セパ‐タクロー【sepak takraw】
セパタクロー
歴史と沿革
「セパ」はマレー語で「蹴る」、「タクロー」はタイ語で「ボール」を意味します。2つの言語が合わさった「セパタクロー」は、9世紀から東南アジア各国で行なわれてきた歴史と伝統あるスポーツです。その名の通り足や腿(もも)または頭を使い、ボールを相手コートに蹴り入れます。アタックスピードは世界クラスで時速140kmもあり、からだの柔軟性やバランス、高度なボールコントロールが要求されるスポーツです。
1965年に東南アジア競技大会(現在SEA Games)の競技種目に採用されたのを機に、アジアセパタクロー連盟が設立されました。ネットをはさんでボールを蹴りあう現在のスタイルにルール統一されたのもこの年からです。1990年の第11回北京アジア大会からは、アジア競技大会の正式種目となり、1988年の国際セパタクロー連盟設立以後は、アジアだけではなく、南・北アメリカ、オセアニア、ヨーロッパ大陸と世界的な広がりをみせています。女子種目も1997年から世界選手権大会とアジア競技大会の種目に加わりました。
日本では、1989年に日本体育協会主催の国際スポーツフェアにタイ、マレーシア、インドネシア、シンガポールの4ヶ国を招待してのセパタクロー国際大会を開催した際、招聘に関わった衛藤瀋吉(当時亜細亜大学学長)、笹原正三(当時国際レスリング連盟副会長)、平野信昭(当時日本社会人レスリング連盟副会長)の3氏が発起人となり、日本セパタクロー協会が設立されました。同年、アジアセパタクロー連盟及び国際セパタクロー連盟に加盟。その後、1997年に日本オリンピック委員会の承認団体となりました。
近年は競技人口も増加傾向にあり、全日本選手権大会には50を超えるチームが参加するまでになりました。競技の難易度が高いため、競技者は大学生、社会人が主力で、小中高校生の競技者は少なく、競技者は数千人に止まっていますが、競技の普及と競技人口の拡充をめざし、鋭意努力を続けています。
競技方法と主なルール
ゲームは前衛2人、後衛1人の3人が1組(レグ)となり、サーブ権を得たレグのクォーターサークルにいる選手が、サービスサークルにいる選手(テコン)にトスしたボールを蹴って相手コートに入れることから、ゲームが始まります。
ルールはバレーボールに似ていますが、以下の点が大きく違います。

勝敗
ゲームは1セット21点のラリーポイント制。2セットを先取したレグが勝ちとなります。双方がそれぞれ1セットを取ったときは、続いて「タイブレークセット」を行ない、15点を先取したレグが勝ちとなります。ただし、1、2セットで双方の得点が20:20の同点となったときは、上限を25点としてポイントの差が2ポイントになるまで試合が続けられます。タイブレークのセットでも得点が14:14の同点となったときは、上限を17点として2点差となるまで試合を続け勝者を決定します。
用具
バトミントンと同じ広さのコート(13.4m×6.1m)と同じ高さのネット(155cm、女子は145cm)及び12の穴を持つプラスチック製のボール(直径14cm、約180g、女子は直径14.3cm、160g)が使われます。
各種団体と活動
国内では協会主催の競技会として、全日本選手権大会、全日本オープン選手権大会、全日本ジュニア選手権大会、全日本学生選手権大会、全日本学生オープン選手権大会等が毎年開催され、ブロック大会として、北海道、東北、大阪、九州大会が毎年開催されています。
国際競技では、日本は協会設立10年目の1999年以降、世界選手権大会で男子はレグ種目で1999年、2000年は2位に、2001年は3位に、また、女子はレグ種目、チーム種目(注1)とも連続して3位に入賞する成果を挙げています。
また、1998年のバンコクアジア競技大会では、男子がレグ種目6位に、サークル種目(注2)で男女がそれぞれ5位に入賞、2002年の釜山アジア競技大会で男子がサークル種目3位に、女子がレグ種目3位に入賞しアジア競技大会で初のメダルを獲得しました。
(注1)チーム戦は、3レグが1チームとなり対戦、レグの勝数で勝敗を争う種目。
(注2)サークル戦は、1チーム5人が輪になり、定められた順番でリフティングを続け、10分・3セットのリフティング総回数(総得点)を競う種目。
セパタクロー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/21 09:09 UTC 版)
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セパタクロー | |
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統括団体 | ISTAF |
通称 | 籐球(とうきゅう) |
起源 | ![]() ![]() |
特徴 | |
身体接触 | 無 |
選手数 | 3人 |
男女混合 | 有 |
カテゴリ | 屋内競技、ビーチ |
ボール | 籐球 |
