被毒
ひ‐どく【被毒】
被毒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/05 18:36 UTC 版)
不均一系触媒の欠点は、反応系内に存在する微量の物質によって大きく触媒活性が低下する、すなわち被毒が起こりやすいことである。 被毒の原因となる物質(触媒毒)としてはルイス塩基であるアミン、硫黄化合物、ホスフィン、ハロゲン化物イオン、一酸化炭素などが知られている。また鉛やビスマスなどの金属イオンが触媒毒となることも知られている。これらの物質は触媒上で反応が進行する場所(活性点)となっている部分に基質より優先的に吸着されるため、触媒活性を大きく低下させると考えられている。触媒毒が有機物の場合には熱などにより脱着させることで低下した活性を再生することが可能である。 被毒は官能基に対する触媒活性によってその程度が異なる場合がある。これを利用して、特定の官能基に対する触媒活性のみを残存させた被毒触媒が調製される。このような例としては酢酸鉛により被毒したリンドラー触媒やローゼンムント還元に用いられるキノリンと硫黄により被毒したパラジウム触媒、ニトロベンゼンからアニリンへの還元に用いられる硫酸ニッケルから調製したニッケル触媒などがある。
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