプ宮殿に戻る。リュステムはニギャールを捕らえヒュッレムの前に連行する。スレイマンは出征前の挨拶を交わして出立する。タブリーズを陥落させたイブラヒムは書記官ジェラールザーデの前で「セラスケル・"スルタン"・イブラヒムが命じる――」と名乗りを上げて一同を驚かせる。総司令官であり”皇帝の”イブラヒム、という意味なのだった。イスケンデルは遺憾な面持ちで見やる。スレイマンはアヤスとリュステムを伴い戦勝祈願のため、オスマン中央南部のコンヤにある旋舞セマーで知られるイスラム教神秘主義メヴレヴィー教団の総本山を訪れる。なんと言っても今回の東方遠征は同じイスラム教徒同士の戦いであるためだ。イブラヒムもタブリーズの略奪を”スルタン”の名において禁じる。 10陰謀には陰謀をファトマはムスタファがヘレナに恋い焦がれていることも知らず喜び迎え出る。夜伽を務めた女への嫉妬に焼け付くような痛みを覚えながら、ヒュッレムは遠征中に始末する決心を固めている。翌朝、側女の大部屋にナディアの首吊り死体が吊るされているのを側女たちが発見して大騒ぎとなる。フィルーゼは自分の身代わりとなったナディアを愕然と眺める。スレイマンは伝令からイブラヒムが”スルタン”を名乗っていることを知る。ヒュッレムはナディアに手を下しただけでは飽き足らず、ハティジェを苦しめるためにニギャールと宮殿に戻す。フズルはチュニス(現在のチュニジア)攻略の前にムスタファに面会を求める。 6 11皇帝の恋文アフィフェはハティジェに命じられてニギャールの引き渡しを要求する。ニギャールはスンビュルにヒュッレムの忠実な下僕になった理由を尋ねる。ギュルシャーがアフィフェに口答えしている場面に出くわしたヒュッレムは謝罪させる。地中海への航海に戻ったフズルは手下にジュリア・ゴンザーガの拉致を命令する。地中海だけでは飽き足らず、アフリカなどの新世界側の大洋を、ペルシャ新王国のスルタンになっているはずのイブラヒムと共に暴れまわるための条件として世界一の美女の献上が条件として提示されたからだ。スレイマンはイブラヒムと合流する。イスケンデルはここぞとばかりスレイマンに奏上するが逆に讒言と取られて叱責を受ける。ヒュッレムはスレイマンからの恋文を受け取るが、それはヒュッレム宛てではなかった。だが宛名の女の名はハティジェによって塗りつぶされていた。タフマースブはスレイマンに和平を申し出るが、返答は交戦か降伏の要求で「獅子の不在時に狩りをする狐を勇敢だと思うな」と痛烈に当てこすられていた。東方遠征が一段落したところでスレイマンはイブラヒムの不貞についに対峙する。 12宿敵の処刑ハティジェから離縁は回避されたことを知ったイブラヒムはマトラークチュに嬉しい以上に悲しいとの素直な胸中を打ち明ける。ギュルシャーは単独行動が起こして失態したことをアフィフェに知られたヒュッレムは激怒する。戦場のリュステムはハティジェの密使による手紙を発見して破り捨てる。イブラヒムはバグダッドでも勝利を挙げるも軍資金と人名が失われた汚名を補佐官イスケンデルに着せ告発する。スレイマンは裁判を提案する。名誉挽回しようとハティジェとフィルーゼの話を立ち聞きしたギュルシャーは例の女がフィルーゼであることを知り投獄される。ニギャールは監禁状態が逆転したかようなギュルシャーをいとも簡単に手玉に取る。イブラヒムはイスケンデルと共謀していたウラマーに不利な証言を強要する。イスケンデルは極刑を免れ得ないことを感じリュステムに最後の意思を伝える。ウラマーと財務局書紀アリに手を回して証言を変えさせた不平等裁判だった。裁判の結果、無実のイスケンデルが絞首刑となる。処刑の様子をスレイマンは厳しい顔つきで眺めていた。スレイマンがリュステムと忌憚なく話す様子を見たイブラヒムは初めてリュステムを意識する。その夜スレイマンは枕元に立ったのはイスケンデルの夢を見て飛び起きる。実は激しい気持ちを隠し通して「私に無実の男を殺させたな、イブラヒム。お前も同じ道を辿るがいい」と燃えるような憤怒を胸中に秘めていたのだった。側近くに控えていたリュステムもまたそれを知る。 7 13帰還命を助けて逃がす条件としてハティジェの暗殺を強要されたギュルシャーは愚かにも決行してしまう。ハティジェに馬乗りになったところでニギャールが背後から近づいてギュルシャーを口封じに始末する。助け出されたハティジェと窮地に立たされたヒュッレムの双方が、ニギャールのほうを振り向きながら退出する。マヒデブランにもギュルシャーの最後に思うことがあるためか「お前はギュルシャーより惨めに死ぬ」と吐き捨てるように言われる。後宮はスレイマンとイブラヒムの凱旋が伝えられ浮足立つ。ミフリマーフは美しく成長していた。ファトマはムスタファの子を解任していた。ニギャールはこのときを待っていた。ヒュッレムが秘密に気付いたらお前を消すとフィル―ゼを焚き付ける。 142人の皇子ミフリマーフは中庭の散策中にタシュルジャルと出会う。メフメトはイェニチェリへの入隊式を希望する。ハティジェはニギャールの処遇を決める。再度結婚させるというもので、ムスタファの子を宿したファトマに「結婚できるだけ有り難く思わなきゃ」と嘲笑されて頭に来たニギャールは嫌味とも脅迫とも取れる言葉をかけて去る。マニサでは村娘ヘレナが父親の借金の片に悪徳商人アッバスと婚約させられそうになっていた。ヘレナは本当の名も身分も行方も知れないムスタファのことを思わずにはいられない。メフメトの入隊式が麗々しく執り行われる。 8 15側女の告白フィルーゼはミフリマーフがタシュルジャルに惹かれていることを知り、橋渡し役を買って出る。皇帝代理の役目を終え、メフメトの入隊式も済み、ムスタファとマヒデブランがマニサへ戻る日が近づいている。メフメトも地方赴任を望む。後宮に戻るなりハティジェとヒュッレムの小競り合いや諍いに疲れたスレイマンはフィルーゼを召す。夜伽のあったことを知るヒュッレムは嫉妬の業火に苛まれる。思い出すのは「もう若く美しい婦人ではないわ」とのハティジェの言葉。容色の衰えが気になり始める。マヒデブランとの別れの言葉にも自然と愁傷さがにじみ出る。タシュルジャルはムスタファと共にマニサに発つ。メフメトの成人に伴い、夜伽の側女を選ぶにあたってヒュッレムはフィルーゼこそ例の女だと知る。