面従腹背
面従腹背とは、面従腹背の意味
面従腹背とは、表面的に服従する姿勢を示しつつ、内心は相手の命令に従う気がないという意味のこと。面従は、書経の面従後言(表面で媚を売り裏で罵ること)に由来する。腹背は、漢語で表と裏を示す。腹背の原義はお腹と背中のことであり、腹の中で背くという意味ではない。面従腹背という四字熟語の語源は、明治時代の面従腹誹にあると言われている。明治時代の小説に多用された面従腹誹が、誤用により面従腹背に変化したのだ。英語では面従腹背をdouble-facedという。面従腹背の語の例文、使い方
面従腹背は、表面に示す従順な態度と裏腹に、内心では逆の反発心や憎悪を抱いていることを示すのであるから、上司や指揮官から見れば、部下として信用できない人物であることを表すことになる。例文として「兵士は指揮官の命令に違和感を抱いたが、面従腹背の姿勢を貫き通した」という風に、名詞として使われる。また「出世を至上価値とする官僚は、上司に面従腹背することを座右の銘とした」というように動詞としても使うことが可能である。面従腹背の類語としては、心裡留保や二枚舌が挙げられる。いずれも内心と表示される態度に齟齬があることを示す言葉だ。対義語には、絶対服従・眼横鼻直・如実知見なとが候補となるだろう。眼横鼻直(がんのうびちょく)とは、目が横に鼻が縦に付いているという当たり前の事実をあるがままに伝え受け取ることを意味する。如実知見(にょじつちけん)は、現実をありのままに正しく見極めることを表す仏語である。
- めんじゅうふくはいのページへのリンク