短距離走
たんきょり‐そう【短距離走】
読み方:たんきょりそう
「短距離競走」の略。
短距離走
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/30 17:14 UTC 版)
短距離走(たんきょりそう)とは、陸上競技のうち短距離を走る競技の総称。具体的には400mまでの距離において順位や記録を競うものをいう[1]。すべての種目で各選手は割り当てられたレーンを走る(セパレートレーン)[1]。
歴史
短距離走は紀元前776年に開催された最初の古代ギリシャの祭典(古代オリンピック)のときから実施されていた[1]。スタディオン走と呼ばれるもので約190メートルの距離をまっすぐに走る競技であった[1]。ただし、同時代の競走種目は開催する競技場によって長さが多少異なっていたといわれている[1]。
短距離走の種類
公式種目
100m走、200m走、400m走があり、100m走と200m走をショートスプリント、400m走をロングスプリントという[1]。
非公式種目
スタートとフィニッシュ
スタート
スタートはクラウチングスタートと定められており、スターティングブロックを使用する[2]。
スタートの方法
スタートの方法には以下のような方法がある。
- ショートスタート
- 後足の爪先を前足の踵と平行になるようスターティングブロックを調整する[2]。一歩目の接地は最も早い方法だが、ブロックを押し出す力は弱く、上体が起こされやすくなるのが欠点である[2]。
- ミドルスタート
- 後脚の膝が前足の爪先と平行になるようスターティングブロックを調整する[2]。最もオーソドックスで一般的な方法である[2]。
- ロングスタート
- 後足を前足の踵から脛骨までの長さ以上に後ろに引いた状態でスターティングブロックを調整する[2]。一歩目の接地が他に比べて遅くなるといった欠点がある[2]。
不正出発(フライング)
2002年までは同一選手が2度不正出発したとき失格とされていた[1]。その後、2009年までは1回目いずれかの選手に不正出発があったときは全員に対して警告を行い、2回目のスタート時に不正出発を行った選手を失格としていた[1]。2010年からは1回目から不正出発を行った選手は失格としている[1]。
主要大会ではスターティングブロックへの不正スタート発見装置の取り付けが義務付けられておりスタートの号砲から0.1秒未満で反応した選手を検出できるようになっている[1]。
フィニッシュ
フィニッシュの判定
フィニッシュは決勝線(ゴールライン)にトルソー(頭、首、腕、手を除いた胴体部)が到達した時と定められている[3]。厳密には5cm幅のフィニッシュラインのスタート側線端に選手のトルソーが到達した時をフィニッシュとしている[1]。
フィニッシュの方法
フィニッシュの方法には以下のような方法がある。
- ディップ
- ゴール前の最後の一歩の蹴り上げに合わせて両腕を後方に引きつけて上体を前に突き出すようにフィニッシュする方法[3]。
- シュラッグ
- ゴール前の最後の一歩の蹴り上げに合わせて肩をひねるように上体を傾けながらフィニッシュする方法[3]。
- 走り抜け
- ゴール前に特別の動作を行うことなく疾走フォームを維持したまま走り抜ける方法[3]。
追い風参考記録
短距離走の公式種目のうち100m走と200m走では追い風が2.0m/sを超えると追い風参考記録となる[1]。
追い風2.0/sの判定基準は100m走の場合はピストル合図から10秒間を基準とする[1]。200m走の場合は先頭の選手が直走路に入ってから10秒間を基準とする[1]。
世界大会における日本人メダリスト
- オリンピック、ユースオリンピック、世界選手権、世界室内選手権、世界ジュニア選手権、世界ユース選手権、ユニバーシアードにおける日本人メダリストを記載。
- 大会の年齢区分:ユース(18歳未満)、ジュニア(20歳未満)、学生(28歳未満)。
100メートル競走
年 | 大会 | 年齢区分 | 開催地 | 選手 | メダル | 記録 |
---|---|---|---|---|---|---|
1965 | ユニバーシアード | 学生 | ![]() |
飯島秀雄 | 金 | 10秒1 (+5.0) |
2009 | ユニバーシアード | 学生 | ![]() |
江里口匡史 | 銅 | 10秒33 (-0.7) |
2010 | ユースオリンピック | ユース | ![]() |
梨本真輝 | 銀 | 10秒51 (+0.1) |
2011 | 世界ユース選手権 | ユース | ![]() |
大瀬戸一馬 | 銀 | 10秒52 (-0.3) |
2013 | ユニバーシアード | 学生 | ![]() |
山縣亮太 | 銀 | 10秒21 (+0.5) |
2014 | 世界ジュニア選手権 | ジュニア | ![]() |
桐生祥秀 | 銅 | 10秒34 (-0.6) |
2014 | ユースオリンピック | ユース | ![]() |
大嶋健太 | 銀 | 10秒57 (-0.5) |
2015 | 世界ユース選手権 | ユース | ![]() |
サニブラウン・アブデル・ハキーム | 金 | 10秒28 (-0.4) |
年 | 大会 | 年齢区分 | 開催地 | 選手 | メダル | 記録 |
---|---|---|---|---|---|---|
2009 | ユニバーシアード | 学生 | ![]() |
高橋萌木子 | 銀 | 11秒52 (-0.3) |
200メートル競走
年 | 大会 | 年齢区分 | 開催地 | 選手 | メダル | 記録 |
---|---|---|---|---|---|---|
2003 | 世界選手権 | シニア | ![]() |
末續慎吾 | 銅 | 20秒38 (+0.1) |
2005 | ユニバーシアード | 学生 | ![]() |
高平慎士 | 銀 | 20秒93 (+1.1) |
2007 | ユニバーシアード | 学生 | ![]() |