あまりの仕打ちに決然としてスレイマンの部屋に踏み込むが、ヒュッレムは卒倒してしまう。スンビュルはニギャールが長年知っていたことに気づき話を聞くが、例によって煙を巻くような弁解と真実と嘘を織り交ぜた話の上手さで、誤解を正解と思わせて面従腹背巧みに操っていたことを知る。 16愛の終わり常であれば美貌を生かしてスレイマンの腕の中で涙ながらに訴えるのはヒュッレムの筈であった。ご寝所に上がるなり気絶したヒュッレムの様に後宮の異変を感じ取ったスレイマンはアフィフェを呼び出して「後宮を保てと言ったはずだ。理由が何であれ醜悪な計略に加担するな」と初めてきつく叱責する。リュステムはスレイマンにイスケンデル派である自分はいずれイブラヒムから粛清の憂き目に遭うと奏上する。イブラヒムに確認するが「帝国の大宰相を侮辱し、陰口を叩く者は不要です。私は陛下の絶対的代理人なのですから」との弁だった。ミフリマーフと共にいたフィルーゼを見たヒュッレムは思わず声を上げる。フィルーゼはスレイマンの寝所で涙ながらに窮状を訴える。イブラヒムとハティジェは狩りの館に旅行に行き心を近付ける。イスタンブールの法官エブッスードが市中の視察に出る。 9 17トルコ石事態を知ったミフリマーフはフィルーゼの個室を訪れる。ヒュッレムが嘆き悲しむ姿を初めて見たミフリマーフは「陛下の側女として何をしても構わない。だがお前は私たちの懐に入り名乗り出ず欺いた。その失態だけで私には十分」と述べる。厳かな気品に満ちた姿にフィルーゼは縮こまる。スレイマンは自室でトルコ石(フィルーゼ)の宝石装飾に注力している。イブラヒムはフィルーゼを呼び後見役を申し出る。ジハンギルはフィルーゼを恋しがる。ヒュッレムとリュステムはフィルーゼの排除に関する共謀をする。2人の結託を恐れるイブラヒムはリュステム排斥が既に失敗しているため、せめて中央政権から遠ざけるべくテケ県軍政官への昇進を言い渡す。スレイマンはチョバンに命じてイブラヒムが任命及び解任を行った抄録をまとめ上げさせる。スレイマンに奏上する機会を得たチョバンはイスタンブールの法官が悪徳裁判を行っていると付け加える。マニサに戻ったムスタファはヘレナと再会する。イブラヒムは政争による罷免は素早く行動する割に、大切なイスラム法に則った遵守がなされているかどうかについては後回しで調査が滞っていることを知ったスレイマンは自ら調査に乗り出す。 18わだかまりエブッスード師の父もまた賢者で先帝セリムに仕えていた。小麦粉で作るはずのパンに大麦を混ぜて作ったパン屋の罪に適用される処罰は法令集には書いてはいない。もし全ての罪に対応する処罰があるのであれば法令集がありさえすれば誰でも法官になれる、だがそうではない。法令にない場合は良心に従って裁く。法にも良心にも依らず不正に人を裁いた場合は死後の世界で業火に焼かれる。このように述べた。深いイスラム法への知識と敬愛を見て取ったスレイマンはエブッスードに褒め言葉を下賜する。イブラヒムはその様子を敵視する。ハティジェは結婚指輪をはめる日が来たとイブラヒムに宣言する。ヒュッレムはフィルーゼの食事に睡眠薬を混ぜて眠ったところをリュステムにバルコニーから落とさせようとするがニギャールに阻止される。ヒュッレムはニギャールを問い詰めるがまた二枚舌で言い抜けられてしまう。命が狙われたことに気付いたフィルーゼは単身ヒュッレムの部屋に乗り込み啖呵を切って脅迫する。アフィフェが顔色を変えてお妃様であるヒュッレムに謝るよう叱りつける。 10 19隠された真実ムスタファはヘレナの父から婚約が決まっていることを聞かされる。ムスタファが村娘に夢中になっていることを知ったマヒデブランは反対の声を上げる。スレイマンとフィルーゼが中庭を散策していることを知ったミフリマーフは2人の間に入り、娘である自分との時間を作ってくれるよう父帝の約束を取り付ける。イブラヒムがリュステムの命を狙っていることを知ったニギャールは真夜中にリュステムの家を訪ねて結託を持ちかける。イブラヒムはハティジェとの仲直り晩餐会でメフメトにフズルからの献上物であるティツィアーノによるジュリア・ゴンザーガの絵を贈る。イブラヒムの抱擁の中ではハティジェはイブラヒムとニギャールの娘の面影を思い浮かべる。スレイマンは身分を隠してエブッスードの裁判傍聴に出かける。まさしく不貞行為についての裁きだった。見事な判決を聞いたスレイマンはエブッスードの見事な自宅の庭を訪れる。花も人も適量な水や正義がなければ枯れてしまうとの言葉に胸を打たれたスレイマンは、現在の帝国の法律を調べて足りないものを明らかにするよう頼む。 20命を賭けた愛スレイマンとイブラヒムは法改正の方向性を話し合う。ヒュッレムはスレイマンと子供たちの狩りの館への旅行に同行を許されなかったことを知る。それを知ったミフリマーフも旅行を取りやめる。ムスタファに返り見られないファトマはフィダンに愚痴を言う。ヒュッレムはフィルーゼを呼び出し絞首台の前に立たせて首を締めるがすぐに解放し、お互いにスレイマンの心を失ったほうが猛毒をあおって死ぬ、という賭けを取り付ける。ヘレナはついに悪徳商人よりはましであろうムスタファ皇子の後宮に正体を知らぬまま入るがフィダンやファトマの冷たい視線にさらされる。ギリシャ系で純朴で貧しい娘ながら身分も知らずに愛した真っ直ぐな情熱をムスタファ皇子に向けるのだった。ファトマはマヒデブランにまで泣き言を言う。 11 21皇帝の憂いヒュッレムは後宮がハティジェ主導のもとアフィフェが総力を上げてフィルーゼを扱ってきたことについて、アフィフェに「お前のどこが公正? それはどんな正義?」と抗議する。「ハティジェ皇女、イブラヒム大宰相、母后、マヒデブラン、皆が私を冷血、魔女、妖術使い、毒婦、と呼び、何度殺されかけたか分からない。追放され処罰も受け、それでも皆が私への仕打ちには口をつぐみ誰一人語らない。フィルーゼはその皆を味方に付けた。皆が結束してあの者を守り、私の懐に忍び込ませ、私を笑い者にした。これがお前の公正なの? アフィフェ」と語り、アフィフェは目をそむけてしまう。マトラークチュが歴史戦記を書いていることを知り、イブラヒムは自分の遠征記の執筆も依頼する。スレイマンは狩りの館でメフメトと真剣で手合わせをする。ヒュッレムは以前スンビュルに頼んでいた、国内外の要人についての調査結果を受け取る。