ラウェイとは? わかりやすく解説

ラウェイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/19 17:55 UTC 版)

ラウェイ
လက်ဝှေ့
競技形式 打撃技
発生国 ミャンマー
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ラウェイビルマ語: လက်ဝ; IPA: [lɛʔ.ʍḛ]: Lethwei)は、ミャンマーの立ち技格闘技。ミャンマーの国技であり、伝統ある神聖な奉納行事でもある。

特徴

にはグローブを着用せずバンデージのみを巻き、寝技以外の関節技卍固めなど)や、投げ技頭突き攻撃、金的攻撃(故意では無い場合のみ)が認められる。勝者は敗者の「旗」を折る。

パンクラス創設者の1人である尾﨑允実は、ラウェイについて「地上で最も過激な格闘技」「地球上で最も危険な格闘技」と評している[1]。一方で神事に近い性格を持ち、選手は試合とその前後だけでなく、日常においても礼節を強く求められる。対戦相手に攻撃的な言葉を浴びせる、罵るなどの行為は資格の剥奪となる。試合前は2人の選手によってリング祭壇に舞踊を捧げ(「ヤイダンス」、ムエタイでのワイクルー)、ファイト中も伝統音楽が奏でられる。およそ1000年の歴史があると伝えられる[2]

ルール

立ち技の全てが許可[3]。フリーノックダウン制でダウンカウントを取らず、片方が負けを認めるか意識が戻らなくなるまで試合が続行される[3][4]。試合時間内に両者ともギブアップしない場合、引き分けとなる[5]。公式試合などでダウンカウントを取る場合は、10カウントでなく「相手のダウン中にリングを一周歩き、勝利のジェスチャーを行う」ことをカウントとする。3回これを繰り返した時点でKO[6]

ミャンマー伝統ボクシング連盟は以下の公式ルールを定めている[7]

服装

  • コーナーに応じて赤または青のショートパンツを着用。
  • 手にはバンデージとして医療用包帯のみを巻く。
  • お守りは落とさぬよう手首や腕にしっかりと巻く。
  • 武器にならぬ範囲であれば足首と膝にサポーターを付けても良い。
  • アクセサリー類はすべて外し、髭と爪を綺麗に整える。
  • マウスピースとファールカップの着用。

禁止行為

  • 噛みつき、目突き、唾を吐きかける、倒れた相手を攻撃し続ける、髪を引っ張る、首を絞める。
  • 故意に金的を打つ。
  • レフェリーの指示を無視する。
  • 周囲の人間に失礼な態度を取る。
  • 酩酊状態である。
  • ロープにしがみつく。この状態でKOされた場合、正式なKOとみなされる。
  • 対戦相手を罵倒する。
  • 故意にダウンをする。
  • 倒れた相手を故意に踏む。

試合の流れ

試合は原則3分5R制(インターバル2分)で、判定がなくノックアウト勝ちしか認められない。1ラウンド3回もしくは1試合で通算4回のダウンテクニカルノックアウト負けとなる。1~4Rまでの間は、選手またはセコンドからレフェリーに要請することで、1回のみ試合中に2分間の「タイム」が取れる(タイムはダウン1回として数える)。ダウン中のタイムも認められ、その場合ダウン数の重複カウントはしない。試合中の流血・怪我等によるレフェリーストップドクターストップもある。尚ゴールデンベルト大会では、ムエタイ同様の採点による判定も採用している[8]

KOは一般的な10カウントで判定される。2016年10月の後楽園ホール大会[9]では、選手がダウンしてから2秒後にカウントが開始され、通常の1秒では無く2秒毎に進行した。つまりノックアウトには、他競技の倍となる20秒が必要であった。

日本との関係

2004年4月にMyanmar Traditional Boxing Federation(MTBF)の依頼を受け、パンクラス代表の尾崎允実を介して全日本キックボクシング連盟の協力のもと交流が開始。2004年7月10日・11日にヤンゴン国立競技場にて初の交流戦が開催された。当初は5対5の予定であったが、選手の負傷欠場により4名となり、「ミャンマーVSジャパン4対4対抗戦」と銘打たれ、団長に藤原敏男を迎え、西良典、元修斗王者の田中健一に率いられて4選手(新美吉太郎、若杉成次、田村彰敏、山本武晴)が出場し、1勝2敗1分の結果を残した[10][11][12]。この模様は『報道ステーション』(テレビ朝日系列)で紹介され、瞬間最高視聴率18%を記録した。

