お‐めい〔ヲ‐〕【汚名】
読み方:おめい
悪い評判。不名誉な評判。「—を着せられる」「—をそそぐ」「—返上」
[補説] 「汚名挽回(ばんかい)」「汚名を挽回する」は正しくないとされる。「汚名返上」「汚名を返上する」「名誉挽回」「名誉を挽回する」が正しい使い方。
「汚名挽回」を誤用とする説、正しいとする説とがあるが、これは「挽回」の解釈の相違による。誤用説は「失ったものを取り戻す」意とし、正しいとする説は「もとのよい状態を取り戻す」意とする。→挽回
文化庁が発表した平成16年度「国語に関する世論調査」では、「前回失敗したので今度は—しようと誓った」という場合に、本来の言い方とされる「汚名返上」を使う人が38.3パーセント、本来の言い方ではない「汚名挽回」を使う人が44.1パーセントという逆転した結果が出ている。
汚名
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汚名
汚名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/27 10:07 UTC 版)
汚名 | |
---|---|
Notorious | |
![]() ポスター(1946) | |
監督 | アルフレッド・ヒッチコック |
脚本 | ベン・ヘクト |
製作 | アルフレッド・ヒッチコック |
出演者 |
ケーリー・グラント イングリッド・バーグマン クロード・レインズ ルイス・カルハーン |
音楽 | ロイ・ウェッブ |
撮影 | テッド・テズラフ |
編集 | スローン・ウォース |
製作会社 | RKOラジオ映画 |
配給 |
![]() ![]() |
公開 |
![]() ![]() |
上映時間 | 101分 |
製作国 |
![]() |
言語 |
英語 ポルトガル語 |
製作費 | 237万6000ドル[1] |
配給収入 |
485万ドル![]() ![]() 715万ドル ![]() |

『汚名』(おめい、Notorious)は、1946年のアメリカ合衆国のスパイ映画。監督はアルフレッド・ヒッチコック、出演はケーリー・グラントとイングリッド・バーグマンなど。ブラジルに潜伏中のナチの残党を捕らえる任務を負った米国の諜報員と、彼に協力して潜入スパイとなった素人の女性を描いている。
ストーリー
ドイツ出身の父親がナチスのスパイであったとして、世間から非難されていたアリシア・ヒューバーマンに、FBIエージェントのT・R・デヴリンが近づく。デヴリンはアリシアに、第二次世界大戦後にブラジルに逃げたナチ党のグループを見つけるための助力を求める。当初はデヴリンに反発していたアリシアだったが、母親の生まれた国である米国への愛国心から、デヴリンに協力することにする。こうして共に行動することになった2人はすぐに愛し合うようになる。ところが、ブラジルに着いた2人に下された命令は、ナチの有力な支援者であるセバスチャンにアリシアがハニートラップを仕掛け、情報を引き出すというものであった。デヴリンは動揺するが、任務と諦める一方、アリシアはデヴリンが明確に反対しないことに失望し、任務を引き受けることにする。
父親の友人で、かねてアリシアに想いを寄せていたセバスチャンを籠絡するのは容易だったが、セバスチャンはすぐにアリシアに求婚する。対応に困ったアリシアはデヴリンの上司プレスコットらに相談するが、プレスコットらは妻となったほうがより情報を得やすくなると結婚を勧める。デヴリンは動揺するものの任務と諦めて黙認する。その姿にアリシアはさらに失望する。