セパタクロー(Sepak takraw、Sepaktakrawとも書く[1])は、東南アジア各地で9世紀ごろから行われている球技を元にした近代スポーツ。セパ(sepak)はマレー語で「蹴る」、タクロー(takraw、ตะกร้อ)はタイ語で「籐製のボール」を意味する[2][3]。籐球(とうきゅう)ともいう。1965年にアジアセパタクロー連盟が設立されて統一ルールを制定[2]。
概説
ボールを手ではなく足(キック)や頭(ヘディング)で扱う点ではサッカーや蹴鞠を連想させるが、テニスやバレーボールなどと同様、境界にネットを置いたコートを使用することから「足のバレーボール」とも呼ばれる。
トッププレイヤーのスパイクは時速140kmを超えると言われる[4]。
歴史
セパタクローの起源には諸説がある[5]。一説では、9世紀ごろに始まった、東南アジアの輪になりボールを蹴り合う遊びが発祥になったとされる[2]。11世紀にはフィリピン、ブルネイ、ミャンマー、インドネシア、シンガポール、マレーシア、ラオスなどで同様の遊びが行われていたとされている[5]。また、冒険家のマルコポーロは中国から、セパタクローとよく似た遊びを持ち帰ったと言われている[5]。
他にも、セパタクローの起源として、15世紀のマレーシア宮廷で発案されたとする説や、16世紀にタイでセパタクローが形作られたとする説もある[5]。
18世紀には、スペインの植民地政府が東南アジアの文化の中でセパタクローが重要な位置を占めていることを認識していた。また、19世紀から20世紀の初期にかけて、アメリカの植民地政府は、現在も行われているように、セパタクローが結婚式や村の祭りなどの重要な宴席で披露されていることを記録している[1]。
ルールの統一以前は、各国でそれぞれの名称、ルールで競技が行われていた[6]。主要なものとしては、マレーシアでは「セパラガ」、タイでは「ジャンクイタクロー」、インドネシアでは「ラゴ」、ビルマでは「チン・ローン」、ラオスでは「カトー」などと呼ばれていた[6]。
1965年に東南アジア競技大会で正式種目として採用されたことをきっかけに、アジアセパタクロー連盟が設立された[2]。同時に、統一ルールが制定される[2]。
1988年に国際セパタクロー連盟(International Sepak Takraw Federation, ISTAF)が設立され、以降活動が世界的に広がっていく[2]。
アジア競技大会においては1990年の北京大会以降、正式種目として採用されており、1998年の世界選手権と1998年のバンコクアジア大会で相次いで女子種目が採用された[2]。2005年にはアジアインドアゲームズでフープ種目が、2008年にはアジアビーチゲームズでビーチ種目が正式種目として採用されている[2]。
種目
- レグ種目 - 3人が1組となり対戦、2セット(1セット21点)マッチ勝敗を争う
- チーム種目 - 3レグが1チームとなり対戦、レグの勝数で勝敗を争う
- ダブル種目 - 2人が1組となり、レグ種目と同様勝敗を争う
- フープ種目 - 1チーム5人が輪になり5m上につるした籠に足、肩、頭を使って10分間にボールを入れた総数を競う種目[2]
- サークル種目 - 1チーム5人が輪になって、定められた順番で10分間のリフティング総回数を競う種目
- ビーチタクロー種目 - 砂浜で4対4の形式で行われる[2]
用具

ボールは、プラスティック製(以前は籐製であったが、1990年の北京アジア大会からはプラスチック製のものが公式球として採用[6])の籠状のものを使用する[2]。男子用は重さ170-180g、円周42~44cm。女子用は重さ150-160g、円周43~45cmと定められている[6]。
ルール
以下にもっとも一般的なレグイベントのルールを記す。
基本的にプレーヤーはネットに向かって前方に2人、後方に1人が逆三角形に位置する[6]。右側が「ライト・イン・サイド」、左側が「レフト・イン・サイド」、中央が「バック」と呼ばれている[6]。この3人1組を「レグ」と総称する[2]。
審判は審判長1人、競技審判2人、ライズマン6人で進行、運営される[6]。

コートは縦13.4m、横6.1m[2]。中央両側に高さ155cmのポストを立て[2]、丈76cmのネットを張る。ネット中央の高さは152.4cm。女子の場合は10cm低い(バドミントンと同じ広さ、高さである[2])。
コートには、センターサークル、サーバーが軸足を入れるサービスサークル、アタッカーとトサーがサーブ時に入るクウォーターサークルが描かれる。
ルールはバレーボールに似ているが、大きく異なるのは次の3点[2]。
- 手を使ってはいけない。
- 1人で連続してボールにタッチしてよい。
- ローテーションがない
ゲームは、クオーターサークルにいる選手がセンターサークルにいる選手にボールをトスし、その球を蹴って相手のコートに入れることから始まる。ボールが自分のコートにきたら3回以内のリフトでボールを相手コートに返す[2]。
攻撃側がフォルトした時はサーブ権が相手に移り、防御側がフォルトした時は相手の得点となる。
主なフォルトは、次のとおり[6]。
サーブ時(サーブ側)
- 主審が得点をコールした後に、ボールを弄んで投げない場合