ヘレナはムスタファに他に妃がおり、しかも解任していることを知る。ミフリマーフは宦官ズムルトを使い、タシュルジャルへ手紙をやる。フィルーゼは宦官キラズから木曜はイスラム教における家族で過ごす安息日なので夜伽はないことを聞き出すと何やら考えを巡らせる。スレイマンが狩りの館から戻り、ミフリマーフは母上の嘆きが不憫で狩りの館に遊びに行けなかったの、もちろん母上はお怒りになったわ、と愁訴する。ヒュッレムとともに大宰相邸を訪れたスンビュルは宮殿の子守係を見つける。すでにハティジェの双子も大きく医女でもないことから不審がる。ヒュッレムはイブラヒムの密会現場の密告にきたのだった。スレイマンはフィルーゼの首筋に残る跡に気付く。 22新たな手札神聖な木曜の家族の日にフィルーゼを寝所に上げ、自分は帰されたことからヒュッレムはフィルーゼとの賭けに負けたと思い込む。かつてマヒデブランが木曜に上がろうとも手も触れられることもなく過ごされていた日。自分がいつしかマヒデブランから奪った日。自分の血のつながった家族は一体にどこにいるのだろう? ルテニアで死んでしまった者たちだろうか? 絶望から頭の冠を外しバルコニーで猛毒をあおろうとした瞬間、アフィフェの手が伸びて毒を奪い、命を救われ、あのあとフィルーゼは部屋に帰され夜伽はなかったと聞かされる。アフィフェは命を賭けたヒュッレムの誠実こめた強い愛情と神聖な木曜に準ずる信仰心を知り、真のお妃様であると信じるに足ると知ったのだった。マヒデブランはタシュルジャルにムスタファの側近として戒める。ヒュッレムはスレイマンに宗教寄進(ワクフ)として政府高官の妻を集め金銭的物質的ではなく精神的な協力による救貧院の建立を希望する。スンビュルは子守係の跡をつけてニギャールの子が生きていることを知る。ニギャールはイブラヒムとハティジェにリュステムとの結婚を希望する。ヒュッレムはイブラヒムにニギャールとの子の居場所を知っていることを匂わせる。 12 23運命(カデル)スレイマンはご寝所にジハンギルを呼び寄せてフィルーゼと3人で過ごす。ミフリマーフがジハンギルを寝かしつけのため連れ戻しに来る。イブラヒムはギュルフェムに詰問して子の墓の場所を聞き出すが、果たして墓には何も埋まっていないのだった。スンビュルは子の名前がカデル(運命)だと知る。夜も遅く初めてヒュッレムはイブラヒムから呼び出される。カデルを渡す代わりにフィルーゼを追放する取引をする。ムスタファは村と両親を恋しがるヘレナを後宮の外に連れ出す。純朴な両親には野心などはなく、ただ外聞と名誉のためヘレナとの結婚を希望される。ヘレナは貧しい暮らしながらも奴隷でなくオスマン帝国の自由市民なのだった。許し合い元鞘に収まったのもつかの間、イブラヒムはハティジェにいたいけもない幼子を連れ去るとは人間のすることか? と怒号を浴びせてしまう。イブラヒムは執拗にスンビュルも尋問する。メフメトは母が次々と降りかかる問題に対処する間にミフリマーフ付きの側女クララに入れあげている。ミフリマーフの理解を得ようとフィルーゼは躍起になる。ファトマは皇子がいるからといってマヒデブランが後から来たヒュッレムに出し抜かれたように安心できないと言ってフィダンに窘められる。 24密約ヒュッレム主催の政府高官の妻たちの茶話会が開催される。反対票はなく皆からの賛成を取り付ける。スレイマンはエブッスードとジェラルザーデに法改正の検討委員会の結成させる。ニギャールはリュステムと再婚する。イブラヒムとハティジェはカデルとフィルーゼの交換条件について利害が対立している。ムスタファはマニサの市中で引きずり回されている女を助ける。既に髪は処罰のため短く刈り込まれているその女は、ディアナという名からイスラム教徒ではなく帰る家も家族もない天涯孤独であることが分かったため後宮に連れ帰る。ヒュッレムはスレイマンにイブラヒムに関する讒言を聞かせるが、スレイマンは「お前はイブラヒムばかりを言うが、お前がもし他の者だったらとっくにどうなっていると思う?」と口にする。ファトマは出産する。果たしてムスタファの子は皇子だった。近く皆で祝福に訪ねることとなる。木曜の家族日に入り込むため、フィルーゼはスレイマンとミフリマーフとの昼食さえ実現させる。 13 25法と秩序大宰相邸から娘が熱を出した知らせを受けてハティジェは癒しの手を持つフィルーゼを所望する。イブラヒムは大宰相邸の馬車をやるが行き先はボスポラス海峡の船上であり、中にはスンビュルが待っていた。取引成立とみなしたヒュッレムは大宰相邸にカデルを届ける手配をする。イブラヒムはその晩、世界でただ一人自分に属する家族カデルと共寝する。マニサに行くわずかな乖離の時間も今のメフメトには惜しい。クララにヌルバハル(光る春)と名付ける。翌朝すがすがしい気分で目覚めたヒュッレムは側女の大部屋にフィルーゼがいるのを発見する。イブラヒムはヒュッレムとの密約を破ったのだった。 26皇族の威信スレイマン一行はマニサに到着する。イブラヒムはエブッスードの庭で詩人と死生観についての話をする。イブラヒムが敬愛するダンテ・アリギエーリ作「神曲」の中で「地獄への道は善意の石が敷かれている」との格言を引きながら傲慢な態度を示唆するが、イブラヒムは気分を害したように背を向けて去っていった。その夜は気の合うフズルとイタリア及びローマ征服に向けて語り合うことにする(イブラヒムの故郷パルガは現在のイタリアにある)。フズルは約束したジュリア・ゴンザーガについて「かの有名な公爵夫人を攫おうと攻撃するとローマ法王が勘違いして逃げちまって」と陽気に冗談を飛ばす。マニサではムスタファの息子に皇帝スレイマンと同じ名が与えられ衝撃が走る。ミフリマーフは中庭でタシュルジャルと密会する。アフィフェはフィルーゼに「ヒュッレムと張り合うな。あの夜止めなきゃ死んでいた。何も見ていなかった。お子たちも、有り余るほどの財産や地位さえも。頭から吹き飛んでいらした。過去の行いを正当化はできない。それでもあのような愛の前には誰もが頭を垂れるべきだ。ちょうど陛下でさえもそうあられるように」と説き伏せようとする。ヒュッレムはヘレナに嫌がらせしていたファトマを諌める。スレイマンは結婚の許可を願い出るムスタファに「お前は私の正義の代理人。