追い風参考記録とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 追い風参考記録の意味・解説 

おいかぜ‐さんこうきろく〔おひかぜサンカウキロク〕【追(い)風参考記録】

読み方:おいかぜさんこうきろく

陸上競技で、追い風2メートル超えるなかで出した記録のこと。正式な記録とは認められず、参考記録となる。追い風参考


追い風参考記録

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/26 23:13 UTC 版)

追い風参考記録(おいかぜさんこうきろく、英語: wind assistance)は、陸上競技において、秒速2.0メートルを超える追い風が生じている状況で出された記録である。

概説

追い風が秒速2.0メートルを超えると各種大会の順位は記録されるが記録は公認されず「参考記録」となる。短距離走100m200m)・ハードル競走110mハードル100mハードル)や走幅跳三段跳などが該当種目。一部種目は追い風参考記録がなく、すべて公認される。「追い参」(おいさん)または「参考記録」と呼ばれる場合もある。向かい風が非常に強く吹いていても記録は公認される。

追い風参考記録における「追い風」とはスタート時の瞬間風速では無く「風速の平均値」だ。現在は風速計はデジタル方式が用いられているので算出は容易である[1]。風向風速計は、直走路の第一レーンのフィニッシュラインの手前50m、トラックから2m以内、高さ1.220mに設置され100分の1秒単位の計測値は切り上げられる(例:秒速2.03m→秒速2.1m)。追い風と向かい風(=トラックに平行して吹いている風)の秒速だけを測定。左右方向(90度)に吹いている風は測定されない。混成競技では追い風が秒速4.0m以内であれば公認されるが秒速4.0mを超えると「追い風参考記録」になる。国際陸上競技連盟の競技規則を遵守している競技会における記録だけが公認される。

代表例

100メートル競走

オバデレ・トンプソンが1996年4月13日にアメリカ・テキサス州のエル・パソの大会で9秒69のタイムを記録した(追い風5m/s)[2]。このタイムは当時の世界記録を超えたタイムだった。タイソン・ゲイが2008年6月29日に行われた全米陸上競技選手権大会で9秒68のタイムを記録した(追い風4.1m/s)[2]。 2015年3月28日、米フロリダ州オースティンで桐生祥秀が9秒87(追い風3.3m/s)を記録した。この記録は電気時計における日本人初の9秒台となった。1964年の東京五輪の男子の準決勝では、アメリカのボブ・ヘイズが人類史上初めて10秒の壁を破る「9秒9」を追い風参考記録でマークした[3]。100メートル競走における風速の計測は、スタートの瞬間から10秒間行われる[1]。2021年、カナダアンドレ・ドグラスがユージーンで行われた大会で、追い風2.9mの中、9秒74をマークした。同レースでは、8人が9秒台だった。

200メートル競走

リロイ・バレルが1990年5月19日にアメリカ・テキサスの大会で19秒61のタイムを記録した(追い風4.0m/s) [4]マイケル・ジョンソンが1996年6月22日にアメリカ・アトランタの大会で19秒70のタイムを記録した(追い風2.7m/s)[4]。200メートル競走における風速の計測は、先頭のランナーが直線コースに入った瞬間から10秒間行われる[1]

110メートルハードル

レナルド・ニアマイアが1979年6月にアメリカ・イリノイの大会で12秒91のタイムを記録した(追い風3.5m/s)[5]ロジャー・キングダムが1989年9月にスペイン・バルセロナの大会で12秒87のタイムを記録した(追い風2.6m/s)[5]。110メートルハードルにおける風速の計測は、スタートの瞬間から13秒間行われる[1]

100メートルハードル

Grazyna・Rabsztynが1979年6月24日にドイツ・ブレーメンの大会で12秒39のタイムを記録した(追い風2.8m/s)[6]。 コーネリア・オシュケナートが1987年8月25日にベルリンの大会で12秒28のタイムを記録した(追い風2.7m/s)[7] 。100メートルハードルにおける風速の計測は、スタートの瞬間から13秒間行われる(110メートルハードルと同じ)[1]

三段跳

ウィリー・バンクスが1988年7月16日にアメリカ・インディアナポリスの大会で18m20cm記録した(追い風5.2m/s)[7]。これは初めて18mを超えた記録である。ジョナサン・エドワーズが1995年6月25日にフランス・ヴィルヌーヴ=ダスクの大会で18m43cm記録した(追い風2.4m/s)[7]。この記録は2012年3月現在の世界記録を超えている。ケイラ・コスタが2007年5月6日にブラジル・ウベルランジアの大会で15m10cm記録した(追い風2.7m/s)[7]。これは女子で初めての15mを超えた記録である。

走幅跳

イバン・ペドロソが1995年7月29日にイタリア・セストリエールの大会で8m89cm記録した(追い風2.4m/s)[7]。また同じ大会で風速+1.2mの中、8m96の跳躍を行ったが、イタリア陸連は、風力計の前に係員がいたため、正しい風速が計測できなかったということでこの記録をIAAFに送致しなかった。そのためこの記録は幻の世界記録となった。マイク・パウエルが1992年7月21日にイタリア・セストリエールの大会で8m99cmを記録した(追い風4.4m/s)[7]

脚注

関連項目


追い風参考記録

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 22:47 UTC 版)

短距離走」の記事における「追い風参考記録」の解説

短距離走公式種目のうち100m走200m走では追い風が2.0m/sを超えると追い風参考記録となる。 追い風2.0/sの判定基準100m走場合ピストル合図から10秒間基準とする。200m走場合先頭選手が直走路入ってから10秒間基準とする。

※この「追い風参考記録」の解説は、「短距離走」の解説の一部です。
「追い風参考記録」を含む「短距離走」の記事については、「短距離走」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「追い風参考記録」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「追い風参考記録」の関連用語

追い風参考記録のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



追い風参考記録のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの追い風参考記録 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの短距離走 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS