面従腹背
面従腹背の意味
表向きは従順なふりをして内心では反発・反抗しているさまを指す表現。面(おもて)は従い、腹の中では背く、ということ。不利な状況に陥ることを回避したり、あるいは相手を陥れたりするために、内心を隠して相手に同調するふりをすること。面従腹背の由来と語源
「面従腹背」という言葉そのものの由来は定かでないが、「面従後言」あるいは「面従腹誹」が転じた語彙ではないかと考えられている。とりわけ「面従腹誹」の「腹誹(ふくひ)」が「ふくはい」と誤読され、その音につられる形で「腹背」の字が定着した、という節は有力である。「面従後言」は、中国の古典「書経」に見られる言葉である。「面従腹誹」は清朝に書かれた小説「岐路灯」などに見られる。どちらも意味は「面従腹背」と同じである。
「腹背」は漢語(中国語)においてはもっぱら身体的部位(腹と背中)を指す。「腹の中で背く」という意味合いは特にない。「腹の中で背く」の意味は「腹誹」で表現される。「面従腹誹(面从腹诽)」は現代中国語でも用いられる語彙であり、かつ日本語としても国語辞書に収載されている語彙である。
面従腹背の使い方と例文
面従腹背は基本的に名詞として扱われ、文脈に応じて「面従腹背の輩」とか「面従腹背な行動」という風に形容詞的に用いられたり、あるいは「面従腹背する」という風に動詞的に用いられたりする。面従腹背の類語と使い分け方
面従腹背と似た意味を持つ四字熟語としては「面従後言」「面従腹誹」、および「二股膏薬(ふたまたごうやく)」「内股膏薬(うちまたごうやく)」などが挙げられる。「二股膏薬」と「内股膏薬」は、どちらも「都合次第でころころと立場を変える」「日和見主義の」「信用ならない人間・あてにならない人間」を指す意味で用いられる。多分に「自らの信念を持たず周囲に流される」というニュアンスを含み、そのため「腹の中では背反する」という含みを持つ「面従腹背」とは必ずしも使い所が一致しない。
面従腹背を英語で言うと?
「面従腹背」を英語で表現する場合、「日和見主義」と言い換えれば double‐dealer や timeserver のような表現が使える。面従腹背
読み方:めんじゅうふくはい
例文として「兵士は指揮官の命令に違和感を抱いたが、面従腹背の姿勢を貫き通した」という風に、名詞として使われる。また「出世を至上価値とする官僚は、上司に面従腹背することを座右の銘とした」というように動詞としても使うことが可能である。面従腹背の類語としては、心裡留保や二枚舌が挙げられる。いずれも内心と表示される態度に齟齬があることを示す言葉だ。対義語には、絶対服従・眼横鼻直・如実知見なとが候補となるだろう。眼横鼻直(がんのうびちょく)とは、目が横に鼻が縦に付いているという当たり前の事実をあるがままに伝え受け取ることを意味する。如実知見(にょじつちけん)は、現実をありのままに正しく見極めることを表す仏語である。
面従腹背とは、面従腹背の意味
面従腹背とは、表面的に服従する姿勢を示しつつ、内心は相手の命令に従う気がないという意味のこと。面従は、書経の面従後言(表面で媚を売り裏で罵ること)に由来する。腹背は、漢語で表と裏を示す。腹背の原義はお腹と背中のことであり、腹の中で背くという意味ではない。面従腹背という四字熟語の語源は、明治時代の面従腹誹にあると言われている。明治時代の小説に多用された面従腹誹が、誤用により面従腹背に変化したのだ。英語では面従腹背をdouble-facedという。面従腹背の語の例文、使い方
面従腹背は、表面に示す従順な態度と裏腹に、内心では逆の反発心や憎悪を抱いていることを示すのであるから、上司や指揮官から見れば、部下として信用できない人物であることを表すことになる。例文として「兵士は指揮官の命令に違和感を抱いたが、面従腹背の姿勢を貫き通した」という風に、名詞として使われる。また「出世を至上価値とする官僚は、上司に面従腹背することを座右の銘とした」というように動詞としても使うことが可能である。面従腹背の類語としては、心裡留保や二枚舌が挙げられる。いずれも内心と表示される態度に齟齬があることを示す言葉だ。対義語には、絶対服従・眼横鼻直・如実知見なとが候補となるだろう。眼横鼻直(がんのうびちょく)とは、目が横に鼻が縦に付いているという当たり前の事実をあるがままに伝え受け取ることを意味する。如実知見(にょじつちけん)は、現実をありのままに正しく見極めることを表す仏語である。
面従腹背
面従腹背
「面従腹背」の例文・使い方・用例・文例
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