現代中国語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/16 02:17 UTC 版)
音義対応翻訳は現代中国語における借用語で広く用いられている。 例の1つとして台湾国語の威而剛 (wēi ér gāng) という語があり、この言葉はファイザーの精力増強剤バイアグラ (Viagra) を、音と義を合わせて訳したものである。 同じく、「可口可樂」(kěkǒukělè)はコカ・コーラ、「力保健」(lìbǎojiàn)はリポビタンD、「維他命」(wéitāmìng)はビタミンを意味する音義対応翻訳である。 他の例として北京官話における World Wide Web の訳語、万维网 (wàn wéi wǎng)があり、www という頭文字を満たすと同時に言葉の意味もwwwにマッチさせている。 また英語のhackerという単語は中国官話で黑客 (hēikè)として借用されている。 "現代中国語においてソナー(sonar)を表す声纳 (shēngnà) は声 (意味:音) と纳 (意味:受ける) を組み合わせた言葉である。声 shēng は英語 sonar の最初の子音と完全には対応しておらず、中国語にはより適した発音の形態素がいくつも存在する (例としてSONG (cf. 送 sòng、松 sōng、耸 song)、SOU <cf. 搜 sōu、叟 sŏu、馊 sōu)、SHOU (cf. 收 shōu、 受 shòu、手 shǒu、首 shǒu、兽 shòu、瘦 shòu)、他多数の同音異義語)。それにもかかわらず声という形態素が用いられているのは意味的な対応があるからである。" ツッカーマンによれば中国官話において音義対応翻訳がよく見られるのは、(1)ブランド名、(2)コンピューター関連の専門用語、(3)技術用語、(4)地名である。単一語話者の中国人からすれば中国官話における音義対応翻訳は文章でラテン文字を用いたり会話でコード・スイッチングを行ったりすることに比べれば‘まだマシ’なのである。ツッカーマンは標準中国語及び明治時代の日本語における音義対応翻訳の研究から文章語としての中国語は多機能的であり、表語(意味がある)と表音(意味が無い)の両方の機能を持っていると結論づけている (音義的)。ツッカーマンはレナード・ブルームフィールドによる"ある言語はどのような書記体系が使用されようとも同じ言語である"という考えは正しくないと主張し、“仮に標準中国語がローマ字で書かれていたとしたら、中国語における何千もの単語は生まれていなかっただろうしまったく異なる形態の新語が造られただろう”と述べている。
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