奴隷でも戦利品でもない娘を拉致したのか。我が皇子たるものの振舞いか? 皇族の威信に傷がつく」と激怒する。一方、オスマン帝都のイブラヒムはフランス大使を前に「陛下は私に全権を託された。戦争も和平も私次第だ。最も危険な猛獣、獅子であろうと力ではなく知性で調教できる。猛獣使いはまず餌で手懐け習慣化させる。獅子とは君主であり、猛獣使いは宰相だ。私も尊きオスマン帝国の主を真実と正義の棒により躾ている」との衝撃的な発言をしていた。 14 27暗殺者スレイマンは2人の皇子ムスタファとメフメトに、イブラヒムとのマニサでの若き日々の話をする。目には楽しげな光が宿り息子たちに伝えることにもまた喜びを感じているようだった。イブラヒムはフランス大使を前に書記官ジェラールザーデの目がときたま鋭く光るような際どい発言を続けている。通商協定を提案する大使に「協定はしよう。だが我々はこれを協定とは呼ばない。我々からの下賜だからだ」と言い放つ。ムスタファはメフメトが狩りの館でスレイマンから聞いた、玉座を照らす一筋の光、それがメフメトだった――との夢の話を思い返していた。散策を続ける2人の背後の木立の陰から矢を射掛けた者がいるのを見てメフメトはとっさにムスタファを庇って負傷する。一方、帝都ではマトラークチュがニギャールをカデルのもとに案内する。フィルーゼが退屈しのぎに乗馬に出かけるが落馬する。リュステムが介抱しつつ首をへし折ろうとしたところ、首筋にタトゥーで刻まれた紋章を発見する。 28父と子スレイマンはムスタファの関与を疑っている。リュステムはニギャールが娘に会ったことを知り、母親と別れた日を回想する。ディアナはマヒデブラン妃に心酔しており、悪く言うナズルを平手打ちする。エブッスードは不肖の息子に手を焼かされている。スレイマンはムスタファの師にヘレナとの結婚を阻止するよう言いおいて帝都への帰途に着く。フィルーゼ存命を知ったヒュッレムはスンビュルから事情を聞き出し、リュステムを呼び出す。マヒデブランはムスタファの結婚について説得する。 15 29フィルーゼの秘密スレイマンはハティジェを呼び出してイブラヒムの隠し子についてヒュッレムの所為にするのではなくイブラヒムと解決するよう言い渡す。リュステムが軍政官として赴任するのではなく妻ニギャールがカデルの世話をするために帝都に留まっていることが面白くない。リュステムはヒュッレムにサファーヴィー朝の王族を意味する紋章を見せ、危険を犯さずともフィルーゼを追い出せると請け合う。スレイマンはフランス大使の直接の拝謁を許し、フランスとの友好を宣言する。ローマのカール5世を亡き者にする同盟が申し出られるが、手のひらを返される可能性を鑑みて却下する。フズルの攻略したチュニスとアルジェが奪還されたことを引き合いに食い下がるが、カール5世がスレイマンの東方遠征の不在を狙った意気地の無さを避難して交わす。フランス大使は引き下がり通商協定の下賜への感謝と政治同盟は秘する盟約を述べる。ヒュッレムはフィルーゼを投獄する。怒り心頭のスレイマンはヒュッレムの居室に足を運ぶが、ヒュッレムはフィルーゼを引っ立てて「後宮に乗り込んだ目的を話せ」と命令する。スレイマンにサファーヴィー王朝の間諜である旨を暴露する。イブラヒムを呼び出し、レイ出身のアッシリア(現在のイラク)人だと思っていたとの弁解を受けるが、厳然として身元とこれまでの隠密行動の解明を命じる。タフマースブの一族をイブラヒムが隠れて連れ帰り後宮へ忍び込ませた疑惑を捨てきれないのだった。東方遠征のあいだ諜報活動をしていたのか、ジハンギルの薬と称して治療院から薬を調合してスレイマンの寝所で使用していたのか、杳として判明しない。ヒュッレムはハティジェに「私を消すために皇族の未来を危機に晒した」と詰め寄る。ハティジェはイブラヒムに苦境を訴える。イブラヒムは私がこの手で斬首すると答える。フィルーゼ黙秘を続けてスレイマン本人のみに釈明すると主張する。いわく「私はフィルーゼ・ベギュム・ハン。名前は私の愛と同じく偽っておりません。タフマースブの姪で、父はタフマースブに殺された。切り札として利用された」と釈明する。「キリスト教とだと嘘をつきましたが、後宮の規定ではイスラム教徒は側女になれない。結婚しない限りは」と結婚を迫る。 30結婚か追放かスレイマンはフィルーゼの涙ながらの愛の告白を聞く。ハティジェは再び懐で蛇を育てていた憤怒を顕にする。イブラヒムはフィルーゼがタフマースブの従姉で、父がサームを支持したため追われたと話す。ファトマは皇子スレイマンをマヒデブランの腕に抱かせる。マヒデブランはフィダンに命じてファトマを追い詰めてヘレナを追放するようけしかける。企みが成功しそうになりながらディアナに暴かれる。実はマヒデブランの意図通りであったが忠実さゆえに正しく暴露したディアナを疎んじ始める。マヒデブランはイブラヒムに説得を頼む。ヒュッレムは愛を賭けて猛毒を片手にスレイマンがフィルーゼを後宮に残し正式な結婚をするかどうかを息を飲んで待つ。スレイマンの決定は「私の庇護を求める者は誰であれ敵(ペルシャ王朝のこと)の手には渡さぬ」と言葉を下賜し、アマスヤの館を渡すが生涯二度と会わぬというものだった。トプカプ宮殿を去るフィルーゼにヒュッレムは「お前の言う"真実の"愛は私の渡した毒薬を飲むほどの勇気を与えない」と言う。ヒュッレムはリュステムにペルシャから迎えが来るよう手配する。 16 31密会ヒュッレムから渡された猛毒を手にフィルーゼを乗せた馬車がアマスヤへの道を辿る。途中で馬車が止められ、血が流されることもなく迎えが来たことを知る。ペルシャからの使者はフィルーゼをヒュメイラ・ハートン("女官"の意)と呼び、不仲と騙ったはずのタフマースブが心配していること、また本物のフィルーゼが別にいること、スレイマンの前で王族と偽ったのは結婚を迫るためであり、王族印を付けられていたのは間諜のためであり、そして真の王族ではないことから命も奪われず、騙った愛もおそらく真実ではなかったことが判明する。被り物のベールが落ちて顔が男たちの前で顕になる。一方、ローマでは法王が交代する。イブラヒムは新法王が先代法王ほどの支援をフランスに対してしないと忠言する。カール5世(神聖ローマ帝国)とフランソワ1世(フランソワ)の仲裁を担い、オスマン帝国への抵抗勢力を拡大し、再び十字軍遠征を組織するとの見方を示す。