2016年にプロレスプロモーター中村祥之がMTBFより1年間有効の「ラウェイプロモーターライセンス Grade-A」を取得[13]一般財団法人インターナショナル・ラウェイ・フェデレーション・ジャパン(ILFJ)を設立した[14]。同年10月27日の後楽園ホール大会を皮切りに、本格的にラウェイの興行を展開[13]。なお、KICKBOXING ZONEもMTBFの公認を受けていたが、2017年に活動停止した。

主な戦歴

  • 2005年9月11日に長崎平和記念ホールで西良典の主催で開催された「Kushima's Fight10」で日本に初上陸し2試合が行われた。(1敗1分)※以下全て日本側勝利。
  • 2006年3月7日新宿FACE「Kushima's Fight12」、2007年8月19日ディファ有明「J-Lethwei」共に西良典主催でミャンマーよりラウェイ選手が日本に招聘され計8試合が行われた。(1勝6敗1分)
  • 2009年5月2日・3日ヤンゴン・トゥワナ国立室内競技場に日本人4選手(寒川直喜、陣川弘明、紅闘志也、クレイジー・ヒル)参戦。(2敗2分)[15]
  • 2011年8月13日・14日ヤンゴン・テンピュースタジアムに日本人4選手(寒川直喜、CRAZY884、紅闘志也、篠原基宏)参戦。(1敗3分))[16]
  • 2013年9月21日ヤンゴン・テンピュースタジアムに日本人2選手(寒川直喜、藤原あらし)参戦。(2分)
  • 2016年2月14日ヤンゴン・テンピュースタジアムに日本人2選手(金子大輝、NAOKI)参戦。(2敗)
  • 2016年9月11日沖縄ネーブルカデナアリーナ「ZONE5」で初の日本人同士のラウェイ公認試合を開催(金子大輝 対 アイアンホース田中)[17]
  • 2016年12月29日にヤンゴンのインセインフットボールスタジアムで開催された『Kayain New Year Lethwei Events』に金子大輝が出場し、ルワンチャイに1回TKO勝利[18]
  • 2017年2月16日に後楽園ホールでILFJおよびファースト・オン・ステージが『Lethwei In Japan2』を開催。日本からはKOUMA、山崎泰幸、山本祐希、奥田啓介高橋奈七永の5選手が出場し、0勝3敗2分の結果に終わった[19]
  • 2017年3月19日にヤンゴンのテンピュースタジアムで開催された『International Lethwei Fight2』に金子大輝が出場し、イギリス人選手のマーティン・スータイに2回KO勝利[20]
  • 2017年11月2日にタウングーで行われたタイとミャンマーの対抗戦の一環として実施された試合に川村英樹が出場し、2ラウンドKO負け[21]
  • 2017年12月10日にヤンゴンで金子大輝が日本人選手として初めてミャンマー国内の王座を獲得[22]
  • 2018年12月16日にヤンゴンで開催された『エアKBZグランドファイナル』で渡慶次幸平がトゥン・ミン・ラット(ミャンマー)と対戦し、3回にKO勝利。2018年の王者となった[23]