アリシアの情報収集は順調に進み、成果を上げていく中で、セバスチャンの屋敷内のワインセラーが怪しいと睨んだアリシアとデヴリンは、新妻の披露パーティを開き、デヴリンをアリシアの友人として屋敷に招待することで、ワインセラーに潜入する計画を立てる。アリシアが盗み出したワインセラーの鍵を使って潜入に成功したデヴリンはワインの瓶のいくつかに砂状のものが入れられていることに気付き、それを持ち帰る。後にこの砂はウラン鉱石であることが判明する。ところが、セバスチャンのみが保管しているワインセラーの鍵が鍵束からいつの間にかなくなっており、しかもアリシアとの寝室に置いておいた鍵束に朝には戻されていたこと、さらにはワインセラーに何者かが侵入した形跡があったことから、セバスチャンはアリシアがスパイであることに気付いてしまう。ショックを受けたセバスチャンはナチの仲間でもある母親に相談する。かねてアリシアとの結婚に反対していた母親だったが、嫁がスパイであることが仲間に知られれば、自分も息子も殺されることから、アリシアの正体を隠しつつ、彼女を緩やかに毒殺することにする。こうしてアリシアは夫と義母によって毒の入った珈琲を毎日飲まされ、急速に体調を悪化させていく。明らかに体調の悪い様子のアリシアをデヴリンは心配するが、素直になれないアリシアはただの二日酔いとごまかし、デヴリンの好意を拒む。
その夜、セバスチャンの仲間であるアンダーソン博士が間違えてアリシアの珈琲を飲みそうになったのを慌てて止める夫と義母の姿に、アリシアはようやく自分の正体が2人に知られていることに気付くが、時既に遅く、アリシアは倒れ、そのまま寝室に監禁されてしまう。アリシアがあらかじめ決められた連絡場所に現れず、音信不通になったことに不安を覚えたデヴリンは「友人」としてセバスチャンの屋敷を訪問する。そして、人目がなくなったところでアリシアの寝室に潜入し、アリシアが毒殺されかけていることを知る。アリシアは息も絶え絶えになりながら、アンダーソン博士との会話から察したウラン鉱石の入手先をデヴリンに伝える。この事態にようやく2人は互いを愛する気持ちを素直に認め合い、屋敷を脱出することにする。そこにセバスチャンと母親が現れる。しかし、その場に仲間たちがいたことから、セバスチャンも母親も騒ぎ立てることができず、デヴリンはあくまで病状の悪化したアリシアを病院に送り届けるとして堂々と屋敷を出ていく。そして、一緒に連れていくようにすがるセバスチャンを残し、アリシアだけを連れて車で屋敷を後にする。この様子を見た仲間たちは、最近自分たちが尾行されていることに関してセバスチャンを怪しんでいたことからようやく事情を察する。セバスチャン母子が仲間たちに殺されることを示唆して物語は終わる。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
---|---|---|---|
NETテレビ版 | PDDVD版 | ||
T・R・デヴリン | ケーリー・グラント | 田口計 | 加藤亮夫 |
アリシア・ヒューバーマン | イングリッド・バーグマン | 水城蘭子 | 大坂史子 |
アレクサンダー・セバスチャン | クロード・レインズ | 原保美 | 塾一久 |
セバスチャンの母 | レオポルディーネ・コンスタンチン | 鈴木光枝 | 磯辺万沙子 |
ポール・プレスコット | ルイス・カルハーン | 芦澤孝臣 | |
執事ジョセフ | アレクシス・ミノティス | 西垣俊作 | |
アンダーソン博士 | ラインホルト・シュンツェル | 鈴木貴征 | |
不明 その他 |
塩見竜介 千葉順二 西田昭市 水島晋 千葉耕市 |
田坂浩樹 原田晃 瀬尾恵子 小浅和大 七瀬みーな | |
演出 | 小林守夫 | 大前剛 | |
翻訳 | 木原たけし | 恩田薫子 | |
効果 | |||
調整 | |||
制作 | 東北新社 | ||
解説 | |||
初回放送 | 1972年5月28日 『日曜洋画劇場』 |
ヒッチコックのカメオ出演
映画の中盤、セバスチャン(クロード・レインズ)の屋敷で開かれたパーティでシャンパンを口にしてすぐに画面から出ていく。
エピソード
撮影当時、アメリカでは3秒以上のキスシーンは禁止されていた。そこでヒッチコックは、3秒以内のキスを繰り返すという手法をとり、お喋りをしてはキス、電話をしながらキス…と2分以上のキスシーンを成功させた。