ただし法王には12万ドゥカ(金貨)ほどの財力しかないと足元を見て、スレイマンはキリスト教世界の分裂を目論見、ルターのバチカンへの抵抗活動を指示する。またヒュッレムの宗教寄進(ワクフ)に200万アクチェ(銀貨)の直領地を加えるよう御前会議で決定する。なお、この時点でのイブラヒムの俸給は300万アクチェである。ヒュッレムはエブッスードと離宮で会談を持ち、宗教寄進の助力を請い、モスク、救貧院、イスラム学院、コーラン学校、病院を含むモスク複合施設を建設するべきとの助言を得る。ヒュッレムはリュステムにタシュルジャルを見張るよう命じる。イブラヒムはブルサでムスタファと密会する。結婚の件を説得するためだった。しかしスレイマンにはエディルネ行きの許可を願い出たのであり嘘をついていることをヒュッレムがスレイマンに奏上する。「あなたを玉座から引きずり下ろす画策では?」と。リュステムはテケ赴任を前にニギャールに家中の財産を盗まれる。 32血の宣告ニギャールは娘を誘拐して逃げていた。イブラヒムは不在で、マトラークチュがリュステムに知らせる。スレイマンはブルサから戻ったイブラヒムを詰問する。イブラヒムは次第にスレイマンとの間に流れ始める不協和音を感じ取る。ヒュッレムが言葉巧みに誘導しているのだった。ヒュッレムはアヤスに近づく。イブラヒムはヒュッレムに蛇が小さいうちに潰さなかったのでいまや7つの頭を持つ竜になった、今こそ抹殺するべきだと脅迫とも取れる言葉を投げかける。ニギャールはボスポラス海峡の渡し船を手配する男に声をかけて生まれ故郷のスリナ(現在のルーマニア)へ渡る算段をする。ムスタファはイブラヒムの説得により考えを改めてヘレナと話をする。ヘレナは結婚せず村に帰ることとなる。ヒュッレムはミフリマーフ付き宦官ズムルトを締め上げてタシュルジャルとの仲を取り持っていたことを知る。スレイマンは玉座に座ったムスタファに命を奪われる夢を見る。 17 33宿命の対決イブラヒムはニギャールの足跡を追い娘エスマヌルを取り戻す。「お前に娘と会わせぬ選択肢もあった、その返礼がこれか」と怒号を飛ばす。ヒュッレムはマニサへ忍び込ませた側女からムスタファが結婚を諦めたとの報告を受ける。ハティジェはメフメトの地方赴任を言い出すが時期尚早と言われる。イブラヒムはメフメトが地方赴任を望むようフズルと共に進言する。ミフリマーフは晩餐にも意気消沈している。ハティジェはミフリマーフに近づく。ヒュッレムは離宮でアヤスと密会する。ムスタファとイブラヒムの謀反の疑いが拭い去れず心痛が続くスレイマンは嵐の夢を見て倒れてしまう。 34首のない影ヒュッレムは昏睡状態のスレイマンを発見する。医師から毒を長い間盛られていたと聞かされたイブラヒムは顔色を変える。フィルーゼが長年に渡り投薬していた可能性に思い当たる。アフィフェは息子でスレイマンとは乳兄弟でもあるヤフヤを呼び寄せるよう提案する。嫌疑を向けられていることを感じ取ったイブラヒムはヤフヤを即刻参内させる手配にまわり、夜を徹してマニサのムスタファのもとへ参上し、「オスマン帝国があなたをお待ち申し上げております」と奏上する。リュステムはヒュッレムにお子たちの命を救う道を確保すると約束する。ヒュッレムはメフメトと運命を待つ。翌朝マヒデブランはスレイマンの不調を聞く。幸い一命を取り留めたスレイマンは毒の調査をイブラヒムではなくアヤスに命じる。スレイマンはその理由をイブラヒムに「誰もお前に疑いを残さぬようにアヤスに命じたのだ」と言う。 18 35間諜マニサ宮に行商人(史実ではエステル・ハンダリ?)が参内する。密書を携えマニサの者と連絡を取っている。フィダンは調査を命じられる。エブッスードは断食月(ラマダン)に従うべき規則を書き出す。エブッスードの息子アフメトは暴力事件を起こして投獄される。それを知ったイブラヒムはパルガ生まれの子供でも偉大なる帝国の大宰相職にあるのにお前の息子は酒場で放蕩三昧だと侮辱する。ヒュッレムはスレイマンからメフメトの赴任が決まったことを聞かされる。スレイマンは命を救った乳兄弟ヤフヤの住まいを訪ねて夢の話をする。ヤフヤは重大な決断の岐路に立たされてお心を煩わせていらっしゃいますと言い当てる。調査から外されたイブラヒムはマトラークチュからフィルーゼがアマスヤに向かわずにペルシャの使者に迎えられたことを聞かされる。スレイマンは取りなしに参上したイブラヒムに「私が可能性で動けば皆が苦しむことになるだろう」と言う。回復してからのスレイマンは長らくヒュッレムを顧みなかった態度を改め優しく接する。ヒュッレムはスレイマンの数ヶ月に渡る被毒を許せずイブラヒムをとある館の建設現場に呼び出す。 36底なし沼ヒュッレムはイブラヒムと話し合いを持つ。ヒュッレムが去った後、イブラヒムは十数人の刺客に襲われる。1人2人斬り伏せ剣戟が舞う。辛くもイブラヒムは逃れる。一方マニサ宮では密偵探しが続いていた。タシュルジャルが手紙を燃やすところを見られ疑いの目を向けられる。ミフリマーフと連絡を取っているのだが言い出すことができない。マヒデブランは恋文は燃やすものではないと詰問を続ける。ファトマは皇子スレイマンを心配するあまり夜も眠れなくなる。ディアナが罠にかかり投獄されるが、ディアナを糾弾したギュリザールも疑われる。タシュルジャルからの頼りを待つミフリマーフの前でヌルバハルが失神する。医女の見立てでメフメトの子を身ごもっていることが分かる。ハティジェは断食明けに姉シャー皇女を招待するとアフィフェに言いつける。 19 37狙われた皇子ディアナ投獄中にも関わらずムスタファの命が狙われ、ギュリザールは追放される。メフメトはイブラヒムと過日フズルと造船所を見に行ったことにかこつけて海を見に連れ出される。それを知ったヒュッレムは命を狙った報復にメフメトが狙われると直感し顔色を変える。ヒュッレムはリュステムにメフメト捜索を依頼する。果たして崖下にメフメトの衣を纏った斧槍持ちペルチェムが倒れていた。エブッスードはスレイマンに「この世で最も大切なことは正義の天秤を保つこと、だが親しい者が疑われると人はまっすぐに天秤を持つことができなくなる」と奏上する。ヒュッレムはメフメトが心配になり地方赴任を遅らせるよう懇願する。 