相撲 神事としての相撲

相撲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/03 14:46 UTC 版)

神事としての相撲

神事との関係性

萬華城と剛天佑(2007年)
奉納相撲(東庄町諏訪神社

相撲は神事としての性格が不可分である。ただし、相撲と神事の関係については、相撲が神事に合わせて奉納される場合と、相撲の所作が神事の不可欠な要素に含まれている場合に分けられる[2]。さらに相撲が他の芸能とあわせて余興で行われる場合のほか、相撲の所作を演劇的に行うものやそれをモチーフにした舞の形式になっている場合もあり、一般的な格闘技としての相撲を要素としないものもある[2]。和歌山県、愛媛県大三島一人角力の神事を行っている神社では稲の霊と相撲し霊が勝つと豊作となるため常に負けるものなどもある。

大相撲の神事

  • 江戸中期以降の大相撲は特に神道の影響が強く、力士土俵入りの際に拍手をうち、横綱注連縄を巻くようになったのは、相撲の宗家とされた吉田司家の許可に基づくものである。東京での本場所前々日には東京都墨田区の野見宿禰神社に日本相撲協会の幹部、審判部の幹部や相撲茶屋関係者が出席して、出雲大社教神官によって神事が執り行われる。
  • 土俵祭
    • 土俵祭とは、本場所の前日には立行司が祭主となって行なう祭事である。介添えの行司が清祓の祝詞をあげた後、祭主が神事を行い、方屋開口を軍配団扇を手にして言上する。この後、清めの太鼓として、呼び出し連が土俵を3周して式典が終わる。寛政3年(1791年)征夷大将軍徳川家斉の上覧相撲の際に、19世吉田追風(吉田善左衛門)が「方屋開」として始めたものである。
  • 相撲場は明治中期まで女人禁制で、明治になるまで観戦することもできず、現在でも土俵上に女性が上るのを忌避している。しかしながら、伝統的な慣習であるという点については異論が出ている。女相撲という言葉は古くは日本書紀に見られ[22][23][24]、江戸時代以降は興行記録も残っており[22][23]、戦前まで女相撲の興行が行われていた[23]からである。また、俵を使った土俵の登場は江戸時代からである[22]。研究者の金田英子は1992年に、神事としての相撲は、九州地方では現在を迎えても伝統行事として行われていることが知られている、としている[24]ように、必ずしも女性を忌避するものではない。
  • 土俵

注釈

  1. ^ 歌川国貞画:大判錦絵:杣ヶ花 渕右エ門(そまがはな・ふちえもん)

出典

  1. ^ a b c 「江戸の遊び~けっこう楽しいエコレジャ~」を巡る話題から(3)みるきく楽しみ横山美佳、東北大学附属図書館報、Vol. 32, No.1 2007
  2. ^ a b c d 井上宗一郎「民俗学における競技の対象化に関する一考察 : 近世以降の素人相撲をめぐる競技体系の近代化から(第Ⅲ部 術語と概念の地平)」『国立歴史民俗博物館研究報告』第165巻、国立歴史民俗博物館、2011年3月、225-249頁、doi:10.15024/00001912ISSN 02867400NAID 1200057488882021年4月30日閲覧 
  3. ^ 大相撲ジャーナル』2017年8月号、59頁
  4. ^ 日本書紀
  5. ^ 野見宿禰神社創建
  6. ^ 日本書紀』、巻第十四
  7. ^ 日本書紀』、巻第二十四
  8. ^ 日本書紀』、巻第二十九
  9. ^ 日本書紀』、巻第三十
  10. ^ 続日本紀
  11. ^ 酒井, pp. 5–6.
  12. ^ 酒井, p. 61.
  13. ^ 秋澤亙・川村裕子『王朝文化を学ぶ人のために』 世界思想社、2010年8月2日、ISBN 978-4790714880
  14. ^ 酒井, p. 62.
  15. ^ 酒井, p. 69.
  16. ^ 酒井, p. 71.
  17. ^ 酒井, p. 73.
  18. ^ 渡辺達三, 近世広場の成立・展開火除地広場の成立と展開 (2)}」『造園雑誌』 36巻 2号 1972年 p.27-34, 日本造園学会, doi:10.5632/jila1934.36.2_27
  19. ^ 牛垣雄矢、田中絵里子、畠山輝雄、佐野 充、「交差の界隈性 : 現代東京における江戸の見附地と辻の役割」『国際交通安全学会誌』 Vol.30 No.2 p.118-128, 2005年8月, 国際交通安全学会, NAID 10019342059
  20. ^ 日本の相撲は驚くほど美しかった。貴重な19世紀の写真は伝える
  21. ^ エントリーは2人だけ…相撲競技が初の中止 福井県中学校秋季新人競技大会、連盟は危機感 福井新聞 2021年10月18日 午後5時10分 (2021年10月19日閲覧)
  22. ^ a b c 吉崎祥司, 稲野一彦「相撲における「女人禁制の伝統」について」『北海道教育大学紀要 人文科学・社会科学編』第59巻第1号、北海道教育大学、2008年8月、71-86頁、ISSN 13442562NAID 110006825941 <
  23. ^ a b c 金田英子「興行としての女相撲に関する研究」『日本体育大学紀要』第22巻第2号、日本体育大学、1993年3月、p97-102、ISSN 02850613NAID 110000304553 
  24. ^ a b 金田英子「1212505 北九州地方における女相撲について : 長崎県・佐賀県の場合」『日本体育学会大会号』第43回(1992)、日本体育学会、1992年、907頁、doi:10.20693/jspeconf.43B.0_907NAID 110001909621 
  25. ^ 石浦外喜義『弱くても勝てる 強くても負ける』幻冬舎、2017年4月20日、8頁、ISBN 978-4344031036
  26. ^ 常陸山谷右衛門 著『相撲大鑑』文運社、1909年
  27. ^ 大空出版相撲ファン』vol.06、103頁
  28. ^ 格闘技大国ジョージアで高まる相撲熱”. 日本経済新聞 (2018年3月7日). 2020年6月10日閲覧。






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