- スローアーがボールを投げる際に床から足をあげたり、ラインから足が出たり、体がネットに触れたりした場合
- サーバーがサーブボールを蹴る際に、一方の足が床面に触れていないか、サービスサークルを踏み越した場合
- サーバーがボールを蹴らない場合
- サーブボールがネットを越えても、コートの外側に落ちた場合
- サーブボールがネットにかかるなどして、相手コートに入らなかった場合
サーブ時(レシーブ側)
- 相手の気を散らすような動きをしたり、、音を立てたり、怒鳴ったりした場合
試合中
- 選手がセンターラインを踏んだ場合
- 選手が相手サイドにあるボールに触れた場合
- スパイクなどのフォロースルーを除き、選手の体の一部がネットの上方または下方にかかわらず、相手コートに入った場合
- 連続して4回以上ボールに触れた場合
- ボールが手や腕に触れた場合(手と腕は肩の先端から指先までのこと)
- 脇の下や足の間、体の上でボールを抱えたり、止めたりした場合
- 選手の体の一部、または選手の身につけているものの一部がネットやポスト、競技審判の椅子などに触れたり、相手サイドに落ちた場合
- ボールが天井や壁に触れた時
- 選手が試合を不必要に遅らせた時
次のときに得点1点が与えられる。
- サーブしたボールを相手レグが取れなかったとき
- アタックしたボールを相手レグが取れなかったとき
- 相手レグがフォルトしたとき
サーブ側がフォルトした場合もしくはレシーブ側がリターンを決めた時にサーブ権の移行が行われる[6]。
ボールがインプレーでない時に、各レグは1セットにつき1回1分間のタイムアウトの取得が可能[6]。
1セット21点のラリーポイント制で、2セット先取したレグが勝ちとなる[2]。両レグが1セットずつを取った場合、3セット目(タイブレークセット)が行われ、6点を先取したレグが勝ちとなる[6]。
競技団体
- 国際セパタクロー連盟(International SepakTakraw Federation)
- アジア・セパタクロー連盟(Asian SepakTakraw Federation)
- 日本セパタクロー協会 - 1989年に日本に本格的に導入されると同時に設立[2]。1997年以降日本オリンピック委員会の準加盟団体として活動[2]。
選手
セパタクローを題材にした作品
小説
- 蹴語(西尾維新著)
コミック
アニメ
脚注
注釈
- ^ 実際にはプロトタイプ版の登場人物の1人である長野原みおの母がセパタクローに熱中している。
出典
参考文献
- Williams, Victoria R. (2015), Weird Sports and Wacky Games around the World, Bloomsbury Publishing, ISBN 9781610696395
- 中村敏雄; 高橋健夫; 寒川恒夫 ほか 編『21世紀スポーツ大事典』大修館書店、2015年。 ISBN 9784469062359。
- 北川勇人; (財)日本レクリエーション協会 編『改訂 ニュースポーツ事典』 遊戯社、2000年。 ISBN 4-89659-624-2。
関連文献
- Fan Hong; Lu Zhouxiang, eds. (2020), The Routledge Handbook of Sport in Asia, Routledge, ISBN 9780367504731
- Connolly, Paul (2007), The World's Weirdest Sports: Bog snorkelling, dwile flonking, goat grabbing and more., Millers Point, ISBN 9781921259975
関連項目
- ES League:日本のセパタクローリーグ
- サッカーテニス
- パドボール
- 足球 (韓国)
外部リンク
セパタクロー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 00:31 UTC 版)
「DECA SPORTA」の記事における「セパタクロー」の解説
1-2人。ボタンを使って遊ぶセパタクロー。試合はサーブで開始され、Aボタンでスローした後再度Aボタンを押すことでサーブとなる。また、十字ボタン上を併用することで速いサーブとなる。 十字ボタンを使って移動し、タイミング良くAボタンを押すとトスを上げられる。トスは2回までで、3回目で返球となる。Bボタンでスパイクを行い、十字ボタンを併用すると着地点を指定できる。また、守備側はBボタンでブロックできる。 「オープンマッチ」では「SET(1・3)」、「SCORE(5・11)」を設定できる。「チャレンジ」では、相手コートのパネルがデンジャーゾーンに来るまでにボールを当てるスコアアタックで、デンジャーゾーンに3回到達すると終了となる。
※この「セパタクロー」の解説は、「DECA SPORTA」の解説の一部です。
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