38断食月の悪行断食月が始まる。善行を積むためヒュッレムも寄進を進める。エブッスードの妻とアヤス夫人にも協力を仰ぐ。マヒデブランとムスタファはマニサの騒動をイブラヒムに相談すべくタシュルジャルを帝都に派遣する。イブラヒムはギュリザールをスレイマンの前に突き出すとヒュッレムを脅す。ヒュッレムは朝までに女を殺すようリュステムに命ずる。リュステムはイブラヒムに暗殺者を始末されたことを知るが、機転を利かせて女の家族を捕らえ、馬車で護送されてくるギュリザールに見せる。家族の命を狙われたギュリザールはヒュッレムの密偵である証言を変え、タフマースブの使者の名を挙げ、イブラヒムがヒュッレム妃の名を言わせようと強要したと言い残してバルコニーから身投げする。ヒュッレムは女の家族が生涯食い扶持に困らぬよう手配する。イブラヒムはリュステムの出身を豚飼いの息子でクロアチアのブトミルの奴隷だと言うが、リュステムは一点だけ訂正する。「私は奴隷や徴用された改修者ではなく9歳で自分の意志を以って帝国に来た」と。 20 39コーランの贈り物スレイマンは断食月に空腹のため気が荒ぶり立つ民を思い、市中の売買、衛生管理、取締りが法に準拠してなされるようエブッスードに監視を厳命する。イブラヒムでは外国人通商の権益を守る側に徹するからだった。蚊帳の外に置かれたイブラヒムは腹いせに御前会議にてエブッスードの不肖の息子アフメトの当てこすりを口にする。スレイマンとヒュッレムは最初の日没後の断食明けの晩餐(イフタール)を大宰相邸で過ごす。イブラヒムは400万アクチェへの俸給増額を願い出るが却下される。マニサでは皇子スレイマンが天然痘に罹患する。宮殿に出入りする者からの感染か陰謀かを嘆き悲しみながら審議する。ヒュッレムは宗教寄進を進める中、シェムセッディン夫人から贈られたイスラム教の聖典コーランをアヤスからイブラヒムに渡るよう手配する。イブラヒムはコーランの贈り物を拒絶し、夜間の特別礼拝(タラウィー)を欠席する。 40大宰相の未来ハティジェの招聘により皇女シャー・フーバンが到着する。幼少からハティジェとは気性が合わないと言われるシャーは先にトプカプ宮殿に参内する。リュステムはアヤ・ソフィア・モスク夜間の特別礼拝でイブラヒムに民衆の声を届けるよう命令する。逆上したイブラヒムは明日処刑すると喚く。翌朝、大宰相邸は怒れる民が押しかける。スレイマンは斬首はお前の一存ではなく裁判で決定すると言い渡す。マニサ宮では皇子スレイマンが夭折する。 21 41正義の判決ニギャールは娘との別れを嘆き悲しむ。イブラヒムはいつか必ず娘と再会できると請けあって安心させる。ハティジェとシャーとヒュッレムは晩餐のイフタールを共にする。ハティジェは裁判の必要性はないとスレイマンに訴えるが退けられる。ミフリマーフはメフメトの説得を続ける。エブッスード法官の裁判の見事さに傍聴していたスレイマンはある決心をする。悲しみに沈むマニサに側女のアイシェが懐妊したと伝えられる。ヒュッレムはアヤスと密談を持つ。アヤスはジェラールザーデに議事録の調査を命じる。ミフリマーフはヌルバハルの堕胎処置を知ったキラズに口止めをする。アイシェが皇子スレイマンを殺したと信じるファトマは深夜の襲撃に出る。アヤスはスレイマンに議事録を奏上する。 42決断の時「最も危険な猛獣であろうと力ではなく知性で調教できる」「猛獣使いはまず餌で手懐け、それを習慣化させるのだ」「獅子とは君主であり、猛獣使いは宰相である」「尊き帝国は私が支配している」との議事録にスレイマンは衝撃を受ける。日没後の食事(イフタール)を政府高官を呼びイブラヒムの大宰相邸で共に晩餐するとの招きにも気もそぞろな様子である。まるで我が傀儡であるかの傲岸で不遜な発言の数々に心痛の日々が続く。ミフリマーフは容赦なくキラズをトラブゾン宮に追放する。トプカプ宮殿に雪が降って側女たちも大喜びである。イブラヒム邸での晩餐にはスレイマンは欠席する。フランス大使がマキャベリ「君主論」の贈り物を献上する。フズルが悪魔の書と言われているとの風評を伝える。スレイマンは決意を抱えてエブッスードの家を訪ねて自分の勅令にイスラム法にかけても背かず死刑を執行するための知恵を仰ぐ。メフメトはミフリマーフが中絶をヌルバハルに強要したことを知る。 22 43法官の答えイブラヒムはシャーの訪問を受ける。過去イブラヒムとシャーは想いを通じ合っていた時期があったのだった。スレイマンはイブラヒムのバイオリンの音を所望する。ヒュッレムはヌルバハルの処置を知る。ヒュッレムはミフリマーフに秘密を持つなと嗜める。側女ニサからヌルバハルが追放されたことを聞いたメフメトはミフリマーフに声を荒らげる。エブッスードはスレイマンに知恵を授ける。コーランには預言者は眠りは死の兄弟であると書いた一節があるとのことで、眠る時に死に、目覚める時に生き返る、要はスレイマンが睡眠中であれば己の勅令にも背かず自分の決断として死刑を執行することができるというものだった。イブラヒムはシャーの夫であるアナトリア軍政官ルトフィーの謁見を行う。ルトフィーと共に娘エスマハンと宦官メルジャンが到着する。マヒデブランはフィダンにファトマの埋葬を命ずる。 44同志イブラヒムスレイマンは憂いを振り払うがごとく速駆けに出る。森を馬で駆け抜け海を眺め、無実のイスケンデルを思い、イスケンデルの財産を没収して我がものとしたイブラヒムを思う。年の近いミフリマーフとエスマハンは仲を深める。スレイマンはヒュッレムを呼びイブラヒムと晩餐の会を持つ。スレイマンは若き日に鷹匠だったイブラヒムの姿を思う。イブラヒムは遅い晩餐だったことからトプカプ宮殿で夜を過ごすこととなる。悪魔の書「君主論」を床に就きながら読む。スレイマンは眠れぬ夜を過ごす。夜更けに黒服の死刑執行人が就寝しているイブラヒムを絞首する。ハティジェは真夜中に姉ベイハンの訪問を受ける。翌朝、目覚めたハティジェはイブラヒムの棺を目にする。 23 45大いなる喪失イブラヒムが庭の偶像に囲まれて横たわっている。スレイマンはルトフィーやカスムを含む御前会議を開くとアヤスに命じ、アヤスが大宰相職に任命された。ルトフィーはルメリ軍政官に異動となる。シャーはメルジャンからイブラヒムの死去を伝えられる。ハティジェは半狂乱でスレイマンに食って掛かる。