デジャブ
「デジャブ」とは・「デジャブ」の意味
「デジャブ」とは未経験の事柄にもかかわらず、過去に経験したことがあると錯覚する現象のことである。日本語では、「既視感」が同じ意味を持つ。デジャブは他にもデジャヴやデジャヴュ、デジャビュなどと表記されることがあるが、どれも同じ意味である。また、若者言葉では過去に経験したことを思い出し、「デジャブを感じる」と使うこともあるが、デジャブは未経験の事柄に対して使う語であるため、間違った使い方にならないように注意が必要である。デジャブが起こる原因は諸説あるが、心理学的研究では記憶における類似性認知メカニズムの働きと考えられている。例えば、新しい経験をした時に、過去に類似した経験をしていると人はその時のことを思い出す。しかし、何らかの原因で脳にエラーが起こり、記憶の中でその経験がなかったことになる。そうすると、デジャブ現象が起こるのである。一方で、デジャブの原因をスピリチュアルな意味と考えることもできる。「前世で経験した記憶が思い出されている」や、「守護霊や神様からのメッセージである」、「夢の中でこれから起こるであろう出来事を予知した」という考えなどがある。
デジャブが起こりやすい人は、10代後半から20代前半の若者や、強いストレスを感じている人、頭の回転が速く視野が広い人、旅行などで初めての場所によく行く人が挙げられる。10代後半から20代前半の若者は、身体的にも精神的にも成長途中である。そのため、気分の浮き沈みや脳の勘違いなどからデジャブが起こりやすいと考えられている。強いストレスを感じている人のデジャブ現象は、脳に過度のストレスがかかることによって、脳が記憶していた情報を消したり誤認したりすることが原因である。また、頭の回転が速く視野が広い人は、情報を収集し様々な可能性を考えられ、これから起こるかもしれない出来事についていくつも予測できるため、デジャブが起こりやすいだろう。さらに、旅行などで初めての場所によく行く人は、初めて行った場所に似た場所や経験を脳が過去の経験から探すため、デジャブ現象が起こりやすくなると考えられる。
「デジャブ」の語源・由来
デジャブはフランス語の「déjà vu」に由来している。「déjà vu」は、「すでに」という意味を持つ「déjà」と、「見た」という意味を持つ「vu」から成り立っていて、二語を合わせることで「すでに見たことがある」という意味の語になる。また、「déjà vu」という語は、フランスの超心理学者エミール・ブワラックが1917年に提唱し、世界中に広がったとされている。「デジャブ」の使い方・例文
・今日の朝、会社の先輩と話している時に、先輩の発言にデジャブを覚えた。・友だちとの旅行で初めて行った奈良のお寺にデジャブを感じた。
・休みの日何気なく細い路地に入ってみたら、デジャブを感じた。
・友だちとデジャブを感じたことがあるか話していたら、全員デジャブを感じたことがあった。
・隣を歩いていた友だちが、「この景色、昨日夢で見た。」とデジャブを感じていた。
・仲間内で自分が経験したことがあるデジャブについて語り合い盛り上がった。
・若い頃はよくデジャブを感じていたが、50代になった現在はほとんど感じなくなった。
・高校の入学式で会場に入った瞬間、デジャブを覚えた。
・単身赴任が決まり引っ越し場所を探していたらデジャブを感じた。
・二日続けてデジャブを感じ、守護霊からのメッセージだと思った。
間違った使い方の例としては、以下のような例文が挙げられる。
・店長が昨日も同じ事を言っていたため、デジャブを感じた。
・小学生の頃よく通っていた道を10年経った今通ってみたら、デジャブを感じた。
デジャヴ
「デジャヴ」とは、既視感のことを意味する表現である。
「デジャヴ」とは・「デジャヴ」の意味
「デジャヴ」とは、フランスの「déjà-vu」のカタカナ語で、「既視感」という意味で用いられている。「デジャヴ」だけでなく、「デジャヴュ」や「デジャブ」と呼ばれることもある。「初めて見るものなのになんとなく見覚えがある」、「初めて訪れた場所なのに前に来たことがあるような気がする」、などの感覚が「デジャヴ」である。なぜ「デジャヴ」が起こるのか?