ケーリー・グラントとイングリッド・バーグマンは1958年の映画『無分別』で再度共演している。
作品の評価
映画批評家によるレビュー
Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「ヒッチコックによる荘厳な演出、そしてイングリッド・バーグマンとケーリー・グラントによる素晴らしい中心的演技は、この作品を再見する価値のある正真正銘の古典にしている。」であり、47件の評論のうち高評価は98%にあたる46件で、平均点は10点満点中8.94点となっている[3]。 Metacriticによれば、16件の評論の全てが高評価で平均点は100点満点となっている[4]。
受賞歴
賞 | 部門 | 対象者 | 結果 |
---|---|---|---|
第19回アカデミー賞 | 助演男優賞 | クロード・レインズ | ノミネート |
脚本賞 | ベン・ヘクト |
脚注
注釈
出典
- ^ a b c Gregory Mead Silver (November 2010) (英語) (PDF). Economic Effects of Vertical Disintegration: The American Motion Picture Industry, 1945 to 1955. LSE. p. 116 2021年1月6日閲覧。
- ^ Finler, Joel Waldo (2003) (英語). The Hollywood Story. Wallflower Press. p. 357. ISBN 978-1-903364-66-6 2024年2月12日閲覧。
- ^ “Notorious (1946)” (英語). Rotten Tomatoes. 2021年1月7日閲覧。
- ^ “Notorious (1946) Reviews” (英語). Metacritic. 2021年2月3日閲覧。
外部リンク
汚名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 14:21 UTC 版)
「銀河英雄伝説の登場人物・銀河帝国」の記事における「汚名」の解説
ミヒャエル・ジギスムント・フォン・カイザーリング (Michael Sigismund von Kaiserling) 声 - 川久保潔(汚) 元中将で退役少将。男爵。短編『汚名』の主要人物。 キルヒアイスが観光地クロイツナハIIIで出会った老人。帝国暦483年のアルレスハイム星域会戦で惨敗したことから愚将の汚名を持ち、少将に降格の上、退役した。しかし、およそそのような来歴を感じさせない明敏さを持ち、キルヒアイスから興味を持たれる。また、カイザーリングもキルヒアイスを気に入り食事に招くなどする。実はヨハンナが初恋の相手で現在も愛し、そのために独身を貫いていた。このヨハンナを想ってバーゼルを庇ったことがすべての元凶となり、最終的に自らの手で愛する者を手にかける悲劇になってしまう。 『汚名』の冒頭において、サイオキシン麻薬中毒の軍人たちに襲われていたところをキルヒアイスに助けられる。結果的にキルヒアイスが麻薬事件の捜査を行うきっかけとなり、麻薬中毒者がかつてのカイザーリング艦隊の所属兵士だったことや、キルヒアイスが命を狙われたことなどから事件の容疑者候補の一人として疑われる。しかし、その後、バーゼルが真犯人であることや、ヨハンナへの恋慕から彼を庇っていたことなどが判明する。最後、追い詰められたバーゼルからの命令を受けて証拠隠滅を行っていたヨハンナを丸腰の老婆を撃つことはできないキルヒアイスでは止められないと判断すると、代わりに彼女を射殺し、ケリをつける。 クリストフ・フォン・バーゼル (Christof von Basel) 声 - 中田浩二(汚) 退役中将。短編『汚名』の登場人物。 