脚注

  1. ^ パンクラス15年の真実 総合格闘技の舞台裏回顧録 - 尾崎允実著 エンターブレイン ISBN 4757748094
  2. ^ 【知られざる世界ランカー】(36)ラウェイ・金子大輝「異国に根差す礼節のファイター」東京新聞』朝刊2018年7月18日(28面)2018年7月21日閲覧。
  3. ^ a b “遂にベールを脱ぐ、地上最も過激なミャンマー・ラウェイ! 王者であり、英雄のトゥントゥンミン、インタビュー”. 巌流島公式サイト. (2016年7月20日). https://ganryujima.jp/archives/3757 2020年9月24日閲覧。 
  4. ^ “返り血を浴びてしまう!?世界一危険な格闘技ラウェイを生で観戦しに行こう!”. wakutabi. (2018年3月8日). https://wakutabi.com/6662 2020年9月24日閲覧。 
  5. ^ “KOされても試合は終わらない。ミャンマーラウェイ、我々はまだ世界を知らない!”. 巌流島チャンネル公式ブロマガ. (2016年1月27日). https://ch.nicovideo.jp/ganryujima/blomaga/ar958220 2020年9月24日閲覧。 
  6. ^ ျမန္မာႏိုင္ငံရိုးရာလက္ေ၀ွ႕ၿပိဳင္ပြဲ ေအာင္လံလုပြဲစည္းမ်ဥ္းစည္းကမ္းမ်ား” (ミャンマー語). မြန်မာနိုင်ငံရိုးရာလက်ဝှေ့အဖွဲ့ချုပ်. 2020年10月1日閲覧。
  7. ^ စိန္ေခၚပ ြဲ (အလဲထိုး)စည္းမ်ဥ္းစည္းကမ္းမ်ား” (ミャンマー語). မြန်မာနိုင်ငံရိုးရာလက်ဝှေ့အဖွဲ့ချုပ်. 2020年9月24日閲覧。
  8. ^ ျမန္မာ့ရိုးရာလက္ေ၀ွ႕ၿပိဳင္ပြဲ ေရႊခါးပတ္ခ်န္ပီယံၿပိဳင္ပြဲ စည္းမ်ဥ္းစည္းကမ္းမ်ား” (ミャンマー語). မြန်မာနိုင်ငံရိုးရာလက်ဝှေ့အဖွဲ့ချုပ်. 2020年10月1日閲覧。
  9. ^ 日本で初の純ラウェイ大会。“ミャンマーの英雄”が豪快KO勝利:10.27 後楽園 - バウトレビュー・2016年10月28日
  10. ^ ミャンマー国技「ラウェイ」大会 浜坂町のNGO高森代表が橋渡し - 神戸新聞・2004年7月8日
  11. ^ 日本の5選手ラウェイ初参戦 浜坂町のNGO高森代表が働きかけ - 読売新聞・2004年7月3日
  12. ^ 全日本キックがミャンマーラウェイ大会に参戦 - バウトレビュー・2004年7月10日
  13. ^ a b 【ラウェイGP】地上最も過激な格闘技、本格上陸が決定 - イーファイト・2016年9月12日
  14. ^ 地上最も過激な格闘技の一般社団法人を日本に設立 - イーファイト・2016年10月6日
  15. ^ 寒川直喜、ミャンマーラウェイ王者とドロー - バウトレビュー・2009年5月2日
  16. ^ 寒川直喜、CRAZY884、紅闘志也はドロー - バウトレビュー・2011年8月13日
  17. ^ 【ZONE5】地上最も過激な格闘技が沖縄に初上陸 - イーファイト・2016年7月26日
  18. ^ 地上最も過激な格闘技の英雄の息子にZONE金子が挑む - イーファイト・2016年12月10日
  19. ^ WPMF王者KOUMA、奥田啓介、高橋奈七永が奮闘 - イーファイト・2017年2月16日
  20. ^ 金子大輝がミャンマー代表としてKO勝ち - イーファイト・2017年3月22日
  21. ^ “33歳、川村英樹による、日本初の単身ミャンマーラウェイ挑戦の一部始終”. Queel. (2018年1月19日). https://queel.me/articles/1430 2018年1月28日閲覧。 
  22. ^ 染田屋竜太 (2018年3月21日). “ミャンマーで英雄になった日本人「カネコ」世界一過激な格闘技で王者”. withnews. https://withnews.jp/article/f0180321000qq000000000000000W06s10301qq000016992A 2018年3月21日閲覧。 
  23. ^ 伝統格闘技ラウェイの渡慶次、ミャンマーで念願のKO勝利 - exciteニュース・2018年12月19日

外部リンク


ラウェイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 02:39 UTC 版)

渡慶次幸平」の記事における「ラウェイ」の解説

2017年6月16日、LETHWEI in Japan 4 ~フロンティアFRONTIERにおいて、ピャン・トゥエと対戦4R終了時顔面腫れによるドクターストップTKO負け2017年12月10日ヤンゴンのテンピュースタジアムで行われた第4回エアKBZ アウン・ラン・チャンピオンシップにおいて、ソー・ミン・アウンと対戦互いに1度ずつタイムアウトを取る激闘の末、5R引き分け2018年2月21日、LETHWEI in Japan 7 ~勇気YUKIにおいてミン・テット・アウンと対戦2R 2分47秒、アウン棄権によりTKO勝利。ラウェイでの初勝利を飾る。 2018年6月29日、LETHWEI in Japan 8 ~サムライSAMURAIにおいて、初のメインイベントでソー・ゴー・ムドーと対戦試合序盤から積極的に攻撃繰り出すムドー対し徐々に主導権握った渡慶次ローダメージ与え続け三日月蹴り決定的なダメージ与えて4R 2分24秒に左フックKO勝利2018年12月16日ヤンゴンのテンピュースタジアムで行われた2018年複数試合勝ち抜くなどした強豪集めた大会第5回エアKBZ グランドファイナル・ミャンマーチャンピオンシップでトゥン・ミン・ラットと対戦渡慶次攻撃避けて懐に飛び込み、右のフックなど強烈なパンチ見舞戦法圧倒、3ラウンドラッシュKO勝ち。2018年王者となった2021年5月2日ハードヒット初参戦。阿部諦道と対戦する両者反則のため没収試合となる。

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「ラウェイ」を含む「渡慶次幸平」の記事については、「渡慶次幸平」の概要を参照ください。

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