「デジャヴ」が起こる原因ははっきり解明されてはいないが、脳の錯覚ではないかといわれている。脳は毎日膨大な量の情報や知識を処理しているため、その過程で何らかの伝達ミスが起こり、今経験したことを過去に経験したこととして伝えてしまうという説である。脳の機能が低下しているわけではなく、誰にでも起こりうるちょっとした脳の誤作動だという。また、心理学において、「デジャヴ」は既に見た夢であるという説が唱えられている。夢の中で見た光景であるため「以前に見た気がする」という感覚に陥るが、無意識の中で見た夢であるため意識的に思い出すことはできず「既視感」として感じられる説である。
そして、右目と左目で見る情報が異なることが、「デジャヴ」を引き起こすとも言われている。右目と左目の視覚情報の伝達の誤差により、先に情報を入手した方の目の情報が過去の情報として記憶され、もう片方の目が情報を入手した時に以前見た光景として既視感が起こるという説である。
スピリチュアルにおいての「デジャヴ」
スピリチュアルの世界において、「デジャヴ」は守護霊からのメッセージや前世の記憶、魂の記憶として受け止められている。正しい道を歩いていることをスピリチュアルなメッセージとして「デジャヴ」で受け取ったり、前世でかかわりの深かった人と出会った時に「デジャヴ」を感じたりするという。
「デジャヴ」が起こりやすい人
「デジャヴ」が起こりやすい人には特徴がある。ストレスが多い人は、脳が疲弊しており記憶障害や伝達障害が起こりやすいため、「デジャヴ」が起こる可能性が高くなる。また、10代~20代前半の若者は、初めて体験することが多く脳内で処理する情報量も膨大になるため、記憶障害が起こりやすくなり「デジャヴ」が起こる確率も高くなる。そのほか、頻繁に旅行に行く人も視覚的な情報量が多く、脳の記憶や伝達ミスが起こりやすくなるため「デジャヴ」が起こりやすい。
若者言葉の「デジャヴ」
「デジャヴ」は「初めて見たのに以前から知っているように感じる、初めて訪れた場所なのに前に来たことがある気がする」という意味である。しかし、若者言葉の「デジャヴ」は、「前に見たり聞いたりしたことがまた繰り返されること」という意味である。既視感ではなく、再体験という意味合いになる。年代によって、「デジャヴ」の意味合いが少し違ってくるため注意が必要である。
「デジャヴ」の熟語・言い回し
デジャヴを見たとは
「デジャヴを見た」とは、既視感を体験したということである。初めて旅行で訪れた街に行き、「この風景を前に見たことがある」と感じた場合、「デジャヴを見た」と表現することができる。
「デジャヴ」の使い方・例文
・彼女と初めて会った時、デジャヴを感じた。・街を歩くとデジャヴのように脱毛クリニックの看板を目にする。
・デジャヴを見ても心配する必要はない。
・彼女はデジャヴを見てスピリチュアルなメッセージを感じた。
・旅行に行って初めてデジャヴを体験した。
・彼はデジャヴをよく見るため、自分に秘めたパワーがあると思っている。
・脳を休めることでデジャヴを見る頻度が減る可能性が高い。
・デジャヴを見ない人も多い。
・最近デジャヴをよく見るので疲れているのだと感じた。
・30代になってからデジャヴを見なくなった。
既視感
過去に経験・体験したことのない、初体験の事柄であるはずにも関わらず、かつて同じような事を体験したことがあるかのような感覚に包まれること。「前にもどこかで一度これと同じものを見たような気がする」という感覚。
「デジャブ」はフランス語の「déjà vu」をそのままカタカナ表記にした表現である。あえて英語に訳すと「already seen」となるが、英語でも「déjà vu」のまま(外来語として)扱われている。日本語では「既視感」あるいは「既知感」と訳されることもままある。
デジャブの発生原理は、脳科学的に完全に解明されたわけではないが、「過去に体験した事象の記憶が現在の体験と関連する事柄として呼び起こされるが、その記憶は場所や時期などの具体的情報を伴わない断片的な情報にすぎず、過去の体験として認識できずにいる状態」というように説明されることが多い。
デジャブとは反対に、見慣れているはずの事柄が初めて体験するものであるかのように感じられることを「ジャメヴュ」(jamais vu)という。これは日本語では「未視感」と訳されることが多い。
既視感
(デジャブ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/04 04:01 UTC 版)
既視感(きしかん)は、実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じる現象である。フランス語: "déjà-vu"[† 1]よりデジャヴュ、フランス語由来の英語 "déjà vu"[† 2]よりデジャヴ、デジャブ、デジャビュ、デジャビュー、デジャヴー、デジャヴューなどとも呼ばれる。
注釈
- ^ フランス語発音: [deʒavy] デジャヴュ。英語への直訳は already seenとなり、「既に見た」の意味。
- ^ 英語発音: [ˌdeɪʒɑː ˈvuː] デイジャー・ヴー
- ^ フランス語発音: [ʒamɛvy] ジャメヴュ。英語への直訳はnever seen (before)となり、「まだ見てない」の意味。
- ^ 英語発音: [ˌʒɑːmeɪ ˈvuː] ジャーメイ・ヴー
出典
- ^ a b 楠見 孝「類似性に基づく記憶の自己組織化 - アナロジー,メタファ,デジャビュ -」1996年。『シンポジウム「知識の自己組織化」』
- ^ “「君の名は」- 既視体験(デジャブ)-”. 熊本大学脳神経内科. 2023年1月4日閲覧。
- ^ “デジャブはどうして起こるのか?過去の「似た経験」が記憶から「自動的に思い出される」働き過去の「似た経験」が記憶から「自動的に思い出される」働き”. 2023年1月4日閲覧。
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