カイザーリングの旧友であり、アルレスハイム星域会戦当時の幕僚(補給担当)。実はサイオキシン麻薬密売の頭目であり、アルレスハイム星域会戦の敗北も彼が兵士に蔓延させた麻薬のせいであった。一度は逮捕され疑われるものの、妻ヨハンナを恋慕するカイザーリングの計らいで罪を免れる。本編開始の少し前に告発の手紙を受け、これをカイザーリングの仕業と疑い、彼の暗殺を企て、さらに事件捜査するキルヒアイスの命も狙う。最終的にはキルヒアイスとホフマンの捜査によってすべての真相が暴かれ、逮捕される。しかし、その直前でヨハンナに証拠隠滅の連絡を入れたことが、物語の悲劇的な結末に至ることになる。 ヨハンナ・フォン・バーゼル (Johanna von Basel) 声 - 池田昌子(汚) バーゼル退役中将の妻。短編『汚名』の登場人物。 老いても年相応に美しい老嬢。キルヒアイスもそう評し感嘆した。カイザーリンクの初恋の人。夫がサイオキシン麻薬の密売者で、アルレスハイム星域会戦の敗北の原因であることも知っているが夫を愛しているがゆえに沈黙している。しかし、自分を愛するがゆえに、部下である夫を庇い、汚名を甘受したカイザーリングに良心の呵責を感じ、夫に足を洗ってもらうために、匿名の告発の手紙を送る。ところが、バーゼルがこの差出人がカイザーリングだと勘違いしたところから、一連の事件が起きてしまう。 一連の捜査で真相に気づいたキルヒアイスから懇願されてもカイザーリングを救うために夫を告発することは拒絶し、夫に命じられるままにその罪を立証しうる証拠書類の隠滅を図る。最終的には彼女を止めることはできないキルヒアイスに代わってカイザーリンクに射殺される。死の間際、命を絶たれた無念も無く自身を撃った彼に対する恨み言でもなく優しい微笑みを浮かべる。 ホフマン (Hofmann) 声 - 神山卓三(汚) クロイツナハIIIの治安警察の警視。短編『汚名』の登場人物。 クロイツナハIIIでサイオキシン麻薬密売の捜査を担当する定年間近の警官。元軍人。ややとぼけた風貌と態度の持ち主だが、捜査に対する姿勢は真摯であり、休暇中のキルヒアイスに半ば無理やり捜査協力させる。襲撃犯に襲われて不利な状況に追い込まれたキルヒアイスの窮地を機転を利かせて救い、犯人であるバーゼル退役中将との対決でも臆することなく逮捕に貢献する。OVA版ではキルヒアイスを信じて彼に自分のブラスターを貸与もしている。 憲兵と治安警察との確執から帝国軍に隔意を抱くと同時に、軍人時代に理不尽な上官に怒りを持っている。そのため、キルヒアイスに軽口として彼の上官(すなわちラインハルト)の悪口を言ってしまい当初、反感を抱かれる(キルヒアイスの反応を見て虎の尾を踏んだと気付きすぐに陳謝する)。
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「汚名」の例文・使い方・用例・文例
- 彼らは彼に反逆者の汚名を着せた
- 彼は法廷で汚名を晴らすことができなかった
- 彼は,成績不良で退学になったという汚名を返上することはできなかった
- 裏切り者の汚名
- 彼らは彼に嘘つきの汚名を着せた。
- 彼は汚名をそそいだ。
- フランクは悪い少年という評判だったが、成長するにつれてその汚名をそそいだ。
- その男は反逆者の汚名をきせられた。
- お前は長居年月をかけて汚名をそそがねばならないだろう。
- 汚名, 悪評.
- …に恥辱を与える, 汚名を着せる.
- 彼に裏切り者の汚名を着せた.
- 醜聞という汚名.
- いつか汚名が忘れられるような生き方をしなさい.
- 今年は最下位の汚名を返上しよう.
- おまけに「剽窃者」という汚名まで着せられた.
- 嘘つきという汚名をそそごうとしたが, できなかった.
- 今年は怠け者の汚名を返上するため, まじめに仕事をするつもりだ.
- 国賊の汚名をきせられる
- 汚名をきせる
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