側女、女官、宦官たちも勢揃いしている中でヒュッレムに暴言を吐く。マトラークチュはスレイマンにも知られぬ場所にイブラヒムを埋葬するよう命じられる。ヒュッレムはリュステムを帝都イスタンブールに召還できるよう画策する。アヤスと会談し、リュステムを御前会議に推挙するよう命じる。スレイマンは睡眠が禁忌(ハラム)になったかのように感じて一人苦しむ。 46炎の衣リュステムは一年前のイスケンデル処刑の日とイブラヒム処刑の日が同日であるとの指摘をする。日を決めるに当たっては思いつきなのではなくしばらく以前から決意を秘めていたのではないかと拝察する。ニギャールはマトラークチュのもとを訪れる。マトラークチュはニギャールと共に墓参りをする。マヒデブランとムスタファが帝都に戻る。マヒデブランとギュルフェムとハティジェはヒュッレムへの復讐を誓い合う。断食明けの皇帝挨拶の席にハティジェの姿はない。ルトフィーとリュステムのどちらが新しく御前会議に入閣する宰相になるか固唾を呑んで両陣営が緊張する中、ルトフィーの名が発表される。 24 47ハゲワシの争いリュステムと共に帝都に戻ったニギャールはハティジェに近づき「墓さえ作らせなかった者たちが大宰相の子供を生かしておくと思いますか?」と言葉巧みに誘導する。その実、自分だけはマトラークチュに聞いて墓の場所を知っているのだった。ヒュッレムはルトフィー宰相就任の祝いにかこつけてシャーの真意を確かめに訪れる。ハティジェはヒュッレムもシャーもハゲワシのようだとマヒデブランにこぼす。ムスタファはアヤスに忠告と見せかけて脅迫する。帝都より遥か山中にマルコチョールの姿があり十字軍の盾を持った兵士を切り伏せる。ギュルフェムはエスキサライ(旧宮殿)から優秀な女官を連れてきたと言ってマヒデブランに忠実なファーリエをトプカプ宮殿に務めさせる。ヒュッレムはイブラヒムの喪に沈む後宮で断食明けの祝宴を催して皇女陣を挑発する。地方赴任を再三申し出るメフメトはムスタファの横槍によりスレイマンにまずは遠征に出てから地方赴任を考えようと言われる。マヒデブランはミフリマーフとの恋を諦めるようタシュルジャルを説き伏せる。タシュルジャルはマトラークチュとエレニカの酒場で酌み交わす。 48報復の誓い挑発に昂然と反発を現すハティジェは「下劣な女」とヒュッレムを罵る。ミフリマーフは決意を秘めた瞳で「お言葉に注意を」と対抗する。頭の良いシャーはスレイマンを動かせた。ハティジェがヒュッレムを側女たちの前で侮辱し続ける中、スレイマンが宴を訪れる。大宰相邸にてシャーは初めて「感情的に振る舞っていいことがあった?」とハティジェ、マヒデブラン、ギュルフェム、ベイハン側に立ち嗜める立場を表した。マヒデブランの意に従い、タシュルジャルはミフリマーフを諦める。ニギャールはイブラヒムの墓に語りかける。後を尾行したシャーはイブラヒムの墓の場所を知る。シャーは言葉巧みにニギャールの復讐の矛先をヒュッレムに向ける。ニギャールが去った後、シャーは一人イブラヒムの墓に誓う。シャーはマヒデブランをマニサに戻す。アヤスを呼び出したヒュッレムはリュステムの御前会議入りについてテケ県軍政官からディヤルバクル州軍政官に昇進させるのが先決だと言われる。マルコチョールが帝都入りする。エブッスードのもとを訪れたスレイマンは暗い胸の内を慰められるような思いをしていた。 25 49暗殺命令帝都に任務のため到着したマルコチョールとマトラークチュは馴染みの酒場で忌憚なく語り合う。シャーはリュステムを離宮に呼び出して面会を持つ。ニギャールが後宮に上がりヒュッレムへリュステムへの疑いを植え付ける。ハティジェは私的なイブラヒムの追悼の儀を大宰相邸で催す。後宮に潜入したファーリエはマヒデブランの密命で入浴中のヒュッレムのもとへ短刀を片手に向かう。異変を感じ取ったスンビュルが外から扉を叩く音で形勢不利と見て取り、お妃様の命を守るためだったと嘘をつき手柄を褒めて遣わされる。アフィフェはファーリエに目を光らせる。メフメトとエスマハンが近づく。 50イチジクの木中庭の開放的な空気の中ミフリマーフは数年ぶりにマルコチョールと再会する。幼い頃はマルコチョールと結婚するのだと口にしていた相手だった。メルジャンから報告を受けたシャーはハティジェに大人しくしているよう言い渡す。さもなくばムスタファにも疑いがかかるのだった。シャーはギュルフェムとファーリエを呼び出して事情を聞き出し、今後は自分に仕えるよう言い渡す。アフィフェはエスキサライに送り返すよう主張するがヒュッレムは退ける。ヒュッレムはファーリエに自分に仕えるよう大金を渡す。その頃バチカン法王はオスマン帝国のイタリア遠征への対処の心構えを説いていた。御前会議ではベネチアを攻撃対象とするか否かを焦点に話し合いが持たれる。バチカンはモルダヴィア(現在のロシアの西側の東欧との境にあった国)大使が訪れる。ヒュッレムはミフリマーフのタシュルジャルとの恋の手引をしたズムルトの追放を決定する。ハティジェはマニサに追放となる。 26 51イタリア遠征思惑が交錯する中、パルガ出身のイブラヒムの生涯の夢だったイタリア遠征に向けて始動する。マルコチョールを従えたスレイマンは外国人に通商を与えている市中観察に赴く。バチカンが差し向けたモルダヴィア大使の手先が凶刃を振るおうとした瞬間マルコチョールが捉える。後宮ではシャーがヒュッレムの用意した新居ではなくハティジェの屋敷に移ると言い出す。マルコチョールの誠心の重臣ぶりを再確認したスレイマンは近侍として帝都に留任させる。セリムとバヤジトは喧嘩が絶えない。殊に今回のイタリア遠征にはメフメトとセリムを伴い、ムスタファとバヤジトを残留するとの沙汰が下ったからだった。ヒュッレムは皇子たちを諌める。シャーはニギャールに時期を待つように言い渡す。ヒュッレムのもとへリュステムの手配したマニサの厩舎の馬番ハリルが重大な告発を携えて参内する。ヒュッレムは血相を抱えて帝都の責任者チョバンを呼び出してムスタファが挙兵して帝都に進軍したと報告する。 52試練皇子たちの命を守るためミフリマーフと案じるヒュッレムはバヤジトの思わぬ勇敢な一言に救われる。スンビュルはアフィフェに急ぎ知らせる。スレイマンは遠征先で奇襲に遭い、メフメトとセリムの安否も分からないという。