神山知也 | 銅 | 20秒97 (+0.2) |
2010 | 世界ジュニア選手権 | ジュニア | ![]() |
飯塚翔太 | 金 | 20秒67 (+0.5) |
2010 | ユースオリンピック | ユース | ![]() |
本間圭祐 | 銀 | 21秒27 (+0.4) |
2013 | ユニバーシアード | 学生 | ![]() |
飯塚翔太 | 銅 | 20秒33 (+2.4) |
2015 | 世界ユース選手権 | ユース | ![]() |
サニブラウン・アブデル・ハキーム | 金 | 20秒34 (-0.4) |
400メートル競走
年 | 大会 | 年齢区分 | 開催地 | 選手 | メダル | 記録 |
---|---|---|---|---|---|---|
1997 | 世界室内選手権 | シニア | ![]() |
苅部俊二 | 銅 | 45秒76 |
2000 | 世界ジュニア選手権 | ジュニア | ![]() |
石川慎二 | 銅 | 45秒77 |
2005 | ユニバーシアード | 学生 | ![]() |
山口有希 | 銅 | 46秒15 |
2009 | ユニバーシアード | 学生 | ![]() |
金丸祐三 | 金 | 45秒68 |
2014 | 世界ジュニア選手権 | ジュニア | ![]() |
加藤修也 | 銀 | 46秒17 |
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 『21世紀スポーツ大事典』大修館書店、2015年、p.1285
- ^ a b c d e f g 『スポーツQ&Aシリーズ 実戦陸上競技 トラック編』日本陸上競技連盟編、大修館書店、1990年、p.50. ISBN 978-4469162165
- ^ a b c d 『スポーツQ&Aシリーズ 実戦陸上競技 トラック編』日本陸上競技連盟編、大修館書店、1990年、p.75. ISBN 978-4469162165
関連項目
短距離走(800m以下)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 16:47 UTC 版)
「国際オリムピック大会選手予選会」の記事における「短距離走(800m以下)」の解説
短距離走の決勝は午前中に行われ、走路が濡れて足元が悪かったため、前日の予選の記録よりも悪くなった。200m以外の3種目を三島弥彦が制し、三島が敗れた200mでは明石和衛が優勝したため、短距離走の4種目すべてを東京帝大が占めることになった。800mでは古橋(名古屋)が三島を猛追する快走を見せて注目を浴びた。古橋は「中学界の韋駄天」として東京までその名を轟かせていた選手であった。 なお、セパレートコースで行われたのは100mのみで、200m以上はオープンレーンであった。また「位置について」の号令がなく、「用意、ドン」でスタートした。 優勝者一覧 種目出場者数優勝選手所属記録備考100m 7人 三島弥彦 東京帝大 12.0 200m 8人 明石和衛 東京帝大 25.8 400m 8人 三島弥彦 東京帝大 59.6 800m 6人 三島弥彦 東京帝大 2:10.2 (2:19.2)
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短距離走
出典:『Wiktionary』 (2021/08/21 13:35 UTC 版)
名詞
翻訳
- アイルランド語: ráib (ga) 女性, rúid (ga) 女性, ruthag (ga) 男性, aga reatha (ga) 男性
- イタリア語: velocità (it) 女性, sprint (it) 男性
- 英語: sprint (en)
- オランダ語: sprint (nl) 男性
- ギリシア語: σπριντ (el) 中性
- セルビア・クロアチア語:
- スウェーデン語: sprinterlopp (sv)
- チェコ語: sprint (cs) 男性
- 中国語: 短跑 (cmn) (duǎnpǎo)
- 朝鮮語: 스프린트 (ko)
- ドイツ語: Kurzstreckenlauf (de) 男性, Sprint (de) 男性
- フィンランド語: pikajuoksu (fi), pikamatka (fi)
- フランス語: sprint (fr) 男性
- ベトナム語: chạy nước rút (vi)
- ヘブライ語: מאוץ (he) (maóts) 男性, ריצה מהירה (he) (ritsá mehirá) 女性, ספרינט (he) (sprint) 男性
- ポーランド語: sprint (pl) 男性
- ポルトガル語: carreira (pt)
- マレー語: lari pecut (ms)
- ルーマニア語: sprint (ro) 中性
- ロシア語: спринт (ru) 男性
- ワロン語: sprine (wa) 男性
関連語
「短距離走」の例文・使い方・用例・文例
- その中でも、僕が注目したのは陸上競技の短距離走です。
- 僕は陸上部で、短距離走を頑張っています。
- あの短距離走者はダイナミックな走り方をする.
- 僕は,勝って,世界最速の短距離走者になりたかったので,アテネでは100メートルに出場しました。
- 米国の短距離走者ジャスティン・ガトリン選手(24)はアテネ五輪100メートルの金メダリストであり,100メートルの世界タイ記録保持者である。
- 日本の短距離走のスター選手である末(すえ)續(つぐ)慎(しん)吾(ご)選手は,ルイスさんとともに子どもたちを指導した。
- 女子短距離走では,福島千(ち)里(さと)選手(22)が100メートルと200メートルでともに金メダルを獲得した。
- その後,選手たちは4,5,6年生を対象に短距離走や投てきの指導を行った。
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