チョバンを呼び出したシャーはムスタファの進軍を止める手紙を書くよう説得される。ミフリマーフは弟たちの命を守るためシャーに援助を請う。バヤジトは安全を考慮してヒュッレムしか知らぬ筈の場所へ護送されるが途中で襲撃される。ニギャールはヒュッレムにリュステムは自分の利益が一番の男だと吹き込み、ムスタファが玉座に就けば他の皇子が殺されるため、先んじて王座に皇子の一人を就けるよう勧める。スレイマンの無事が確認された中、バヤジトが行方不明になる。捜索の末にある小屋にたどり着いたヒュッレムはシャーから全て自分の仕組んだ狂言だと聞かされる。一瞬で破滅が訪れるので教訓を得るように、と言われ、ヒュッレムは激高してとうとう立場を表明したシャーに戦線布告する。一方リュステムはマトラークチュとイブラヒムを巡り対立していた。 27 53姉妹の確執ミフリマーフは母ヒュッレムにシャーの魂胆を見抜けなかったと謝罪する。シャーはスレイマン不在中にヒュッレムがいずれかの皇子に玉座占領宣言を勧告すると踏んでいたのだった。ニギャールは役目を担ったものの予想通りの結果だったとシャーに奏上する。ニギャールが敵であると判明したヒュッレムとスンビュルは話し合う。アフィフェは単身シャーの館に乗り込み計略への遺憾の意を表する。シャーはヒュッレムは悪行三昧だが私は品行方正で私の関与を兄が信じる筈がないと言い切る。マニサのハティジェとマヒデブランは占い師サーリハを呼び寄せる。シャーに元大宰相邸を乗っ取られたと知ったハティジェは激怒し帝都へ帰る。その手紙にはシャーこそがイブラヒムの死に関与した者だとあったからだ。戦場のセリムは兵士処刑を見て嘔吐する。スレイマンにフズルからベネチアの裏切りが伝えられる。あまつさえオトラント(現在の南イタリア)にも艦隊を以って参戦するため上陸したとのことでアヤスが叱責される。シャーの館を訪れたハティジェは昔シャーがイブラヒムに宛てた手紙を手にする。 54持久戦ハティジェはシャーが昔イブラヒムと恋仲にあったことを知った。シャーに元自分の館からトプカプ宮殿に移るよう言い争う。ハティジェは宮殿の地下から自分のものを屋敷に戻すようアフィフェに言いつける。ハティジェから非難されたシャーは怒り心頭でヒュッレムに「奴隷として連れて来られたのだから奴隷として死ね。スルタンは称号ではなく血だ。お前には流れていない」と暴言する。一方、大艦隊を率いたフズルはバチカンのローマ法王、カール5世、フェルディナント、中立だった筈のベネチア、逃げ回っていたはずの十字軍、全キリスト教世界が一丸となってイタリアに集結したことに敵を一掃する機会であると熱り立っていた。シャーの意向でメルジャンが陣頭指揮を執り作戦が展開される。ファーリエが主犯格でニギャールはスンビュルを足止めする役だったが、スンビュルからシャーがイブラヒムと熱愛関係にあったことを聞かされる。ハティジェはミフリマーフを引き止める。ファーリエはナズルを捕らえ地下牢に拘束する。メルジャンが尋問し、ナズルはハティジェにシャーの手紙について証言させられる。ハティジェは皇統の血族を長年世話してきたナズルの死について責任がヒュッレムにあるとなじるが、手を下したのはシャーなのだった。ヒュッレムへの憎しみから考えを変え、シャーに屋敷を渡したまま宮殿に留まる決意をする。マニサ宮にジェノバの女商人シニョーラ・ガブリエラが参内する。 28 55消えぬ地獄ガブリエラはマヒデブランに外国人通商の保護を求める。ムスタファは法官に事情を聞きただす。ハティジェの計らいで占い師サーリハが女官としてトプカプ宮殿に参上する。長期戦になる見通しだったスレイマンからヒュッレムに恋文が届けられる。スレイマンはベネチアが手のひらを返したためコルフ包囲が冬季に差し掛かりそうなことから引き上げを決意する。帰還の挨拶にはハティジェも出席してスレイマンを喜ばせた。シャーの屋敷にルトフィーが戻る。ハティジェはサーリハに怪しげな薬を煎じさせる。ヒュッレムから事情を聞かされたとしてもスレイマンが自分の側を信じるものと思っていたシャーだったが、スレイマンはムスタファの挙兵を一番の問題として激怒していることに気付かされる。皇子を玉座に座らせる計略だったと説明しても同じことがムスタファにも言えるだけで説明の意味をなさないのだった。 56呪術スレイマンはエブッスードを帝都イスタンブールの法官からルメリ軍法官へ昇進させる。ヒュッレムはニギャールからミフリマーフとマルコチョールが離宮で密会をしていると聞かされるが、そこに待っていたのはハティジェだった。ヒュッレムはサーリハに羽交い締めにされ薬を嗅がされ気を失う。気がついたときには記憶を失って自室に寝かされており身体には発疹が出始めていた。シャーはハティジェが単独行動を始めたことに気づき詰問するがはぐらかされる。シャーはメルジャンにヒュッレムの監視を命令する。シャーはニギャールを呼び出しハティジェの行動について訪ねるがニギャールは自分がハティジェとヒュッレムを引き合わせたにも関わらず知らぬ振りをする。スンビュルとアフィフェは記憶を失う直前のヒュッレムがニギャールの訪問を受けていたことを突き止める。シャーは夜にルトフィーと部屋で語り合うが共寝はせず自室に帰るよう言い渡す。スンビュルがニギャールをヒュッレムの前に突き出すがいつもの如くしらばくれるばかりだった。 29 57業火 58暗黒の死闘 30 59皇女の行方 60一石三鳥 31 61内廷宦官長 62イブラヒムの遺産 32 63皇子の出陣 64狡猾なワナ 33 65皇子の召喚 66悩める者 34 67モルダヴィア遠征 68秘策 35 69黒幕 70プレヴェザの海戦 36 71完璧な計画 72天国と地獄 37 73形だけの結婚 74皇帝家の婿 38 75皇女の嘆き 76黒死病 39 77母の約束 78亀裂 40 79傷心の決断 80ウワサの真偽 41 81小さな証明者 82ミフリマーフの結婚 42 83皇子の赴任 84ニギャールの運命 43 85罪深き怒り 86楽園からの追放 44 87後継者の母 88消えた皇帝妃 45 89失踪の謎 90永遠との結婚 46 91小さなヒュッレム 92衝撃の結末
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